不動産売却にかかる期間はさまざまで、売り出してすぐに買い手が見つかることもあれば、半年以上かかるケースもあります。しかし、不動産売却にかかる期間の目安を知っておけば、住み替えや資金計画も立てやすくなり、できるだけ期間が長引かないように対策することも可能です。今回の記事では、売却にかかる平均的な日数や全体の流れ、期間が長引く理由と短くするための工夫をわかりやすくまとめました。

記事の目次
不動産売却の平均期間
不動産が売れるまでにかかる時間は、物件の種類や条件によって異なります。まずは、売り出しから成約までにどのくらいかかるのか、平均的な日数を見てみましょう。
売り出し開始から成約までの平均日数
不動産会社が販売活動をはじめる際、業界全体で情報を共有するために使われている全国的な不動産情報データベース「レインズ(不動産流通標準情報システム:REINS)」に物件を登録するのが一般的です。レインズは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営しています。
レインズが公表しているデータによると、2024年の首都圏における登録から成約までの日数の平均は次のとおりです。
登録から成約までの日数の平均
中古マンション:85.3日
中古戸建て:97.3日
土地:89.4日
出典:不動産流通標準情報システム(REINS)「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」
マンション、一戸建て、土地と不動産の種類によって平均日数は異なりますが、3カ月程度が1つの目安となる平均的なスピード感だと言えます。
なお、この「登録から成約までの日数」というのは、「販売活動をはじめてから売買契約を結ぶまで」にあたる期間になります。
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不動産売却のトータル期間
この「販売活動をはじめてから売買契約を結ぶまで」という期間は、不動産売却全体の期間とは言えません。
実際には、不動産の売却を思い立ってから販売活動をはじめるまでに、情報収集や不動産会社への査定依頼、媒介契約の締結といった準備が必要になります。さらに成約後も、決済や引き渡しの手続きを経て、はじめて売却が完了します。
こうした一連の流れを含めると、不動産売却にかかるトータルの期間は、一般的に半年前後が目安とされています。
住み替えを予定している場合や住宅ローンの残りを売却で清算する必要がある場合には、特に余裕を持ったスケジュールを組んでおくことが重要です。

不動産売却の流れ
あらかじめ不動産売却の流れを把握しておくと、先の見通しを立てやすくなります。ここでは大まかな流れを確認していきましょう。
査定と媒介契約
不動産の売却活動は、物件の価格を見極めることからはじまります。まずは不動産会社に査定を依頼し、相場や物件の特徴を踏まえた査定価格を出してもらいましょう。なお、査定には主に「簡易査定」と「訪問査定」の2種類があります。
簡易査定は、過去の成約事例や周辺の相場データを基に、現地を見ずにデータだけで算出する方法です。インターネット上で複数社にまとめて依頼できることが多く、短時間で目安を把握できる点がメリットです。
一方、訪問査定は、担当者が実際に物件を訪れ、建物の状態や日当たり、周辺環境などを確認した上で金額を算出する方法です。簡易査定よりも精度が高く、実際に売却活動に移る際の基準になります。
査定は1社だけでなく、複数社に依頼することで、より客観的な判断がしやすくなります。査定価格や担当者の対応、販売戦略などを比較検討し、依頼する不動産会社を決めるようにしましょう。
査定を経て、依頼する不動産会社が決まったら媒介契約を結びます。媒介契約とは、売却活動を不動産会社に正式に依頼するための契約で、販売活動を始めるための重要なステップです。
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専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約
媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。
まず、専属専任媒介契約の場合、依頼できるのは1社のみで、他の会社には依頼できません。必ず契約した不動産会社を通して取引を行うことになるため、売主自身が見つけた買主との直接取引(自己発見取引)もできません。その代わり、販売活動の進捗報告は義務づけられており、手厚いサポートが期待できます。
専任媒介契約の場合も1社にしか依頼できませんが、専属専任よりは制約がゆるやかで、売主が直接買主を見つけた場合は取引が可能です。販売活動の報告も義務づけられています。
一般媒介契約の場合は複数の不動産会社に同時に依頼でき、売主が直接買主を見つけて取引することも自由です。しかし、各社の優先度が下がりやすく、積極的な販売活動を引き出しにくいという面もあります。

