不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

土地を売却したときの確定申告の流れとは?必要書類の書き方や特例・控除を解説

土地を売却したときの確定申告の流れとは?必要書類の書き方や特例・控除を解説

土地や住宅などの不動産を売却したとき、確定申告に頭を悩ませる方は多いようです。しかし、土地売却に関してはさまざまな特例や控除が設けられており、確定申告で適用を受けることで節税効果が見込めます。この記事では、土地売却に関する節税対策や、確定申告の流れをご紹介します。

記事の目次

確定申告が「必要なケース」「不要なケース」は?

マイホームや相続で得た土地家屋を売却したとき、経費などを差し引いた額がプラスになれば、確定申告が必須です。一方で、売却はしたけれどマイナスとなったときは、確定申告は原則不要ではありますが、確定申告することで損益通算や繰越控除などの特例の適用を受けられるのでこの場合も確定申告しておくのがお得です。

土地売却で利益(譲渡所得)が生じたときは、確定申告は「必須」

土地を売却して譲渡所得が生じた場合、譲渡所得税等の課税対象となるため確定申告が必須です。譲渡所得税等とは、譲渡所得にかかる所得税、復興特別所得税、住民税を指し、売却で得た利益に一定の税率をかけることで算出されます。ただし後述するように、譲渡所得税等にはさまざまな控除や特例が設けられており、それらを活用することで節税が可能です。

利益が生じたのに確定申告をしなかった場合や、期限後申告(期限内に確定申告をせず、後から申告すること)となった場合は、ペナルティとして納める税金に無申告加算税が上乗せされます。無申告加算税は、原則、納めるべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%を乗じた金額が加算されます。本来よりも多く税金を納めなければならなくなりますから、期限内に忘れず確定申告を行いましょう。

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給与所得者は申告不要の例外も(20万円ルール)

会社員などの給与所得者は、土地売却で生じた譲渡所得が20万円以下なら、確定申告は不要です。(住民税にはこのような規定はないため、市町村に対して住民税の申告は必要です)

このいわゆる20万円ルールが適用されるのは、給与を1カ所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合のみです。給与を2カ所以上から受けている会社員や、個人事業主は、譲渡所得が20万円以下でも確定申告が必要です。

土地売却で譲渡損失が生じた場合も、確定申告で節税可能

土地を売却したことで損失が生じた場合は、確定申告は不要です。とはいえ、ほかに土地などの譲渡益がある場合には譲渡所得内での通算や、一定の条件を満たせば、その損失を給与などの他の所得と損益通算や繰越控除ができる特例(※)があり、確定申告することで適用が受けられます。
※「新たにマイホームを買い換える場合の特例」「新たにマイホームを買い換えない場合の特例」(ともに詳細は後述します)

節税イメージ

(画像/PIXTA)

土地売却にかかる税金を節税するコツ

不動産の譲渡所得税などの課税対象となる譲渡所得は、譲渡価額から取得費や譲渡費用を差し引いて、さらに適用対象であれば特別控除額を差し引いて計算されます。

譲渡所得の計算式
譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額(一定の場合)= 譲渡所得

したがって確定申告時には、売却するためにかかった費用をもれなく計上して、さらに適用できる控除を見逃さず申告することが、節税対策になります。

経費(取得費や譲渡費用)をもれなく計上しよう

売却するためにかかった費用として申告できるものは、大きく「取得費」と「譲渡費用」に分けられます

取得費とは、売却した土地や建物を「買い入れたときの購入代金(建物は減価償却費相当額を控除)」や、仲介手数料、登録免許税や登記費用、不動産取得税、印紙税など購入時にかかった諸費用のこと。実際の取得費の金額がわからない場合や、売った金額の5%に満たない場合は、売った金額の5%相当額を取得費として計算することができます。

譲渡費用は、売却時にかかった仲介手数料や、土地や建物を売るために直接要した費用(測量費など)、その土地が貸家なら売却に際して支払った立退料、売却前に建物を取り壊した場合の取り壊し費用などがあります。

