不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

売れない土地の特徴とは? よくある売れない理由とその対処法を徹底解説

売れない土地の特徴とは? よくある売れない理由とその対処法を徹底解説

自身にとっては特に必要性がない土地なのに、思うような価格で売却できないために「なんとなく所有し続けている」というケースがよくあります。しかし、土地を所有するからには管理責任が生じます。管理のための費用や税金など、経済的な負担も発生するため、意味もなく所有し続けるほうがマイナスになる場合もあるのです。
また、「売れない理由」を正確につかんで適した対処法を講じれば、売却の可能性を広げることができます。
この記事では、土地が売れない理由とその対処法についてご紹介していきます。

記事の目次

売れない土地を放置してはいけない5つの理由

まずは必要のない土地を持ち続けることのデメリットを紹介します。もちろん、「近隣で大規模開発が検討されている」「新たな鉄道敷設や新駅開業の可能性がある」など、価値アップが期待される場合は別ですが、単に「思うような価格で売れない」というだけで、そのまま放置していていいのか、改めて考えてみてください。

【デメリット1】土地の管理に手間や費用がかかる

所有している土地を放置していると、雑草が生えてきてしまう恐れもあります。
「雑草が生い茂ると、虫が寄ってきます。近隣に農地などがあって自身の土地が害虫の温床になれば、苦情が出かねません。また、冬場になって雑草が枯れれば、火災の発生源になる恐れもあります。自身で草刈りするのは大変な労力を伴いますし、専門の会社に除去を依頼すれば、それなりにコストが発生します。近隣の土地所有者から苦情が出ない状態を維持する必要があるので、放置したまま何もしないというわけにはいかないケースが大半です」(あゆみリアルティーサービス・田中さん、以下同)

草刈り機を使う男性

(写真/PIXTA)

【デメリット2】古家があって近隣トラブルに発展する恐れがある

土地上に住宅などの建物がある場合はさらにやっかいです。
「老朽化した木造家屋が立っている場合などは、火災の原因になったり、倒壊の恐れがあったりと、近隣の土地所有者や通行人に迷惑をかけてしまう恐れがあります。また、荒れた状態の土地や建物は、きちんと管理されていないことが一目瞭然です。不法占拠や不法侵入、不法投棄などを誘発しやすくなるという危険もあるのです」
こうしたリスクを避けるためには、土地上の建物を解体する必要がありますが、当然、解体するには専門業者に依頼する必要があり、相応の費用がかかります。さらに、解体した場合でも、【デメリット1】で触れたリスクが残ってしまいます。また、住宅用地の場合、建物を解体して更地にすると、固定資産税や都市計画税が高くなってしまうというデメリットもあります。
解体費用やその後の管理コストを踏まえても持ち続ける意味があるのか、しっかり確認する必要があるのです。

古家の近隣トラブルイメージ

【デメリット3】放置している間に土地の価値が下がってしまう恐れも

不動産仲介会社に売却を依頼したものの買い手が付かず、結果として長く放置し続けてしまうようなケースもありますが、これは土地の価値を下げることにつながりかねません。
「売却を任された不動産仲介会社は、自社サイトや不動産流通機構のネットワークシステムに物件情報をアップします。同じ情報が長期間アップされたままだと、『みんなが購入を避けるような特殊な事情があるのでは』などという疑念を抱かれかねません。そして、売れ残りイメージが定着してしまうと、実際の相場より価格設定を大幅に下げざるを得なくなるのです」

【デメリット4】土地を所有しているだけで税金を課せられる

不動産を所有していると、固定資産税や都市計画税などの税金が課せられます。つまり、所有しているだけで毎年負担が発生するのです。
「税額は、土地の立地条件などで変わります。郊外の山林などはあまり大きな負担になりませんが、市街地などでは数万円単位で課税されます。固定資産税の額は、年に一度、立地する自治体から届く納付書に記されているので確認してみましょう」
「代々引き継いできた土地なので守り続けたい」「いずれは賃貸住宅を建てて運用するつもり」など、明確な目的がある場合は別ですが、ただなんとなく持ち続けているという場合は、どうするべきかを考えてアクションを起こしていかないと、無駄な出費がかさんでしまいます。

固定資産税納付書

(写真/PIXTA)