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販売活動
媒介契約を結んだら、いよいよ販売活動がはじまります。販売活動の中心は、不動産会社によるチラシや不動産ポータルサイトなどへの広告掲載、購入希望者からの問い合わせ対応などです。販売活動においては、広告に掲載する写真や間取図の見せ方で反響が変わることも少なくありません。
購入希望者が現れると、実際に物件を見てもらう「内覧」の対応が発生します。内覧は買主の購買意欲を左右する重要な機会であり、整理整頓や清掃、明るい印象を与える工夫が成約につながります。不動産会社は内覧の調整や案内を行い、売主は事前準備や当日の対応をサポートします。
また、販売活動中には価格交渉の場面も出てきます。提示価格と買主の希望価格に差がある場合、不動産会社が間に入って調整を行います。この段階で価格を見直す判断を迫られることもあり、売却期間を短縮する上でも、柔軟な対応が求められます。

売買契約の締結
購入希望者と条件がまとまり、買主が決まったら売買契約を結びます。契約においては、売買価格や引き渡し時期、付帯設備の有無など取引条件を定め、売主と買主が売買契約書に署名・捺印します。また、契約時には買主から手付金が支払われます。
なお、売買契約書には、引き渡しまでに売主が行うべき手続きや、万一契約が解除になった場合の取り扱いなども記載されます。契約に先立ち、不動産会社の宅地建物取引士が物件の権利関係や法令上の制限などについて重要事項説明を行い、双方が内容を理解したうえで署名・捺印することが大切です。
売買契約が済んだら、次はいよいよ決済・引き渡しの段階へと進みます。

決済と引き渡し
決済は通常、買主が住宅ローンを実行する金融機関で行われます。 当日は売主・買主のほか、不動産会社の担当者や司法書士も同席し、残代金の授受や各種手続きが進められます。
売主は残代金を受け取り、住宅ローンが残っている場合にはその場で残債を精算し、司法書士が抵当権抹消や所有権移転の登記を行います。登記は司法書士に依頼するのが一般的ですが、自分で法務局に申請することも可能です。
最後に鍵や関係書類を買主に引き渡すと、登記申請を経て、物件は正式に買主のものとなり、売却手続きは完了です。
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不動産売却期間が長くなる原因
不動産売却はスムーズに進む場合もあれば、なかなか買主が決まらず時間がかかってしまうこともあります。売却活動が長期化すると、次の住まい探しや資金計画に影響が及ぶため、できるだけ避けたいところです。
売却期間が長引く理由には、物件の条件や価格設定といった売主の判断によるものと、需要や景気動向など外部環境に起因するものがあります。ここでは、不動産売却が長期化する代表的な要因を整理し、あらかじめ注意しておくべきポイントを確認していきましょう。
高すぎる価格設定
不動産売却が長引く最大の原因のひとつが、相場とかけ離れた高すぎる価格設定です。買主は複数の物件を比較検討しているため、相場より明らかに高い物件は検討の対象から外されてしまいます。最初に強気の価格で売り出しても、反響がなければ値下げを迫られ、結果として売却期間が長くなるだけでなく、最終的な成約価格も下がってしまうことがあります。適正な価格を見極めるには、複数の不動産会社に査定を依頼し、相場観をつかむことが大切です。

売り出しのタイミングが悪い
不動産市場にも繁忙期と閑散期があります。一般的には、春の新生活シーズンや秋の転勤シーズンは需要が高まり、買主が動きやすい時期とされています。一方で、真夏や年末年始は内覧件数が減少しやすく、売却が長引く傾向があります。売り出しのタイミングを誤ると、購入希望者との出会いのチャンスを逃してしまうことにつながります。

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参照:不動産流通標準情報システム(REINS)「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2025年1月度」
内覧での印象不足
内覧は、買主が実際に物件を確認し、購入を検討するうえで非常に重要な場面です。掃除が行き届いていない、照明が暗い、生活感が強すぎるといった印象は、成約を遠ざける要因になりかねません。逆に、整理整頓されて清潔感のある室内は、買主に良い印象を与え、成約の後押しになります。小さな工夫で印象は大きく変わるため、内覧準備を怠らないことが重要です。
書類や権利関係の不備
登記や権利関係に不備があると、売却はスムーズに進みません。例えば、相続登記をしておらず名義が前の所有者のままになっているケースや、結婚・離婚などで氏名が変わったのに登記簿上が旧姓のままになっているケース、引っ越しで住所が変わったのに登記上に反映されていないケースなどがあります。
また、住宅ローンを完済したのに抵当権が抹消されていない場合や、共有名義でほかの所有者の合意が取れていない場合も、売却がスムーズに進まない原因になります。
さらに、土地の境界が不明確な場合もトラブルにつながりやすく、測量や確認に時間を要することがあります。こうした不備を放置していると、売却活動が長引く要因となるため、売却を決めたら、事前に必要な書類や権利関係を整理しておくことが大切です。
仲介会社選びの失敗
不動産会社の選び方によっても売却期間は大きく変わります。販売活動に積極的で反響を集められる会社もあれば、広告や内覧対応が十分でない会社もあります。担当者の経験や販売力によって成約スピードが左右されるため、媒介契約を結ぶ前に信頼できる会社かどうかを見極めることが重要です。査定価格だけで判断するのではなく、販売戦略や担当者の対応力も比較すると安心です。

