不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

新築離婚するときの財産分与、名義、住宅ローンのベストな選択

新築離婚するときの財産分与、名義、住宅ローンのベストな選択

夫婦の資産の中でも高い位置付けとなるのがマイホーム。離婚となった場合には、マイホームという資産をどう分ければよいでしょうか。夫婦のどちらかが住み続けるときには名義やローン残債についての確認も必要です。
今回は、購入から引き渡しまで時間がかかるため、財産分与のタイミングで注意点が異なる新築住宅に焦点を当てて解説します。

記事の目次

離婚届イメージ

(写真/PIXTA)

離婚したら家や財産はどうなる?財産分与の基本

財産分与は婚姻中に夫婦が形成した財産を半分ずつがメイン

まず、離婚における財産分与の基本を確認しておきましょう。
「離婚の場合には、夫婦の共同生活の中で形成されたすべての財産について価格を算出し、それを双方で分けます。婚姻後に夫婦が働いて形成した財産は、夫婦どちらの名義でも財産分与の対象となるのが基本です」と教えてくれたのは、離婚に関わる問題を数多く解決してきた弁護士の高橋瑞穗(たかはしみずほ)さん(「高」ははしごだか)。
例えば、夫の収入で購入した夫名義の住宅であっても、婚姻中の収入は夫婦の協力で得たと考えられるのでその住宅は財産分与の対象となります。「独身時代にローンを組んで購入した場合でも、婚姻後に支払いを続けた部分は財産分与の対象です」(高橋さん)

離婚時の財産分与イメージ

財産分与の対象外になるのは?

対象とならないのは「婚姻前に築いた財産です。婚姻前の預貯金のほか、婚姻中でも夫婦の一方に対して親族から贈与されたり相続した財産などは一方の特有財産になります」(高橋さん)。
「対象となる財産については、まず金額評価でプラスになった財産を合計し、それを2分の1にして双方が取得すべき金額を算出します。その後具体的にどう分けるのか、どちらがどの財産を取得するのかなどについて話し合うことになります。財産分与の割合は原則2分の1です」(高橋さん)。
分与の割合は原則2分の1ですが、離婚の原因をつくったことへの損害賠償や、場合によっては離婚後の生活保障の要素も考慮しながら、夫婦で協議して決めていくことになります。

離婚の財産分与が不動産で行われた場合、分与するほうに譲渡所得税が課せられる可能性あり

一般的に財産をもらうと、贈与税が課せられます。遺産相続の場合も、さまざまな緩和条件があるものの一定金額を超えた場合、相続人は相続税を支払う義務があります。

これに対し、離婚により、相手方から財産を分与された場合、通常、贈与税がかかることはありません。これは、相手方から贈与を受けたものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えられるからです。
「ただし、すべての事情を考慮しても、分与された財産が多すぎると税務署が判断する場合は、その多すぎる部分に贈与税がかかることがあります。また離婚が贈与税や相続税を免れるために行ったと認められる場合は、もらった財産すべてに贈与税がかかります。
財産分与を受けたほうに贈与税が課されるのは、例えば夫が所有する高額の財産のほとんどを妻に譲渡するような場合など例外的な場合と考えられます」と、高橋さん。

次に、「財産を分与するほうは、金銭で分与する場合には課税はされません。しかし、不動産を含む金銭以外の財産を分与する場合、『分与をする』ほうに、譲渡所得税が発生する可能性があります。この場合、分与した時の時価が譲渡所得の収入金額となります。不動産を『分与した』のにさらに譲渡所得税まで発生するというのは、違和感があるので注意が必要です」(高橋さん)。

離婚時に使える居住用不動産の特別控除

ただ、分与するのが居住用財産である場合は「居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例」を使えば、ほとんどの場合課税をされることはありません。この特例を使う場合、譲渡所得は以下のように計算され、確定申告が必要となります。