【デメリット5】先延ばしにしていると家族にとって負の遺産になりかねない

ここまで触れてきたとおり、土地を所有し続ける上では、管理や納税などの手間・出費が伴います。売りに出せばすぐに買い手が現れるような土地ならあまり問題ありませんが、今回のテーマのような「売れない土地」の対処を先延ばしにしているうちに自身が不慮の死を迎えてしまうと、配偶者や子どもに負の遺産を遺すことになりかねません。このような可能性にも配慮し、早めに対策を講じましょう。

土地が売れない5つの理由と、その対策

ひと口に「売れない土地」といっても、売れない理由にはさまざまなケースが考えられます。そして、理由によっては相応の対策を講じることで「売れる土地」に変えられる可能性もあります。 売れない理由を正確に把握し、的確な対策を施すために、以下で、よくある売れない理由とその対策を紹介していきます。

【理由1】土地が広過ぎる

例えば同じ宅地でも、都心部など地価が高めの地域と、郊外など地価が低めの地域では、購入希望者の求める広さが異なります。そして、所有している土地が地域の平均より大幅に広ければ、価格が購入希望者の予算に見合わなくなるため、敬遠されがちです。

【対策1】分筆して需要に見合う広さにする・建売業者などに売却する

「筆」とは、土地を数えるときの単位です。そして、一筆の土地を複数に分けることを「分筆」といいます。分筆によって、地域でよく取引されるような広さに分けることで問題が解決する可能性があります。 「ただし、この手法を使えるケースは限定的です。土地をいくつにも分けてすべて売却するというのは、いわば不動産業界に属するプロの領分になるからです。一般の人が同様の行為を行うと、宅地建物取引業法に抵触する恐れがあります。例えば広い土地を2つに分けた上で、一方には自宅を構え、もう一方を売却するというくらいなら許容範囲になるでしょう」
なお、分筆する場合は、土地家屋調査士に依頼する必要がありますが、数十万円単位の費用がかかります。コスト面でも、実施する意味があるのかしっかり検討しましょう。
では、自宅は別途所有していて、とても広い土地を持て余しているという場合はどうすればいいのでしょう。
「建売業者やマンション開発業者などに話を持ちかけてみる手があります。業者から見れば、購入後、分筆や整地の手間が発生しますから、その分取引価格は安くなりますが、法律に抵触する恐れがなく、一括で処分できるというメリットがあります」

土地境界イメージ

(写真/PIXTA)

【理由2】土地が狭過ぎる・形状が良くない

土地が狭い場合は、思うような建物を建設できないなどの理由でやはり敬遠される原因になります。また、一般的に土地は方形に近いほど有効活用しやすくなりますが、逆に三角形などの不整形地だと、使い勝手の面で不人気となることがあります。

変形地住宅イメージ

(写真/PIXTA)

【対策2土地が狭過ぎる・不整形地の場合】隣接地の所有者に声をかけてみる

狭い・形状が良くないなど、所有している土地単体では有効活用しにくい場合、隣接地の所有者に声をかけてみるという手があります。
「自身の土地単体では使い勝手が悪くても、隣接地の人にとっては敷地を拡張できることになるので、可能性があります。また、隣接地の所有者に買い取ってもらうことが難しい場合でも、一緒に売りに出すことを提案することで、売却の可能性を高めるという手も考えられます」

売れない土地について隣接地の所有者に声をかけるイメージ

【理由3】隣接地との境界がはっきりしていない

境界がはっきりしていない土地は、のちに隣接地の所有者との間で境界トラブルが生じることが少なくないため、購入検討者にとっては敬遠したくなるものです。まずは、自身の土地がどうなっているのか確認しましょう。境界について関係者間で合意できている場合は、「境界確定書」を交わしているはずです。これは関係者が個々に保管するものなので、探してみましょう。そのほか、管轄の法務局で地積測量図の有無を確認する、現地で境界標の位置を確認するなどの方法もあります。

【対策3】境界確定測量を実施する

一番確実なのは、土地家屋調査士に依頼して「境界確定測量」を実施することです。ただし、分筆同様、かなりコストがかさみます。
「塀が立っている、比較的新しい地積測量図が法務局で保管されている、境界標がしっかり残っているなどで、トラブルになっていなければ、改めて境界を確定する必要がないケースもあります。また、境界が確定していない分、価格を下げるという手段も考えられます。売却を依頼する不動産仲介会社に現況を確認してもらい、どうするのがベストかアドバイスしてもらうといいでしょう」

▼境界確定測量について詳しく読む
不動産売却に境界確定測量は必要? 土地家屋調査士、測量士に払う費用は?