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市況の変化(景気・金利)
不動産市場は景気や金利の影響を受けやすく、これも売却が長引く原因になります。
例えば、景気が後退すると買主の購買意欲が下がり、取引がまとまりにくくなったり、住宅ローン金利が上がると買主の借入負担が増えるため、予算が抑えられ、価格交渉に時間がかかるといったこともあります。
こうした市況の変化は売主がコントロールできるものではありません。ただし、状況を把握しておくことで、売却活動の進め方を判断するときに役立ちます。市況の影響を理解しておけば、不測の事態に直面した際も、落ち着いて対応しやすくなるでしょう。
不動産売却期間を短縮するための工夫
不動産売却が長引く原因を見てきましたが、このような原因に対して、あらかじめ対策をしておくことで、成約までの期間を短縮できる可能性があります。
ここからは、不動産売却をスムーズに進めるために、売主が意識できるポイントや、具体的な工夫を見ていきましょう。
適正価格の設定と見直し
不動産を早く売却するには、最初に適正な価格を設定することが重要です。市場では常に比較検討が行われるため、相場から大きく外れた価格は買主の目に留まりにくくなります。複数の不動産会社に査定を依頼し、簡易査定と訪問査定を組み合わせて、相場観と物件固有の評価を確認することで、根拠のある価格を設定できます。
また、売却活動をはじめてしばらく反響が少ない場合は、価格の見直しを検討することも大切です。特に、一定期間広告を出しても内覧の申し込みが入らないときは、買主にとって価格が割高に映っている可能性があります。相場や市況の変化を踏まえつつ、適切なタイミングで価格を調整することで、売却期間を短縮できるケースがあります。
内覧対応と物件の印象アップ
買主が購入を決める上で、内覧での印象は大きな決め手になります。短期間で売却につなげるには、内覧時に「ここなら住みたい」と思ってもらえる環境を整えることが欠かせません。
そのためには、まず清潔感を意識することが基本です。床や水まわりを丁寧に掃除し、カーテンを開けて日差しを入れる、照明を点けて室内を明るく見せるといった工夫で印象は大きく変わります。また、家具や荷物を整理して空間にゆとりを持たせると、広さが感じられやすくなります。
さらに、玄関やバルコニー、庭といった外からも目に入る部分を整えておくと、全体の印象がより良くなります。
自分で内覧前の清掃や整理整頓などの対応が難しい場合は、ハウスクリーニングやホームステージングといった専門サービスを利用するのも有効です。プロの手を借りることで、物件の魅力をより引き出し、物件の印象を良くすることができます。
内覧前に整えるポイントのチェックリスト
□ 掃除が行き届いているか(床・水まわり・窓など)
□ カーテンを開けて日差しを入れているか
□ 照明を点けて室内を明るく見せているか
□ 不要な家具や荷物を片付け、空間にゆとりを持たせているか
□ 玄関や庭、バルコニーなど外から見える部分も整っているか
□ 生活感が出すぎないよう、洗濯物やゴミを片付けているか
□ 室内の換気をして、空気やにおいをリフレッシュしているか
仲介会社の販売活動をチェックする
不動産の売却期間を短縮するには、仲介会社がどのように販売活動を行っているかを確認することが大切です。広告の出し方や問い合わせへの対応、内覧時のサポートなど、仲介会社の取り組み次第で売却スピードは大きく変わり、販売活動が十分でないと、買主の目に物件が届かず、売却が長引いてしまいます。
専属専任媒介や専任媒介ではレインズへの登録が義務付けられていますが、一般媒介でも登録証明書を発行してもらうことで、きちんと登録されているか確認することが可能です。さらに、SUUMOなどのポータルサイトへの掲載状況や反響数についても、定期的に報告を受けると安心です。
こうした確認を行うことで、販売活動の進み具合を把握しやすくなり、必要に応じて戦略を見直すことができるため、結果として、売却期間の短縮につながります。

