不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

売却価格の相場は? 告知義務は? 事故物件を売却するときの注意点を徹底解説

売却価格の相場は? 告知義務は? 事故物件を売却するときの注意点を徹底解説

事故や事件、孤独死など、不幸にも亡くなられた人が出てしまった物件のことを「事故物件」といいます。
ネガティブな要素だけに、売却するのが難しいとされている事故物件ですが、実際に売却する際、通常の物件とどのような違いがあるのでしょうか。
売却の査定額を決める要素や注意点、法律による規制など、売却に関して押さえておきたいポイントを紹介します。

記事の目次

事故物件とは?

立入禁止

(画像/PIXTA)

事故物件と言われる条件は?

事故物件とはどんな物件を指すのでしょうか?
実は「これが事故物件です」というような法的に明確な定義はありません。
ただ、一般的には、昨今社会問題として深刻化している孤独死はじめ、事故死、殺人事件、自殺などによって『人が死亡』した物件のことを指します。(病死や自然死は事故物件にはならないという説もあります)

そして、事故や事件内容によりますが、バルコニーやエレベーター内、庭先、敷地内の駐車場など、住戸外だったとしても、敷地内で発生した事件や事故から、物件全体が事故物件だとされることがあります。

こうした事故物件の売却の際に押さえておかなくてはいけないポイントは「告知義務」です。
物件で発生した事件・事故などは、売却時に買主に対して、事故物件であることを告知しなくてはいけないという決まりがあります。
万が一告知義務を無視して、後に買主が事故物件であることを知った場合、告知義務違反として損害賠償請求や契約の解除のリスクが生まれます。

また、事故物件とは一般的には「瑕疵=キズ」のある物件としてとらえることができます。
なんらかの欠陥がある物件ということです。

2020年4月1日からは改正された民法が施行され、瑕疵担保責任に関する規定が削除されたかわりに、契約不適合責任に関する規定が導入されました。
瑕疵に該当するものの大半は、今後、契約不適合に該当する可能性が高くなっています。

では、その瑕疵について細かく見ていきましょう。

内容から、1心理的瑕疵 2物理的瑕疵 3法律的瑕疵 の3つに分類されます。
事故物件はこの中で、1.心理的瑕疵 がある物件になります。

心理的瑕疵を中心に、3つの瑕疵について紹介します。

心理的瑕疵とは?

端的に説明すると、過去、該当物件に事件や事故などがあり、買い手となる人が「気味が悪い」「怖い」などの不快な気分を感じる物件を指します。
こうした事故や事件などの事実を買主が購入前に知らされていれば、購入対象から外す、もしくは減額交渉を行う可能性が高い原因となる要素がある物件ということです。

例えば、
・自殺や殺人事件があった物件
・事件、事故による死亡事例があった物件
・火災や洪水などの被害があった物件
さらに、
・反社会的勢力の活動拠点や風俗店、火葬場、ごみ焼却場など一般的に避けられることがあるような施設が近くにある
といった物件も該当することがあります。心理的瑕疵の中でも環境的瑕疵、例えば、ゴミ屋敷や騒音トラブルなどの迷惑行為を起こす人が近くにいる物件も、心理的瑕疵物件になることがあります。
まとめると、心理的に嫌悪感が発生し、住み心地の良さに懸念がある物件になります。
ただ、どう受け止めるかは人それぞれなので、判断が分かれることがしばしばです。

今回紹介している事故物件とは、この心理的瑕疵がある物件の中でも、殺人、自殺、不審死など『死亡』が発生した物件と定義されることが一般的です。

被害によって更地にした場合の土地も同様に、心理的瑕疵にあたることがあります。

こうした心理的瑕疵については、売買をする際に交わす売買契約書に明記する必要があります。

住宅火災

(画像/PIXTA)

物理的瑕疵とは?