使える特別控除や特例を確認しておこう

土地を売却した際の譲渡益には特別控除などの特例があり、また、譲渡損失であっても要件を満たせば損益通算や繰越控除が可能です。税金の払い過ぎを抑えられる可能性がありますから、使える控除や特例がないかしっかり確認しておきましょう。

確定申告をする人のアイソメトリック図

(画像/PIXTA)

マイホーム売却(土地家屋もしくは土地のみ)で、譲渡損失が生じた場合の特例 

売却した年の1月1日現在で、所有期間が5年を超えるマイホームを売却して譲渡損失が生じたら、以下の特例が利用できます。

▼新たにマイホームを買い替える場合
「居住用財産を買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」
▼新たにマイホームを買い替えない場合
「特定の居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」

マイホームを取り壊して敷地だけを売却した場合には、原則としてこれらの特例は受けられません。ただし、次の(1)〜(3)の要件を全て満たすときは、この特例が受けられます。

(1) 家屋を取り壊した日から1年以内にその敷地を売る契約をしていること。
(2) その家屋に住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。
(3) その家屋を取り壊してから、その敷地を売る契約をした日まで、貸付けその他の用に使用していないこと。
(引用元:「No.3320 マイホームを取り壊した後に敷地を売ったとき|国税庁」)

なお、どちらの特例においても、「繰越控除をする年の合計所得金額が3000万円以下であること」が適用条件となっています。合計所得金額が3000万円を超える年は、その年のみ適用できません。

居住用財産を買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(新たにマイホームを買い換える場合)

マイホーム買い換え時に譲渡損失が生じた場合に利用できる特例です。
「マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間に」「新たなマイホームを取得」し、「年末に新たなマイホームに対しての住宅ローン残高がある」など、一定の要件を満たせば、売却したマイホームの譲渡損失の金額を損益通算できます。また、その年で譲渡損失分を通算しきれなかった場合には、残額をその年の翌年以後3年内の各年分の所得から繰越控除が可能です。

特定の居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(新たにマイホームを買い換えない場合)

住宅ローン残高があるマイホームを売って譲渡損失が生じたときに利用できる特例です。
住宅ローン残高からマイホームの譲渡対価の額を控除した残額を限度として、譲渡損失の金額を損益通算できます。また、その年で譲渡損失分を通算しきれなかった場合には、残額をその年の翌年以後3年内の各年分の所得から繰越控除が可能です。

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家の建て替えイメージ

(画像/PIXTA)

土地売却で譲渡所得が生じた際に利用できる控除・特例

ここでは、土地売却で利益が出た際に利用できる控除や特例を紹介します。控除や特例を受けるためには、それぞれ一定の要件を満たす必要があります。

居住用財産の3000万円特別控除の特例(居住用財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例)

マイホームを売って譲渡益がある場合に利用できる特例で、所有期間に関係なく、譲渡所得から最高3000万円まで控除ができます。

この特例は建物を取り壊して更地となった土地や、相続で引き継いだ後、居住の意思を持って住んだ自宅を取り壊して土地を売るといった場合にも、一定の要件を満たすことで利用できるところがポイントです。

▼3000万円控除についてさらに記事を読む
【3000万円特別控除とは】マイホーム売却で知っておきたい制度と適用条件を解説

10年超所有軽減税率の特例(マイホームを売ったときの軽減税率の特例)

マイホームの所有期間が10年を超えている場合(売った年の1月1日現在)に利用できる特例で、通常よりも譲渡所得税が低い税率で計算されます。

この特例は「①居住用財産の3000万円特別控除の特例」を適用した後の課税長期譲渡所得金額(※)に対して、次のとおり軽減された税率で税額を計算します。
(※)課税長期譲渡所得金額は「(土地建物を売った収入金額)-(取得費+譲渡費用)-特別控除=課税長期譲渡所得金額」で求められます。

課税長期譲渡所得金額 所得税 住民税
6000万円までの部分 10% 4%
6000万円を超える部分 15% 5%
※平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります

特定の居住用財産の買い換え特例(特定の居住用財産の買換えの特例)