書類・権利関係の事前整理
不動産を売り出す前に、必要な書類や権利関係を整えておくことで、手続きの遅れを防げます。売却の段階になってから不備が見つかると、買主を待たせたり、成約そのものが延期になる可能性があるためです。
具体的には、登記識別情報(旧・権利証)や登記事項証明書の内容が現状と一致しているかを確認しておくこと、住宅ローンを完済している場合は抵当権がきちんと抹消されているかを確かめておくことが大切です。土地の場合は、境界の確認や測量が必要になることもあります。
不動産会社に必要書類のリストを確認し、余裕を持って準備しておくことで、契約から引き渡しまでの流れをスムーズに進めやすくなります。
買取の活用
できるだけ早く売却したい場合には、不動産会社による「買取」を活用する方法もあります。通常の仲介では買主を探す時間が必要ですが、買取なら不動産会社が直接購入するため、短期間で現金化できるのが大きな特徴です。
また、仲介を基本としつつ、一定期間で売れなかった場合に、あらかじめ決めた価格で不動産会社が買い取る「買取保証」という仕組みが用意されている場合もあります。仲介で高値売却の可能性を探りながら、万一売れ残った場合にも、出口が確保できる点がメリットです。
スピードを優先するなら買取、価格を重視するなら仲介、さらに安心感を高めたい場合は買取保証つき仲介など、状況に応じて選択肢を比較検討することが大切です。
| 仲介 | 買取 | |
|---|---|---|
| 売却スピード | 買主探しが必要なため数カ月かかることが多い | 不動産会社が直接購入するため短期間(最短数日〜数週間) |
| 売却価格 | 市場価格に近づきやすい | 仲介より低めに設定されることが多い |
| 買主探し | 広告・内覧を通じて一般の買主を探す | 買主は不動産会社 |
| 手間 | 広告や内覧対応が必要 | 内覧や販売活動は不要 |
| 向いているケース | 価格を重視したい、時間に余裕がある | 住み替えの期限が迫っている、早く現金化したい |
想定外に遅れる場面とリスク管理
売却活動自体は順調に進んでいても、契約や引き渡しの段階で思わぬトラブルが生じ、予定が大きくずれ込むことがあります。こうした遅延は数週間から数カ月に及ぶ場合もあり、売主にとっては大きな負担となります。
不測の事態を完全に防ぐことはできませんが、起こり得る場面を理解しておくことで、リスクを抑える対応が取りやすくなります。ここからは、売却が想定外に遅れるケースと、その際のリスク管理のポイントを解説します。
ローン残債処理で引き渡しが遅れるケース
住宅ローンが残っている状態で不動産を売却する場合、残債を完済して抵当権を抹消することが引き渡しの前提条件になります。
しかし、金融機関との手続きや必要書類の準備が間に合わず、決済の場で処理が滞ると、予定通りに引き渡せないことがあります。例えば、印鑑証明書の期限切れや登記上の住所が現住所と異なるといった細かな不備が原因で手続きが遅れることもあります。
さらに、売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」のケースでは、差額を自己資金で補うのか、金融機関に任意売却を認めてもらうのかといった調整が必要となり、より時間がかかることも少なくありません。
こうしたリスクを避けるためには、売却を決めた段階でローン残高を確認し、必要書類を早めにそろえておくことが重要です。その上で、売却価格によってはオーバーローンになる可能性も想定し、金融機関との相談や資金計画を前倒しで進めておくと安心です。

値下げや住み替え計画への影響
売却が長引けば、当初の希望条件を維持できず、想定外の値下げを迫られることがあります。売却額が想定よりも下がれば、必然的に、思っていたよりも手元に残る資金は少なくなってしまうでしょう。
また、売却が遅れることで、住み替えのスケジュールに影響が出るケースも少なくありません。新居の購入や引っ越しの時期がずれ込み、仮住まいや二重ローンといった余計な負担を抱えることになることもあります。
こうした事態を完全に避けることは難しいですが、「値下げが必要になるかもしれない」「住み替え計画がずれるかもしれない」といったリスクをあらかじめ想定しておけば、資金やスケジュールに余裕を持たせて対応することができます。
不動産売却期間に関するよくある質問(FAQ)
不動産売却にかかる期間はケースによってさまざまです。実際に売却を進める中で「こんな時はどうなるのだろう?」と不安を感じる場面も少なくありません。ここでは、売却期間に関するよくある質問を取り上げ、押さえておきたいポイントをQ&A形式で整理しました。

