不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

一戸建て売却の流れを詳しく解説!注意点や高く売却するポイントとは

一戸建て売却の流れを詳しく解説!注意点や高く売却するポイントとは

一戸建てを売却する場合、多くの方が「早く高値で売りたい」と考えるでしょう。しかし、一戸建てを買主に引き渡すまでには、多くの準備や手続きが必要です。そのため、一戸建てを少しでも早く高値で売却するためには、具体的な流れを知ったうえで準備や手続きをコツコツ進めていかなくてはなりません。

今回は、まず一戸建てを売却する際のおもな流れを確認します。そのうえで、一戸建て売却における仲介と買取のメリット・デメリット、一戸建てを高く売却するためのポイントなどを解説します。一戸建て売却を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

記事の目次

一戸建てを売却する際のおもな流れ

一戸建てを売却する場合、すべての手続きが終わるまでにおおよそ3~11カ月の期間がかかるのが一般的です。仲介という方法を選択した場合、物件を売る部分は不動産会社に依頼できますが、その前後の準備・手続きのなかには売主自身で行う項目もあります。一戸建てを早く納得の価格で売るために、売却手続きの流れや全体像をつかんでおきましょう。

ここからは、一戸建ての売却における以下の流れを詳しく解説していきます。

1.一戸建て売却の準備は、まずローン残高・名義・境界を確認

一戸建てを売却するときには、まず以下3つの確認をしておく必要があります。

住宅ローン残高

一戸建てを住宅ローンで購入している場合、ローンを完済して初めて家の売却が可能になります。
売却活動を進めて買主が見つかり、売買契約を締結した後には、住宅ローンを借りている金融機関に残債を一括返済する旨を伝えたうえで、抵当権抹消手続きを進めてもらう必要があります。

抵当権とは、金融機関が住宅ローンとしてお金を貸す際に、不動産の土地と建物を担保にとる権利のことです。住宅ローンを完済できない場合、金融機関は抵当権の抹消ができません。

したがって、住宅ローンが残っている場合は「売却益で一括返済できるのか?」や「売却益+自己資金で完済できるのか?」などの検討をまず行う必要があります。

不動産の名義

不動産を売却できるのは、土地と建物の名義人だけです。一戸建てを売却する場合、土地と建物の名義人がそれぞれ誰になっているかを確認する必要があります。

親から相続した土地に新しく家を建てた場合、土地は「親」、家は「子ども」というように名義人が別々になっていることもあります。売主以外の名義だった場合、売却手続きが進められません。この場合、法務局で名義変更の手続き(所有権移転登記)を行う必要があります。

将来的に一戸建てを売る予定がある場合は、名義人が誰になっているかを早めに確認しておきましょう。

隣地との境界

「自分の土地」と「隣の家の土地」の境界は明確にしておきましょう。境界が曖昧なまま一戸建てを売り出した場合、隣人トラブルが起こったり売却手続きが滞ったりする可能性があります。

一戸建てを早く確実に売却するためには早めに境界線を確認しておき、境界が未確定の場合は、確定測量を実施する必要があります。

2.一戸建て売却にかかる費用と必要書類を知る

一戸建ての模型と電卓のイメージ

(画像/PIXTA)

一戸建てを早く売るためには、必要書類と売却にかかる費用を知り、不動産会社から求められたときにすぐに出せるようにしておく必要があります。

必要書類

一戸建ての売却では、以下のように多くの書類を用意する必要があります。

  • 登記簿謄本または登記事項証明書
  • 一戸建てを購入したときの売買契約書
  • 購入時の重要事項説明書
  • 登記済権利書または登記識別情報
  • 固定資産評価証明書
  • 固定資産税納税通知書 など

これらの書類は売却手続き時や契約前にそろっていれば問題ありませんが、各種手続きをスムーズに進めるためにも、あらかじめ整理しておいたほうがよいでしょう。

売却にかかる費用を確認

一戸建ての売却後には、仲介手数料や印紙代などの諸費用がかかります。不動産会社に相談や見積もり依頼などをするときは、一戸建ての査定額と併せて必要な諸経費も提示してもらい、どれくらいの利益になるのかを把握しておきましょう。

