不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

不動産買取と仲介を徹底比較。高く買取してもらう方法とコツは?

不動産買取と仲介を徹底比較。高く買取してもらう方法とコツは?

住み替えで、新しい住居の購入資金が必要。
相続で実家を受け継いだものの、住む予定はない。
さまざまな事情で現在所有している不動産を売却しようとしたとき、一つの選択肢として、買取があります。では買取ってなに? 誰がどのように買ってくれるのでしょうか?

不動産の売却といえば、不動産会社の仲介業務よって主に個人の買主を探す方法が一般的です。
では買取と仲介はどこが違うのか。
その仕組みや、メリット、デメリットに加えて、より高く買い取ってもらうためのコツを分かりやすく解説していきます。

記事の目次

不動産買取とは

不動産買取って、どんな取引?

不動産を売却しようとしたとき、一般的な方法が、不動産会社を通じて売却する方法です。
この場合、不動産会社は一般の個人を買主として探し出し仲介します。

一方、買取とは、不動産会社がその不動産を直接、売主である個人から買い取る方法です。
売主である現在の不動産所有者が、買主である不動産会社と直接取引を行うのが、買取といわれる不動産の売却方法です。

写真

(写真/PIXTA)

不動産買取と仲介は、何が違うのか

不動産会社が購入希望をもった人を探し出し、売買を成立させるのが仲介による売却です。
つまり、仲介の場合は主に買主は個人です。
そして不動産会社は、売主と買主の間に入って取引のさまざまな条件等の調整を行い、取引を成立させます。

一方、買取では、不動産会社が不動産を査定し価格を提示。
その価格に売主が納得すれば、直接その不動産会社が買主として不動産を買い取ります。

不動産買取と仲介の違いイメージ

買取では不動産会社が買主になる

買取の一番大きなメリットは、査定価格ですぐに買い取ってもらえるということです。
不動産会社が直接売主と取引するため、広告を出して買主が現れるのを待つ必要がなく、査定から取引終了まで短期間で売却が可能です。

即時買取と買取保証の違い

不動産買取には2つの選択肢があります。
買取専門会社による「即時買取」と、仲介も手掛ける不動産会社による「買取保証」です。 この二つを比べてみましょう。

■即時買取
買取専門会社による買取です。
査定を依頼し、条件等で合意すれば、すぐに現金買取してもらえます。
一般的に買取といえば、この即時買取を意味します。

■買取保証
仲介業務も手掛ける不動産会社によって、一定期間市場で希望額での売却活動を行い、買主が現れない場合、最終的に約束した金額で不動産会社が買い取ることを保証するものです。
時間がかかっても、まずは希望額で通常の売却活動を希望する場合に利用します。

写真

(写真/PIXTA)

不動産買取のメリットとは

仲介と比べて売却期間が短い

買取の場合、査定価格に納得がいけば買主の出現を待つ必要がありません。
価格も含めて買取条件に合意すれば、売買契約、引き渡しまで、短期間で済ませることができます。
売主の事情によっては、メリットのある取引、売却方法であると言えます。

購入希望者の内覧に対応する必要がない

不動産会社の仲介で買主を探すとき、購入希望者は広告を見て、次に実際に不動産を見て判断します。
仲介の場合は主に個人の購入希望者の内覧に対応しなければなりません。
すでに空家になっている場合を除き、居住中の場合は、見ず知らずの他人に、家の隅々まで見せることになり、内覧の多い売却活動に負担を感じる方もいます。
その点買取では、買取する不動産会社の内覧だけなので、不特定多数の購入希望者の内覧に対応するといったことがありません。

仲介手数料が不要

不動産買取では、買主である不動産会社との直接の取引となります。
不動産会社に仲介を依頼しないので、媒介契約の締結は不要です。
このため、仲介会社に支払う仲介手数料が不要になります。

仲介手数料は、宅地建物取引業法でその上限が決められています。物件価格が400万円を超える場合、取引金額に対して3%+6万円(税別)となり、物件価格3000万円の場合では、消費税を含めると100万を超えます。
仲介手数料がゼロとなるのはメリットと言えます。

■仲介手数料とは

「宅地建物取引業法」という法律で、不動産仲介によって得ることのできる報酬の額(仲介手数料)は、決められています。以下の表にあるのが、その上限額でこれ以下の額しか仲介手数料を受け取ることはできません。