財産分与時の不動産の時価 -(取得費+譲渡費用)- 居住用財産の譲渡所得の特別控除3000万円

したがって居住用不動産の場合、購入した時から価格が相当に上がっているという場合でなければ、譲渡所得税は課せられないことになります。

また、不動産の分与を受けたほうが、将来不動産を売却する場合の譲渡所得税の計算において、「取得費」は、分与を受けた日の時価になり、その日を基準に長期譲渡になるか短期譲渡になるかを判定することになります。

なお、婚姻期間が20年以上の夫婦について不動産の分与が行われる場合であれば、婚姻中に贈与し、贈与をうけたほうが、これを居住用に使用することによって、2000万円の贈与税の配偶者控除の特例の適用が受けられます。これも確定申告が必要です。

ただし、いずれの場合も不動産を取得したほうは、別途、不動産取得税の課税対象となります。

収益物件の財産分与では課税される場合も

したがって、離婚後に居住用の不動産ではなく賃貸物件を分与するとき、例えば夫名義の賃貸住宅を、離婚後の生活の収入補填のため妻に分与するような場合は、分与するほうは譲渡所得税の課税対象となります。そこでその賃貸住宅が取得価格と時価で比較して譲渡益が出るようなときには、譲渡所得があったとみなされ、夫に所得税が課せられることになります。

分与にあたっての住宅の資産価値は夫婦の合意で決定

住宅を売却せず、どちらかの所有とする場合は、住宅の資産価値をいくらとして、他の資産を分けるのか、あるいは住宅を取得しないほうにいくらの資産を渡すのかが問題となりますが、お互いが合意できるのであれば、実勢価格、固定資産税評価額、不動産会社の査定価格など、何を基準にしても問題はありません。
「離婚訴訟などで資産価値が最後まで争われる場合は、最終的には鑑定になります。不動産の価格からローン残債額を差し引いて、余剰があればその余剰金額分は、財産分与の対象となりうることになります。
また夫婦の一方が、ローンの頭金を婚姻前に貯めていた預貯金から払っていたとか、親に援助してもらったり、相続で取得した財産で繰り上げ返済をしたなどという場合は、支払った金額そのままではありませんが、その支払いをした一方の分与割合が増えます。また、一方が結婚前に購入していた不動産について、結婚後もローンを支払っていた、という場合は、結婚後に形成された部分の金額を算定します」(高橋さん)。

入居前の新築物件なら、分譲価格と同じと夫婦で合意することもできます。
ただ、「実勢価格を知るために、不動産会社に査定してもらうことをおすすめします」とアドバイスするのは、不動産コンサルタントの岡本郁雄さん。「未完成の新築マンションは分譲販売から引き渡しまで、ある程度日数がかかるものです。特にタワーマンションは2~3年かかることもあり、その間に相場も変わってきます。契約した物件の残金決済と引き渡しの前でも、不動産会社への査定依頼は問題ありません。査定金額の結果で売却タイミングを検討してもいいと思います。
また、中古マンションでも市況が良ければ、新築分譲時より相場が上がって高い査定価格がつくことも少なくありません。住み続けるか売却して現金で分けるか、判断の基準になるはずです」 「一戸建ての価格査定は建物の状態でかなり違ってくる部分もあるので、地元の複数の不動産会社に査定してもらいましょう。そのエリアでの実勢価格に近い価格の目安を知っておくことが大切です」(岡本さん)

「なお、調停や裁判では不動産の市場価格よりローン残高が多い場合は、その不動産の価値は0として算定するのが一般的です。ローンについて夫婦で分割する、ということは通常は行われません。なぜなら債務を分けるためには債権者である金融機関の同意が必要となるので、実際的ではないからです」(高橋さん)

預金通帳を見て悩む女性

(写真/PIXTA)

新築離婚で知っておきたい、住宅ローンの残っている家で注意すべきことは?

