不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

初めて不動産売却する人へ。家を売る前から知っておきたいポイントまとめ

初めて不動産売却する人へ。家を売る前から知っておきたいポイントまとめ

初めての不動産売却は誰でも不安になったり、慎重になったりするものです。そんな不安を解消するには、不動産売却についての基礎知識などを事前に把握しておくことが大事。不動産売却を成功させるために知っておくべき基礎知識や心構えを、あゆみリアルティーサービス代表、田中歩さん監修の下、ご紹介します。

記事の目次

初めての不動産売却。まず考えるべきなのは「理由」、次に「期間か、金額か」

不動産を売る理由を整理しよう

一生に一度あるかないかの大きな買い物と思って購入した不動産でも、さまざまな事情で、売却することになるケースは少なくありません。

不動産売却を検討する理由としては、例えば、住み替え、転勤、離婚、生活の困窮、相続など、人によってその理由や背景は千差万別です。

売却理由が異なるのであれば、必然的にその不動産売却において目指すゴールも異なります。どんな理由で売却を検討しているのかを明確にして、譲れない条件などをしっかりと設定しておくことが、不動産売却を成功に導く鍵になります。

優先するのは“期間”か“価格”か

不動産売却の理由が明確になれば、次に考えるのは売却に際し、「期間」と「価格」、どちらを優先するのかという点です。どのような売却プランを設定するのが正解か、売却理由ごとに優先順位を考えてみましょう。

住み替え

住み替える家族のイメージ

(画像/PIXTA)

子どもの誕生や成長といった家族構成の変化によって、今住んでいる家を売り、より快適な新しい住まいを購入したいという場合は、現在の住まいの売却と住み替える家の購入を同時進行する必要があります。しかし、実際にはタイミングを合わせるのは難しく、売却か購入か、どちらかを先に進めることが一般的です。

売却が先の場合は「売り先行」、購入が先の場合は「買い先行」などと呼び、どちらにもメリット・デメリットがあります。

まず、売り先行の場合は売却してから新居を購入するため、購入に向けての資金計画を立てやすいというメリットがあります。一方で、売り先行の場合は、新居を購入するまでの間の仮住まいの費用が必要になるため、賃貸住宅の家賃や敷金・礼金・仲介手数料のほか、引っ越し費用も余分にかかることになります。また、新しい家の購入が長期化するほど、負担が増えるため、購入に時間をかけづらいというのも気になる点です。

買い先行の場合は、売り先行とは異なり、仮住まいの必要もないため、新居の購入をゆっくり検討できるというメリットがあります。しかし、買い先行の場合は、買い替え前の住まいの住宅ローンが残っている場合、売却までは新居分の住宅ローンと合わせて二重でローンを返済することになります。このようなケースでは金融機関の審査がとおらなかったり、借りられる金額が少なくなったりする可能性もあるため注意が必要です。

二重ローンが可能な人であれば買い先行という選択肢もありますが、一般の人が買い替えをする場合は、売り先行で住み替えを検討するケースが一般的です。

売り先行で住み替えを検討する場合、特に住み替えなければならないタイミングが決まっていないのであれば、ある程度の時間をかけて、納得のいく価格で売却することも可能です。

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転勤・転職

転勤のイメージ

(画像/PIXTA)

同じ住み替えの場合でも、転勤や転職など、引っ越しのタイミングが決まっている場合は、売却プランを立てる上で、価格よりも期間を優先するということもあります。

仕事の引き継ぎなどと同時進行のタイミングになるため、不動産会社には売却の期限などをしっかりと伝え、スムーズに売却を進められるようにしておくと安心です。

また、転勤や転職の場合、将来的に戻ってくる可能性があるのであれば、売却ではなく、賃貸に出すという選択肢もあります。

離婚

離婚のイメージ

(画像/PIXTA)

結婚後に購入した住まいは離婚の際の財産分与の対象となります。一方が譲り受けて住み続ける場合もありますが、売却して現金化してから財産分与を行うという方法をとることもあります。

離婚が理由で売却を検討する場合、まず重要なのは売却でローンを完済できるかという点です。売却によってローンを完済でき、売却益が出る場合は、手元に残った金額を分けることができますが、完済できない場合は、残債分を自己資金で補てんしなければ売却することができません。