特定の時期にマイホームの買い換えをした場合に利用できる特例です。令和5年12月31日までにマイホームを売り、売った年の前年から翌年までの3年の間に別のマイホームに買い換えたときに、一定の要件を満たせば譲渡所得税を将来に繰り延べること(先延ばし)ができます。非課税になるわけではない点に注意が必要です。

また、①居住用財産の3000万円特別控除の特例、および、②10年超所有軽減税率の特例とは併用できないので、いずれかを選んで申告することになります。

この特例を利用するにあたって、買い換えが譲渡の年の翌年以降となるときには、買い換え予定の資産を示す「買換(代替)資産の明細書」を提出します。また、新居が一定の耐震基準を満たしていなければならないため、耐震基準を示す何らかの資料(建設住宅性能評価書の写しなど)が必要です。

低未利用土地等を譲渡した場合の100万円特別控除の特例

空き地や、空き家・空き店舗等の利用されていない土地(=低未利用土地等)を売却した際に利用できる特例です。

都市計画区域内にある一定の低未利用土地等を500万円以下で売却した場合、譲渡所得の金額から100万円を控除することができます。譲渡所得が100万円に満たない場合には、その譲渡所得の金額が控除額になります。

売却後にその低未利用土地等が利用されること、所有期間が5年を超える(売った年の1月1日時点)、売手と買手が、親子や夫婦(内縁関係も含む)など特別な関係でないことなどの適用要件があります。

【参考】低未利用土地等とは
居住の用、事業の用その他の用途に利用されておらず、またはその利用の程度がその周辺の地域における同一の用途もしくはこれに類する用途に利用されている土地の利用の程度に比し、著しく劣っている土地や当該低未利用土地の上に存する権利のことをいいます。
(「No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除|国税庁)より抜粋)

平成21年~平成22年に取得した土地を売却した場合の1000万円特別控除(平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除)

売却した土地が平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に取得したものである場合に限り、利用できる控除です。

譲渡所得から1000万円を控除することができ、また、譲渡所得の金額が1000万円に満たない場合にはその譲渡所得の金額が控除額となります。

不動産売買契約書イメージ

(画像/PIXTA)

相続した土地を売却したときに利用できる節税対策・特例

相続した土地を売却した際には、売却したときのタイミングによって相続税の取得費加算や、譲渡所得の特別控除が受けられます。これらの適用を受けるには、まず売却した土地の「購入した当時の取得費」を調べることからはじめます。

取得費が分からないときは、「概算取得費」を用いるが…… 

親族が亡くなったなどの理由で土地を相続した場合、取得費が分からないことがあります。こうしたケースでは土地を売却した価格(譲渡価額)の5%を取得費として計上します。これを概算取得費と呼びます。たとえば1000万円で土地を売却したら、50万円が概算取得費です。

しかし、概算取得費は譲渡価額のわずか5%ですから、概算取得費で確定申告を行うと税金が高くなりがちです。節税するのであれば、取得費が分かる資料を可能な限り探してみましょう。資料によって算出した金額が必ず認められるとは限りませんが、認められれば概算取得費よりも節税効果が見込めるので、検討する価値はあります。

▼取得費が分かる資料の例

  • 購入価額や住宅ローンの支払状況が分かる通帳
  • 住宅ローンを組んだ証明になるもの。金銭消費貸借契約書のコピーや、ローンの償還表など
  • 抵当権の設定金額の状況が分かるもの。全部事項証明書の乙欄など
  • 不動産価格が記載されているパンフレットなど、購入当時の不動産業者の資料

上記に加えて、売った不動産と同じエリアの「市街地価格指数(一般財団法人日本不動産研究所)」や「建物の標準的な建築価額表」をもとに推定した当時の購入価額を、契約書類などの紛失理由を書いた「申述書」に記載することで、説得力が増します。

相続から3年以内に売却なら「節税特例」(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)

相続した土地や建物を、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却すると、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算できます。「相続税のうち」と書いたように、相続税の課税義務が発生しなかった場合は利用できません。

この特例は売却のタイミングが要件となっているので、売却を考えているなら早めに動くことが肝要です。しかし、売り急ぐあまり市場価格よりもかなり安い価格で売却すると、納税後の手取り額が減少してしまうので注意が必要です。