取引価格(物件価格)*税別     報酬額
200万円以下            取引金額×5%
200万円を超え400万円以下     取引金額×4%+2万円
400万円超             取引金額×3%+6万円

写真

(写真/PIXTA)

広告に掲載されないため、近所に知られず売却できる

不動産買取では、ネット、チラシを含めて売却物件として、広告に掲載されることはありません。
したがって、所有している不動産を売却しようとしていることが、近所や知り合いに知られることがなく売却できます。
現在所有する不動産が売りに出されていることを知られたくない場合など、売主の事情によっては大きなメリットと言えます。

瑕疵担保責任が免責になることも

売却した不動産にシロアリや雨漏りなどの欠陥(瑕疵)があると、原則として売主は瑕疵担保責任を負うことになります。
しかし、宅地建物業法によって瑕疵担保責任が規定されているのは、買主が個人の場合のみです。
不動産買取の場合、買主が不動産会社(宅地建物取引業者)のため、この瑕疵担保責任が免責になります。

築古の物件でも売りやすい

一般の不動産市場では、築古で見栄えが悪く設備も老朽化した不動産物件は、どうしても買主が現れにくく売却には相当の時間がかかるのが現状です。
不動産会社による買取では、市場での取引価格より安く買い取った上で、スケールメリットを活かしたリノベーションなど、さまざまな手法で買い取った不動産の再生を図り、付加価値を付けて販売します。
したがって、一般の不動産市場では売りにくいとされる築年数が古く見栄えが悪い不動産物件であっても買い取ってもらえる可能性があります。

事件や事故があった物件でも売りやすい

いわゆる事故物件(敷地や建物内で自殺、他殺、孤独死など事件事故のあった物件)や、心理的瑕疵(物件内において過去に起きた事件事故によって、人が嫌悪感をもつ物件)のある物件でも、買取可能な場合があります。
一般の不動産市場では売却が難しい不動産であっても、相談してみましょう。
もちろん、このような物件であっても仲介による売却ができないということではありません。
まずは不動産会社に査定を依頼してみましょう。

売却価格がすぐ決まるため、住み替えの資金計画が立てやすい

一般的な不動産会社の査定では、売却金額はあくまで予想であって、その金額で売れるとは限りません。
しかも、いつ買主が現れて売却できるのかも不明確です。

不動産買取では、金額に納得がいけばすぐに買取価格が決まります。
住み替えの時、売却で得たお金がそのまま資金計画に組み込まれる場合など、資金計画が立てやすくなります。
ただし後述しますが、買取での売却価格は仲介での売却より安くなります。
資金計画が立てやすいという理由だけで買取を選ぶのではなく、不動産会社の査定価格を見た上で検討しましょう。

写真

(写真/PIXTA)

不動産買取のデメリットとは

仲介と比べて売却価格が安くなる

不動産買取の最大のデメリットは、仲介で売却するより売却価格が安くなることです。
一般的に買取価格は、不動産の市場価格より2割から3割ほど安くなります。

特別な事情がない限り、不動産会社の仲介で売却活動をするほうが、より高く不動産を売却することができます。

不動産買取の流れと必要書類

不動産の査定に必要な書類を準備する

不動産の査定には物件の購入時に渡されたパンフレット、図面等を参考資料として用意してください。

もし公的書面が必要と言われた場合は、国の機関である法務局へ行けば登記簿謄本(登記事項証明書)が入手できます。
登記簿謄本は登記簿に記録された不動産の所在地、規模、所有者などが記された公的書面です。

◇マンションの場合
■間取図(分譲時パンフレット・図面集等から)
■登記済証書 (権利書と呼ばれるものです)
■管理規約集 (管理組合で入手可能)

◇一戸建ての場合
■登記済証書 (権利書と呼ばれるものです)
■地積測量図面 (法務局で入手可能)

買取している不動産会社に物件査定を依頼する

必要書類の準備ができたら買取をしている不動産会社に査定を依頼します。
買取の査定額は、不動産会社によって違いますが、どこが一番高い査定額を提示してくれるのかは依頼してみないと分かりません。