3.売却の仲介を依頼する不動産会社を選ぶ

ここまでの準備がある程度できたら、一戸建ての売却を仲介する不動産会社を選んでいきます。

売却実績や店舗の場所・数をチェック

一戸建てを売る場合、査定価格がいくら高くても、物件が売れなければ利益になりません。そのため、不動産会社の実績数や営業店舗数などは、会社選びをするうえで大切な評価ポイントになります。また、一戸建てがあるエリアに精通している会社の場合、「子育て環境が整っている」などのポイントから、効果的な宣伝を行える可能性が高いでしょう。

なお一戸建ての場合、物件ごとの個別性が強いことから、マンションなどと比べてより高度なターゲット設定やアピールが必要となります。一戸建ての売却に向けて不動産会社を選ぶときには、担当者の経験や力量もチェックしましょう。

3種類の媒介契約から最適な方法を選ぶ

一戸建ての売買契約には、以下の3種類があります。不動産会社と売買契約を締結する際には、それぞれの特徴を理解したうえで自分に合う方法を選ぶことが大切です。

  • 【一般媒介契約】複数の不動産会社に仲介を依頼する。
  • 【専任媒介契約】1つの不動産会社とだけ契約する。売主が自分で買主を見つけた場合には、不動産会社を介さずに売買契約を直接結ぶことも可能。契約期間は最長3カ月。
  • 【専属専任媒介契約】専任媒介契約と同様に、契約できるのは1社のみ。ただし、売主が自分で買主を見つけた場合も、必ず不動産会社に仲介してもらって契約する必要がある。契約期間は最長3カ月。

4.売り出し価格を決定する

一戸建ての売り出し価格をあまりに高く設定すると、物件が売れ残る可能性があります。一方で安くしすぎた場合、物件の価値に見合った利益が出ないことも考えられるでしょう。一戸建ての売り出し価格を決める作業は、物件を早く確実に、納得の価格で売るうえで非常に大切なものとなります。

売り出し価格を確定する

不動産会社と契約しても、一戸建ての売り出し価格は自分で決めることが可能です。そのため、以下の数字を見ながら売り出し価格を決めていくことになります。

  • 不動産会社の意見(査定額)
  • 売主が自分で調べた相場
  • 売主自身の希望価格

一戸建ての売却では、購入希望者から値下げ交渉されることもあります。このときに迅速な意思決定をするためには、最低売却価格を決めておくことも大切です。自分の理想価格と最低売却価格を決めたうえで、売り出し価格は少し高めに設定しておきましょう。

5.内覧対応をする

一戸建ての売却活動で重要なのが、買主への内覧対応です。内覧希望者(購入希望者)に向けて自分の一戸建てを広告などでアピールしてもらうため、不動産会社が行う写真撮影などの集客準備には積極的に協力しましょう。

内覧のための前準備

物件紹介ページを見て一戸建てに興味を持つ人が増えると、購入検討に向けて内覧希望者も増えていきます。

内覧の準備で大切なことは、内覧に来る購入希望者の印象を悪くしないことです。例えば、庭に雑草が生い茂っていたり水回りが汚れていたりした場合、内覧に来た人はネガティブな印象を受けるでしょう。内覧に来た人にポジティブな印象を与えるためには、事前に掃除や整理整頓を行い、きれいな状態を保つことが大切です。

内覧当日の購入希望者対応

内覧は不動産会社で対応してくれるため、売主の立ち会いがなくても問題はありません。しかし、購入希望者のなかには「どのような人から買うか?」という売主の人柄などを重視する人も存在します。

また、こだわりの一戸建てであれば、売主だからこそ説明できるアピールポイントもあるでしょう。内覧に来てくれた人にポジティブな印象を与え、購入意欲を高めるためにも、売主もなるべく内覧に立ち会うことが理想といえます。

6.買主と売買契約を結ぶ

一戸建てと売買契約書のイメージ

(画像/PIXTA)

内覧をした購入希望者が物件を気に入ってくれた場合、売買条件の本格的な交渉や契約に入っていきます。交渉や契約には、多くの注意点があります。以下から詳しく見ていきましょう。

