不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

都市計画税と不動産売却。損をしないための全知識と清算方法

都市計画税とは、原則として、都市計画区域のうち市街化区域内にある土地や家屋に対して課せられる税金のこと。都市計画区域内に不動産を所有していると、毎年固定資産税とともに納める義務が発生します。また売却時には、これらの税金が売主と買主の間で清算されるのが一般的です。売却時に損をしないためにも、都市計画税について、知っておくべきポイントを押さえておきましょう。今回は税理士の池田里美さんの監修の下、都市計画税の基本知識から、売却時に必要な手続きや注意点まで解説します。

都市計画税と不動産売却。損をしないための全知識と清算方法

記事の目次

都市計画税とは

都市計画税とは、都市計画事業や土地区画整理事業を行う市区町村が、都市計画区域内にある土地や家屋に対して、その事業に必要となる費用に充てるために課す税金です。なお、東京23区の場合は東京都に納めます。

都市計画税の目的

納税された都市計画税は、市区町村の発展のため、都市計画事業や土地区画整理事業など、決められた一定の事業に使われます。
具体的には、都市計画において定められた道路などの整備や、公園や緑地、広場などの公共施の整備、さらに水道や電気、ガス、下水道、ゴミ処理場など、生活に欠かせない公共施設の整備等に充てられます。

都市計画税の目的例としての道路

都市計画税は都市計画において定められた道路などを整備する費用に充てられる税金です(画像/PIXTA)

都市計画税の目的例としての公園

公園や緑地、広場などの公共施設にも都市計画税は充てられます(画像/PIXTA)

都市計画税の目的例としての水道

そのほか、水道、電気、ガス、下水道、ゴミ処理場など、生活に欠かせない公共施設に充てられます(画像/PIXTA)

納税義務者と課税対象

都市計画税を納めなければならない人(納税義務者)は、「市街化区域」内に土地や家屋を所有している個人や法人です。

毎年1月1日時点で、市街化区域内に土地や家屋を所有している人が納税義務者となります。

税額は固定資産税の課税標準額(固定資産評価基準に基づき算定された土地または家屋の価格)に対して、税率0.3%(制限税率)を掛けて算出されます。

市街化区域とは?

都市計画税は「市街化区域」内に土地や家屋を所有している個人や法人が納税義務者となりますが、そもそも「市街化区域」とは何でしょうか。
市街化区域とは、都市計画法によって「すでに市街地を形成している区域」または「おおむね10年以内に計画的に市街化を図るべき区域」と定められたエリアを指します。
市街化区域を決めるのは、広域な観点からは都道府県知事が、具体的な土地の使い方は市町村の長が決定します。
市街化区域は道路や公園、下水道などの公共施設の整備が重点的に実施されます。

同じような名称に「市街化調整区域」がありますが、主な違いは下記の通りです。

市街化区域と市街化調整区域の違い
名称 区域の特徴
市街化区域 すでに市街地を形成している区域、またはおおむね10年以内に計画的に市街化を図るべき区域
市街化調整区域 市街化(宅地化などの開発のこと)を抑制するために決められた区域

なぜ都市計画税は市街化区域に限定されるのか?

都市計画税は、道路や公園、上下水道といった市街地の整備に必要な財源を確保するための税金です。そのため、市街地化を推進するエリアである「市街化区域」内の土地や建物に限定して課税されます。

固定資産税と都市計画税の違いは大きく3つ

都市計画税と納税対象や納付時期が似ているのが固定資産税です。しかし、都市計画税と固定資産税は、言わば似て非なるもの。ここでは2つの税金の違いについて解説します。

目的の違い

都市計画税は、自治体による都市計画事業や土地区画整理事業など、特定の事業に使うための「目的税」です。
具体的には、都市計画税は市街化区域内の道路や水道、公園など公共施設の整備などに充てられる税金です。
都市計画事業とは、国土交通大臣又は都道府県知事の認可(都市計画事業認可)を得て実施される都市計画施設の整備に関する事業を指します。
また、土地区画整理事業は都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善および宅地の利用の増進を図るための、区画の整等や、公共施設の新設などに関する事業です。

