不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

土地を不動産会社に買取してもらうメリット・デメリット。仲介との違いは?

土地を不動産会社に買取してもらうメリット・デメリット。仲介との違いは?

相続で所有することになったが、住むこともなく必要がない土地。
住み替えのため、売却したい土地。
かつて借地で貸していたが今や空き地となった土地。
このような土地を売ることに決めたとき、不動産会社の仲介で売却するか、それとも直接不動産会社に買取をしてもらうかの2つの方法があります。
ここでは、土地買取のメリット、デメリットを紹介。
一般的な仲介による売却とどこが違うのか、どちらを選べばおトクなのか、詳しく見ていきましょう。

記事の目次

土地を売却する方法は、仲介と買取の2種類

仲介と買取。どこがどう違う

不動産会社が土地の所有者である売主と媒介契約を結び、不動産市場で買主を探し出して売却するのが、いわゆる仲介(媒介)による売却方法です。

一方、買取とは不動産会社が土地を査定をし、買取価格を売主に提示することによって、売主と買主である不動産会社が直接契約を結び売却する方法です。

不動産売却の仲介と買取イメージ

不動産会社の仲介で土地を売却する方法

1、複数の不動産会社に査定を依頼する

仲介による売却では、売却の査定価格は不動産会社によって違います。
そこで、まず、複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格を知る必要があります。
査定には依頼を受けた不動産の基本情報だけで、過去のデータをもとに売却可能価格を算出する簡易査定(机上査定)と、現地調査等を通じて、より正確に売却可能価格を算出する訪問査定(詳細査定)があります。

不動産会社から提示される売却提案書には、査定金額はもちろん、どのような広告を出して、どのような販売活動を行い売却するのかといったことが書かれています。
複数の不動産会社からの提案の内容を比べて、仲介を依頼する不動産会社を選びましょう。

土地の売却価格査定例を見る

2、不動産会社と媒介契約を結ぶ

仲介による売却を依頼する不動産会社が決まれば、媒介契約を結ぶ必要があります。
媒介契約とは、売主と仲介(媒介)を行う不動産会社との業務契約です。
不動産会社が依頼を受けた不動産を販売するためにどのような業務を行うのか、あるいは反響等の売主への報告の頻度や方法、報酬の取り決めなどが記載されています。
媒介契約には次の3つの種類があります。

■一般媒介契約
複数の不動産会社へ媒介を依頼できる契約です。契約期間についても法律上の取り決めはなく、他のどの不動産会社との契約があるかを通知する明示型と、他のどの不動産会社と契約したかを通知しない非明示型があります。

■専任媒介契約
1社のみしか契約できない媒介契約です。自分で探し出した買主とは不動産会社を通さず契約可能。期限は3カ月以内。指定流通機構(レインズ)への登録義務あり。2週間に一度の頻度で仲介業務の報告義務があります。

■専属専任媒介契約
売買契約はすべて媒介契約をした1社を媒介としなければなりません。期限は3カ月以内。指定流通機構(レインズ)への登録義務あり。1週間に一度、仲介業務の報告義務があります。

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(写真/PIXTA)

3、不動産会社に仲介手数料を支払う

仲介業務によって、不動産会社は物件の買主を、市場を通じて探します。
販売価格などの売却条件と、買主の希望が一致した場合、不動産会社が引き渡し日などの調整を行います。
その後、売買契約の締結、代金の決済、物件の引き渡しとなり、取引は終了します。
その際、売主は媒介契約に基づき、仲介手数料を不動産会社へ支払います。 仲介手数料は、宅地建物取引業法にその上限が決まられており、額は以下のとおりです。

取引価格(物件価格)*税別 報酬額
200万円以下 取引金額×5%
200万円を超え400万円以下 取引金額×4%+2万円
400万円超 取引金額×3%+6万円

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(写真/PIXTA)

不動産会社に土地を買取してもらう方法

1、買取をしてくれる不動産会社に査定を依頼

土地の買取をする不動産会社は、その業態によって土地の利用方法が異なります。
立地や、土地の面積にもよりますが、買い取って分譲住宅を建てる、あるいはアパートやマンションを建てるなど、事業用途はさまざまです。
それぞれ違った事業用途を持つ不動産会社によって、仕入れ価格である買取価格は当然違ってきます。
まず、不動産会社による買取を希望する場合、複数の不動産会社に買取価格の査定を依頼しましょう。