柱や基礎などの構造部がダメージを受けていたり、シロアリや雨漏りなどによる腐食、給排水管の詰まりや上階からの水漏れ、窓などの開口部からの雨漏りなどがある物件を指します。
また、土地についても物理的瑕疵があります。具体的には、地中に廃材などが埋められたままの土地、汚染されている土地、非常に軟弱な地盤で過去に地盤沈下を起こしたことがある土地、などです。
ちなみに壁クロスの剥がれやフローリングのすりきずなど、日常生活を送っていれば発生しうる軽微なキズ、損耗は、瑕疵とは見なされないことが多くなっています。

物理的瑕疵と前段の心理的瑕疵と大きく異なる点は、物理的瑕疵は、現地確認や専門家による調査などで調べることができ、さらに多くの場合、補修で直すことができる、つまり改善することができる点です。

この物理的瑕疵も売却の際に告知義務があります。
また、引渡し後に瑕疵が発覚した場合のために、売買契約書に「売主の契約不適合責任」が明記されていますが、告知して、それでもなお買主が価格面などから納得した場合は免責となることが一般的です。

古い家の床下 シロアリ被害の床下

(画像/PIXTA)

法律的瑕疵とは?

日本では、建物を建てる際に、高さや隣家の日照の確保など順守しなくてはいけない「法令上の制限」があります。
この法令によって、建物を建てられないなど自由な利用が阻害される物件や、法令を違反している物件が該当します。
この法令、法律においてチェックしておきたい主な法律は、
・都市計画法
・建築基準法
・消防法
になります。

また、下のような物件が法律的瑕疵に該当します。
・建築に制限が発生する、もしくは建築できないような計画道路指定を受けている
・開発行為が認められない市街化調整区域内にある
・建ぺい率や容積率を違反している
・防災設備(火災報知機、スプリンクラー等)が古い
・接道義務を違反しているので再建築ができない
・その物件を購入しても、建て替えることができない、建て替えた場合、それまでより小さい・狭い建物しか建てられない
・構造上の安全基準が満たされていない

この法律的瑕疵がある物件も、心理的瑕疵、物理的瑕疵と同様、売主から重要事項として書面で契約時に説明する義務が発生します。

かいだんのひび割れ

(画像/PIXTA)

事故物件を売却するときの告知義務と注意点

告知義務を順守しないと損害賠償のリスクも

事故物件の売却で絶対に押さえておかなくてはいけないのが、告知義務です。
事故があったことを伝えずに後に事件や事故があったことが発覚した場合、心理的瑕疵が認められ、契約不適合になることがあります。
買主から契約解除や損害賠償請求を受けることになることもあるので、細心の注意を払いましょう。

売却しにくさを恐れるあまり、告知せずに売却をする誘惑に駆られてしまうかもしれません。
でも、たとえ契約・引渡しができたとしても、その後、近所の噂や報道、インターネットの情報などで発覚する不安が未来永劫続くことに。
ずっとバレたらどうしようという不安を抱えて生活することになってしまい、とても幸せな暮らしを送っているとはいえないでしょう。

さらに、告知義務違反は買主だけでなく、売却活動で依頼する不動産会社にも責任が派生することが考えられます。 その場合、買主だけでなく不動産会社からも賠償請求をされるケースも考えられます。

賠償額は、基本的に売買契約書に記載された金額となりますが、甚大な損害を与えたり、詐称や虚偽など悪意があったと判断された場合は、記載額を超える賠償を請求されることもあります。

非常に大きなリスクを背負うことになることから、告知義務の順守はしっかりと押さえておきましょう。

事故物件の告知義務イメージ

告知義務の目安は7年?

