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セカンドハウスローンとは? 住宅ローンとの違いや利用条件について解説

セカンドハウスローンとは?住宅ローンとの違いや利用条件について解説

住宅ローンは「契約者本人が生活の拠点として居住する住宅」の購入を対象とした融資であるため、セカンドハウス購入時には利用できません。

そのため、セカンドハウスの購入時は、セカンドハウスの購入を目的としたセカンドハウスローンが選択肢となります。

セカンドハウスローンは通常の住宅ローンと比べて「審査が厳しい」「住宅ローン控除を利用できない」などの注意点があります。

この記事では、セカンドハウスローンの概要や住宅ローンとの違い、利用条件などと併せて、セカンドハウス購入時に使えるその他のローンも解説します。

記事の目次

セカンドハウスローンとは?

セカンドハウスローンとは、自宅以外に居住する住宅(セカンドハウス)や別荘を購入する際に使えるローンのことです。(金融機関により名称が異なる場合があります)

住宅の購入なら「住宅ローンが利用できるのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、通常の住宅ローンはセカンドハウスの購入には利用できません。基本的に住宅ローンは、「契約者本人が生活の拠点として居住する住宅」の購入を対象とした融資であるからです。

そのため、セカンドハウスや別荘を購入する際には、セカンドハウスローンのように、生活の拠点以外の住宅について購入を認めている専用のローンを利用することが一般的です。

なお、セカンドハウス目的であることを隠して、通常の住宅ローンを利用するのは契約違反です。セカンドハウスであることが明らかになり一括返済のペナルティーが科される可能性もあるため、セカンドハウス購入には、必ずセカンドハウスが融資対象となっているローンを選択してください。

セカンドハウスローンと住宅ローンの違い

住宅ローンのイメージ

(画像/PIXTA)

セカンドハウスローンは、生活拠点とする自宅以外の住宅購入に使用するという目的上、住宅ローンとは融資条件やローンの扱いが異なります。資金計画にもかかわる内容のため、理解しておきましょう。

審査基準が厳しい

セカンドハウスローンは、一般的な住宅ローンより審査基準が厳しいといわれています。

セカンドハウスを購入しようとする方のなかには、自宅の住宅ローンを返済中の方もいるでしょう。住宅ローン返済中の方がセカンドハウスローンを借り入れると、二重のローン(ダブルローン)になり返済の負担が大きくなります。住宅ローン1本のときよりも高い返済能力が必要なため、審査が厳しくなるのです。

このような背景から、セカンドハウスローンの申し込みには、一定の年収や勤続年数を求められることが一般的です。具体例として、ある銀行では年収500万円以上や勤続3年以上などの条件が設けられています。雇用形態や勤務先の規模および経営状態なども含めて、総合的に判断されるでしょう。

金利が高い

セカンドハウスローンの金利は、一般的に住宅ローンより高めに設定されています。金利が1%を切ることもある住宅ローンと比較すると、相場が2~3%程度とされるセカンドハウスローンの金利はかなり高いといえるでしょう。

同じ借入額・返済方法であれば、金利が高いほど総返済額が大きくなります。例えば、3000万円を30年ローンで借りる場合、金利が1.0%と2.0%では、総返済額は以下のように500万円以上の差が出ます。

【金利1.0%】
元金3000万円 利息473万7068円 総返済額3473万7068円
【金利2.0%】
元金3000万円 利息991万8903円 総返済額3991万8903円
(※ボーナス返済なし、元利均等返済方式で試算)

総返済額が増えると月々の返済負担も変わってくるため、資金計画の際には注意が必要です。

住宅ローン控除を利用できない

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを利用して自分が生活の拠点として住む住宅を購入した場合、住宅ローン残高の0.7%を最長13年間所得税の控除を受けられる制度です。

セカンドハウスは、生活の拠点として住む住宅ではありません。その購入のために利用するセカンドハウスローンは、住宅ローン控除の対象外です。

セカンドハウス購入時は【フラット35】も利用できる

セカンドハウスの購入には通常の住宅ローンは利用できませんが、【フラット35】であれば利用できます。

【フラット35】は、住宅金融支援機構と民間金融機関の提携により提供される全期間固定金利型の住宅ローンです。利用対象には、生活拠点としての住宅以外に本人または家族が使用する住宅も含まれているため、別荘やセカンドハウスの購入にも利用できます。