Q. 媒介契約の更新(3カ月)を迎えても売れないときは?
A. 契約更新の際は販売活動を振り返り、必要に応じて価格や不動産会社の見直しを検討しましょう。
専属専任媒介契約と専任媒介契約は、有効期間が最長3カ月と定められています。一般媒介には明確な制限はありませんが、実務上は同様に3カ月を目安として更新するケースが多いです。
契約更新のタイミングでまだ売れていない場合は、まずこれまでの販売活動を振り返ることが大切です。反響が少なかったのか、内覧はあったけれど成約に至らなかったのか、その理由によって取るべき対応は変わってきます。
不動産会社から販売状況の報告を受け、価格設定や広告の出し方、内覧対応などに改善できる点がないかを確認しましょう。場合によっては価格の見直しを検討することも選択肢の1つです。
また、現在の不動産会社の対応に不安を感じるようであれば、更新せずに別の会社へ依頼することも可能です。信頼できる担当者と戦略を組み直すことで、売却活動が好転するケースもあります。
Q. 売却期間中にほかの不動産会社へ相談してもいい?
A. 契約の種類によって制限はありますが、不安があるなら他社に相談しても問題ありません。
専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んでいる場合は、1社にのみ売却を任せるルールになっているため、同時に複数の会社へ正式に依頼することはできません。ただし、「相談」自体が禁止されているわけではないので、他社に意見を聞いて、販売状況や価格設定の妥当性を確認することは可能です。
一方、一般媒介契約であれば、もともと複数の会社と同時に契約できる仕組みになっています。 そのため、売却期間中に他社へ相談するだけでなく、正式に依頼することも可能です。
いずれの場合でも、現在の担当者に不安があるなら更新のタイミングで会社を見直すのも1つの方法です。信頼できる担当者と組むことで、売却期間の短縮につながりやすくなります。
Q. 売却期間中に修繕やリフォームをすすめられたらやるべき?
A. 必要最低限の修繕は効果的ですが、大規模リフォームは必ずしも得策ではありません。
売却活動の途中で、不動産会社から「ここを直したほうが印象が良くなる」と提案されることがあります。例えば、水漏れや壁の大きな傷、故障した設備など、買主にマイナスの印象を与える不具合は、事前に修繕しておくほうがスムーズに売却につながりやすくなります。
一方で、キッチンや浴室の全面リフォームといった大規模な工事は、売却価格にそのまま反映されるとは限りません。買主自身がリフォームを前提に購入を検討していることも多いため、過度な投資は無駄になる可能性があります。
売却中に修繕やリフォームをすすめられた場合は、「最低限直すべき箇所」と「そのままでも売れる可能性がある箇所」を見極め、不動産会社と相談しながら判断するのが賢明です。

Q. 買主が住宅ローン審査に落ちたら、売却期間はどうなる?
A. 契約は白紙解除となり、再び買主を探す必要があります。
不動産の売買契約では、多くの場合「住宅ローン特約」が設けられています。これは、買主が金融機関の審査に通らなかった場合には、契約を解除できるという条項です。買主が住宅ローン審査に落ちたときは、この特約に基づいて契約は白紙に戻り、手付金も返還されます。
その結果、売主は再度販売活動を行う必要があり、売却期間は延びてしまいます。特に契約直前まで進んでいた場合には数週間から数カ月が無駄になることもあるため、想定外の遅れとして備えておくことが大切です。
完全に防ぐことは難しいものの、買主の資金計画やローン利用状況について不動産会社に確認してもらうなど、できる範囲でリスクを抑える姿勢が役立ちます。
【まとめ】不動産売却期間を理解し、計画的に進めよう
不動産の売却は、思い立ってから引き渡しまでに数カ月を要するのが一般的です。平均すると売り出しから成約までは3か月前後、準備や引き渡しの手続きも含めると半年程度になることもあります。
価格設定や販売活動の工夫でスピードを早めることはできますが、市況や買主の事情によって想定外に遅れるケースもあります。そのため、余裕を持った資金計画やスケジュールを立てておくことが大切です。
売却活動をはじめる前に「どのくらいの期間がかかりそうか」を理解しておけば、不測の事態にも柔軟に対応でき、納得のいく取引につながります。この記事で紹介した内容も参考にしながら、ぜひ自身の不動産売却を成功に導いてください。


