不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

修繕積立金の不足を知り築17年のマンションを売却。売り時を逃さず約6000万円弱で成約/東京都品川区Oさん(50代)

東京都品川区Oさん(50代)/修繕積立金の不足を知り築17年のマンションを売却。売り時を逃さず約6000万円弱で成約

品川区の築17年のマンションに住んでいたOさん。修繕積立金が不足していることがわかり、負担が増えるのを不安に感じ、売却を決めました。いろいろな情報を得るように努め、売り時を探り、「絶対に値引きしない!」という強い意志で挑んだ売却活動でした。

不動産区分 マンション
所在地 東京都品川区
築年数 約17年
間取り・面積 3LDK(約80m2
ローン残高 なし
査定価格 6000万円
売り出し価格 5990万円
成約価格 5990万円

マンションの同等物件が売れているタイミングを逃さず、売却活動を開始

家族で、東京都品川区の80m2・3LDKのマンションに住んでいたOさん(50代)。新築時4500万円で購入したマンションが築17年目を迎えた2017年の末、マンションが大規模修繕を行う予定であると知りました。

「そこで、マンションの管理組合の理事会議事録を見たら、修繕積立金が大きく足りないことがわかったんです。一戸当たり300~400万円近くの一時金が徴収される可能性がありました。そんなことになる前に売りたいと考えるようになりました」

元々いつかは住み替えたいと自分なりに売り時を探っていたOさん。チラシを必ず見て同じマンションのどこがいくらで売れているかをチェック。同じフロアに住んでいたマンションのオーナーにも同等物件の売却額の情報を聞きに行きました。そのころ、同じマンションの別のフロアが売れていると知り、いいタイミングだと考えたOさんは、売却を決意したのです。

マンションは、駅やショッピングモール、商店街まで徒歩5分で、最寄駅から羽田空港駅までは約30分。出張にも便利でした。働くにも子育てにもいい環境なので、「探している人は必ずいるはず。高値で売れるだろう」と考え、2018年1月から本格的に売却に向けて動き始めました。

6000万円の査定額から10万円を引き、5990万円で売り出す

Oさんがマンションを購入した際の不動産会社の担当者は、同年代で気が合い、その後も親交がありました。そこで、一括査定は利用せず、その担当者に連絡。担当者は、Oさんが以前依頼した別の物件の売却でも売主の立場に寄り添った提案をしてくれ、信頼関係がありました。Oさんは、自分なりにチラシなどで近隣の同等マンションの売却額を調べ、「6300万円で売りたいと思うがどうだろうか」とたずねました。

「担当者からは、6000万円が妥当な価格ではないかと言われました。さらに、10万円下げて、5990万円にすると良いのではと提案してくれました。6000万円と5990万円では、購入検討者に与える印象がだいぶ違い、反響が大きいだろうと」

そこで、Oさんは、正式に担当者と専属専任媒介契約を結び、5990万円で売り出すことにしました。

絶対に値引きしないと決め、不動産仲介会社にあらかじめ伝える

「絶対に値引きはしたくない」と考えていたOさんは、不動産仲介会社の担当者にその旨を伝え、さらに購入検討者が現れたらしっかり人物を見てくれるようにお願いしました。

不動産仲介会社のサイトへの掲載やチラシを配るなど売却活動開始をしたところ、1週間ほどで3人の内見者が現れました。内見にはOさんが立ち合い、質問にはマイナスなことも包み隠さず答えました。お風呂場が一度水のトラブルをおこしたこと、床暖房の保証期間が過ぎていること、修繕積立金のことなどです。

購入希望者は、元々近隣に住んでいたので、物件の良さや事情を理解しており、細かい条件出しはなし。ローン審査もスムーズに通り、2018年2月に5990万円で決まりました。

売却後の税金のことなど、自分で調べて有利な方法を選ぶ

活動をはじめてすぐに売却が決まったので、あわてて新居探しを始めましたが、住み替え先は賃貸にしました。 「最初から5年間は賃貸暮らしをするつもりでした。譲渡所得(売却したときに出た利益)があったので、3000万円特別控除を使ったのですが、前年、前々年に特別控除を使っている場合は、住宅ローン控除が受けられないので、控除が使えるようになってから新しい住まいを購入する予定です」

■買い替え時の特例利用の注意点とは

買い替え時の特例(いわゆる買い替え特例)のうち、住宅ローン控除と併用できるのは、「居住用財産の買い替えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」です。買い替えで「譲渡損失」が生じた場合、所得税や住民税が軽減される制度です。この制度は、家を売った年の所得税を計算する際、給与所得や事業所得から譲渡損失を控除できます。売った年の所得より譲渡損失が大きいときは、控除しきれなかった分を翌年以降に繰り越し、最長3年間(トータルで最長4年間)にわたって控除でき、所得税だけでなく、翌年分の住民税(所得割分)にも適用されます。この特例を使うには、自分が住んでいる自宅を売却することなどの要件があります(制度適用期限は2025年12月31日の譲渡まで)。ただし、譲渡損失との相殺によって所得がゼロになった年は住宅ローン控除が適用されないので注意しましょう。

4500万円で購入した築17年のマンションが6000万円弱で売却でき、納得の売却活動でした。

「買ったときよりだいぶ高く売れて大満足です。普段からまわりの物件の売却情報にアンテナを張っていたのが良かったのかな」と語るOさん。賃貸暮らしも快適ですが、そろそろ購入するマンションの検討を始めています。

2018年1月 ・売却を意識しはじめる
2018年2月初旬 ・不動産仲介会社と専属専任媒介契約を結ぶ
・5990万円で売り出し
2018年2月中旬 ・購入希望者が現れる
・住み替え先を探し始める
・売買契約を結ぶ
2018年2月下旬 ・住み替え先の賃貸借契約
2018年3月初旬 ・住み替え先に引っ越す
2018年3月中旬 ・物件の引き渡し

まとめ

  • 同じマンションの他の売却物件の売れ行きを常にチェックしておこう
  • 値引きをしない方針なら、そのことを事前に不動産仲介会社にはっきり伝える
  • 前年、前々年に3000万円特別控除を使った場合、住宅ローン控除が適用されない
売却査定する

イラスト/めんたまんた

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●構成・取材・文/内田優子
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