購入希望者と条件・価格の交渉をする

内覧した人が一戸建てを気に入り、購入意思が強くなると、多くのケースで条件交渉に入っていきます。なかでも要望されることが多いのは、価格の値下げです。また、買主側が早く入居したい場合、引き渡し時期の交渉や調整が行われることもあります。

こうした話し合いを経てお互いが希望条件に合意できれば、売買契約へと進んでいきます。一方で交渉決裂になった場合はキャンセル扱いとなり、再び新たな購入希望者を探すことになります。

全員が集まって売買契約を行う

売買契約は、売主・買主・媒介する不動産会社の全員がそろった場所で行われます。当日は宅地建物取引士が重要事項説明をしたあと、売買契約書を読み合わせながら以下のような項目の確認を行い、両者が内容を明確に把握したうえで契約に入ります。

  • 取引物件の概要(所在地・構造・床面積・設備 など)
  • 売買価格
  • 引き渡しおよび所有権移転登記申請の時期
  • 危険負担
  • 代理人または仲介人の報酬 など

各書類の内容に問題がなければ、すべての書類に署名・捺印を行います。

手付金の受け取りや仲介手数料の支払い

書類の確認が終わったら、お金のやりとりに入ります。まず、売主は買主から手付金を受け取り、手付金受領書を発行します。ここでいう手付金とは、いわゆる解約手付のことです。解約手付とは、売買契約の締結後でも、手付金を放棄することにより契約を解除できるようにするために支払います。手付金の相場は、売買金額の5~10%が一般的です。

続いて、売主は不動産会社に対して仲介手数料を支払います。仲介手数料は、売買契約の成立時に半額を支払い、物件引き渡し時に残りの半分を支払うことが一般的です。

金融機関や司法書士へ連絡する

住宅ローンが残っている場合、売買契約を締結してから金融機関に連絡し、以下のことを伝えます。

  • 住宅ローンの残債を一括返済できること
  • 抵当権抹消書類の準備をしてほしいこと

抵当権抹消の手続きは自分でも行えますが、不動産会社と提携する司法書士に依頼するのが一般的です。金融機関の担当者から書類を受け取ったら、不動産会社に連絡しましょう。

7.買主への引き渡し・最後の支払い

一戸建てと鍵を引き渡すイメージ

(画像/PIXTA)

売買契約から引き渡しまでの間には、売主が行うさまざまな作業や手続きがあります。

売主の引越し

売買契約を終えたら、引き渡し日までに引越しを行い、売主の私物などがない状態にする必要があります。一般的な引越しでは、以下のようにさまざまな準備・手続きが必要です。

  • 引越し会社の手配
  • 荷造り
  • 粗大ゴミ回収の手配
  • 公共料金の支払い(未納の場合)
  • 電気・ガスなどの会社に届け出
  • 役所への転出届 など

3~4月の引越しシーズンなどは、引越し会社の手配が難しくなることもあります。一戸建てを売るときには、売却活動と並行して引越し会社の比較検討や荷造りなどを進めておきましょう。

買主から代金の残りを受領する

物件引き渡しの日に、手付金を除いた残りの購入代金が決済されます。不動産取引では購入費用が大きくなるため、買主の住宅ローン融資の実行と売却金額の決済が同時に行われることが一般的です。

住宅ローンを完済し、所有権移転登記を行う

住宅ローンの残債がある一戸建ては、抵当権抹消登記と所有権移転登記をしなければ、引き渡しができません。この2つの登記をするうえで必要となるのが、住宅ローンの完済です。

売主は、買主から残金をすべて受領したあと、まず金融機関に住宅ローンを完済します。そのうえで、金融機関から抵当権抹消の書類を受け取り、司法書士に抵当権抹消登記と所有権移転登記の依頼をするのが一般的な流れです。

買主へ物件などを引き渡す

所有権移転登記を済ませると、物件の所有者が法的に買主に移ることになります。そのあとに行うのが、以下のような各種書類とカギなどの物理的な引き渡しです。

  • 登記済証または登記識別情報
  • 抵当権抹消書類
  • 発行から3カ月以内の印鑑証明書
  • 固定資産評価証明書
  • 身分証明書
  • 実印 など