住宅ローンの残高がそれほど残っておらず、早く精算してしまいたいという場合は、売却期間を重視して売却プランを立てるのもいいでしょう。しかし、ローン残高がかなり残っているという場合は、売却価格を重視せざるを得ないということもあります。

また、売却したい住まいが夫妻の共有名義になっていたり、住宅ローンがペアローンの場合は、両者の同意がなければ売却することはできません。

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生活の困窮

生活の困窮のイメージ

(画像/PIXTA)

経済的な理由で家を手放さなければならない場合、できるだけ高く売却したいと考える人は多いでしょう。しかし、毎月の住宅ローンを滞納するまで困窮している場合は、よりスピーディーに現金化するのが得策です。

住宅ローンを滞納すると、遅延損害金が発生し、滞納が続く場合は信用情報機関の事故情報リストに登録されてしまいます。そうなってしまうと、新たなローンなどを組むことができなくなってしまうかもしれません。さらに滞納が続く場合には最終的に競売にかけられてしまうことになります。

競売による売却は、通常よりも低い価格になってしまいます。ローンが支払えず、売却したいのに、ローン残高が多くて売却できないといったケースもあるでしょう。その場合は売却後に住宅ローンが残ってしまう場合でも、金融機関の合意の上で売却できる、「任意売却」という手段もあります。

任意売却とは? 競売との違い、売却の手続きとメリット・デメリット

相続

相続のイメージ

(画像/PIXTA)

相続した不動産を売却する場合は価格と期間、どちらを重視するかはケースバイケースですが、活用していない不動産などの場合は、できるだけ早く売却してしまうことで、維持費や固定資産税がかからなくなるというメリットもあります。

ただし、残された不動産を売却し、現金化して分配することになっても、相続人が複数いる場合は売却価格を相続人全員で協議する必要があるため、代表者が納得できたとしても、勝手な価格で売却することはできません。

上記のケース以外にも、不動産の売却にはそれぞれの理由があります。どんな理由の場合でも、できるだけ短い期間の内に、できるだけ高い価格で売却したいと思うのは当たり前です。しかし、価格も期間も自分の希望を100%かなえる不動産売却というのはなかなか難しいものです。自分の事情に合わせて、何を重視するのか優先順位をつけてから、売却プランを進めていきましょう。

優先順位が整理できたら、次は情報収集と売却の準備です。初めての不動産売買は聞きなれない用語も多く、手続きも複雑と感じることも多いでしょう。だからといって、不動産会社に任せきりでは自分の納得のいく不動産売却を実現するのは難しいかもしれません。

売却を進めていくにあたり、まずは必要な基礎知識を見ていきましょう。

【基礎知識1】不動産売却には「仲介」と「買取」がある

不動産仲介のイメージ

(画像/PIXTA)

仲介と買取、それぞれのメリット・デメリット

不動産売却の方法として一般的なのは、不動産会社を通して買主を探す「仲介」という方法です。売主と買主の間に不動産会社がサポート役として入ることで、契約をスムーズに進めていくことができますが、仲介手数料を支払うことになります。

なお、仲介をする不動産会社は「宅地建物取引業」という免許が必要で、仲介を行うには「宅地建物取引士」という資格が必要です。

一方、不動産会社が買主となる「買取」という方法もあります。買取の場合は買主が不動産会社となるため、短期間で売却が可能ですが、売却価格については相場価格よりも割安になるのが一般的です。

個人間売買はリスクが多い

あまり一般的な方法ではありませんが、不動産は売主と買主が直接やりとりを行う個人間売買も可能です。不動産会社を通さないので、仲介手数料や消費税がかからないというメリットもあります。

宅地建物取引士の資格がない場合でも、個人間売買はできますが、宅地建物取引士が作成する重要事項説明書が用意できなければ、原則ローン審査を受けられないため、その場合、買主は住宅ローンを利用することができません。

また、手続きの全てを自分で進めることになるため、手間も時間もかかり、買主とのトラブル発生リスクもあります。個人間売買を行う場合は、デメリットも理解した上で行うようにしましょう。

不動産の個人売買はお得?リスクと手間を徹底解説

【基礎知識2】不動産売却の流れをおさえよう

ステップ1 査定

査定のイメージ

(画像/PIXTA)

不動産売却の第一歩は査定です。不動産がいくらで売れそうか、不動産会社に依頼して査定価格を算出してもらいます。査定は無料なので、通常、複数の不動産会社に一括査定を依頼します。