住宅ローンは契約者本人が住むことが大前提

住宅ローンの支払いが残っている場合は、ローン残高とローンの契約者を今一度確認してみましょう。
投資物件向けローンやカードローンなどと比べると住宅ローンは非常に低金利ですが、契約者本人が住むことが大前提です。契約者本人が住まずに、もう一方が住むことになるときは一括返済してしまうことが一番シンプル。残債がなければ、不動産の利用方法を自由に選択できます。住宅ローン残高を確認して、可能かどうか検討してみましょう。

現実的には、「夫名義で登記された住宅があり、夫名義のローンが残っているが、妻子がそこに住み続けたいと希望することはよくあることです」と高橋さん。この場合は「夫のほうで住宅を妻子が使うことについて承諾があれば、妻子の居住が可能です(高橋さん)

住宅ローンの名義を変える場合は銀行に要相談 将来のことも見据えた合意も必要

先の例では「住宅は夫のものです。養育費の意味合いとして夫がローン支払いを続けて妻子がそこに住み続ける場合、子どもが成人したり独立したあとも妻が住み続けられるのかどうかなどについて十分に話し合い、合意したことを書面にしておくことが大事です」と高橋さん。
「住む側が賃貸料を支払っていない場合は、一般には賃貸借の場合より借主の保護が薄いので、借りられる期限などをきちんと書面にしておく必要があります」(高橋さん)

「不動産の名義を夫から妻に変更することも考えられます。不動産の名義はローンとは直接関係はないので、双方の合意があれば登記手続きは可能です。しかし、通常のローン契約においては、『名義変更の際には債権者の承諾を要する』といった内容になっている場合がほとんどです。このような約束がある場合、金融機関の承諾を得ない名義変更をすると『期限の利益喪失』となる事由にあたり、法的には銀行が残ローンを一括で請求できることになります」(高橋さん)。
「期限の利益」とは、借金の分割返済を可能とすること。喪失すると、金融機関から一括返済を求められる可能性があるので注意が必要です。

また、夫がローンの支払いを滞納すると、いずれは住宅から退去せざるを得なくなります。
「妻としては住宅の登記名義を自分に変更し、さらに住宅ローンの債務者も自分に変更して、自分で住宅ローンを支払うのが一番安心ですが、変更には金融機関の承諾が必要です。妻のほうでローンの支払い能力を証明しなければなりません。妻の所得だけで支払いが難しい場合は、夫から妻に住宅ローン相当の資金を渡してもらうしかありません」(高橋さん)

住宅ローン完済までには10年以上かかることもあるため、お互いの事情がその間に変化していくことも念頭に置かねばなりません。
「離婚時の取り決めが継続されるよう、文書にして残しておくことをおすすめします」(高橋さん)。

共有名義の解消の場合は借り換えできないことも

婚姻中に共有名義で購入した住宅も、財産分与の対象となります。住宅ローンの割合や所有権の持ち分とは関係なく、2分の1で分与することが原則です。ただし、婚姻前の貯金や親からの相続で頭金を賄った部分は、個別の特有財産として分与から除外されます。

夫婦双方で住宅ローンを借りていた場合も、残債があれば先述同様の問題があります。 離婚後に一方が住み続けるには、夫婦間で持ち分の譲渡についての売買契約を結び、新たに金融機関から審査を受けることが一般的なパターン。所得など支払い条件を満たせれば、基本的に審査はスムーズです。 条件に満たないときは、繰り上げ返済による借入額の減額や売却を検討することになります。

なお、住宅ローンを夫婦で負担するには「収入合算」と「共有名義で購入する」の二つの方法があります。
「収入合算」は夫婦の収入を合計して住宅ローン融資額を増額できる方法で、主債務者と連帯保証人(または連帯債務)の立場に分かれます。不動産の所有権は主債務者になります。
「共有名義で購入する」は夫婦それぞれが住宅ローンを支払う契約で、金額の負担に応じて所有権を持ちます。