これに対して固定資産税は、使い道が決められていない「普通税」です。課税する自治体の区域全体の道路や水道、公園などの整備、介護・福祉や図書館の運営、ごみ処理施設の管理など、住民の日常生活を支えるために必要な、ほぼすべての公共サービスや事業に充てるための財源になります。
このように、重なる使途があるものの、都市計画税と固定資産税は、課税の目的が異なります。

課税対象資産の違い

都市計画税の課税対象は、都市計画区域のうち市街化区域内に限定された土地と家屋です。
それに対して固定資産税の課税対象は、その自治体の区域全体に存在する土地、家屋、そして償却資産(事業用の機械や備品)です。

都市計画税の課税対象となる資産が「市街化区域内」に限定されていることと、償却資産は対象ではないことが、固定資産税との違いです。

ちなみに、償却資産とは「土地および家屋以外の事業の用に供することができる資産」のことをいいます。例えば、法人が所有するパソコンやコピー機、陳列棚などです。

課税対象資産の違い
種類 課税対象
都市計画税 市街化区域内にある土地および家屋
固定資産税 土地・家屋および償却資産

税率の違い

都市計画税と固定資産税は、ともに「課税標準額」に各自治体で規定された税率を乗じて算出されますが、その際の税率が異なります。
都市計画税の税率は「0.3%(制限税率)」、固定資産税は「1.4%(標準税率)」です。

制限税率とは「徴収する自治体が課税できる税率の上限」という意味で、都市計画税の場合0.3%以内であれば、各自治体の条例により自由に定めることができます。実際に、0.3%以下の税率で徴収している自治体はいくつもあります。

また、標準税率とは「地方団体が課税する場合に通常よるべき税率」です。ひらたく言うと「皆さんこの税率にしましょう」という目安です。固定資産税は都市計画税のように制限税率ではありませんから、1.4%を上回る税率を定めている自治体もあります。

なお、どちらも下記の通り、「課税標準額が一定の額に満たないものについては課税をしない」という「免税点」があり、その額は同じ(都市計画税は土地と家屋のみ)です。

税率の違いと免税点
種類 税率 課税標準額の免税点
都市計画税 0.3%(制限税率) 土地:30万円未満
家屋:20万円未満
償却資産:150万円未満(固定資産税のみ)
固定資産税 1.4%(標準税率)

土地や建物の固定資産税の軽減措置とは?概要や申請手続きを完全ガイド

都市計画税の計算方法と納税タイミング

都市計画税の税額の計算方法や、納税のタイミングを確認しておきましょう。

税額の計算方法

都市計画税の税額は次の式によって求めることができます。

都市計画税の税額 = 課税標準額 × 制限税率(0.3%以内)

「課税標準額」とは、「固定資産評価基準に基づき評価された土地または家屋の価格」(以下「固定資産税評価額」)を基に、特例などを適用することで算出されます。
「固定資産税評価額」は固定資産税の課税標準の基になる評価額と同じです。

また、都市計画税の税率0.3%は徴収する自治体により税率が異なります。納税通知書や自治体のホームページなどで確認しておきましょう。

なお、課税標準額を算出する際の基になる「固定資産税評価額」は3年に1回、評価が見直されます。これは評価が不動産の時価になるべく沿うようにするためです。

納税時期

都市計画税の納税通知書は毎年4月から6月頃に、固定資産税とともに届くのが一般的です。

納税通知書が一緒に送付されるのは、どちらの税金も、毎年1月1日時点の土地と家屋の所有者に対して課税されること(固定資産税は償却資産も対象)や、税額を計算する際の基礎となるのが同じ固定資産税評価額であることなど、共通点が多いことが理由と考えられます。

納税方法

都市計画税・固定資産税の支払い方法は、「一括払い」と、年4回の「分割払い」の二通りあります。

分割払いの納税期限は、各自治体で異なりますが、一般的には下記のような時期になります。

分割払いの納付期限の目安
分割払いの期別 納付期限の目安
第1期 4月〜6月
第2期 7月〜9月
第3期 12月
第4期 翌年1月〜2月

正確な納付期限は、毎年4月から6月頃に送付される納税通知書に記載されていますから、必ず確認してください。
また、支払い方法は現金払い(役所の窓口、指定の金融機関やコンビニエンスストア等)のほか、口座振替やクレジットカード、スマートフォン決済アプリ等が利用できます。詳しくは納税通知書や各自治体のホームページ等で確認しましょう。