査定には机上査定と訪問査定がありますが、机上査定の場合は不動産会社に情報を送り、査定額を算出してもらいます。一方、訪問査定の場合は実際に不動産会社の担当者が訪問して、物件の状況など、個別の事情を調査して査定を行います。

査定は不動産売却を思い立った最初に行うことですが、不動産会社に査定を依頼する前に、自身で情報収集をしておくことも重要です。周辺の物件などがどの程度の価格で売り出されているかなどを調べ、自分の不動産はいくらで売れそうかということを想定しておきましょう。自分で収集した情報と査定額を参考に、売却したい物件の市場価格の範囲はどのくらいかということを把握しておくと、その後の不動産会社選びや、業者とのやりとりもスムーズです。

不動産一括査定サイトで売却査定!査定のメリット、流れと不動産会社の選び方

ステップ2 媒介契約(仲介)

媒介契約のイメージ

(画像/PIXTA)

査定で提示された査定価格を参考に、依頼する不動産会社を決定します。仲介の場合は媒介契約を結ぶことになりますが、媒介契約には3種類あり、売主が自由に選ぶことができます。

①専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、1社の不動産会社とのみ結ぶことができる契約です。契約翌日から5営業日以内に指定流通機構(レインズ)への登録が必須で、不動産会社は1週間に1回以上、売主への業務報告が義務付けられており、契約期間は3カ月です。また、専属専任媒介契約の場合は売主自身が見つけた相手との取引はできません。

②専任媒介契約

専任媒介契約も、契約は1社としか結ぶことはできません。指定流通機構(レインズ)への登録は7営業日以内、業務報告は2週間に1回以上、契約期間は3カ月です。なお、専任媒介契約の場合は専属専任媒介契約とは異なり、売主自身が見つけた相手と売買契約を結ぶ自己発見取引が可能です。

③一般媒介契約

一般媒介契約は複数社との契約が可能で、指定流通機構(レインズ)への登録や業務報告は任意となっています。契約期間については法律上の規定はありませんが、媒介契約書の雛形となる標準契約約款では3カ月以内と定めています。

媒介契約の種類 契約できる会社数 指定流通機構への登録 売主への業務報告 自己発見取引
専属専任媒介契約 1社 契約翌日から5営業日以内に必須 1週間に1回以上 不可
専任媒介契約 1社 契約翌日から7営業日以内に必須 2週間に1回以上 可能
一般媒介契約 複数社 任意 任意 可能

専属専任や専任媒介契約の場合は1社のみの契約となり、不動産会社も売買が成立すれば仲介手数料が確実にもらえるため、熱心に売却活動を行ってもらえるというメリットがありますが、複数社と契約可能な一般媒介契約のほうが、不動産会社同士の競い合いで、より有利な条件で売却できるという可能性もあります。しかし、一般媒介契約の場合は、ほかの不動産会社が見つけた買主と売買契約が結ばれてしまうと利益につながらないため、専属専任や専任媒介契約の場合ほど、売却活動熱心に行ってもらえないという面もあります。

また、売却を成功させるためには、どの媒介契約を選択するかということ以上に、どの不動産業者と媒介契約を結ぶかが重要です。提示した査定額が高いか、低いかだけで選ぶのではなく、査定額の根拠をきちんと説明できるか、売却したい物件の競合物件についてきちんとリサーチした上で、売却戦略を提案してくれるかなどを確認して、不動産業者を選ぶようにしましょう。

ステップ3 販売活動

不動産チラシのイメージ

(画像/PIXTA)

媒介契約を結んだ後は、販売活動がスタートし、不動産会社は購入希望者を探します。その際の売り出し価格は査定額や自身の希望も踏まえて決定しますが、販売活動を進めるなかで、価格については購入希望者との価格交渉によって、値下げするということもあります。
また、購入希望者から内覧の問い合わせがあれば、内覧を行い、物件の説明などを行います。

ステップ4 売買契約

不動産売買契約書のイメージ

(画像/PIXTA)

買主が見つかり、売買条件に合意できれば、いよいよ売買契約です。売買契約は売主と買主、それぞれの仲介業者が同席の上、行われることが一般的です。重要事項説明書の読み合わせを行い、署名捺印を行います。