どちらでも、離婚して一方のみが住宅ローンを負担することになる場合は、支払い能力について審査が行われることになります。

住宅ローン減税は名義人の居住が必要

最長13年間の税金控除が受けられる住宅ローン減税は、購入の負担を減らせる大きなメリットです。
住宅ローンの返済条件が変わる場合には、住宅ローンの契約者本人の居住が条件となるため注意が必要です。また、「二人で分担していたローンを借り換えて単独ローンとし、ローン残高が増額しても当初の控除額以上にはなりません。控除年数の延長もありません」(岡本さん)

売却するなら住宅ローンは一括返済

離婚とともに、住宅の売却を検討することも多いでしょう。その場合、住宅ローンは一括返済が大原則。売却予定額が住宅ローン残債より低い場合は、手元資金で補填して返済することになります。  「手元資金で一括返済ができないときは、売却は難しくなります。賃料収入が大きければ事業用ローンへ借り換えて賃貸に出すことも選択肢の一つです。ただし、金利は住宅ローンより高くなり、実現は容易ではないでしょう」(岡本さん)

新築離婚、家をどうするか~新築マンション・新築建売住宅の場合~

新築マンション・新築建売住宅の引き渡し前なら契約解除を検討

新築マンション・新築建売住宅購入時のお金の流れ

購入申込 (支払い)
     (申込証拠金)

売買契約 (手付金/物件価格の10%程度)

建物完成

引き渡し (残代金)

住宅ローンを利用する場合、引き渡し時に金融機関の融資実行を受けて残代金を支払う

新築マンションと新築の建売住宅の購入においては、申し込み時に住宅が完成していないことも多く、引き渡しまでに時間がかかることが中古物件とは違う特徴です。

新築マンションや新築建売住宅物件の購入申し込みの際には、申込証拠金の支払いを求められることがあります。
「申込証拠金は通常手付金に充当されますが、契約前であれば申込証拠金はペナルティなしで返還されます。ただ、申し込みから手付金の支払いまでの期間は1週間程度です。現実的にその期間に離婚問題で申し込みキャンセルはあまりないかもしれませんね」(岡本さん)

手付金は売買契約の締結とほぼ同時に支払います。その後、完成した建物の引き渡しを受け残代金を支払います。
「タワーマンションは、建物完成まで2、3年かかることがあります。手付金支払いから引き渡しまでの期間に購入を断念する場合は、手付金の放棄で契約が白紙撤回されます」と岡本さん。一方で「買いたいと思える物件に出合えるのは滅多にないことです。人気のマンションの抽選に当たった場合などは、離婚の事情があったとしても購入したいと思うことがあるはず。購入者を夫婦の一方から他方へ変更する、あるいは、共有名義を解消する、といった希望は売主に相談してみましょう。住宅ローンの審査が通れば、契約を引き継ぎできる可能性もあると思います」(岡本さん)

さらに、資産価値を知るために売却査定をしてみる手もあるといいます。
「住宅マーケットが変化していることがあります。査定を受けてみて分譲価格より値上がりしていたら、引き渡しを受けてから売却したほうが利益を得られるかもしれません。売却事例の多い都市部のマンションの査定は特に、精度が高くなっています。引き渡しが数カ月程度先であっても、実勢価格はさほど変化しません。引き渡し前の物件であっても、不動産仲介会社に頼めば査定は可能です。値上がり幅が大きければ、売却時の仲介手数料など事務手数料と手間を、放棄する手付金と比較して、引き渡し後の売却を検討してみてはいかがでしょう」(岡本さん)

引き渡しを受けてどちらかが住む場合は、住宅ローンを確認しよう

住宅の引き渡し後の離婚でどちらかが住むことになる場合は、住宅ローンの名義人と残債を再確認してみましょう。
「住宅ローンの債務者が住み続ける場合は問題ないのですが、住宅ローンの債務者でないほうが住み続けたい場合、住宅の登記名義を変更するのか、住宅ローンをどちらが負担しどのように支払うのかなどについて話し合うことが必要になります。新築物件を購入した直後は住宅ローンの残債が多いので、物件に住まないほうが住宅ローンの支払いを続ける場合には、その支払い状況について住んでいるほうが不安になる可能性はあります。繰り上げ返済や親族の援助が得られないかなどを検討し、住宅ローン債務者と不動産登記名義の変更ができないかを金融機関とも協議していくことになるでしょう」(高橋さん)