2、査定額に納得できたら売買契約を結び、引き渡す

査定価格に納得し、引き渡し等の条件で合意が得られたら、不動産会社との間で売買契約を結びます。
代金を決済し、引き渡せば土地の売却は終了です。

売買契約イメージ

不動産会社に土地を買取してもらうメリット

土地の査定から決済まで短期間

不動産会社の仲介による売却では買主の出現を待つ必要があります。
それに比べて不動産会社による土地の買取では、査定を行った不動産会社が直接の買主になりますので、買主の出現を待つ必要がなく、価格など条件が合えば手続きは進みます。
査定から決済まで短期で済むのが、買取による売却です。
土地の売却理由が資金的な事情である場合などでも、売却代金は最初から確定しており、現金化できるまでが短期間で済むというメリットがあります。

仲介手数料が不要

土地の買取では、売主と不動産会社との2者間での取引となります。
したがって、仲介手数料は必要ありません。
売却価格が3000万円の土地で、96万円(税別)というのが、宅地建物取引業法に決められた仲介手数料の上限で、売却にかかる費用としては最も大きく、これが不要となります。

土地の上にある古家を解体しなくてよい

建築後25年程度を経過した建物は、売却時の査定価格はゼロとなり、土地のみの評価額となります。
そういった古家が建っている土地は仲介で売る場合に古家を解体してから売ったり、解体費用分について売却価格の値下げ交渉を受けたりすることがあります。
買取を行う不動産会社では、解体費をあらかじめ費用として計上して買取価格を提示します。
補修や修理の必要もなく、建物は現状そのままで引き渡し、売却できます。

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(写真/PIXTA)

土地の確定測量が不要

土地を売却する場合、正確な土地面積を知ることはとても重要となり、そのためには土地の面積を正確に測る測量が必要になる場合があります。
測量には、隣地所有者との合意を得ず土地の境界を決め、測る現況測量と、土地の境界を同意を得て確定する確定測量があります。
土地を不動産会社による買取で売却する場合、売主側であらかじめ確定測量をする必要はありません。
ただし、売却する土地の地積測量図面が法務局にない場合、登記簿に記載された土地の地積が古く、正確でない場合など、現況測量(仮測量)の図面は作成しておく必要はあります。
現況測量図面があれば、スムーズに売却の交渉が進めやすくなります。
現況測量図面作成の費用としては、一般的な100m2程度の整形地の宅地の場合、10万円程度の費用です。

また、買取をする不動産会社は、買取後確定測量を行います。その前提として、隣地との境界をめぐる争いがないことが前提となります。
買主である不動産会社が分譲住宅の建築を目的としている場合、確定測量後分筆登記を行いますが、そのときに境界(筆界)確認書に、隣地所有者の承諾の印鑑が必要となります

価格がすぐ確定するから必要資金のめどが立ちやすい

仲介による売却の場合、売却によって入ってくる金額は当初未確定の場合が多くあります。
出現した買主によっては、価格交渉の余地が生まれてくるからです。
比べて買取による売却では、査定価格を承諾し、後は引き渡し日などの条件が整えば、価格や決済日も確定します。
売却金額から費用を差し引き手元に残る金額が、当初から確定する買取は、売却による必要資金が決まっている場合など、めどが立てやすいと言えます。

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(写真/PIXTA)

瑕疵担保責任免責の契約も可能

不動産の取引において、売主は売買の対象物に外からは見えない欠陥がある場合、その責任を問われる場合があります。これを瑕疵担保責任と言います。
建物ではなく土地を売却する場合でも、地中埋設物や土壌汚染などがそれにあたります。
しかし、宅地建物取引業法によって瑕疵担保責任が規定されているのは、買主が個人の場合のみです。
不動産買取の場合、買主が不動産会社(宅地建物取引業者)のため、この瑕疵担保責任が免責になります。

再建築不可など、仲介で売れづらい物件でも買い取ってもらえる場合も

建築基準法上、接道義務を果たさない土地、車の進入ができない土地などは、一般の市場では、仲介による売却ができない、あるいは買主が現れるまで時間がかかるなど、売却に困難が伴います。
買取では、不動産会社はさまざまな手法で、土地の再生、再販をはかるため、このような土地でも、買取が可能になる場合もあります。

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(写真/PIXTA)

不動産会社に土地を買取してもらうデメリット

土地の売却価格が市場価格の7割から8割

土地の買取価格は市場での売却に比べて低くなります。
これが最大のデメリットです。
買取の不動産会社は、買い取った土地を分割して分譲する、あるいは、アパートやマンションなどの集合住宅を建てるなど、不動産会社によってその手法はさまざまですが、仕入れにあたる買取価格は、おおよそ土地の市場価格の7割から8割の金額となります。