買主にすべての書類・カギを渡し、不動産引渡確認証に署名・捺印をすると、引き渡し手続きが完了します。

売却にかかった手数料を支払う

買主への引き渡しが終わったら、不動産会社には仲介手数料の残額、司法書士には抵当権抹消登記費用と報酬を支払います。司法書士に手続きを依頼する場合、報酬相場は5~10万円程度です。

一戸建ての売却にともなう支払いをすべて終えれば、不動産会社との契約も完了になります。

8.忘れずに確定申告を行う

一戸建ての引き渡しや不動産会社との契約を終えたあとは、売主自身が確定申告をする必要があります。ここでは、一戸建てを売却したときの確定申告ポイントを整理しておきましょう。

翌年の2~3月に確定申告が必要

一戸建ての売却で利益が出た場合、物件を売却した翌年の2月16日~3月15日までの間に確定申告を行う必要があります。利益が出たにもかかわらず確定申告を行わなかった場合、無申告税・延滞税・重加算税などのペナルティーが課せられる可能性があるため注意しましょう。

一方、一戸建ての売却で損失が出た場合には確定申告の義務はありません。ただし、税法上の特例によって還付が受けられることがあるため、いずれにしても確定申告を実施するとよいでしょう。

譲渡益が生じたときの特例

一戸建ての売却で譲渡益(利益)が出た場合には、条件に該当すれば以下3つの特例が利用可能です。

  • 3,000万円特別控除
  • 所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合の軽減税率特例
  • 特定の居住用財産の買換え特例

譲渡所得税は、譲渡所得に対して20.315~39.63%もの金額が課せられる大きな税金です。しかし、上記の特例を使うことで、課税額を少なくすることやゼロにすることができるため、一戸建ての売却で得られた利益を最大限手元に残せるようになります。

譲渡損失が生じたときの特例

一戸建ての売却で譲渡損失(損失)が出た場合、条件に該当すれば以下の特例が利用できます。

  • マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
  • 特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例等

譲渡損失が出たときに特例を使うと還付が受けられることもあるため、確定申告を行い、きちんと特例を利用しましょう。

一戸建て売却での仲介と買取のメリット・デメリット

一戸建てとメリット・デメリットのイメージ

(画像/PIXTA)

一戸建てを売る方法には、大きく分けて仲介と買取の2つがあります。ここでは、仲介と買取の違いを確認したうえで、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

仲介と買取の違い

仲介による売却と買取には、以下の違いがあります。

  • 【仲介】不動産会社が広く売却活動を行い、売買契約までのさまざまなサポートをする方法
  • 【買取】不動産会社が一戸建てを直接購入する方法

仲介と買取は、一戸建てを売却するうえでどちらも有効な方法です。後述するメリット・デメリットを参考に、自分の目的に合う方法を選びましょう。

仲介のメリット・デメリット

仲介による売却のメリットは、一戸建て物件を市場に出すため、適正価格で売却できる可能性が高い点です。また、契約書類の作成や各種手続きなどのサポートもしてもらえるため、一戸建てを売る際の手間が省ける利点もあります。

仲介のデメリットは、不動産会社が広告を出し、興味を持った購入希望者に内覧対応などを行うため、買取と比べて売却まで多くの時間がかかる点です。また売却仲介では、法律で定められた範囲内で仲介手数料も支払わなくてはなりません。広告を出して募集をすれば、周囲に一戸建てを売る予定であることを知られる可能性もあるでしょう。

なお、仲介では、一戸建ての状態や立地が悪いなどの問題がある場合、物件が売れない可能性もあります。

買取のメリット・デメリット

買取のメリットは、不動産会社が一戸建てを見て買取可能と判断すれば、すぐに売却できる点です。そのため、早く確実に一戸建てを売りたい場合、買取は確実性の高い選択肢になります。買取の場合、市場に広告を出さないため、売却の予定を周囲に知られることもありません。また、仲介手数料がかからない点もメリットといえます。

買取のデメリットは、仲介と比べて売却価格が安くなりやすい点です。不動産会社では、買い取った一戸建てをそのまま再販売するのではなく、リフォームや取り壊しを考えている場合もあります。こうしたケースの場合、売却価格が市場価格の50%ほどまで下がる可能性もあると考えておきましょう。

