不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

不動産の売買契約を解除する方法。契約解除の条件と違約金の額は?

不動産の売買契約を解除する方法。契約解除の条件と違約金の額は?

土地や建物、マンションの売却時に買主と結ぶのが不動産売買契約。
大きなお金や人生がかかった契約だけに、一度契約を結ぶと解約時に法的な拘束力が発生します。
万一何かあって契約を白紙に戻さなくてはいけなくなった場合、対処法を知らないと円滑に手続きが進まず、大きなトラブルになることも。
そこで売買契約とはどんなものなのかというおさらいから、契約解除について記載されている売買契約書の見方。
そして、実際に契約解除はどんなときにできるのか、キャンセルを行う際の注意点などを紹介します。
スムーズな売買を実現するために、しっかり押さえておきましょう。

記事の目次

不動産売買契約書

(写真/PIXTA)

不動産売買契約とは?

不動産の売買時に交わす契約のこと

売主が動産や土地・住宅などの不動産を買主に移転することを約束し、買主が対価となる代金を支払うことを約束する契約が売買契約です。
不動産会社を介さずに売主、買主が直接やり取りする際には口頭契約でも構わないとされていますが、後々にトラブルになった際の証拠として契約内容を書面で取り交わして契約するのが一般的です。v 不動産会社に対して住宅を売買する際には、宅地建物取引業法により、不動産会社に対し契約内容に制限が設けられています。
また、知識が少ない買主と不動産取引の専門家である不動産会社との間で、買主に不利益な契約が結ばれることのないよう保護する目的から、必ず書面化することが宅地建物取引業法によって義務化されています。

不動産売買契約書と印鑑

(写真/PIXTA)

売買契約書と重要事項説明書の違い

よく混同されがちなのが、売買契約書と重要事項説明書です。
これは売買契約、重要事項説明共に同日で行われることが多いことも起因しています。
ただ、まったく別の役割があるので、しっかり覚えておきましょう。

まず、重要事項説明とは、宅地建物取引業法に定める宅地建物取引業において、売却など不動産取引にかかわる不動産業会社が買い手に対して契約前に必ず行わなければならないものです。

重要事項説明は、買主自身が納得できたかどうかよく分からないうちに契約してしまい、後で思わぬ被害に遭わないように防止するという役割をもっています。
大切な役割だけに、説明は不動産会社のスタッフの中でも、宅地建物取引士という資格をもつ者しかできない行為であるという決まりもあります。

売買契約書と重要事項説明書イメージ

この重要事項説明で使う重要事項説明書には該当する不動産についての詳細な説明が明記されています。

ちなみに、前述のとおり、多くの場合、説明は売買契約を交わす日と同日、売買契約の直前に行われます。
売買契約と同日で直前の重要事項説明であったとしても、その説明を受けた時点(売買契約を交わす前)であれば、契約を中止しても契約にかかわる手付金を支払う必要はありません。

説明後、重要事項説明書に署名・押印をして、重要事項説明の工程は終了なのですが、気を付けておきたいのが、この段階では売買契約が完了していないことです。
重要事項説明の後、改めて売買契約書が登場し、説明を受けたのち、納得すれば売買契約書に署名・押印。
それで売買契約が成立することになります。

この売買契約書は売主の購入希望物件は、このような状態です、と不動産会社が説明するものです。
買主が納得して、購入を希望すると答えた場合にのみ、契約を取り交わすことになります。

ややこしいですが、重要事項説明と売買契約とは違うものなので混乱しないようにしましょう。

契約

(写真/PIXTA)

不動産売買契約で準備しておくもの

では、不動産売買契約ではどんな準備が必要なのでしょう。
通常、売買契約ではスムーズな手続きが売主、買主ともに望まれます。
いざ売却となったときに慌てないためにも、早いうちから売却に必要な書類をそろえておきましょう。

ちなみに売却時に必要な書類は、一戸建て、土地やマンションなど、物件種別によって異なるものもありますがほぼ共通のものと考えていいでしょう。
買主は、誰から買うのか、どのような物件なのか、権利関係はどうなのかなど、物件選択に当たって情報が欲しいものです。
そこで、実際の物件を見たり、不動産会社から話を聞いたりするだけでは分からない情報を書類によって入手したいと考えます。
売買契約時の必須書類は、そのような買主の要望を満たすものと考えておきましょう。