机上査定(簡易査定)で買取価格が提示される

最初に不動産会社から提示される金額は机上査定(簡易査定)の金額であり、実際の買取価格とは異なる場合もあります。
簡易査定の買取価格で不動産会社を数社に絞り込み、さらに詳細な査定を依頼しましょう。

訪問査定(詳細査定)で買取価格が提示される

不動産会社では、依頼を受けた物件の現地を訪問して調査し、加えて役所での調査(前面道路の種別、建築物の法的制限、上下水道の整備状況など)も加え、各社独自のデータベースによる算出基準によって実際の買取価格を提示します。
これを訪問査定(詳細査定)と言います。
査定で算出された買取価格に決済時期等の条件を付けて、売主に提案します。

買取の条件に納得したら不動産売買契約を交わす

買取価格と条件に納得したら、不動産会社との間で契約書の内容を確認し、不動産売買契約を締結します。
この時、売買代金の一部として手付金(取引慣例では物件価格の5%~10%)を受け取ります。

契約に際して確認しておいたほうがいいのは契約解除の方法と、契約不履行による違約金の額など。
トラブルを避けるためにも、きちんと説明を受け理解しておくことが大切です

■手付解除とは
契約書に記された期限までは、1.買主は支払った手付金を放棄する2.売主は受け取った手付金の倍額を支払うことで、契約を解除できるという規定。

■違約金
売主買主の一方の契約違反(債務不履行)によって、契約が白紙になった場合、相手方に払うべき違約金。

■不動産売買契約に用意するもの

☆契約書収入印紙代(契約金額によります)
☆本人確認書類(運転免許証など)
☆手付金領収書(物件代金の一部として契約時に売買代金の5%から10%を受け取ります)
☆印鑑

売買代金の決済と不動産の引き渡し

売買代金の残り(手付金を除いた額)を受取り、決済が完了したことを確認の上、司法書士が代理で所有権の移転登記申請を行います。
この時、住宅ローンの残債が残っている場合は、受け取った代金から全額返済し、司法書士が抵当権兼抹消手続も同時に行います。

■決済・所有権移転登記に用意するもの

☆住民票
☆実印
☆印鑑証明書
☆売買代金領収書(手付金を除く残代金分)
☆固定資産税の負担分にかかる領収書
☆所有権移転登記にかかる費用(ローンが残っている場合は抵当権抹消費用も)

不動産買取で高く買取してもらうために

物件の相場価格を知る

不動産買取のみならず、仲介で売却をする場合でも、おおよその相場価格を知ることはとても重要です。
まずは不動産の一括査定サイトで簡易査定を申し込み、提示される査定価格を確認してみましょう。

また、ネットの不動産ポータルサイト、新聞折込などのチラシなどに目を通して、近隣の相場をつかみましょう。土地の売買事例を知ることができる国土交通省のシステムもあります。
国交省 土地総合情報システム

土地総合情報システム

マンションの場合は、同じ棟の住戸が売りに出されることもあって、比較的容易に知ることができます。
一戸建ての場合は、近傍の同じような敷地面積の土地で、相場価格を知っておきましょう。
その際、敷地前面の道路の種別、幅員などによって、大きく評価額が違うことも知っておきましょう。

複数の不動産会社へ査定を依頼する

不動産の査定は必ず複数の不動産会社に依頼しましょう。
簡単に査定依頼をすることができます。

買取を事業とする不動産会社は、再販するその手法もさまざまです。
ですから、同じ物件であっても、仕入れ価格に当たる買取価格は、それぞれ違います。
大切なのは、一社だけに査定を依頼するのではなく、複数の不動産会社に依頼し、提示される価格を比較することです。
仲介業務をメインとする不動産会社でも買取に応じていることもあります。

担当者とのコミュニケーションも大切

不動産という商品は、一品一価の商品で同じものはありません。
現在所有する不動産の特徴を知ってもらい適正な価格を査定してもらうためには、不動産会社の担当者との信頼関係が重要です。
信頼関係を築くためにも、担当者とのコミュニケーションが重要になってきます。
こちらの希望をしっかりと聞いてくれて、適切なアドバイスをしてくれる担当者を見つけましょう。

写真

(写真/PIXTA)