引き渡し後の売却は査定依頼からスタート

住宅は1日でも入居があると新築として販売広告を行うことができません。
売却の依頼は、購入した分譲会社ではなく不動産仲介会社に行います。複数の仲介会社に査定を依頼して、査定金額と各会社のサービスを比較することが王道です。都心立地のマンションでは中古のほうが高い事例もあるなど、地域の物件との比較をデータで示してくれる会社が頼りになります。
売却時には売却金から住宅ローンを返済し、抵当権抹消費用、仲介手数料等を支払います。
財産分与にあたってはそういった諸費用を差し引いた手元に残る金額を分けるのが一般的です。

「一戸建ての場合は特に、長く空き家状態にしないようにしましょう。風通しや庭木の伐採などの手入れを怠ると一戸建ては傷みやすく、その分希望価格で売れにくくなります。売却の方針が決まったら先延ばししないで早めに査定依頼をすることをおすすめします。仲介手数料は成功報酬ですので、査定だけでは費用はかかりません」(岡本さん)

住宅の設計・プランニングイメージ

(写真/PIXTA)

新築離婚、家をどうするか~注文住宅の場合~

調査実費やプラン見積もりは返還されない

注文住宅を建築する際、土地を所有していないときは土地の購入段階から、建設会社や建築士に相談するとスムーズです。その場合、土地や地盤の調査費用やプランの見積もり費用を請求されることがあります。その後離婚などで事情が変わり、建築の依頼をキャンセルすることになってもこれらの費用の返却はされません。

建築請負契約後の契約解除は非現実的

プランを作成してもらい、建築請負契約を結んだ後の契約解除は現実的ではありません。請け負った建設会社や工務店は建築資材を調達し、人手も確保しています。契約書には、違約金の条件が盛り込まれていることがほとんどです。「10%程度の建築請負契約時の契約金は戻らず、違約金も重ねて支払うことになります」(岡本さん)。
着工後の契約解除となると、建物は建築途中で放棄されることになります。建築途中での売却は現実的ではないため、完成させてから売却や賃貸に出すなどを検討したほうが得策です。

土地を買って家を建てるときのお金の流れ

【土地】
購入申込 (支払い)
     (土地調査費用)

売買契約 (手付金/土地代金の10%程度)

引き渡し (残代金)

【建物】
プラン作成  (支払い) 
   ↓
建築請負契約 (契約金/建築費の10%程度)

着工     (着工金/建築費の30%程度)
上棟     (中間金/建築費の30%程度)

完成

引き渡し   (残代金)

土地を所有していないときは、土地の購入と建物のプラン作成を同時に進行することが望ましい

融資条件の変更は金融機関と相談する

土地を買って家を建てる場合、何度かに分けて資金を用意する必要があります。 土地の購入資金と建物建築費用は、土地と建物と分けてそれぞれに住宅ローンを組む場合と、一括の住宅ローンを組む場合があります。いずれの場合も、「住宅」ローンなので、住宅の建築費用のプラン提出を求められますが、土地の購入代金や建物引き渡しまでの支払いに利用することができます。 住宅金融支援機構の【フラット35】を利用する場合は住宅の引き渡しまで融資実行されませんが、つなぎ融資を利用して土地代金などに充てることができます。

▼つなぎ融資について詳しくはこちら

注文住宅の建築を途中で解約したり、住宅所有者・居住者を変える場合に、金融機関と協議する必要があるのは新築マンション・建売住宅の購入時と同様です。売却する場合は住宅ローンの一括返済が原則です。建築主を夫から妻へ変更する場合などは、支払い能力の有無について再審査となります。