土地をより高く売却するコツ

可能な限り、仲介で売却する

土地を買取で売却しようとすれば、売却価格は相場金額より低くなるのが普通です。
大切な資産である土地を売却しようとするならば、計画的に売り出すタイミングを考え、相場金額を意識した価格設定などを行い、不動産会社に仲介を依頼し一般市場での売却をめざしましょう。

「即時買取」ではなく「買取保証」を選ぶ

売却を決めた当初から、買取専門の不動産会社に買取査定を求めるのが「即時買取」。
仲介での売却を行う不動産会社に仲介での売却を依頼し、希望額での売却活動を行い、買主が現れない場合に最終的に当初約束した金額で不動産会社に買い取ってもらうのが「買取保証」です。
土地を買取で売却する場合でも、まずは買取保証を付けた仲介での売却を目指すのが、少しでも高く土地を売却するチャンスを逃さない方法と言えるでしょう。

■即時買取
買取専門会社による買取です。
土地の査定を依頼し、条件等で合意すればすぐに現金買取してもらえます。
一般的に買取といえば、この即時買取を意味します。

■買取保証
仲介業務も手掛ける不動産会社によって、一定期間市場で希望額での売却活動を行い、買主が現れない場合、最終的に約束した金額で不動産会社が買い取ることを保証するものです。
時間がかかっても、まずは希望額で通常の売却活動を希望する場合に利用します。

土地の相場価格を知って交渉する

不動産会社の買取査定価格を評価するためには、土地の相場価格を知る必要があります。
売りたい土地の相場価格を知れば交渉の材料にも納得する材料にもなります。
私たちが土地の相場価格を知るために利用できるWEBサイトを紹介します。

土地総合情報システム
土地の売買事例を知ることができる国土交通省のシステムです。

レインズマーケットインフォメーションシステム
レインズ(不動産流通標準情報システム)によって積み重ねられた取引事例のデータベースです。

注意しておかなければならないのが、ここに掲載された事例は、あくまで近傍の取引事例であって、土地は、接道状況、方角等、個別の価格要因がいくつもあります。
そのひとつひとつが価格形成要因になります。
価格交渉に当たっては、価格形成要因の説明をしっかり聞き、納得することが大切です。

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(写真/PIXTA)

【実例紹介】急に資金が必要になったから、土地を買取保証で売りました

Aさんは都市近郊の住宅地にある土地の所有者。
長年、この土地を商店の借地として貸していましたが、借主の事情で店舗が解体され空き地となっていました。ほかに借り手はなく売却を考え、駅前の不動産会社を通じて、買い手を探していましたが、売り出してから半年たってもなかなか買主が現れません。
そうしているうちに、Aさんは自身の事業で急に資金が必要になりました。
そこで、思い出したのが、不動産会社との契約です。
この不動産会社との間では、「買取保証」が媒介の条件として付いていたのです。

価格は売り出した価格の7割という金額でしたが、Aさんの必要資金は間に合いました。
もう少し待てば買主が現れ、希望価格で売れるかもしれませんが、資金の調達期限は迫っていました。
悩みに悩んだAさんでしたが、最終的には買取保証での買取をもとめ、無事、土地は売却できました。

【実例紹介】売りにくい変形地でも買取で売却成功

Bさんの土地は込み入った住宅地の専用通路の奥にあり、しかも専用通路は幅員が狭い土地でした。
子どもたちも大きくなり独立したのを機会に、この土地を売って住み替えを考えていました。
そこで、仲介を手掛ける知り合いの不動産会社に相談すると、やはり「すぐには売るのが難しい。買主が現れるまでには相当時間がかかるだろう」という話です。
どうしてもこの土地を売って、目星をつけた新しいマンションの購入資金にしたいBさんは、買主が現れるまで気長に待っている時間がありません。
買取専門の不動産会社に買い取りの査定を依頼しました。
知り合いの話から、ひょっとしたら買取も断られるのではないか、と心配したBさん。
買取会社からの価格提案は低いものでしたが、買取可能とのこと。
隣接する土地も売り出されていて、一体で開発できる地域であるから、という理由でした。
これでBさんは土地を売却でき、新しいマンションへの住み替えも可能になりました。

まとめ

土地の売却を考えるときに買取と仲介の2つの選択肢があります。
仲介による売却に比べて、買取には時間がかからない、手間がかからないなどのメリットがあります。
しかし、貴重な財産である土地の売却価格が仲介で売るより、安くなってしまいます。
その金額的デメリットは、仲介で発生する仲介手数料などの費用負担を上回ります。
少しでも土地を高く売却したいと考えるなら、不動産会社の仲介による売却を第一に考えましょう。

構成・取材・文/コハマジュンイチ

イラスト/のりメッコ

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