身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票

売主本人の確認書類になります。
ちなみに親子や夫婦など、物件が共有名義となっている場合は、共有者全員のものが必要です。
相続物件などでは、共有者が遠方に居住していて、本人確認の書類をそろえるのに時間がかかるケースもあります。住民票は、登記上の住所と現住所が異なる場合に必要です。
住民票や印鑑証明書などは、有効期限があり発行から3カ月以内のものを使用します。

登記済権利証または登記識別情報

「登記済権利証」は、法務局から登記名義人に公布される書類で、登記名義人が物件の所有者であることを証明する書類です。
売却する物件が平成17年以降に取得したものである場合は、登記済権利証の代わりに登記識別情報が発行されているケースもあり、その場合、登記識別情報を準備します。
物件取得時に法務局から公布された登記済権利証等を買主に渡し、移転登記が行われることで、所有権が売主から買主に移ることになります。

固定資産税納税通知書および固定資産評価証明書

固定資産税の納税額確認のための書類です。
また、移転登記などに必要な登録免許税の算出の際にも必要となるので、最新のものを準備しましょう。
固定資産税は、1月1日時点の所有者に年間の固定資産税が課税されます。
不動産を売却した年の固定資産税は売主と買主で按分するのが一般的なので、取得時期に応じて負担額が調整され、売主に一部払い戻されます。

ポイントは、不動産を売却する際、売買契約の前に精算を行うことを不動産会社に確認しておくことです。
売買契約後の翌年からは固定資産税は買主負担になります。固定資産税とともに払う都市計画税も同様です。

土地測量図・境界確認書

マンションでは不要ですが、土地や土地付きの一戸建ての売買において必要となる書類です。
土地の場合では、平米単価×面積で売買価格を決めるケースもあり、どこからどこまでが売却対象か、対象面積は何平米か、など面積や境界線が明確でないと、購入後のトラブルにもなってしまうからです。
万が一、境界線が未確認である場合は、あらかじめ隣接地の土地所有者と協議をもち、了解を得て測量図を作成しておきます。必要な対応は不動産会社が指示してくれます。

建築確認済証および検査済証、建築設計図書・工事記録書等

これもマンションではなく、一戸建ての売買などに必要な書類です。
建築確認済証や検査済証は、その物件が建築基準法に則って建築されていることを証明する書類です。
原則として、現地で行われる検査によって適合が確認された後、検査済証が発行されます。
構造などが法律の基準に沿ったものであることの証明は買主が気になる項目なので、しっかり準備しましょう。
建築設計図書や工事記録書等は、建築確認済証のように建築に当たっての法的手続きに関する書類ではありませんが、どのように設計・工事が行われたかの情報は、物件の維持管理や将来のリフォームなど長いスパンを考える不動産の売買で大切なので、買主の信頼度を高めてくれます。

マンションの管理規約や長期修繕計画書

マンションの売却に当たっての必要書類です。
どのように維持管理されているのか、ペットを飼ってよいのかどうかなどのルールが書かれています。
長期修繕計画書は、文字どおりマンションの修繕計画について書かれている書類です。
性能を維持し老朽化を防止するために、管理組合が作成する分譲マンションの長期的な修繕計画についてまとめられています。
買主にとっては駐輪場、駐車場費用などコストも重要な情報のひとつなので、売買契約時以前のタイミングで提示することが望ましいかもしれません。

その他、売却物件の信頼度を高める書類

その他、あればより売却物件の信頼度を高められるものとしては、以下のようなものもあります。

●耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書等
地震大国の日本では注目度が高い書類が耐震診断報告書です。
建築基準法で、耐震基準が定められていますが、新耐震基準が導入される以前のような古い物件を売却する際は、耐震診断報告書等の提出が求められるケースもあります。
また、アスベスト使用調査報告書なども安全性、安心性を調べられる書類です。

ほかにも、物件に関する書類があれば準備しておきましょう。
例えば、地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書など、物件の構造などを示すデータは、買主にとっても分かりやすく物件選択の決め手となるケースもあります。
また、購入時の契約書や販売時のパンフレット、広告等もあれば用意しておきましょう。
こうした書類がないと売却できないというものではありませんが、買主に喜ばれることで、スムーズな売却につながるかもしれません。