売却するなら新築のうちに

建設後に売却する方針で夫婦間で合意したら、「不動産マーケットが変化する前に、価格が想定できるうちに売却するほうがいいと思います。空き家状態が長くなってしまうと建物も傷んでしまいます。注文住宅は施主のこだわりで建築費が高額になりがちですが、売却価格にはあまり反映されないことは覚悟が必要です。ただそれでも、売るなら早いほうが良いでしょう」(岡本さん)。

新築の家を買ったばかりで離婚。後悔しないために

離婚と住まいは分けて考えてみよう

「気に入った住宅を購入することは、実はなかなか難しいことです」と強調するのは、岡本さん。「立地のいい新築マンションは希望しても抽選に当たらない状況が続いています。離婚をする上で、返済能力があれば夫婦のどちらかが引き渡しを受けるケースもあるでしょうし、さらに共働きで夫婦どちらも収入が高ければ、離婚後どちらが所有権を持つか揉めるケースもあるでしょうね」
離婚後も住み続けたい気持ちが強ければ、住宅ローンの支払いや名義などの問題があったとしても、まず、解決策を検討したほうが後悔が少なくなりそうです。

専門家の手を借りよう

「不動産については、やはりまず、不動産会社に査定をしてもらい実勢価格を知ることが大事だと思います」と岡本さん。「売るか貸すか、住むか引越すか、悩んでいる場合でも、複数の会社から意見を聞いてみることで自分たちに良い選択肢が見つかるはずです。早く売却してしまいたいときは買取をしてくれる会社もあります。買取の場合は仲介物件として売却するより1~2割安くなるといわれていますが、中古マンションが不足しているエリアでは仲介での査定価格と乖離しない価格で売買されるケースが増えています」「子どもの通学などの事情を含めた引越し先のアドバイスも、地元の不動産会社は得意です」(岡本さん)

また、離婚そのものや財産分与については、こじれる前に法律の専門家に相談するのがおすすめです。
「双方だけで財産分与に合意できればそれがベストですが、なかなか合意ができない場合には、こじれる前に相談に来てください」と高橋さん。「法律事務所により違いますが、30分あたり5000円程度としている事務所が多いようです。経済的に余裕がない場合は、無料で相談できる『法テラス』という国の制度もあります」
「相談時には、結婚から離婚に至るまでのできごと、家族構成、双方の収入、住宅ローン返済などをメモでもいいので用意しておくと30分を有効に使えます。戸籍謄本、不動産の登記事項証明書、住宅ローン返済表などの資料も用意できれば、より詳しい打ち合わせができます」(高橋さん)

離婚時の専門家への相談イメージ



財産分与で後悔しないためには多少の知識も必要です。専門家にアドバイスを求めることも一考してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 離婚での財産分与は、婚姻中に築いた財産を2分の1ずつ分けることが原則
  • 不動産の資産価値算定は、双方の合意ができる方法でよい
  • 住宅ローンが残っていて名義人が住まない場合は、一括返済と名義人変更がシンプル

●取材協力・監修
不動産コンサルタント 岡本郁雄(おかもと いくお)さん

ファイナンシャルプランナーCFP®、中小企業診断士、宅地建物取引士、公認 不動産コンサルティングマスター。1989年にリクルート入社、不動産コンサルティング会社などを経て2004年に独立。不動産領域のコンサルタントとして、マーケティングやコンサルティング、住まいの選び方などに関する講演や執筆、メディア出演など幅広く活躍中。神戸大学工学部卒。

弁護士 高橋瑞穗(たかはし みずほ)さん
山下法律事務所所属。神奈川県内の家庭裁判所家事調停委員。横浜市男女共同参画相談センターの専門相談委員、神奈川県労働委員会公益委員なども務めている。東京都立大学法学部卒。

構成・取材・文/池上香夜子 イラスト/石山好宏

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