では、いつまで、どんな告知義務があるのかというと、実際の判例などから、ポイントは、
・時間的要因
・場所的要因
・目的物の現状
・地域の特性、近隣の噂

の4つに対して売主が告知する責任があるかどうかになります。

このうち「いつまで」を決める、時間的要因については、該当する事故や事件から7年程度が一つの目安となるといわれています。
ただ、過去の判例では、50年以上前の当時世間をにぎわせた殺人事件を告知しなかったことが問題となり、心理的瑕疵が認められた結果、責任を追及されるといったケースもありました。
つまり告知義務には基本的に『時効はない』と考えておいたほうがいいでしょう。

事故物件の告知義務イメージ

また、場所的要因は、「住み心地の良さ」「快適な生活」の有無を判断する際の材料となるとされています。
事件があった建物が取り壊されていれば、場所的な特定は困難になりますが、マンションのバルコニーなど取り壊しが事実上無理な場合は、重要な判断材料となります。

さらに、目的物の現状については、場所的要因と同様、心理的瑕疵が発生しうる場所が現在もあり、それが住宅や建物の一部であることが特定できる場合です。
細かな箇所だったとしても告知義務が発生するので注意が必要です。

 

地域特性や近隣の噂については、事件や事故の記憶が残っているか否かがポイントになります。
居住者の住み心地や心理的負担から重要な要素になることがあります。
特にショッキングな事件や事故の場合、近所の人が長く覚えていることが多いので、たとえ十数年以上前の事件、事故だとしても、また、更地にしたり建て替えていたとしても心理的瑕疵が認められる場合があります。

事故物件の売却価格の相場は?

事故物件の相場は、買い手の気持ち次第で1割~5割も安く

通常物件と事故物件の売却では、相場はどのくらい違うのでしょうか。
心理的瑕疵がなければ通常の物件と一緒なので、物件の価値を決める要素、すなわち「立地」や「周辺環境」、「築年数」などが相場を左右します。

ただ、多くの場合、事故物件の売却価格は通常物件の相場より安くなるケースが多くなります。
やはり通常の物件とは違って心理的瑕疵があるため、敬遠されることが多く、結果として安くしないと物件が売りにくいことが多いからです。

一般的によく言われる相場の違いでは、通常物件と事故物件を比較すると、孤独死や自然死の場合は1割~2割。
自殺の場合は3割前後、殺人など心理的な嫌悪感が高くなる事件が起きた物件の場合は、5割ほど安くなることもあります。

もちろん事故物件だからといって、絶対に安くなるとはいえません。
なぜなら心理的瑕疵は、買主の気持ちのもちようや考え方、好みで大きな差があるからです。
買主の中には、「死は等しく訪れるものだから」と考える人や、少し相場から価格を下げるだけで「あまり気にしないからラッキーだ」と購入する人もいます。
もちろん「そんな物件は絶対にいやだ」という人もいます。
立地や環境の良さなど物件自体の魅力が高ければ、大幅に価格を下げずとも売れることがあるので、不動産会社とよく相談して売却希望価格を考えていきましょう。

不動産 相場

(画像/PIXTA)

立地や事故内容によって売却価格が変わることも

事故物件の売却価格は、買い手が心理的瑕疵をどう考えるかで大きく変わります。
つまり「事故物件の瑕疵の内容」と、立地や周辺環境、築年数など「物件の特徴や魅力」を並べて考えてもらうことが大切です。

買い手にとって、検討している物件が事故物件かどうかは、物件概要を見ると分かることがあります。
事故物件の場合「告知事項あり」と書いてあるのが一般的だからです。

事故物件の場合は、購入希望者は、立地や周辺環境、価格などが希望に合っているかどうかに加えて、事故物件の内容によって、買う・買わないを決めることになります。

そこで、立地がいい、駅近など通常人気が高いとされる物件なら、事故物件でもあまり価格を下げずに売却できることがあります。 もちろん逆に、騒がしい、周りに生活利便施設が少ない、駅から遠いなど、事故内容だけでなく物件自体の魅力が小さい場合はかなり割安になってしまうこともあります。