売買契約書は不動産会社が用意しますが、売主はさまざまな書類が必要になるため、早めに準備をしておきましょう。

また、売買契約のタイミングで、売主は買主から成約価格の5%~10%の手付金を受け取り、不動産会社には仲介手数料の半額を支払います。

ステップ5 引き渡し

引き渡しのイメージ

(画像/PIXTA)

契約締結後、不動産を買主に引き渡して売却は完了します。通常、引き渡しのタイミングで買主から残りのお金を受け取り、住宅ローンの残高が残っている場合はローンの完済手続きをして、抵当権抹消登記申請を行います。

【家を売る方法】査定から引き渡しまで、不動産売却の流れと税金を完全解説

買取の場合は査定後、交渉の上売買契約

買取の場合も、まずは買取を行う不動産会社に査定を依頼します。買取会社が決まったら、交渉の後売買契約を結ぶため、仲介に比べてスピーディーに売却活動は完了します。

仲介の場合、不動産売却までの期間は6カ月程度が目安となりますが、買取の場合は、買取会社が見つかれば、最短1週間程度でも売却は可能です。

マンション買取に向いている物件は? 仲介と買取の違いは? マンション買取で損しない方法

【基礎知識3】不動産売却にかかる費用

売却にかかる費用のイメージ

(画像/PIXTA)

不動産売却にかかる主な費用は仲介手数料と税金です。それぞれどのくらいの金額を支払うことになるのか、見ていきましょう。

仲介手数料

仲介で売買を行う場合、不動産会社に支払う手数料が仲介手数料です。仲介手数料の上限額は法律で定められており、税別の物件価格が200万円以下の場合は取引額の5%、200万円超から400万円以下は取引額の4%+2万円、400万円超は取引額×3%+6万円となっています。

価格によって上限額は異なり、価格が高額になるほど、仲介手数料の金額も高くなります。

印紙税

不動産売買契約書には印紙税が必要になりますが、契約書に記載される金額によって税額も異なります。不動産の譲渡に係る契約書の印紙税については令和6年3月31日まで軽減措置が適用されており、印紙税額は以下のとおりです。

令和6年3月31日までの軽減税率による印紙税額
記載された契約金額 印紙税額
10万円超50万円以下 200円
50万円超100万円以下 500円
100万円超5000万円以下 1000円
500万円超1000万円以下 5000円
1000万円超5000万円以下 1万円
5000万円超1億円以下 3万円

登録免許税

住宅ローンで購入した不動産を売却する際は、売却して得たお金で住宅ローンを返済し、抵当権を抹消するのが一般的です。抵当権抹消登記には登録免許税がかかります。抵当権抹消にかかる登録免許税は不動産1つにつき1000円です。マンションの場合は通常、建物と土地、合わせて2000円となります。

また、抵当権抹消を司法書士に依頼した場合は司法書士に2~3万円程度の報酬を支払うことになります。

その他、必要に応じて支払う費用

ケースバイケースですが、売却に際し、敷地の測量費、建物の解体費、ハウスクリーニング費、廃棄物の処分費用などがかかる場合もあります。

また、住み替えの際の引っ越し費用や、売り先行で売却を行った場合は、新しい家を購入するまでの期間の仮住まいの家賃なども発生するので、準備をしておきましょう。

【基礎知識4】不動産売却にかかわる税金と控除

税金のイメージ

(画像/PIXTA)

不動産売却益が出たら「譲渡所得税」がかかる

不動産売却によって得た利益に対しては、譲渡所得税(所得税・住民税)が課税されます。なお、不動産売却の場合の利益とは売却した金額ではありません。売却価格から、その不動産の取得費用、売却に際し支払った仲介手数料、その他諸経費などを差し引いた金額が課税の対象となります。

譲渡所得税の税率は所有期間※によって異なり、所有期間が5年を超える長期譲渡所得の場合は20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)、所有期間が5年以下の短期譲渡所得の場合は39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)となります。
※譲渡した年の1月1日時点の所有期間

なお、譲渡所得は給与所得とは別に課税されるため、譲渡所得が発生した場合は確定申告が必要になります。

不動産売却にかかわるおもな控除

不動産売却の際には特別控除や特例などがさまざまあります。使えるものがないか事前にきちんと確認しておきましょう。

居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例

自分が住んでいる家や土地を売却した場合には、その所有期間にかかわらず、譲渡所得から3000万円控除されます。

(譲渡所得-3000万円)×税率※
※短期譲渡…税率39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)
長期譲渡…税率20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)