土地家屋調査士イメージ

(写真/PIXTA)

【理由4】売り出し価格が高過ぎる

不動産には地域相場というものがあります。当然、相場からかけ離れた価格設定にしてしまえば、買い手は現れにくくなります。
「不動産のなかでも、土地は特にシビアに比較検討される傾向にありますから、単に売主が求める金額で売り出してもうまくいかないことが多いのです」
先にも触れましたが、価格設定が高過ぎるままで放置していると、購入希望者から売れ残りイメージを抱かれてしまい、必要以上に値下げしないと売れないという事態を招きかねません。

【対策4】適正範囲を把握した上で価格設定を見直す

価格設定が高過ぎる場合、不動産仲介会社に問い合わせが入らないものです。地域相場を確かめて、適正範囲の価格設定に変えましょう。
「相場の確かめ方としては、売却を依頼している不動産仲介会社に近隣の取引事例を教えてもらう、不動産情報サイトなどで競合しそうな土地の価格を調べてみるなどが考えられます。土地の価格には、形状や広さのほかに、道路と接している部分の長さや接している道路の広さ、角地かどうかなども影響します。相場に加えて自身の土地の強み・弱みを教えてもらい、適正価格を考えるようにしましょう」 なお、不動産の取引価格については、国土交通省のサイト「土地総合情報システム」でも検索することができます。

国土交通省「不動産取引価格情報検索」画面

※国土交通省WEBサイト「土地総合情報システム」内の「不動産取引価格情報検索」画面

【理由5】不動産仲介会社の販売活動が不十分・不適切

土地に限らず不動産物件を売却したい場合、不動産仲介会社に依頼して、買い手を探してもらうのが通常の方法です。依頼を受けた不動産仲介会社の担当者は、自社の物件サイトや不動産情報サイト、不動産流通機構のネットワークシステム「REINS」に物件情報を掲載する、折り込みチラシを作成・配布するなどで、販売活動を展開します。
ちなみに、不動産仲介会社に支払う仲介手数料は成功報酬です。つまり仲介手数料は、買い手を見つけてもらった上で、その買い手と売買契約が成立してから支払うことになります。なかには、売れる可能性が低い土地だと見なして真剣に販売活動に注力してくれない不誠実な担当者に当たってしまうこともあります。また、不誠実ではなくても、土地取引に不慣れで的確な販売戦略を立案できない会社に依頼してしまうと、やはり売却が難航します。

【対策5】媒介契約や不動産仲介会社そのものを見直す

不動産仲介会社に土地の買い手を探してもらう場合、媒介契約を結ぶことになります。媒介契約には下表のように3種類あります。

●媒介契約の種類と内容
契約名称 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
概要 複数社に同時並行で販売活動を依頼できる。仲介手数料は、最終的に売買契約を結ぶことになった買い手を見つけてくれた会社だけに支払う 依頼先を1社に絞り、販売活動を専任してもらう契約形態。会社が見つけた相手と売買契約を結ぶことになったら、仲介手数料を払う 専任媒介契約同様、依頼先を1社に絞る契約形態。会社が見つけた相手と売買契約を結ぶことになったら、仲介手数料を払う
主なメリット 複数社に販売活動を展開してもらえるので、より幅広く購入希望者を募ることができる REINSへの情報登録や、2週間に1度以上の売主への活動報告が義務付けられるので、一定以上、信頼を置ける REINSへの情報登録や、1週間に1度以上の売主への活動報告が義務付けられるので、専任媒介契約よりきめ細やかな対応を期待できる
主なデメリット REINS(※)への情報登録義務や売主に対する活動報告義務がないため、誠実に取り組んでもらえているか不透明 1社に限定されるので、一般媒介契約に比べて活動の多様さに欠ける 売主が自分で買い手を見つけた場合、他の契約形態なら売主が買主と直接売買できる(=仲介手数料が発生しない)が、専属専任媒介契約は必ず仲介会社に仲立ちしてもらう契約なので、仲介手数料が発生する
※国土交通省から指定を受けた不動産流通機構が運営するネットワークシステムのこと。どの不動産会社もアクセスできるので、このシステムに物件情報を登録すれば、より広く買い手を募集できる