不動産買取で知っておきたい業者の選び方

不動産買取専門か、仲介も手掛けるか

不動産会社といっても得意分野はさまざまです。
売買の仲介を専門にする会社、賃貸業をメインにする会社、買取を専門にする会社と、それぞれ専門的なノウハウを駆使し、事業を展開しています。
不動産売却を検討する場合、その会社の得意分野や専門性を確かめる意味でも、実績等を確認する必要があります。

売主の事情に合わせた適切な売却方法を提案できるか

不動産買取は、買取専門の不動産会社に依頼する場合もあれば、仲介も行っている会社に依頼する場合もあります。
買取専門業者なら、市場に流通しにくい物件でも買取してもらえたりするなどのメリットがあります。
一方、仲介も行う業者の場合、売却の手段として、買取だけでなく仲介での売却を提案してもらえるというメリットがあります。

■買取専門業者の場合
◇物件を問わず市場に流通しにくい物件でも買い取ってもらえることも
◇手間がかからず、短期間で取引が終了する
◆仲介による取引より売却価格が安くなる

■仲介も手掛ける買取業者の場合
◇最初は仲介による売却活動を行うことで、高く売れる可能性がある
◇さまざまな手法で売却活動を行うため、時間がかかる場合もある

仲介のデメリットイメージ

不動産買取のよくある疑問

査定は無料?どの時点で費用がかかる?

不動産買取だけでなく、不動産売却にかかる査定は無料でやってもらえます。

ただし、土地付き一戸建ての場合で、測量図面がなく、土地の面積が不確定の場合など、現況測量を依頼し測量図面を作成すれば、より買取しやすくなる場合もあります。
この場合、土地家屋調査士に支払う測量費が費用としてかかる場合があります。

買取価格は交渉できる?

買取価格に納得がいかない場合は、交渉も可能です。
周辺相場を調べた上で、交渉してみましょう。
ただ、相手は不動産のプロフェッショナルです。
また、時期によって買取価格が変わることもあります。
住み替えが多い時期に合わせて販売不動産を充実させたいときなど、より高く買い取ってもらえる場合もあります。
そのことを踏まえ、契約や決済の時期など、買取条件を加味した上で価格の交渉をしてみてください。
とはいえ、買取価格は仲介での売却よりどうしても安くなってしまいます。自分の不動産をできるだけ高く売却したい人は、仲介での売却活動を検討しましょう。

住宅ローンが残っていても買取してもらえる?

住宅ローンの残債がある場合でも、買い取ってもらうことは可能です。
この場合、買取金額が残っているローンの残債を上回ることが前提です。
下回っているときは、不足分を現金で用意する必要があります。
決済時に、決済金のうち残債分を返済し、抵当権の抹消と所有権移転を行います。

壊れた設備、見栄えが良くないところは直しておく必要がある?

買取の場合、現状での取引が一般的です。
お風呂、キッチン、給湯器等、使えない設備があった場合、一般的な売却でも買主が納得してくれれば、そのまま売却することも可能ですが、売却活動に時間がかかったり、値引き交渉の材料になったりします。
場合によっては、リフォームしてから売却するということになり、さらに時間がかかる可能性もあります。
一方買取の場合、査定額には影響しますが、短期間で売却することができます。
売主の側で、修理や取り替えの必要はありません。

隣地との境界が不明のままでも、買取ってもらえる?

境界が不明な土地は、そのままでは売却することはできません。
現在、境界が不明な場合でも買取してもらえる可能性もありますが、隣地との争いがあるのかないのかなど、現状までの経緯を伝えるなどの必要があります。
その上で境界が確定できることを前提に、買い取ってもらえる場合もあります。

隣の屋根がこちらの土地に越境していても買い取ってもらえる?

屋根にかかわらず隣からの越境物がある場合、その経緯、過去の話し合いの中身などを勘案したうえで不動産会社が判断します。
越境が解決されることを前提に、買い取ってもらえる場合もあります。

古い建物で空家の不動産。買取してもらうため建物の解体の必要は?

木造戸建て住宅の場合、建築後20年から25年たてば、建物には評価がつかないのが一般的です。
土地の価格だけの査定金額となります。
そのような古い建物でも、買取会社は解体費用を費用として計算した上で、買取価格を査定するため、
売主側で解体の必要はなく現況での取引も可能です。

亡くなった親名義の実家を買い取ってもらうことは可能?