また、事故や事件の内容、発生場所でも価格が変わったり、売却しやすさが変わることがあります。
人それぞれで心理的瑕疵の受け止め方が違うので、例えば事故や事件が住戸内で発生していなければOKという人もいるでしょう。
大規模物件であれば、駐車場など共用部分での事故死であれば許容できる人がいたり、事件や事故ではなく、孤独死であれば許容できる人など、事件事故内容でも多様なケースが考えられます。

とはいえ、事故物件の売却は通常物件と比べて値下げをすることが前提になります。
そして最終的な価格は事故内容に加えて、物件自体がもつ魅力で相場が変わってきます。

大切ことは、先に説明しているとおり、しっかりと告知義務を果たすことです。
売却しやすさを考えて変に隠し立てをすると大きなしっぺ返しをくらうことがありますので、告知事項を説明する際にはきちんと伝えるようにしましょう。

不動産 契約

(画像/PIXTA)

事故物件の売却を不動産会社に依頼する

まずは不動産会社に事故物件の査定を依頼する

多くの人が行う一般的な方法が不動産会社に依頼しての売却です。
基本的な流れは事故物件でも通常の物件でも大きく変わりません。
不動産一括査定サービスを使って、複数の会社からの査定や提案を鑑みて、会社選びを行うと、きっとスムーズかつ希望の価格に近い売却が達成できるでしょう。

不動産 契約

(画像/PIXTA)

不動産会社に事故物件の査定を依頼

まずは、物件の査定と仲介を依頼する不動産会社を決めます。
事故物件の場合、扱いが苦手な会社があるので、実績が豊富な会社を選ぶことが大切です。
そこで、おすすめなのが不動産一括査定サービス。
複数の会社からの査定や提案を吟味することができるので、売却成功への近道となります。

不動産会社を決める

査定価格や売却への提案を鑑みて、各不動産会社の実績や担当者の人柄などから不動産会社を選定します。 候補の会社の数や質で、専任媒介契約で1社だけにお願いするのか、一般媒介契約で複数の不動産会社に依頼するのかを決めましょう。

不動産会社と一緒に購入希望者と交渉

依頼した不動産会社とともに売却活動を進めます。
購入希望やからの内覧希望や価格含めた条件交渉などに対応するのですが、基本的には、不動産会社が法的な観点なども踏まえて仲介してくれるので、ひとつひとつチェックしながら進めます。

多くの事故物件の場合、価格交渉が入りますので、売却希望価格の下限を不動産会社と事前相談で決めておき、いくらなら売却するのかなどを話し合っておきましょう。

売買契約締結

価格はじめ諸条件が合意できれば、売買契約を締結して売却が完了します。
もちろん伝え忘れている「告知義務」がないか、入念に確認し、契約後のトラブルを防ぐように細心の注意をはらいましょう。

事故物件とはいえ、売主としてするべき処置などをきちんとし、誠実な対応を心掛ければ売却できる可能性は高まります。

一般的な売却の流れ

1.不動産会社に事故物件の査定依頼(一括査定がオススメ)

2.依頼する不動産会社を決める

3.不動産会社とともに買い手と条件整理

4.売買契約の締結

基本的に通常の売却と流れは変わらない。エリアや、事故物件含むノウハウを多くもつ不動産会社選ぶことが大切。

事故物件の仲介を依頼する不動産会社の選び方

まずは不動産一括査定サービスから複数の会社の情報を集めることがスタートになります。
事故物件の仲介は通常物件とは異なり、神経を使うことが多くなります。
また、相場より価格を下げて売らなくてはならないため、売却価格の折衝やスムーズな成約ノウハウをもっている会社や担当者だと安心でしょう。
事故物件も含めて、多くのノウハウをもっている不動産会社に依頼することが売却成功の確率を上げてくれるはずです。
そんな会社探しでは、不動産一括査定サービスを活用しましょう。
やみくもに会社を探すよりもより良い不動産会社を見つけられます。