10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

所有期間が10年を超える長期譲渡所得の場合、譲渡所得の6000万円以下の部分については、マイホームの軽減税率の特例の対象となります。また、この特例は3000万円の特例と併用ができます。

本来長期譲渡所得の場合、前出のように税率は20.315%ですが、6000万円以下の部分については、税率は14.21%(所得税10%+復興特別所得税0.21%+住民税4%)になります。

特定の居住用財産の買換えの特例

所有期間が10年超、居住期間も10年以上で、一定の要件を満たしたマイホーム(居住用財産)を令和5年12月31日までに売り、代わりの住まいを購入した時に受けられる特例が「特定の居住用財産買換えの特例」です。この特例によって、譲渡益に対する譲渡所得税を将来に繰り延べることができます。あくまでも繰り延べられるだけであり、譲渡益が非課税になるわけではありません。

譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

不動産売却によって損失がでた場合についても受けられる特例があります。 所有期間が5年超のマイホームで、一定要件を満たしたマイホームを新しく購入する場合、売却の際の損失は、給与所得などの所得と相殺でき、相殺できない部分についてはこの特例の適用後3年間、損失を繰り越すことが可能です。

また、住宅ローンの残高がある場合、新しくマイホームを購入しなくても、譲渡価格とローン残高との差額までの範囲で、損失の繰り越し控除が可能となります。

特別控除や特例は併用・重複できないものもある

特別控除や特例について覚えておきたいのは、併用や重複できないものもあるという点です。例えば、3000万円の特別控除と買換え特例は併用することはできないため注意が必要です。

【基礎知識5】売る家のローン状況の確認の仕方

住宅ローン残高のイメージ

(画像/PIXTA)

ローンが残っている家を売る場合の注意点

住宅ローンが残っていても家を売ることはできますが、住まいを売却したお金で住宅ローンを完済する必要があります。

住宅ローンの残高は金融機関から郵送される残高証明書などで確認できるので、家の売却を考える場合はまず、住宅ローンの残高を把握しておきましょう。

売却価格がローン残高を上回る場合(アンダーローン)は残りの住宅ローンを一括返済できますが、ローン残高を下回る場合(オーバーローン)の場合は自己資金を当てたり、住み替えローンを利用することになります。

不動産売却で気になるポイントを解説

査定価格、売り出し価格、成約価格はどう違う?

不動産売却の第一歩は査定と前述しましたが、査定によって不動産会社から提示される「査定価格」とは、その不動産を売却できる目安の価格です。査定価格は査定額を提示する不動産会社によって異なり、平均的な市場価格より少し高めの金額で提示されることもあります。

一方、実際に売り出す価格である「売り出し価格(売却価格)」は自分で収集した情報や査定価格を参考に、売主が決定します。

また、実際に売買取引を行って成約した金額は「成約価格」ですが、この成約価格は売り出し価格と必ずしもイコールとは限りません。

値下げ交渉には応じるべき?

売り出し価格と成約価格が必ずしも一致しないのは、不動産売却には、値下げ交渉がつきものだからです。
売主は買主から値引きをお願いされるものと考えて、売り出し価格を設定する際は、値引きを考慮した価格設定をしておくことが一般的です。

また、価格を重視するのか、売却までの期間を重視するのかで、値下げ交渉にどのように応じていくかのプランは異なりますが、市場価格の幅を理解した上で、「いくらなら売るのか」「いつまでに売りたいか」を明確にし、不動産会社とも相談しながら交渉するのがポイントです。

値下げ交渉のイメージ

(画像/PIXTA)

不動産売却を成功させるには、ある程度の知識と準備が不可欠です。今回ご紹介した基本的なポイントを押さえて、初めての不動産売却をスムーズに進めていきましょう。

まとめ

  • 不動産売却の理由や事情に合わせて、売却プランを練るのが成功のポイント
  • 不動産売却には仲介と買取があり、仲介の場合の契約には3つの媒介契約があり、仲介手数料がかかる
  • 住宅ローンの残債がある場合は、売却したお金などでローンを完済する必要がある

●取材協力
あゆみリアルティーサービス代表 田中歩さん

取材・文/島田美那子

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