
品川区のマンション(築15年・3LDK)を売却し、現在は神奈川県に暮らすMさん。以前のマンションは息子の通う私立小学校まで片道一時間以上かかっていたため、通学に便利な場所への住み替えを検討。前々から不動産会社のアプローチがあったことから、マンションの売り時だと売却を決断、7500万円で成約しました。
| 不動産区分 | マンション |
|---|---|
| 所在地) | 東京都品川区 |
| 築年数 | 約15年 |
| 間取り・面積 | 3LDK・80m2 |
| ローン残高 | 3000万円 |
| 査定価格 | 7500万円 |
| 売り出し価格 | 7500万円 |
| 成約価格 | 7500万円 |
通学に不便だったマンションを売却し、小田急線沿線に一戸建てを新築
Mさんが以前住んでいた品川区のマンションは、5階建て最上階の80m2・3LDK。住宅街からは、自転車で行ける距離に商店街があり、抜群の暮らしやすさ。しかし、息子の通う私立小学校が遠方にあることだけが悩みでした。 「小学生になった息子が、バスで1時間以上かけて毎日通う姿がかわいそうで。小中学校のある沿線に住み替えたいと、2019年の2月ごろから一戸建てを探し始めました」 マンションは、最寄駅から徒歩3分、角部屋のルーフバルコニー付きで、不動産会社からは、以前から買取のアプローチが多くありました。新築から住んできたマンションも築15年目になり、売り時と判断したMさんは、住み替え先の物件探しと並行してマンションの売却を進めることにしました。
複数の不動産会社に査定を依頼、査定価格の7500万円で売却開始
小学校のある沿線で住み替え先を探し始めたMさんは、複数の住宅メーカーの内覧会に参加。気に入った住宅メーカーが見つかりましたが、希望のエリアに建売住宅がなく、土地を探し、新築することに。家を依頼した住宅メーカー系列の不動産会社を紹介してもらい、土地探しを始めました。
並行して、マンションについて、数社の簡易査定と訪問査定を受けたMさん。査定価格に大差はなく、いずれも7500万円でした。 「マンションの戸数は100世帯ほどで、すでに何軒か売りに出ていたんです。その中でも、優良物件だと査定時に言われました。6000万円で購入したマンションだったので、購入時より高く評価してもらい、うれしかったです」 同じころ、住み替え先の物件探しを通じて、信頼できる不動産会社と出会いました。担当者の熱意を感じたMさんは、専任媒介契約を結び、マンションの売却を依頼することにしたのです。

値引き交渉に応じず、物件の魅力を最大限評価してくれる購入者を待つ
査定通りの7500万円の価格で売却活動を開始。WEB上で広告をすると、すぐに反響がありました。毎週のように希望があった内見は住みながらの対応。担当者から普段どおりでいいと言われていたので、少し片付ける程度でした。10件以上の内見を受けた中で、購入希望者が現れましたが、数人から値引き交渉をされました。
「値引き交渉には不動産仲介会社がかたくなに首を縦に振らず、『もっと粘りましょう。必ず売れるので期待してください』と言われました。こちらは、知識も経験もないので、売却活動は不動産会社に完全にお任せし、住み替え先の準備を進めることができました」
最終的に、値引き交渉を一切しなかった希望者と2019年8月に成約。元々近隣に住んでいたご夫婦で、エリアの魅力も、物件の希少価値も理解していました。2019年5月に住み替え先の売買契約を結び、約5カ月間の売却活動を終え、9月末に新居に引っ越しました。
■値引き交渉とは
不動産売買においての値引き交渉は、安く買いたい買主と高く売りたい売主の間で交わされる駆け引きのことです。買主が値引きを要求してくる場合を想定し、あらかじめ、売主が査定価格に値下げ分を上乗せしておくこともあります。一般的に、不動産仲介会社を介して交渉されるので、値引きの金額や時期については担当者に相談できます。判断材料は、近辺の過去の売却価格や売り出してからの時期などです。設定した売却価格が妥当と考えるなら、無理に値引きに応じる必要はありません。
子どもは15分で通学可能に。マンションは購入時より1500万円高く売れて大満足
購入時より1500万円高く売却でき、3000万円残っていたマンションの住宅ローンは完済。100m2・3LDKの新居を建てました。頼れるところはプロにお任せして、マンションの売却と新しい家の建築をストレスなく進めることができたのです。
「子どもは電車で乗り継ぎなく、15分で通学できるようになり、親として安心です。買い物などの便利さは前のほうがありましたが、自然が多く、広い公園で息子は、大好きな野球をしています。都会すぎず田舎すぎず、のんびり暮らせています」
売却活動全体について「大満足」と振り返り、穏やかな表情を見せてくれたMさん。子どもがのびのびと暮らせる環境で、家族の時間がゆったりと流れていきます。
| 2019年2月 | ・売却を検討し始める ・住み替え先の物件探し ・管理査定・訪問査定を受ける |
|---|---|
| 2019年3月 | ・不動産仲介会社と専任媒介契約を結ぶ ・7500万円で売り出す |
| 2019年5月 | ・住み替え先の売買契約を結ぶ |
| 2019年8月 | ・7500万円で売買契約を結ぶ |
| 2019年9月 | ・売却物件引き渡し ・住み替え先に引っ越し |
まとめ
- 最初に物件の価値を客観的に知るのが大事
- 希少価値のある物件の場合は、値引き交渉に応じない戦略も可能
取材・文/内田優子 イラスト/石山好宏