住宅用地に適用される重要な軽減措置

都市計画税および固定資産税には、下記のような軽減措置があります。

住宅用地の特例

「住宅用地の特例」とは、住宅やマンションの敷地になっている土地(住宅用地)の税負担の軽減を図るために設けられている特例です。
具体的には市町村(東京23区は東京都)が算定し、固定資産課税台帳に登録する「固定資産税評価額」を、下記の表の区分に応じて減額して、都市計画税や固定資産税の税額を算出する際の基礎となる「課税標準額」を算出します。

住宅用地は、面積に応じて「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」の2つに分けられます。

特例の対象となる土地と軽減率
特例の対象となる土地 都市計画税 固定資産税
小規模住宅用地
(住宅用地で住宅1戸につき200m2以下の部分)
固定資産税評価額×1/3 固定資産税評価額×1/6
一般住宅用地
(小規模住宅用地以外の住宅用地)
固定資産税評価額×2/3 固定資産税評価額×1/3

住宅1戸につき最大200m2までが「小規模住宅用地」となります。マンションの場合、例えば30戸のマンションであれば、最大200m2×30戸=6000m2(約1815坪)までが「小規模住宅用地」となります。そのため、このマンションの場合、敷地面積が6000m2以下であれば、「小規模住宅用地」に該当し、各住戸の区分所有者の都市計画税の計算には「固定資産税評価額×1/3」が適用されます。

また、二世帯住宅も一定の基準を満たせば「2戸」扱いになります。その場合、200m2×2戸=400m2までが小規模住宅用地になります。

この特例は、国民が安心して住み続けられるように、あるいは住宅を建てられるように、税負担を軽減しようという目的で制定された特例です。あまりにも地価が高くなれば、それに応じて固定資産税評価額が高くなるため、そのままでは誰も住み続けることができなくなります。そのため、土地に住宅が建っている場合のみ、この特例が適用されるのです。

もしも建物を壊して1月1日時点で更地にしてしまうと、この特例の軽減措置が受けられず、都市計画税なら1/3や2/3の減免措置がなくなるので、最大で3倍(課税対象が小規模住宅用地のみだった場合)になります。

後述しますが、売却の際は、売却年の都市計画税や固定資産税を売主と買主で日割り清算するのが慣例ですから、この特例の軽減がなくなれば、売主・買主ともに家がある状態の時より負担が増えます。そうなると、売却時の売値にも影響を与えかねませんので、注意が必要です。

住宅用地の特例の計算例

住宅用地の特例でどれだけ都市計画税が軽減されるのか、下記の条件で具体的な計算例を見てみましょう。

【土地や建物の条件】

  • 土地面積:500m2
  • 土地の固定資産税評価額:1000万円
  • 建物:敷地面積100m2の住宅一戸
  • 建物の固定資産税評価額:300万円

①土地の固定資産税評価額を小規模住宅用地と一般住宅用地で按分する。
小規模住宅用地:200m2
1000万円×(200/500)=400万円
一般住宅用地:300m2
1000万円×(300/500)=600万円

②「住宅用地の特例」により、小規模住宅用地と一般住宅用地それぞれの課税標準額を算出する。
小規模住宅用地
400万円×1/3
=133万3333…円
一般住宅用地
600万円×2/3
=400万円

③小規模住宅用地と一般住宅用地の課税標準額を足し算する。
土地の課税標準額=小規模住宅用地の課税標準額+一般住宅用地の課税標準額
=133万3333…円+400万円
=533万3333…円

④土地の課税標準額に、建物の課税標準額を加える。
533万3333…円+300万円
=833万3333…円
→1000円未満は切り捨てる
=833万3000円

⑤上記を「都市計画税=課税標準額×0.3%」に当てはめる
833万3000円×0.3%
=2万4999円
→100円未満は切り捨てる
=2万4900円

つまり、この場合の都市計画税は2万4900円となります。

なお、課税標準額を算出する際に「1000円未満切り捨て」、税額を算出する際に「100円未満切り捨て」と定められています。

都市計画税の計算例

固定資産税の計算をシミュレーション | 計算方法や安く抑える方法を具体例を元に解説(土地・建物)

空き家の固定資産税・都市計画税は高くなる?

