
会社員のFさんは2013年に節税対策と資産運用のため投資用マンションを購入しました。しかし2020年になり世界中が新型コロナのパンデミックに見舞われます。先の見えない経済状況の中、マンション価格の暴落や空き室のリスクを考え、マンションを売却することにしました。
| 不動産区分 | マンション |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区 |
| 築年数 | 約15年 |
| 間取り・面積 | 1LDK(24m2) |
| ローン残高 | 1670万円 |
| 査定価格 | 2500万円 |
| 売り出し価格 | 2500万円 |
| 成約価格 | 2500万円 |
コロナ禍突入で不動産市況の先が読めず、投資用マンションの売却を決意
Fさんは節税対策と資産運用のため、2013年に渋谷区にある投資用マンションを購入しました。築8年の中古マンション。1LDKで駅徒歩5分という好立地です。価格は2200万円でした。
Fさんは以前も日本橋にワンルームの投資用マンションを所有していましたが、そのときにマンションの売買を担当した不動産会社から紹介され、購入したと言います。
「2013年の不動産市場は悪くありませんでした。渋谷区の駅近というなかなか出ない立地だったことや、若い人が好みそうなリノベーション物件だったことが購入に踏み切った理由です。照明や水回りなどとてもしゃれていて、これなら空き室リスクもないだろうし、将来的に価格も上がるのでは、と期待も持てました」
投資用マンションのリスクは空き室になることです。
「月14万円で貸していました。購入してから7年間で入居者は3人変わりましたが、入居者が途切れることはありませんでした。入居者が変わるタイミングで、賃料を上げるかどうか運営会社が聞いてくるのですが、空き室になるリスクを考え、ずっと同じ賃料をキープしました」
マンション購入のための毎月のローン返済額は約8万円、管理会社への支払いが約1万円、管理費等を差し引いた残り約5万円がFさんの収益となります。
購入後、順調に収益を上げていましたが、2020年になり新型コロナの世界的パンデミックに見舞われました。
「予想もしないコロナ禍に突入し、不動産市況は全く先が読めませんでした。株価が下がったので不動産も下がるのではと危惧しました。今後、マンション価格の暴落や、入居者がなくなるなどのリスクを考え、売却した方がいいだろうと考えました」
一括査定後、手応えのあった3社をピックアップして会社を訪問
売却を決意したFさんは、まずネットで査定額を検索。その中の不動産仲介会社3社をピックアップして実際に会社に足を運びました。
「ネット上のやりとりで、話が通じそうな会社を選びました。実際、対面でいろいろをした上で査定額を出してもらったところ、3社とも同じような査定額でしたが、その中の最高額が2450万円でした」
2200万円で購入した物件なので2450万円で売却できれば収益が出ます。
渋谷区の駅近マンションの上層階。おしゃれなリノベ物件ということで、この査定額がついたと考えたとFさんは言います。
その後、Fさんは、このマンションを購入した時の仲介会社で、管理も委託している不動産会社に連絡し、売却を考えていることを伝えました。
購入時の仲介会社が2500万円で引き取りたいと希望
投資用マンションの仲介会社に連絡したFさんに、担当者から「我が社に2500万円で買い取らせてほしい」という答えが返ってきました。
「その会社はマンションを販売した後も、確定申告の指導をしたり、マンションのオーナーを集めた交流会なども行っており、アフターサービスが充実していました。売りっぱなしではなくフォローもしてくれるので、とても信頼できる会社だと感じていました。しかも物件を販売した会社なので、良さをよく分かっていて安心感もありました」
3社の査定額より50万円高い2500万円で即購入ということで、Fさんは迷わず売却することに決めました。
■買取のメリット
不動産の買取とは、不動産会社を経由して他の人に買い取ってもらうのではなく、不動産会社に直接買い取ってもらう売買の方法です。
買取の大きなメリットは売却にかかる時間と手間を節約できること。不動産会社が買主となるため査定から決算までが短期間で、すぐに現金を受け取ることができます。
また仲介手数料が無料、古家が付いていても解体しなくていいなどの利点があります。
不動産を引き渡した後、一定期間内に不動産の欠陥や不具合があった場合の瑕疵担保責任が免責になることも大きなメリットです。
信頼できる管理会社のフォローでコロナ禍の売却にも心配なし
今回の売却活動を振り返り、Fさんは「不動産投資として成功だった」と言います。
「2200万円で購入した物件を2500万円で売却したので、300万円の収益があがりました。諸経費や翌年の税金などを引くと、実際の売却益は150万円。7年間の節税分もあるので、良い投資だったと感じています」

一方で、不動産投資の難しさも改めて感じたというFさん。
「想像もしなかったコロナ禍に見舞われ、大きな痛手を受ける前にリスク回避をしようと売却を決めました。その後、私の予想に反して不動産は高騰したので、売らずに持っていた方が良かったという考え方もあります。不動産投資の難しさは、不動産の暴落と空き室対策。リスクをどう回避し、どう受け入れるかポイントです。今回は確実に収益があがったので、正解だったのではないでしょうか。また、不動産投資の成功のカギを握るのは、信頼できる管理会社を見極めること。この点でも非常に恵まれていたと感じます。賃料や利回りだけでなく、しっかりした管理会社がフォローしてくれたので、安心して売却することができました」
| 2020年2月 | ・投資用マンションの売却を考える ・一括査定 ・3社の訪問査定を受ける。査定額は2450万円 |
|---|---|
| 2020年3月 | ・マンション購入時の不動産仲介会社から2500万円で購入希望 ・売買契約を結ぶ |
まとめ
- 投資用マンションは信頼できる不動産仲介会社・管理会社を見極めることが重要
- 不動産投資のリスクはマンション価格下落と空き室リスク。リスク回避とともにリスク受け入れの覚悟も必要
取材・文/浅野真由美 イラスト/沼田光太郎