なお、仲介で一戸建てが売れなかった場合、あらかじめ決めておいた金額で不動産会社が物件を買い取る「買取保証」という方法もあります。買取保証は、最初に適正価格で広告を出し、万が一売れなかったときに不動産会社に買い取ってもらえる点で、買取と仲介の「良いところ取り」であるともいわれています。

一戸建て売却の2つの方法

一戸建てを売却するイメージ

(画像/PIXTA)

一戸建ての売却には、「買い先行」と「売り先行」という2つの方法があります。仲介では、どちらの方法を選ぶかによって売却の流れやスピードも変わってきます。ここでは、「買い先行」と「売り先行」の特徴を見ていきましょう。

1.買い先行

買い先行とは、先に新居を購入してから今の家を売却する方法です。

買い先行の場合、一戸建ての売却と新居への入居の間に仮住まいをすることなく、住み替えができる利点があります。また、一戸建ての売却活動を始める前に新居探しをするわけですから、じっくり時間をかけてこだわりの新居を探すことも可能でしょう。

ただし買い先行では、もともと住んでいた一戸建てのローンが残っている場合、一戸建てが売れるまでの間は旧居と新居のダブルローン(二重ローン)の状態になります。ダブルローンの状態から早く脱却するために売却を急ぐことになり、売却価格を下げざるを得なくなる可能性もあるでしょう。

2.売り先行

売り先行は、今住んでいる家を売却してから新居を探す方法です。

売り先行の場合、一戸建ての売却までに時間がかかってもダブルローンに陥ることはありません。そのため、買主との交渉をじっくり進められる利点があります。また、売却で得た利益を新居の購入資金に充てられるため、資金計画が立てやすい点もメリットです。

ただし売り先行の場合、一戸建ての引き渡しまでに新居に住める状況にならなければ、仮住まいをする必要があります。仮住まいをする場合は「一戸建て→仮住まい先」と「仮住まい先→新居」という2回の引越しが発生するでしょう。また、荷物が仮住まい先に入らない場合、トランクルームなどを借りる必要も出てくるかもしれません。

デメリットを考慮して最適な方法を選ぶ

「買い先行」と「売り先行」を選ぶ際には、それぞれにおける以下のデメリットに注目することが大切です。

  • 【買い先行のデメリット】なかなか売れない場合、ダブルローンになる可能性がある
  • 【売り先行のデメリット】新居を探す期間が短く、仮住まいが発生する可能性がある

自分に合う方法を選ぶうえでは、上記のデメリットやリスクのうち「どちらを防ぎたいか」で考えることが重要です。

一戸建てを売却するときの注意点

一戸建てを売却する際には、売主と買主との間でトラブルが生じることもあります。トラブルを防ぎ、一戸建ての売却を成功させるためには、以下の3点に注意することが大切です。

売主には契約不適合責任がある

契約不適合責任とは、売買契約の対象となる商品に契約書に明記されていない不備・不足・不良などがあったときに、売主が買主に対して負う責任のことです。例えば、売却した一戸建てに雨漏りやシロアリ被害などが生じた場合、契約不適合責任に基づき、買主から売主へ修繕や契約解除を求められる可能性があります。

こうした不具合などを説明することは売主の義務であり、説明せずに契約内容と異なる物件を売却した場合、契約不適合責任に問われます。したがって、一戸建てを売却する際には、物件に生じている不具合などを売買契約書に記載したうえできちんと説明し、責任が問われないようにしておかなくてはなりません。

すぐリフォームしない

古い一戸建てを少しでもきれいに見せたい場合、リフォームをしてから内覧対応しようと考えることがあるかもしれません。

しかし、中古物件の場合、自分好みのリフォームやリノベーションの実施を前提に物件探しをする人が多い傾向があります。売主が一戸建ての価値を高めるためにこだわりのリフォームを行っても、その内容が購入希望者に喜ばれるとは限りません。また、購入希望者の好みに合わないリフォームを行った場合、物件が売れなくなる可能性もあります。

高い費用をかけて物件が売れなくなる可能性を考えると、一戸建てのリフォームは安易に行わないほうがよいでしょう。

気軽に口約束をしない

売主が自分で内覧対応をした場合、内覧者から「もう少し値下げしてもらえませんか?」や「この家具も一緒に譲ってもらえませんか?」などと相談されることがあります。この場合、その場で口約束をしてしまうと、契約内容に齟齬が生じたり「言った・言わない」のトラブルになったりする可能性も否定できません。