不動産イメージ

(画像/PIXTA)

ちなみに…。不動産会社に「買い取り」してもらう方法もある

仲介以外の方法では、不動産会社に物件ごと買い取ってもらう方法もあります。
この場合のメリットは、スムーズに売れることです。
当然のことながら、仲介では買い手が現れなければ売れませんが、不動産会社が買い取るのであれば、確実に売却することができます。

デメリットは、一般的に売却価格より買い取り価格のほうが安いことです。
不動産業者は買い取った物件を、リフォームやリノベーションなどの付加価値を付けて再販するので、リフォーム費用などと利益を確保するために、買い取り価格は安く抑えられます。

もちろん立地などの要因から必ず下がるということはありませんが、目安となる買い取り価格は相場価格の50%以下と考えたほうがよいでしょう。
買い手を探す手間や時間が省けますが、どちらがよいのかは人それぞれなのでじっくり考えてみましょう。

ビジネス

(画像/PIXTA)

事故物件を売却しやすくする方法

需要が少ないため、相場よりも割安になり、さらに購入自体も敬遠されやすいのが事故物件。
どんな準備や工夫をしたら事故物件でも売却しやすくなるのでしょうか。
ポイントはマイナスイメージの払しょくにあります。

清掃やリフォームなどできれいにする

事故物件は心理的瑕疵によって敬遠されがちです。
そこで、心理的な悪印象をなるべく減らすことが売却しやすさにつながります。

まず挙げられるのが、住戸内のクリーニングです。
ハウスクリーニングでは、消臭処理はもちろん、壁クロス、カーペット、畳等の交換など変更できることはできる限り変更して、事故当時の状況を想起させないように注力しましょう。
特に自殺や孤独死で発見が遅くなった場合は通常のハウスクリーニングでは行き届かないこともあります。
割高になりますが特殊なクリーニングも検討してみましょう。

さらに、クリーニングだけでなくリフォームも有効と言われています。
内装全てをリフォームするなどで、イメージを一新することが大切です。

「言われなければ事故物件とは分からない」レベルまで手をかけることで、購入希望者も安心できたり、真摯さや熱心さが伝わり、より買い手がつきやすくなるでしょう。

そのほか、お祓いを行う売主もいます。買い手の心証を良くする一つの手段として考えているようです。
買い手の希望を聞いて対応するのもよいでしょう。

和室リフォーム

(写真/PIXTA)※写真はイメージです。本文とは関係ありません

事故物件を更地にしてイメージを変える

リフォームやクリーニングに加えて、一戸建てで取られる手法が「更地化」です。
建物を取り壊して更地にすることで、室内外の環境や負のイメージがリセットされ、買い手の嫌悪感を減らすことができる場合があります。
また、事件・事故のあった建物がなくなって更地になれば気にならなくなる人もいます。
もしかしたら、建物ありきで売却するよりも需要が増え、売却価格も大幅に下げずにすむ可能性があります。

土地 売却

(画像/PIXTA)

更地プラス駐車場運用で風化を待つ

記憶に残りやすいような大きな事件や事故が発生してしまった物件では、そのエリアの住民が永く悪いイメージをもってしまうことがあります。
事件・事故のイメージを払しょくできない近所との付き合いが難しくなることから、売却しにくくなることも多く発生します。
その場合は、更地にするだけでなく、跡地を月極駐車場やコインパーキングとして一定期間賃貸運用することで、住宅のイメージを消し、さらに悪い記憶の風化を待つ方法もあります。

こうした更地にする場合、また賃貸運用する場合に気を付けたいことは、解体費用や賃貸運用による税金の支払いです。
特に予想以上に解体費用がかかることもあるので、更地にする前に不動産会社と相談し、物件の魅力と事件・事故によるデメリットとどちらの影響が大きいかを相談しましょう。