中年夫婦に説明するビジネスマン

(写真/PIXTA)

不動産売買契約書に書かれていること

晴れて売買契約にいたったとしても、契約を結んだ後になってクレームがきたり、トラブルに悩まされたりはしたくないですよね。
そんな事態を防ぐためには、売買契約書の書面をチェックしておくことが大切です。
ちなみに不動産売買契約書は、仲介を依頼した不動産会社が作成します。

ここではチェックしておきたい基本的な項目とその内容を紹介します。

物件の表示や売買代金

売買対象の物件を、契約書に記載された売買代金をもって買主が買い受けることを明記してあります。
ちなみに売買代金のほか、取引対象となる物件を明確化するために、土地・建物の所在や地番、面積などの売買対象となる不動産の詳細情報も記載されています。
マンションの場合には、区分所有建物の詳細情報や敷地権を有する土地の詳細情報について記載されています。

手付金について

不動産売買契約を締結した際に、買主が売主に支払う手付金の額が記載されています。
売買契約の解除にかかわる手付金は解約手付と呼ばれます。
一般的な不動産売買契約で記載される手付金もこの解約手付になります。

この手付金は、残代金支払い時に売買代金の一部に無利息にて充当されると規定されることが一般的です。

ちなみに
「手付解除」という項目もあります。
これは、売買契約書に記載された手付解除期日までであれば、売主は手付金の倍額を買主に支払い、買主は手付金を放棄することで不動産売買契約を解除できるとした「手付解除」に関する規定が明記されています。

売買金額と支払い日

売買代金の支払い方法や内金および残代金のそれぞれの金額および支払日が記載されています。

住宅ローン特約(融資利用の特約)について

売買契約では、通常、売買契約締結後に住宅ローンの本申込を行います。(契約前は仮審査を行うことが一般的です)
仮にローンが通らなかった場合の買主のことを考えて、手付金をそのまま返す「白紙解約」とする旨が記載されています。
この住宅ローン特約は日付を記載し、その日までに審査の回答を得られるように買主と相談しましょう。
もちろん住宅ローン特約の期間中ではあれば、売主はいつ解約申し出があっても白紙解約されてしまうことになります。

危険負担について

台風や地震などの災害など、誰の責任でもない事象で対象の物件が滅失し、修復が困難な場合に、誰がその危険を負担するのかが記載されています。
不動産売買契約の解除が可能であったり、履行拒絶権についてなどが明記されます。
なお、不動産売買契約を解除する場合には、売主は買主に対し、受領済の売買代金などを無利息にて返還することが必要になることが多くなっています。

契約不適合責任について

2020年4月からの法律改正で、以前は瑕疵担保責任と言われていたことが「契約不適合責任」と表現されることとになりました。
瑕疵という言葉が「契約の内容に適合しないもの」という言葉に変わりました。
売買対象物件の引き渡しが完了した後、一定期間内に瑕疵や欠陥などを買主が指摘した場合に、売主が行うべき具体的対応が、契約不適合責任の規定に定められています。

責任が発生する期間は、売買契約書上で、引き渡しから3カ月間や1年間などと期限を規定することが多いようです。ただ、売主が契約不適合につき悪意または重過失であった場合には、期間制限はありません。

契約

(写真/PIXTA)

「契約解除」は売買契約書のどこに書かれているか

では、実際に契約解除についての記載はどこにあるのでしょうか? これも売買契約書内に記載されています。 「契約違反による解除・違約金」などという項目です。

内容としては、売主、または、買主が、不動産売買契約の債務の履行を怠ったときには、その相手方に対し、書面により債務の履行を催告した上で、不動産売買契約を解除し、違約金の支払いを請求することができる。
などとした規定が明記されています。

売買契約締結後の解除とキャンセルについて

不動産の売買契約は締結後になると、売主、買主ともに契約内容をしっかりと順守して手続きを進めるために、法的な拘束力が発生します。
そこで、契約解除には一定のペナルティが設けられていることがあります。

残念ながらなんらかの理由により契約をキャンセル・解除したいとなった場合に備えて、売買契約後の契約不履行(キャンセル・解除)について紹介します。

キャンセル

(写真/PIXTA)