不動産の所有者が登記上、亡くなった親のままでは売却することができません。
相続登記という手続きを経て、相続人が売主となれば売却することが可能です。
不動産会社に、相続登記の手続きの相談にのってもらえるか確認してみましょう。

高齢の親が持つ不動産。子どもの私が代わって売却手続きはできる?

登記名義上である所有者の意思能力があり、売却意思と代理人への委任の意思を確認できることが、前提となります。
所有者の現状の健康状態等によっては、後見人等の手続きが必要になることもあります。

写真

(写真/PIXTA)

【実例紹介】売主のこんな事情。不動産買取と仲介、どっちを選ぶ?

不動産買取か仲介での売却か迷ったとき、売主のさまざまな事情ごとに

実例1「時間がかかってもいいから、希望額で高く売りたい」

子どもたちが独立し、高齢となった親の介護の事情もあって実家に戻ることになったAさんご夫妻。
必要でなくなった今の住宅の売却を考えたAさんが選んだのは、不動産会社が提示した価格で、仲介で売ることでした。
買主が現れるまでおおよそ3カ月の時間はかかりましたが、ほぼ希望額で売ることができました。

買取では仲介より2割から3割ほど安い金額で売却することになります。
売却価格にこだわるのであれば、仲介会社の査定価格を比較検討した上での売却がおすすめです。

実例2「新居が決まっているからできるだけ早く売りたい」

子どもたちの成長に合わせて、新居への引越しを考えたBさん家族。
ご夫婦が休日見学会で気に入った新築一戸建ては、今住んでいるマンションの売却資金を充てれば資金計画のめども立った。
そこで、Bさんは、買取での売却を選択しました。
新居の購入に伴う資金がいつできるのかが不明確で、転居のスケジュールも立てにくかったためです。
買取によって、Bさん家族はスムーズに新居への引越しができました。

住み替えの場合、新居の購入費用の資金計画が重要です。
そのためには、今住んでいる不動産の売却価格の確定が前提になります。
仲介で売却しようとすれば、いくらで売却できるのかが未確定となり、資金計画が立てづらい部分があります。
買取の場合は売却価格の確定が早いものの、高く売れる可能性を排除してしまいます。
できるだけ早く売りたいという事情を不動産会社に伝えて、いくらで売り出せば希望どおりの期間で売れそうか相談してみましょう。

実例3「絶対にご近所に知られず売りたい」

自営業を営むCさん家族。
Cさんはご近所とも仲良く暮らしていました。
ところが会社の経営状態が思わしくなく、事業資金の担保となっていた自宅を売却せざるを得なくなりました。
Cさんは、ご自宅を売ることをご近所に知られたくありません。
そこで買取会社に買取を依頼することになりました。

仲介での売却となると、仲介会社は買主を見つけ出す手段として広告を多数出稿します。
ネットや新聞折込チラシ、ポスティングチラシなど、近隣地域に広く売り物件として広告されます。
一方、買取では、最初から買主は確定していますので、広告は一切出されません。
どうしてもご近所に知られたくないという事情がある人は、買取を選んだほうがいいでしょう。
しかし、売却価格が安くなってしまうというデメリットがありますので判断は慎重にしましょう。

写真

(写真/PIXTA)

【実例紹介】物件のこんな事情。買取と仲介どっちを選ぶ?

実例1「築浅で立地のいい人気のマンションを売却したい」

駅にも近く、スーパーマーケットなど生活施設も充実した立地のマンションに住むDさん家族。
結婚を機に購入してから12年になろうとしています。
ご近所に友達も多く気に入っていましたが、夫の転勤を機に買い替えることに。
さしあたっての住居は転勤先に社宅があります。
Dさん家族は思い出深いこのマンションを希望額で売りたいと考えています。
そこで、Dさんは仲介会社に売却を依頼しました。

仲介する不動産会社が一般市場に広告を出すことで、買主が短期間に多く現れそうな物件は、仲介による売却が適しています。
立地がよい人気のマンションは、まさにそのような不動産物件です。