さらに大切なことは、告知義務をしっかり果たすことです。 リフォームやハウスクリーニングも含めて、首尾よくイメージを払しょくできたとしても告知義務がなくなるわけではありません。

後々に禍根を残さないためにも、しっかりと告知をして、さらにここまで手をかけたとアピールすることで、いいイメージを与えることができるでしょう。

コインパーキング

(写真/PIXTA)※写真はイメージです。本文とは関係ありません

【裁判判例集】事故物件の売却におけるトラブル

【判例1】火災による焼死者をだした土地の売却について

●3年前、購入した土地にあった建物内火災による焼死者の存在は瑕疵に当たるとした判例

買主が購入した土地に心理的瑕疵があったとして、売主サイドに、瑕疵担保責任、または債務不履行に基づく損害賠償を求めた裁判。瑕疵の有無は、物理的欠陥がある場合だけではなく、嫌悪すべき歴史的背景があるなどのいわゆる心理的瑕疵がある場合も一定含まれると判断された事例。たとえ3年以上前でも、土地上にあった建物内においての事件、事故でも、売買契約の目的物のひとつである土地に関係する心理的欠陥であり、瑕疵に当たるとして、買主の損害賠償が一部認められた。
<裁判所判示>
(1)焼死などの不慮の事故死は、病死や老衰などの自然死と異なって理解され、火災事故後4年近くを経過しても、なお近隣住民の記憶にとどまっていることから、本件土地には心理的欠陥が存する。
(2)事故があった号棟につき買主が当初価格より600万円下げても未成約であること、本件事件は自殺等ではなく建物も取り壊し済であること等から、売主に対する損害賠償につき、土地売買価格の該当区画相当額の1割弱である200万円を認める。
(3)仲介業者に本件事故を疑い独自に調査すべき事情は認められなかったことから、仲介業者に対する請求は棄却する。
(平成22年3月8日 東京地裁判決)
(出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構HPより)

【判例2】自殺事件のあった物件の売却について

●6年前ベランダで自殺があったマンションの売買について、心理的瑕疵から損害賠償が発生した事例。

ベランダで自殺があったマンションの売買で、その事件後も売主は家族と暮らしていた物件であったものの、売却時には心理的瑕疵による告知義務の必要はあるとされた事例。裁判所は、「事件の存在は、子どもも含めた家族で居住することを目的とした場合、妥当性を欠くものであり、事件後6年という期間の経過もさほど長期であるとはいえない」として、買主からの契約解除と違約金の請求が認められた。
<裁判所判示>
(1)瑕疵には物理的欠陥のほか心理的欠陥も含まれる。家族4人で永住的に使用する目的であった買主が、本件事件を知っていれば通常購入することは考えられないこと、事件後6年以上の経過もさほど長期であるとはいえないことから、本件事件は損害賠償では賄えないほどの瑕疵であるといえる。
(2)売主は本件瑕疵を買主に告げなかったのであるから、買主に対し履行利益を賠償する責任があり、買主請求の契約解除及び売買契約約定の違約金640万円の損害賠償を認める。(売主は判決を不服とし控訴したがその後和解した)
(平成1年9月7日 横浜地裁判決)
(出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構HPより)

まとめ:一括査定サービスで信頼できる不動産会社を見つけて相談を

死に関することだけに売却が難しいとされる事故物件ですが、購入希望者によってさまざまな受け止め方があることから、しっかり対応することで希望どおりの売却も夢ではないかもしれません。 大切なのはしっかりと告知義務を果たすこと。
そして、悪い印象を払しょくするようにリフォームやクリーニングなどに力を入れることです。

また、スムーズな売却には信頼できる不動産会社との連携した活動が不可欠です。
売却一括査定サービスなどをしっかり活用して、より良い不動産会社探しを行いましょう。

●取材協力
横山山王法律事務所 代表弁護士 横山宗祐さん

構成・取材・文/山口俊介

イラスト/のりメッコ

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