2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」、および2023年の同法の改正により、適切な管理が行われていない空き家は、市区町村から「特定空き家」または「管理不全空き家」に指定されることがあります。

「特定空き家」とは、「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」または「著しく衛生上有害となるおそれのある状態」等で、「周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にある」と市区町村が認めた空家を指します。
また「管理不全空き家」とは、そのまま放置すれば特定空き家になるおそれがあると、市区町村が認めた空家を指します。
「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、その空き家は住宅用地の特例から除外されます。そのため更地にした時と同様に、都市計画税や固定資産税が高くなります。

「特定空き家」または「管理不全空き家」は、そのように指定されるほど老朽化していたり、放置されていた家屋ですから、そもそも不動産としての資産価値が低いはずです。その上、都市計画税や固定資産税が高いのでは、なかなか売却は思うように進まないでしょう。

もしも相続などで手に入れた空き家があるなら、「特定空き家」等に指定されないよう、普段から定期的に手入れを行い、早めに売却するようにしましょう。

特定空き家・管理不全空き家に指定された家のイメージ

「特定空き家」または「管理不全空き家」に指定されると、住宅用地の特例から除外され、都市計画税や固定資産税が跳ね上がるので、注意が必要です(画像/PIXTA)

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不動産売却時の都市計画税の清算における注意点

不動産を売却する際、売却年の都市計画税は売主と買主で日割り清算するのが慣例になっています。その方法や注意点を解説します。

納税義務の原則

都市計画税は、固定資産税の納付通知書とともに、その年の1月1日時点の所有者(売主)に届きます。その税金はすべて売主が支払う義務があります。
納税通知書は毎年4月から6月頃に、固定資産税とともに届くのが一般的です。支払い方法は、一括納付か、4期に分けて納付します。

慣習としての日割り清算

都市計画税は、固定資産税と同様に、売主と買主で日割り清算するのが一般的です。法的な義務ではありませんが、不動産業界の慣習となっています。
なぜなら、納税義務者の感覚と実際の負担期間にズレがあるためです。

都市計画税も固定資産税も、その年の1月1日に不動産の所有者(売主)に対して、1年分すべての納税義務が課せられます。たとえ年の途中で不動産を引き渡しても、所有者(売主)にのみ納税する義務があります。

しかし、年の途中で不動産を買主に引き渡したにもかかわらず、その後の税金も売主が全額負担するのは、公平性を欠くといえるでしょう。
そこで、売主・買主ともに、所有した期間分の税金をそれぞれが負担するために、日割り清算が慣習となったのです。
都市計画税の日割り清算は、一般的に固定資産税の清算と合わせて行われます。
また、日割り清算して算出された買主の負担金を、売主に支払う形が一般的です。

都市計画税と固定資産税の日割り清算

都市計画税と固定資産税の日割り清算は、売主・買主の負担をなるべく公平にするための商習慣です(画像/PIXTA)

清算金の計算方法

都市計画税の日割り清算の計算方法は下記の通りです。

①年間の都市計画税額を確認する
まず、その年度の都市計画税額を納税通知書で確認します。

②起算日と清算期間を決定する
売主と買主の間で、日割り計算を始める「起算日」と、引渡し日(所有権移転日)を基準とした負担期間を決定します。

起算日とは、言わば日割りする際のスタート地点で、地域によって「1月1日」または「4月1日」の2種類あります。それにより、日割り清算する具体的な期間が下記のように変わります。

起算日と清算期間の違い
起算日 清算期間
1月1日(関東地方などに多い慣習) 1月1日〜12月31日
4月1日(関西地方などに多い慣習) 4月1日〜3月31日

どちらにするかは売買契約書で合意します。

③売主・買主の負担日数を算出する

決定した起算日と清算期間に基づいて、売主と買主のそれぞれの負担日数を数えます。

例えば起算日が1月1日で、引渡し日が「8月15日」なら、売主・買主の負担日数は下記のようになります。
売主:1月1日〜8月14日=226日
買主:8月15日〜12月31日=139日

年間日数は、原則として365日としますが、閏年であれば366日とする場合もあります。これも契約の際に確認しましょう。

④日割り清算額を計算する

以下の計算式を用いて、売主と買主それぞれの負担額を算出します。

負担額=年間の都市計画税額×(負担日数/年間日数)