【フラット35】の融資条件は、セカンドハウス購入の場合でも、自宅を購入する際と変わりません。金利は借入期間21年~35年で1.94%から(※2025年3月時点)となっているため、セカンドハウスローンより低い金利で借り入れできる可能性があるでしょう。

また、【フラット35】は個人事業主(自営業)も利用しやすいのが特徴です。

民間金融機関では、個人事業主は給与所得者(会社員)と比べて収入が安定しにくいとみなされ、会社員よりも審査基準が厳しい傾向があります。所得の判断は直近3期分が対象となるのが一般的で、決算書の提出も必要です。

しかし、【フラット35】では決算書の提出は求められません。確定申告書の提出は2年分必要ですが、返済負担率の計算も直近1年分で行ないます。民間金融機関では審査通過が難しい場合でも、【フラット35】であれば審査に通る可能性があるでしょう。

ただし、【フラット35】の利用には住宅の要件もあります。一戸建てなどでは70平方メートル(※)、マンションは30平方メートル以上の規模であることや、【フラット35】の技術基準に対応した住宅であることなどが要件の一部です。
(※中古共同建ての住宅は30平方メートル以上、建物の登記事項証明書による確認では28.31平方メートル以上)

セカンドハウスローンの利用条件

セカンドハウスローンの利用条件は、金融機関によって異なります。一般的には、以下のような条件です。

  • 申込時の年齢および最終返済時の年齢が条件を満たす
  • 申込者本人もしくは配偶者が自宅を所有している
  • 安定・継続した収入が見込める
  • 所定の団体信用生命保険に加入できる
  • 所定の保証会社の保証を受けられる

年齢条件は、申込時満18歳以上満71歳未満、最終返済時満80歳未満とする金融機関が多くなっていますが、金融機関や選択する団体信用生命保険(団信)によって異なります。その他、勤続・営業年数や年収、金融機関の営業エリア内の居住などの利用条件が定められている場合や、団信が必須でないローンもあるため、各金融機関の商品説明書をよく確認しましょう。

セカンドハウスローンを利用する際の流れ

銀行相談窓口のイメージ

(画像/PIXTA)

セカンドハウスローンの利用方法は、通常の住宅ローンと大きく変わりません。以下の流れで申し込みます。

1:事前審査

セカンドローンの申し込みには、借り入れができるかどうかを確認するための事前審査が必要です。事前審査は、金融機関のホームページから可能です。申込フォームに必要事項を記入し、送信しましょう。

2:正式審査

事前審査で承認されたら、次は正式審査を受けます。正式審査の際には、本人確認書類や所得証明書類、物件に関する書類などを提出しなければなりません。金融機関指定の書類を確認し、漏れがないよう準備しておきましょう。

多くの場合、正式審査は金融機関の窓口で行ないますが、インターネットでの手続きができる金融機関もあります。インターネットの場合は、書類画像のアップロードが必要です。

3:契約手続き

正式審査の通過後は、契約条件や書類の確認後、契約書に署名・捺印するという流れになります。金融機関によっては、窓口のほか、郵送や電子契約での手続きも可能です。手続きが完了後、契約書記載の借入日に融資が実行されます。

まとめスーモくん

  • セカンドハウスを購入する際には、セカンドハウスローンを利用する
  • セカンドハウスローンは、通常の住宅ローンに比べて審査が厳しいうえ、金利が高い
  • 【フラット35】はセカンドハウスでも自宅と同じ条件で利用可能
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●取材協力/高槻翔太(たかつき しょうた) さん
不動産・建設会社で土地有効活用のコンサルティング営業経験(6年)。賃貸住宅の建築提案営業を中心に従事。宅地建物取引士、FP技能士2級、日商簿記2級。不動産・金融系のライターとして不動産系メディアでの執筆実績多数。
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