売主、買主双方から契約解除を申し出ることが可能

基本的に契約は買主、売主双方で結ぶものなので、どちらからも売買契約のキャンセルを言い出すことが可能です。契約違反などの不義理がなくても解除はできます。
とはいえ、売買契約後に契約を解除する場合は、手付金の放棄、売買代金の一定割合の違約金などの負担が発生することがあります。
そこで、契約解除のケースごとに、どんな際に解除ができて、どんな負担が買主、売主に発生するのか紹介します。

お金

(写真/PIXTA)

【契約解除1】手付放棄による解除

手付金が「解約手付」として支払われたものである場合、買主からは手付放棄による契約解除ができ、売主からは手付金の倍返しによる解除が可能となっています。
ただし、手付金の放棄や倍返しで解除が可能なのは、相手方に契約履行の着手があるまでの間です。
履行の着手行為に当たるかは、一般的には売主が所有権移転登記の申請を行った際や、買主が中間金の支払いを行った際などが履行の着手にあたるとされています。

POINT:手付金放棄による契約解除は、契約履行の着手まで

【契約解除2】契約違反による解除

売主が契約の履行(契約の義務を果たすこと)準備を進めていたり、終わらせたにもかかわらず、買い主が代金の支払いに応じないなど、契約違反が行われた場合は、売主は買主に契約の履行を求める催告をした上で、解除する旨を通知すれば契約を解除できます。
もちろん、逆に買主が代金を支払ったにもかかわらず、売主が引き渡しを行わない、期日どおりにもろもろの契約事項を履行しない場合も同様に契約を解除できます。

当然のことながら契約違反による解除は、違反など不義理を行っていない側から申し出て行われるものであり、一方的に契約解除ができるわけではありません。

POINT:売買契約書に記載されている契約内容をチェック

【契約解除3】ローン特約等の条件に基づく解除

前述のとおり、売買契約書に住宅ローン特約(融資特約)を明記した場合、その特約の適用を受けられる状態になると契約を解除できます。
一般的な住宅ローン特約の約款は、「買主は、融資の全部または一部が否認されたときには本契約を解除することができる」などの内容で書かれています。

POINT:不動産売買契約書のローン特約が有効であるとされる期間をチェック

【契約解除4】消費者契約法による契約の取り消し

「消費者契約法」では、事業者が事実と違うこと。例えば、今が底値なので買い時、価値がこの先絶対に上がるなどと説明し、消費者が誤認することで自由な意思決定を妨害されたまま契約に至った場合、契約の申し込みや、承諾の意思表示を取り消すことができます。
この消費者契約法は事業者への制限を設ける規定なので、適用を受けるためには、売主か買主のどちらかが事業者(不動産会社)である必要があります。

POINT:不動産会社を相手にした契約解除の申請であること

【契約解除5】契約不適合責任による解除

建物の構造上の問題や、購入した土地に家が建てられないなど、契約した物件に瑕疵があり、その瑕疵によって契約の目的(住宅の建築、購入)が達せられないと判断される場合、買主は契約を解除することができます。
期限を定めることが多く、通常引き渡しから1カ月~3カ月となっています。

POINT:責任を負う期間は契約書で定める

【契約解除6】話し合いによる合意解除

売買契約書に明記されていなくても、売主と買主が話し合った結果、双方が合意すれば契約が解除できます。
合意解除と表現することもあります。
まず相手方が応じてくれるか、そして応じてくれる場合は、例えば手付金の返還や倍返しなど、どんな条件で応じてくれるかを話し合うことが必要です。
また、後のトラブルを防ぐために、両者で合意解除が成立したら内容を書面に起こし、お互い押印や署名をしておくと安心です。

POINT:双方の契約解除の合意内容を書面として残しておくこと

【契約解除7】クーリング・オフによる解除

不動産売買契約には「クーリング・オフ(一定期間内であれば、消費者が不動産会社との間で締結した契約を一方的に解除できる仕組み)」が適用されます。

ただ、クーリング・オフを使うためには(1)売主が宅建業者であること(2)事務所など以外の場所で結ばれた契約であること という条件があります。

基本的に宅建業者(不動産会社)を介して買主が契約をする際には、「事務所など以外の場所」で売買契約を締結することはほとんどないことから、実際に利用されることはほとんどありません。