不動産仲介会社から見れば、一般媒介契約は他社と競争する早い者勝ちの契約なので、努力しても報われない可能性があります。加えて、売主に対する販売活動の報告義務がないため、物件情報を自社サイトに掲載するだけなど、買い手探しにあまり注力してもらえない可能性もあります。
「例えば、当初は複数社と一般媒介契約を結んでスタートしておき、より誠意的に動いてくれる会社を選んで専任媒介契約や専属専任媒介契約に切り替えるという手が考えられます。1社に任せれば、より熱意をもって臨んでもらいやすくなるでしょう」
また、ひと口に不動産仲介会社といっても、得意とするエリアや物件種別はさまざまです。今回テーマにしているような「売れない土地」の場合は特に、自身の不動産がある地域のマーケットに詳しく、土地取引に精通した会社や担当者を見つける必要があります。媒介契約の期間は最長3カ月で売主の希望で設定できるので、契約期間中に可能性を感じられなければ、会社を選び直すのも手です。 「普通に需要があるエリアなら、3カ月あれば売れるものです。一定期間任せてみた上で反響がなかったり、有効なアドバイスをもらえなかったりという場合は、会社を選び直したほうがいいでしょう。地域のマーケットや土地取引に詳しいかどうかは、売れない理由として何が考えられるのか、その対策は何か、自身の土地の場合、どのような人や会社がターゲットになるのかを聞いてみるといいでしょう。類似の取引事例などを挙げながら説得力のある説明をしてもらえるかどうかで判断してください」

値下げを検討するべき、売れない理由3つ

ここまで、よくある「売れない理由」とその対処法について紹介してきました。しかし、なかには有効策を考えづらい悪条件もあります。以下で具体例を挙げますが、こうしたケースでは値下げも視野に入れながら買い手を探すようにしましょう。

【理由1】地震や洪水などの災害リスクがある

埋立地や、かつて水田だったような場所などは、あまり地盤が強固でないことがあります。また、近年では集中豪雨や台風による水害も頻発しているため、洪水リスクへの関心も高まっています。
「国土地理院がWEB上で公開している『土地条件図』や、国土交通省が公開している『ハザードマップポータルサイト』で、所有している土地の地盤や災害リスクを確認してください」
なお、地盤が脆弱な場合は地盤改良工事で強度を高める、接している道路より土地のほうが低い場合は土盛りして浸水リスクを低減するなど、相応の対策はあります。
「しかし、いずれも高額な費用を要するため、土地を売りやすくするために売主側が対策を施すというのは現実的ではありません。リスク対策の手間や費用に配慮して、価格設定を下げるのが妥当でしょう」

「ハザードマップポータルサイト」画面

※国土交通省WEBサイト「防災ポータル」内の「ハザードマップポータルサイト」画面

【理由2】工業地帯などで用途や買い手が限られる

基本的に土地は、住宅地や商業地など、多くの需要を見込める立地であれば、その分売りやすくなります。逆に、用途や購入希望者が限られるような立地だと、売却のハードルが上がります。
「例えば周辺の生活環境が整っていないような工業地帯に土地を所有しているような場合、宅地と同じような価格設定にしていては、なかなか買い手が見つからないでしょう。工場経営者や隣接地を所有する法人など、購入してもらえる可能性の高いターゲットを想定し、適した販売戦略を立案しなければ、売却につながらないのです」

工業地帯

(写真/PIXTA)※写真はイメージです

【理由3】電気・ガス・水道などのインフラが整備されていない

山林などでは、電気やガス、水道などのライフラインが整備されていないことがあります。また、路線バスや道路などが未整備で、公共交通機関ではアクセスしづらいケースもあります。当然ながら、インフラは個人レベルでは整備できませんから、このような土地の購入希望者や用途は著しく限定されてしまいます。
ただし、自治体などが土地区画整理事業などを計画している場合や、新たな鉄道路線の敷設が検討されている場合などは、うまく売却できる可能性が高まります。土地を所有しているエリア付近で都市計画が立案されていないか、役所で調べてみましょう。

どうしても売れない場合の対処法4つ

上で紹介してきたような対策を講じても、買い手が見つからないというケースもあり得ます。ただし、記事冒頭でも触れましたが、土地は所有しているだけでコストや手間がかかります。なかには、現金化を度外視してでも手放したほうがいい場合もあるわけです。以下では、どうしても売却できない場合に考え得る手段を紹介していきます。

【対処法1】不動産関連の事業者に買い取ってもらう

普通に売却しようと思っても困難な土地でも、不動産関連の事業者なら興味を示してくれる場合があります。
「もともと買い手探しを依頼していた不動産仲介会社に買い取ってもらえるケースや、一戸建ての建売業者に買い取ってもらうケース、売却困難な土地を積極的に仕入れている事業者に買い取ってもらうケースなどが考えられます。いずれの場合も、買い取った側が手間やコストをかけて活用できる状態にするため、取引額はかなり低くなります。税金や管理コストを負担し続けるよりはマシと思える場合などに選択肢になり得ます」

