不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

不動産(家・土地)を売却する流れ・ダンドリを徹底解説!

保存版! 住まいを売るダンドリ

住まいを売ることになったら、何から始めればいい?売るのは初めてという人が多いだけに、戸惑うばかりのはず。 でも、大丈夫。売却のダンドリを分かっていれば、安心して次のステップを踏むことができる! まずは住まいを売る8つのステップをみていこう。

Step1 相場や不動産会社を調べる

住まいを売ると決めたら、自分で相場を調べて、いくらで売れそうか目安を立てたり、住まいのあるエリアに強そうな不動産会社の情報を集めよう。相場の目安は、最寄駅からの距離や広さ、築年数などで類似した物件の価格を調べよう。

【ポイント】相場や不動産会社は不動産情報メディアで確認

SUUMOなどの不動産メディアで、住まいの周辺で実際に売り出されている物件や、情報を掲載している不動産会社を調べることができる。気になる不動産会社があれば、SUUMOで取り扱い店舗の情報を見たり、実際に店舗で接客を受けた人の「接客評価コメント」の掲載があればそれを見たりして詳しい情報を集めておこう。

Step2 不動産会社に査定を依頼する

今の住まいがいくらで売れそうか、不動産会社に調べてもらうことを「価格査定」という。不動産会社との付き合いは査定の依頼から始まるので、査定を依頼する際には査定額だけでなく、どういった販売活動をするのかも確認しよう。

【ポイント】査定は複数会社に依頼しよう

価格査定は、今の市況や周辺の過去の成約事例などを参考に、物件の状態などから総合して算出される。不動産会社によって利用するデータが異なる場合もあるので、多くの意見を聞くためにも複数の不動産会社に依頼しよう。高い価格査定をした不動産会社が高く売ってくれるとは限らないので、査定の根拠を必ず確認すること。

査定は複数会社に依頼しよう

Step3 不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産会社から提示された査定価格や販売活動に納得したら、仲介を依頼する不動産会社を決める。正式に依頼をする場合は「媒介契約」を結ぶ。媒介契約は、1社に任せるのか、幅広く買い手を探すのかで3種類あり、いずれかを選ぶ。

【ポイント】3種類の媒介契約のうち、自分に合った方法を選ぼう

専任媒介と専属専任媒介は1社に絞って契約するので、積極的に販売活動をしてもらえる可能性が高い。一般媒介は複数の不動産会社に依頼できるので、販売チャネルが増える可能性がある。1社とじっくり付き合うのか、複数の会社を競わせるのかなど、自分に合った媒介の契約方法をよく考えて選ぶようにしよう。

Step4 住まいを売り出す

売り出し価格を決めると、不動産会社が販売活動を開始する。不動産会社が不動産情報のネットワークに登録したり、情報誌やインターネットなどに広告を出したりするので、問い合わせの状況などを定期的に報告してもらおう。

【ポイント】売り出し価格は不動産会社とよく相談

価格査定の額は、一般的に3カ月程度で成約する想定の価格となっている。高く売りたいと思うのは当然のことだが、相場を無視した価格設定にしても売れなければ元も子もない。査定額を参考にしながら、早く売りたいのか、長期戦でもいいから少しでも高く売りたいのかなど、不動産会社と相談しながら、売り出し価格を決めよう。

売り出し価格は不動産会社とよく相談

Step5 検討者の見学を受け入れる

購入検討者が現れると住まいを見学に訪れる。事前に不動産会社から連絡が入るので、見学者に好印象をもってもらえるように、掃除やモノの整理などをしておこう。住んでいる人だと気付きにくい煙草やペットの臭い対策も忘れずに。

【ポイント】住まいを少しでもよく見せる工夫をしよう

見学者に好印象をもってもらうためには、最初に入る玄関の雰囲気が重要。あふれたモノを片付け、照明をつけて明るく広く見せるなどのさまざまな工夫を。

Step6 購入希望者と交渉する

購入希望者にも希望額があるので、売り出し価格で売買が成立するとは限らない。売買価格や引き渡し時期、代金の支払方法などを、それぞれの不動産会社を通じて交渉することになるので、自分の希望は不動産会社に伝えておこう。

【ポイント】条件交渉は譲れる点を冷静に判断

売る側、買う側それぞれに事情があるので、それを踏まえて妥協点を探るのがポイント。不動産会社のアドバイスを参考にして、冷静に判断しよう。

条件交渉は譲れる点を冷静に判断

Step7 売買契約を結ぶ

互いに売買条件で合意したら、買主と売買契約を結ぶ。不動産会社が「売買契約書」や「重要事項説明書」の準備をするので、情報の提供をしたり重要な取り決めをしたりする。また、売買契約を結ぶ際には、買主から手付金を受け取る。

【ポイント】今の住まいの状態について書面にまとめて買主に渡す

売買契約に当たって、物件に関する情報をできるだけ正確に買主に提供する必要がある。トラブルを避けるためには、不具合などの情報を事前に伝えることが大切だ。

今の住まいの状態について書面にまとめて買主に渡す

Step8 住まいを引き渡す

引き渡しの手続きは、売買代金を受領するのと同時に、登記申請(抵当権抹消、所有権の移転等)を行う。住まいに残していく設備などの取り扱いについても、最終確認をしておきたい。引き渡し後は、税務申告の手続きも忘れずに。

【ポイント】諸費用の清算や書類を準備しておく

引き渡し日までに、引越しの手続きや固定資産税・公共料金などの精算を済ませよう。買主へ引き渡す書類などもきちんと整理しておきたい。

諸費用の清算や書類を準備しておく

買い替えならここに注意

売却するだけでなく、売却資金を購入資金に充てる「買い替え」であれば、売却額の目安を知るために、早く査定を依頼する必要がある。また、売却を先行させて売却額を固めてから購入物件を探すのと、購入物件の目星を付けてから売却を開始するのとでは、売却にかけられる時間が変わってくる。引き渡しのタイミングによっては、いったん仮住まいをするなど引越しが二度になることもあるので、よく考えてダンドリをつけるようにしよう。

媒介契約は3種類から選ぼう

■専任媒介契約

依頼できる不動産会社は1社のみ。売主自身が買い手を見つければ、不動産会社を介さずに売買契約を結ぶことができる。

■専属専任媒介契約

依頼できる不動産会社は1社のみ。売主自身が見つけた買い手でも、不動産会社を介して売買契約を結ばなければならない。

■一般媒介契約

複数の不動産会社に依頼したり、売主自身で見つけたりして、幅広く買い手を探すことができる。

■売買契約や登記、引き渡しに当たって必要となる書類や費用など

  • 権利証または登記識別情報
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 固定資産評価額証明書
  • 本人確認ができる書類
  • 売買物件に付帯する設備や状況の報告書
  • 土地測量図・境界確認書(必要な場合)
  • 司法書士への委任状
  • 建築関係書類、物件の鍵等の買い主へ引き継ぐべきもの一式
  • 売買契約書に貼る印紙代
  • 登記費用
  • 仲介手数料

【まとめ】パートナー選びがカギ

売り出し価格や販売戦略、購入検討者への対応、購入希望者との価格交渉、契約や引き渡しの手続きなど、幅広い売却活動をサポートするのが不動産会社。次からのページなどを参考に、信頼できる不動産会社を見つけよう。

2016年3月16日 SUUMOマガジン札幌版より転載
構成・取材・文/山本久美子 イラスト/木村吉見

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