ちなみにクーリング・オフによる契約解除の期限はこの制度について買主が告知された日から8日間です。

POINT:売主が宅建業者の場合のみ適用される

相手が契約履行に着手した後は違約金が発生

手付解除では、手付金の放棄や倍返しで契約を解除することができました。
しかし、契約締結後、履行に着手している場合は、上記のとおり自由に解除することができません。
契約違反があった場合は、「契約の履行(義務を果たすこと)」「契約を解除して違約金を請求する」のどちらかを選択することになります。
例えば、買主が残代金を支払わないなどの違約をした場合、売主から違約金を請求しても良いですし、残代金を支払うように求めることもできるということです。

もちろん、売主が所有権移転に協力しないなどの違約をした場合、買主から違約金を請求されたり、引き渡しを求められることがあります。

一方的に買主が購入を断念して契約を解除する場合、違約金を払えば良いというわけでなく、売主に選択権があるということを覚えておきましょう。

とはいえ、何かあった際の違約金もしっかり決めておきましょう。
明記するのは不動産売買契約書です。
ちなみにこの違約金は、損害賠償額の予定である場合と違約罰である場合があります。

損害賠償額の予定の場合は先に違約金を決めておき、実際の損害額がその額を上回っても下回っても、決められた額を支払うものです。

契約書上で特記事項がない場合、通常違約金はこの「損害賠償額の予定」となります。
違約罰の場合は、実際に発生した損害について賠償責任が発生し、約束した金額を罰として支払うものです。

損害賠償額の予定は、売買価格の1割程度が相場です。

加えて、不動産会社が売主の場合は、宅建業法によって違約金上限は売買価格の2割と規定されているので、念のため覚えておきましょう。

契約解除についての取り決めは売買契約書を確認

違約金が発生しないこともある

例えば、契約締結後、売主や買主が予期せぬ事故や事件などに巻き込まれ、契約を実行できなくなる場合です。「履行遅滞」や「不完全履行」となり、法律上は違約金が発生し、猶予期間が設けられるわけではありません。
売主か買主に事情ができて契約そのものが実行できなくなった場合は違約金が発生しないこともあります。
そうなった場合に備えて、早めに不動産会社に依頼しておきましょう。
うまく間に入って事情を説明してもらえ、結果的に違約金が請求されなかったり、一定期間の猶予期間がもらえることが多くなっています。
もちろんその期間に履行できない場合は、違反行為と判断できることもあります。

売買契約書にしっかりとこうした違約金の発生しないケースも明記しておくと安心して進めることができるでしょう。

とはいえ、トラブルなく進めることが売主、買主双方にとって幸せな取引につながります。
できれば不動産会社に間に入ってもらい、遺恨が残るトラブルにならぬようお互いの希望などから調整してもらいましょう。

手付金、違約金を取得すると課税対象になる

意外と忘れられがちで、後々に面倒な手続きが発生することがあるのが税金です。
不動産売買契約が解除されて得た手付金や違約金は「一時所得」として所得税・住民税が課税されます。

もちろん所得を申告しなければ脱税になり、税務署から違反の指摘を受けてしまうことがありますので確定申告を忘れずに行いましょう。
確定申告は受領した翌年の2月16日~3月15日に行います。
控除制度などがあることもあるので、税務署や不動産会社に聞いてみると安心です。

税金

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【事例に学ぶ】不動産売買契約の解除

買主は住まいや土地を探しに探し、ようやく見つけたこともあり、契約をしっかり履行したいという方がほとんどです。
ただ、想定外のケースからやむをえず契約を解除したいと申し出ることがあります。
どんなケースがあるのか、よく見られるケースを紹介します。

事例1/急な転勤で契約を白紙にしたい

買主の責任ではないのですが、仕事の都合で急に転勤になる場合があります。

こうした急な転勤で契約を白紙にしたいというケースでは、多くの場合、買主の自己都合になるので契約解除の際、手付金の放棄や違約金などペナルティが発生します。

契約の際に双方でこうした可能性を話し合っておくことが不幸な結果を防ぐことになるでしょう。

男性

(写真/PIXTA)