【対処法2】隣接地の所有者などに譲る

先に、狭い土地や不整形地を所有している場合、隣接地の所有者に打診してみる手があると触れましたが、それでも買い取ってもらえない場合、無償で譲渡するという手段が考えられます。 「購入費用を投入してまで所有地を広げたいとは思わないものの、無償なら検討の余地があると考えてもらえる可能性があるからです。ただし無償で譲渡する場合でも、税務署が対象の土地に110万円を超える価値があると判定すると、譲り受ける側に贈与税の納税義務が生じます。また、所有者名義を変える場合は所有権移転登記の必要が生じますが、この際、司法書士に支払う報酬をどちらが負担するのかによっても話が変わってきます。これらの点をきちんと説明した上で打診しないと、後からトラブルになってしまう恐れがありますから注意してください。税理士や司法書士に相談して、贈与税や登記費用がどれくらい発生するのか調べておくとなおいいでしょう」

【対処法3】自治体に寄付する

どうしても売れない場合、所有する土地が立地する自治体に寄付を打診してみる手も考えられます。
「ただし、打診を受けた自治体は、地域や周辺住人に役立つ活用法があるか、税金を使って維持管理していく意義があるかどうかを厳しく判定します。売買代金が発生しない寄付であっても、判定の結果、受け取りを断られるケースも多いということを覚えておいてください」

【対処法4】相続の場合は、相続放棄を選択する手もある

親の死去などで、相続財産に売れなさそうな土地が含まれる場合に考え得る手段が「相続放棄」です。相続放棄すれば、対象の土地の所有者にならないため、納税義務が発生しません。
ただし、相続放棄には大きく2つの注意点があります。一つは、相続財産の取捨選択は不可能という点です。例えば、相続財産に、高値で売れそうなマンションや預貯金も含まれている場合、売れなさそうな土地だけを選んで放棄することはできません。相続放棄する場合は、他の財産も含めて一切引き継がないことになるということを覚えておきましょう。
もう一つの注意点は、土地の所有者にならなくても、管理責任を負い続ける可能性がある点です。例えば、相続人が1人しかいないなかで相続放棄した場合、相続人が複数いて全員が相続放棄した場合などは、土地の所有者にはなりませんが、管理責任は相続放棄した人に課せられます。ここでいう管理責任に明確な定義はありませんが、火災の恐れや悪臭、不法投棄などで近隣住人に迷惑がかかるような問題が生じた場合は解消を求められるでしょう。故人の債権者などの第三者が裁判所に申し立てて「相続財産管理人」が選定されない限り、相続放棄していても管理責任は負い続けることになるのです。

相続放棄イメージ

(写真/PIXTA)

不動産仲介会社や担当者の専門性の高さ・誠意が命運を握る

取材に協力いただいた田中さんは「周辺にも人が暮らしているエリアや、マツタケを採取できる山林など、何らかの経済圏にある土地ならば、まったく売れないということはないはず」と指摘します。
「どのような土地にも需要はあるもので、売りやすい・売りにくいは、ニーズを喚起できる対象が幅広いのか限定的なのかで変わってくるわけです。売りにくい要素がある土地でも、ターゲットと価格設定を的確に想定できれば、買い手を見つけられるケースは多々あります。土地取引や地域のマーケットに精通していて、多様なノウハウ・ネットワークを有した不動産仲介会社と、誠意をもって取り組んでくれる担当者を探し出せるかどうかが、命運を握っていると言えるでしょう」

まとめ

  • 土地を所有していると、特に活用していなくても管理責任や納税義務が生じるので、売れないという理由だけで持ち続けるのは得策ではない
  • 土地が売れない背景には、さまざまな理由が考えられる。売れない理由に応じた対策を講じることで、売れる土地に転化できる可能性もある
  • どうしても売れないという場合でも、現金化を諦めれば対処法がある

●取材協力・監修
あゆみリアルティーサービス
代表 田中 歩さん

1991年 三菱UFJ信託銀行(旧三菱信託銀行)入社。企業不動産のコンサルティングや不動産相続コンサルティング、不動産売買仲介などの業務に17年間従事。2009年あゆみリアルティーサービス設立。不動産相続・不動産投資コンサルティング、空き家再生投資、売買仲介などを手がける。宅地建物取引士、FP1級、MBA。

構成・取材・文/竹内太郎 イラスト/石山好宏

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