相続した住居を、期限までに売却した際の特別控除(被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例)

被相続人の住居として利用されていた土地家屋を相続して、令和5年12月31日までに売却することで受けられる控除の特例です。相続した空き家を取り壊した更地を売却した際にも適用できます。

「昭和56年5月31日以前に建築されたこと」「相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと」など、一定の要件に当てはまれば、譲渡所得の金額から最高3000万円まで控除されます。

財産目録イメージ

(画像/PIXTA)

土地売却した年度の確定申告の流れ

確定申告書の提出期間は(土地を売却した翌年の)2月16日~3月15日です。

土地売却にあたって確定申告をする場合、受けたい特例や控除によっては、多くの関連書類を用意する必要があります。かなり多くの書類を用意する必要がありますので、期限までにそろえられるよう早めに準備をはじめましょう。

確定申告の流れ

確定申告の流れ(図版作成:Amy)

事前準備1: 土地売却後の確定申告のために必要書類を集めておく(チェックリスト・入手方法)

ここでは、土地を売却した際の確定申告で必要な、基本的な書類をまとめました。これらに加えて、使う特例の適用要件を満たすことを証明する書類が必要となります。

・譲渡所得の内訳書
譲渡所得金額を計算して申告するための付表で、課税のベースとなるものです。「譲渡所得の内訳書」は、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。
なお、譲渡損失がある場合は、必須の書類ではありません。

・確定申告書B様式(譲渡所得がある場合) または 確定申告書第三表(分離課税用の申告書)
前者は確定申告書の第一表と第二表で、AとBの2種類があり、土地売却の所得の申告には「B様式」を使用します。申告者の収入や所得、受ける控除、支払う税額などを記入します。
確定申告書の第三表は、土地や建物の譲渡(=売却)といった、申告分離課税対象の所得がある場合に提出が必要な申告書です。
これらは税務署で入手できるほか、国税庁のウェブサイトからダウンロードして印刷して使用します。e-Taxを利用する場合には、PC等から必要な情報を入力して提出します。

・土地を「売却した時」の売買契約書の写し
土地を売却した際の売買契約書のコピーを用意します。手元になければ、不動産会社にコピーをもらえるよう依頼しましょう。

・土地を「購入した時」の売買契約書の写し
売却した土地を「購入した当時の」売買契約書のコピーを用意します。購入した方が故人であるなどの理由で購入金額が分からない場合は、概算取得費を計算して申告します(前述の「取得費が分からないときは、「概算取得費」を用いるが……」を参照)。

・譲渡費用にかかわる領収書の写しなど
土地の売却にかかった費用を証明する、領収書の写しなどを用意します。
不動産会社に支払った仲介手数料、収入印紙代(印紙税)、売却にあたって実施した測量の費用、更地にするための建物の取り壊し費用などがこれにあたります。

・取得費にかかわる領収書の写しなど
売却した土地の「取得・購入にかかった費用」を証明する、領収書の写しなどを用意します。
不動産会社に支払った仲介手数料、収入印紙代(印紙税)、不動産取得税、登録免許税、登記申請を依頼した司法書士への報酬、固定資産税の精算金、取り壊すこと前提で購入した建物の費用や取り壊しの費用、相続した土地の場合は相続登記にかかった費用などがこれにあたります。

・譲渡した土地の全部事項証明書
土地の全部事項証明書は、法務局のウェブサイトから請求の手続きができます。受け取りは窓口か郵送のどちらかを選択します。500円前後の費用がかかります。 もしくは、国税庁のウェブサイトからダウンロードできる「譲渡所得の特例の適用を受ける場合の不動産に係る不動産番号等の明細書」を提出することで、登記事項証明書の添付を省略できます。

・各特例を受けるために必要な追加書類
本記事で紹介した特例や控除を受けるには、必要な追加書類を準備します。必要な書類はどの特例・控除を申請するかで異なるので、詳細は国税庁のウェブサイトをご確認ください。