実例2「知り合いの建築士が設計した個性的な一戸建て住宅を売りたい」

Eさんの住まいは、友人の建築士に設計を依頼して建てた築19年の一戸建て住宅。
山の手の斜面地に建つ2階からの眺望のいいおしゃれな住宅です。
でもこれから、介護が必要な妻の両親との暮らしを考えたとき、坂の多い山の手は現実の暮らしには不便です。
そこで、引越しを考えたEさんは買取会社へ査定を依頼すると、建物の評価が、思ったより高くありません。
そこで、Eさんはこの家の価値を認めてくれる個人の買主を仲介会社を通じて探し、売ることに決めました。

個性的な間取りのデザイン性が高い住宅の付加価値が買取価格に反映されることは、あまり期待できません。そこで、その付加価値を評価できる買主を仲介によって探すほうがより高く売れる可能性があります。

実例3「駅近で立地はいいが古いマンションを売却したい」

築40年になる駅前のマンション。
長らくこのマンションで暮らしていたFさん夫妻は、リタイア後は夫の田舎で新しい暮らしを始めることにきめました。
長らく会社員として働いてきたFさんにとっては、たいへん通勤に便利なマンションでした。
でも、売却に際しては心配な点がありました。
建物自体が古く外観もそれなりです。
しかし子育ての思い出もいっぱい詰まったマンションを希望額より安く手放したくありません。
そこで、Fさんは、時間がかかっても仲介でじっくり買主を探すことにしました。

駅近で立地がいいマンションの場合、たとえ築古でも仲介でじっくり買い手を探したほうが高く売却できます。

実例4「再建築不可の土地に立つ一戸建てを売りたい」

Gさんがご両親から受け継いだ古い一戸建て。
Gさん自身もここで生まれ育った家です。
ご両親が10年前に亡くなり、今は相続登記によってGさんの名義になってます。
相続当時は思い出の深い実家をすぐ売ることはできず、やっと売る決心がついた今、調べてみると大変なことが分かりました。
Gさんの家が建つ土地は、いわゆる囲繞地(いにょうち)と呼ばれ建築基準法上の接道義務を果たさない土地だったのです。
つまり、今の建物を解体して新しく家を建てようとしても、建築基準法上許可されない土地だったのです。そこで、Gさんは、買取会社に相談しました。
その結果、価格は思っていたより安くなりましたが、無事売却することができました。

*接道義務:建築基準法で、建築物の敷地は道路に2メートル以上接していなければならないという規定

いわゆる接道義務を果たさない土地に建つ物件の場合、仲介での売却は困難になる場合が多いです。
というのは建築基準法によって、建物を新しく建てることができないからです。
売却価格によっては仲介で売ることもできるかもしれませんが、買取してもらうことを検討してみてもよいでしょう。

実例5「借地に立つ戸建てを売りたい」

Hさんの所有する家は、古い街並みの中に建つ一戸建て。
しかし土地は、親の代からの借地です。
Hさんは売却を考えていますが、調べてみると借地上の家を売るということは「借地権」も同時に売ることになります。
そうなると、地主の「借地権譲渡承諾」が必要になることが分かりました。
どうも、仲介では売りにくいらしいということが分かり、買取会社に買い取りを依頼することになりました。

借地権問題は不動産の諸問題の中でも、争いごとになりやすい専門的でややこしい問題です。
家を借地権付きで販売するためには、地主の協力が必要になります。
場合によっては、地主に買い取ってもらう方法がベストになることもあります。
また、借地権のついた土地(底地)のみを売りたいなど、一般市場では流通しにくい物件でも、買取業者による買取は可能です。

まとめ

不動産買取の場合、仲介での売却に比べると売却価格は低くなります。
一方、売却にかかる時間が短くて済む、売りにくい物件も買い取ってもらえる場合があるなど、メリットもあります。
買取と仲介のメリット・デメリットを比較した上で、自分たちの事情にあった売却方法を選ぶことが、満足できる売却につながります。
まずは複数の不動産会社に査定を依頼して、信頼できる不動産会社を見つけましょう。

写真

(写真/PIXTA)

構成・取材・文/コハマジュンイチ

イラスト/のりメッコ

売却査定する
中古マンションを探す
中古一戸建てを探す
賃貸物件を探す
土地を探す
新築一戸建てを探す
新築マンションを探す
リフォーム会社を探す
注文住宅の会社を探す
カウンターで相談する
ハウスメーカーを探す
工務店を探す
引越し査定する
ページトップへ戻る