事例2/土地改良工事費が想定以上にかかってしまった

家を建てるための土地の購入後に、土地や地盤の状態から、地盤改良工事を行わなければならないことがあります。

ままみられることですが、費用が買主が想定したより多くなり、予算オーバーで、解約を申し出てくることがあります。

防ぐためには、土地整備に費用がかかることを事前に確認したり、不動産売買契約書でその旨を記載することです。
もちろん、「設定金額以上にかかった際は解約となる」などの条項を入れることも可能です。

事例3/もっと希望に合う物件を見つけてしまった

契約後にもっと希望に合う物件を見つけてしまうことはあり得ます。
そうした場合は、転勤と同じく、自己都合による契約解除になるので、売買契約書に記載されている内容に基づいて、手付金の放棄や違約金などペナルティが発生します。

もちろん、売主と買主の双方合意で合意解除もできますが、あまり一般的ではありません。

事例4/中古マンション購入後に雨漏りが発生

売買契約書と重要事項説明書の双方が必要になるケースです。
買主が購入した不動産が、本来備えるべき品質や性能を欠いていた場合は、買主は契約の解除か損害賠償請求ができる。
これが契約不適合責任です。
上記に当たる場合は、売主に責任が発生し、修繕もしくは契約解除となります。

ただ、注意が必要なのが、重要事項説明書内に雨漏りの可能性が書かれていたり、築年数があまりに古い場合、通常損耗の範囲で契約不適合に当たらないとされることがあります。

重要事項説明書と売買契約書をしっかりチェックしておきましょう。

契約解除は大変!信頼できる不動産会社を見つけよう

査定依頼から始まる、信頼できる不動産会社選び

紹介してきたように不動産売買契約書にはさまざまな規定が定められています。
難解な項目や規定もあるので、理解するのが難しいですが、それぞれの規定、記載内容は、金額の大きい不動産の売買取引を安心・安全に完結させるために定められた重要な規定となります。

もしも売買契約において、分からないことや不明な点がある場合には、やはりプロに相談してみるのが一番です。不動産会社の担当者に納得するまで聞いてみましょう。

特に大切なのが「契約前に」契約解除について聞いておくことです。
実際に売買契約を進めていくと、多くの情報処理に忙殺されて、解除についてのリスクを考える余裕がなくなってきます。
どんな場合に可能で、どんな場合にどんな負担が生じるのか。
買主はどんな項目を気にしているのかなどを説明してもらいましょう。
きっと、安心して取引を行えるでしょう。

そこで必要なのが、信頼できる不動産会社選びです。
一括査定依頼サービスを活用すれば、自分に寄り添ってくれる不動産会社に出合いやすくなります。
希望の価格で、希望の時期に、トラブルなくスムーズに売却を進めるために、ぜひ活用してください。

まとめ

売買契約は法的な拘束力が発生することから、いざ解除するとなると大変な労力が発生します。
売主、買主ともにしっかりと契約内容をチェックしておくことがスムーズな取引につながります。
信頼できる不動産会社に依頼して、しっかりサポートを受ける。
これが大切になります。

●取材協力
横山山王法律事務所 代表弁護士 横山宗祐さん

記事のおさらい

契約解除について、売買契約書のどの部分に書いてある?

売買契約解除の可能性があるなら、まずは売買契約書の書面を確認することが必要です。契約解除に関係するのは、「契約違反による解除・違約金」という項目です。売買契約書の内容や読み方については、「不動産売買契約とは?」を参照してください。

不動産売買契約の解除に違約金は発生する?

売買契約後に契約を解除する場合は、手付金の放棄、売買代金の一定割合の違約金などの負担が発生することがありますが、解除の理由によっては違約金が発生しないこともあります。どんな場合には解除ができて、どんな負担が買主、売主に発生するのかは「売買契約締結後の解除とキャンセルについて」を参照してください。

不動産売買契約の解除はどんな場合に起きる?

不動産売買契約の解除は基本的には非常にハードルが高いですが、想定外の事態からやむをえず契約の解除を申し出るケースがあります。よく見られるケースは、「【事例に学ぶ】不動産売買契約の解除」を参照してください。

構成・取材・文/山口俊介

イラスト/のりメッコ

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