・その他、確定申告に必要なもの(源泉徴収票・マイナンバー)
マイナンバーカードがある場合は、マイナンバーカードの表面と裏面のコピーを添付します(税務署に持参・郵送時)。また、e-Taxで申告する際にはマイナンバーカードが必ず必要です。

マイナンバーカードがない場合は、「個人番号が確認できる通知カードか住民票の写し」と、身元確認書類(運転免許証やパスポート、健康保険証など)の写しの2種類の添付が必要です。
会社員(給与所得者)の場合は、収入や所得、天引きされている税額などを記入するため、源泉徴収票を用意します。ちなみに、源泉徴収票の内容は申告書に記載しますが、源泉徴収票自体の添付は不要になりました(2019年から)。

事前準備2: 「譲渡所得の内訳書」を記入する

「譲渡所得の内訳書」は、譲渡所得金額(土地を売却して得た利益)を計算するために記入する書類で、全部で4枚(1面~4面)あります。物件の所在地や種類、売買契約日や引渡日、買主の情報や譲渡価額、譲渡のためにかかった費用など、必要項目を埋めていきましょう。

確定申告書を記入する

「譲渡所得の内訳書」は、譲渡所得金額(土地を売却して得た利益)を計算するために記入する書類で、全部で4枚(1面~4面)あります。物件の所在地や種類、売買契約日や引渡日、買主の情報や譲渡価額、必要書類が全て集まったら、確定申告書B(第一表)、確定申告書B(第二表)、第三表(分離課税用)を記入します。

確定申告書を提出する

確定申告書を提出する方法は、税務署へ直接行って提出、郵送、e-Taxの3種類の方法があります。確定申告シーズンは税務署が混雑しており、提出だけでも長時間待つことがありますから、直接提出する場合は時間に余裕を持って訪れましょう。

納税または還付を受ける

確定申告をしたら、納税が必要な場合は期間中(2月16日~3月15日)に税務署もしくは金融機関で納税します。手続きをしておけば、指定口座からの引き落としもできます。
給与所得者の場合、住民税は勤務先にて給与天引きで徴収されます。自営業者の場合は、申告した年の5月以降に届く納付書を確認して、納付書(もしくは口座振替)で納税となります。
税金の還付を受ける場合は、4月上旬~5月上旬ごろに申告書に記入した振込口座へ還付金が振り込まれます。振り込まれる前に、ハガキにて還付金額のお知らせが届きます。

確定申告イメージ

(画像/PIXTA)

確定申告を税理士に依頼するときの相場は?

土地売却にともなう確定申告は、用意する書類が多岐にわたり、慣れない方がスムーズに進めるのは難しいかもしれません。計算が難しい・使える特例や控除が分からない・書類が全てそろっているか自信がない……といった不安がある方は、税理士に相談するのも良いアイデアです。
不動産売却にともなう確定申告を税理士に依頼する場合、費用は不動産の売却益で変動しますが、10~20万円程度が目安となっています。

相談窓口イラスト

(画像/PIXTA)

節税のためにも土地売却後は確定申告しよう

土地売却の結果、利益が出ても損益が出ても、確定申告で節税効果が期待できます。書類をそろえるのは手間ですが、それによって納税額が大きく変わることもありますから、早いうちから少しずつ準備しておくのがおすすめです。自分だけだと不安が残る方、時間のない方は、税理士に相談することも視野に入れてみてください。

まとめ

  • 土地売却で利益が出たら、確定申告は必須(「20万円ルール」に該当するケースを除く)
  • 土地売却で損失が出た場合、確定申告は原則不要だが、申告することで節税効果が期待できる
  • 節税のコツは「費用の計上」「特例・控除の申告」にあり
  • 長期所有、マイホームの買い換え、相続空き家など、売却する土地によってさまざまな特例・控除がある
  • 土地売却にともなう確定申告では、通常の書類のほか、受ける特例・控除によって必要書類がプラスされる

構成・文/ライトアップ

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●監修/税理士法人タクトコンサルティング
資産税コンサルティングの草分けとして、長年にわたり、個人の相続・譲渡や贈与など、法人の事業承継、組織再編、M&Aなど、個人・法人の資産税に関わるコンサルティングを手がけている。
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