この計算で算出された買主負担分が、清算金として売主に支払われます。

基本的に、日割り清算で算出する負担額は「買主分」のみです。

起算日の違いで負担額が変わる

起算日が1月1日と4月1日では、負担額が異なります。次の設定において、それぞれ具体的な計算例で確認してみましょう。

実際に算出するのは「買主分」のみですが、ここでは分かりやすいように、売主分も併記します。

条件
年間の都市計画税額:50,000円
引渡し日:8月15日
年間日数:365日

起算日による負担期間の違い

引渡し日が8月15日の場合、売主側から見ると起算日が1月1日のほうが負担期間が長いため、その分負担額が多くなります

●起算日が1月1日の場合

売主の負担日数: 1月1日 ∼ 8月14日(226日)
買主の負担日数: 8月15日 ∼ 12月31日(139日)

売主の負担額
5万円×(226日/365日)
=3万958.90410……円
小数点以下を四捨五入して
3万959円

買主の負担額
5万円×(139日/365日)
=1万9041.09589……円
小数点以下を四捨五入して
1万9041円

●起算日が4月1日の場合

売主の負担日数: 4月1日 ∼ 8月14日(136日)
買主の負担日数: 8月15日 ∼ 翌年3月31日(229日)

売主の負担額
5万円×(136日/365日)
=1万8630.13698……円
小数点以下を四捨五入して
1万8630円

買主の負担額
5万円×(229日/365日)
=3万1369.86301……円
小数点以下を四捨五入して
3万1370円

なお、1円未満の端数の、切り上げ、切り捨て、または四捨五入などは地域性や仲介不動産によって異なり、売主・買主間の合意によって処理されます。上記の計算例では四捨五入で算出しています。

都市計画税の起算日の違いによる負担額の計算例
起算日 売主 買主
1月1日 負担額:3万959円
(負担期間:226日)
負担額:1万9041円
(負担期間:139日)
4月1日 負担額:1万8630円
(負担期間:136日)
負担額:3万1370円
(負担期間:229日)

売買契約書での確認

都市計画税の日割り清算は、あくまで商習慣であり、法律的な根拠はありません。極端なことを言えば、日割り清算をしなくても法的には問題ないのです。そのためトラブルになることがありますから、売主・買主の合意と、それに基づく売買契約書の作成が重要です。双方の認識が異なっているともめ事の原因になりかねませんから、その内容をしっかりと確認しておく必要があります。

特に、日割り清算の起算日は注意が必要です。日割り清算金の起算日を1月1日にするか、4月1日にするかでそれぞれの負担額が変わってくるからです。

また、固定資産税・都市計画税の税額は通常4月以降に通知されるため、契約が3月1日など、まだ当該年の税額がはっきりしていない時は、事前の合意と契約書への反映、およびその確認が重要になります。

このような場合、前年度の税額を基に計算するのが一般的です。
清算額の根拠となる税額について、納税通知書が届いていない時期でも、4月1日以降に役所へ行けば、固定資産税課税台帳で調べられる可能性があります。これを基に清算の協議を進める場合もあります。

いずれにせよ、そもそも日割り清算はあくまで慣習的な清算方法であり、具体的な清算方法や金額の決定は、最終的には契約次第です。担当の不動産会社に具体的な清算方法と起算日について、事前に十分に説明してもらうようにしてください。

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まとめスーモくん

  • 都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業など、特定の事業に使うための「目的税」
  • 都市計画税は、「市街化区域」内にある土地と家屋の所有者に課せられる
  • 都市計画税の税率は「0.3%(制限税率)」
  • 都市計画税は「住宅用地の特例」によって軽減される
  • 土地や家屋を売却する際、当該年の都市計画税は売主・買主で日割り清算するのが慣習となっている
  • 後のトラブルを防ぐためにも、日割り清算の取り決めなど、売却時には売買契約書での確認が重要になる
●取材協力
池田 里美さん

税理士、ファイナンシャル・プランナー。池田里美税理士事務所代表。相続・不動産関連の税務やコンサルティングに携わり、セミナー講師や執筆も多数
●構成・取材・文/籠島康弘
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