こうしたトラブルを防ぐためには、内覧者から何らかの提案・相談をされたときに、その場で口約束をしないことが大切です。内覧者の話が売主にとって良い提案だったとしても、その内容をよく検討したうえで売買契約書の書面に起こしてから返答しましょう。

内覧対応のポイントを詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてください。

suumo.jp

一戸建てを高く売却するポイント

一戸建てとお金のイメージ

(画像/PIXTA)

一戸建てを早く高値で売るためには、以下4つのポイントを大切にしながら売却準備を進める必要があります。

アピールポイント・マイナスポイントを伝える

一戸建てを早く売るためには、買主や不動産会社に、その物件に住むメリットやアピールポイントをきちんと伝えることが大切です。例えば、以下のようなアピールポイントがあれば、忘れずに伝えましょう。

  • 子育てしやすい環境
  • 徒歩圏に24時間営業のスーパーがある
  • 繁華街から離れていて静か
  • 全室のエアコンを新しいものに交換したばかり
  • 外壁と屋根の塗装工事は2021年に完了済み など

また、買主や不動産会社から信頼されるためには、立地上の問題点や建物の不具合なども隠さず伝えることも大切です。アピールポイントとマイナスポイントの両方を伝える誠実な姿勢が、後々のトラブル回避につながります。

補修を行う

一戸建ての売却では基本的にリフォームは不要ですが、シロアリ対策や雨漏り対策など、建物の維持管理に必要な修繕・補修は行っておきましょう。補修が実施されていれば買主の負担が減り、物件の評価が上がりやすくなります。

ただし、あまりにもたくさんの修繕をすると、その費用を回収することが難しくなります。修繕をするときには、雨漏り対策やシロアリ対策といった、生活に支障が出る部分だけにとどめておきましょう。また、一戸建ての第一印象を良くするために、外壁清掃などを実施することもおすすめです。

なお、先述のとおり、築年数によってはリフォームをする前提で物件探しをする購入希望者もいます。一戸建てに修繕などの手を加える場合、まずは不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

内覧対策を徹底する

広告を見て一戸建ての間取りや立地を気に入っても、内覧で室内や庭の様子を見て購入をやめてしまう人もいます。内覧に来た人に「ここに住んでみたい」と感じてもらうため、状況に応じてハウスクリーニングやホームステージングなどのサービスの利用も検討しましょう。

ハウスクリーニングとは、素人では落とせない汚れなどを掃除専門の会社がきれいにしてくれるサービスです。カビや水垢がついたバスルームや、油汚れのあるキッチンなども、掃除のプロに任せることでとてもきれいになります。

ホームステージングは、不動産物件の室内にお洒落な照明や家具、インテリア小物などを置き、モデルルームのように演出するサービスです。先に新居を購入する買い先行の場合、ホームステージングを利用して一戸建ての魅力を高めてもよいでしょう。

早期売却を目指す

一戸建ての建物は時が経つほど経年劣化が進み、建物価格も築年数による影響を大きく受けます。売却期間が延びた場合、その間に物件の価値が下がる可能性も大いにあるでしょう。

そのため、一戸建てを高値で売るのであれば、物件の価値が下がらないうちに早めの売却を目指すことが大切です。仲介でなかなか売却できない場合は、不動産会社への買取依頼も検討しましょう。

まとめスーモ

  • 一戸建ての売却前に、ローン残高や名義などを確認し、必要書類も用意する
  • 売却仲介の場合、不動産会社を選んだうえで売り出し価格を決定する
  • 一戸建てを早く確実に売るためにも、内覧対策・対応をしっかり行う

 

取材・文/サクラサクマーケティング株式会社

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●取材協力/高槻翔太(たかつき しょうた) さん
不動産・建設会社で土地有効活用のコンサルティング営業経験(6年)。賃貸住宅の建築提案営業を中心に従事。宅地建物取引士、FP技能士2級、日商簿記2級。不動産・金融系のライターとして不動産系メディアでの執筆実績多数。
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