不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

築10年を機にマンション売却。相場リサーチで、査定額より約600万円高い価格で成約/東京都江東区Hさん(40代)

東京都江東区 Hさん(40代)/住宅ローンを完済したマンション、築10年を機に納得価格で売却成功

東京都江東区の新築マンションを購入して約7年で住宅ローンを完済、築10年を目安に住み替えを考えていたHさん。訪問査定の額は1000万円以上の幅があったそう。大切に住んだマンションを納得のいく価格で売りたいと、周辺の同じような物件の売買価格をリサーチ。査定額より600万円以上高い価格で売り出し、ほぼ希望額で売却することができ、大変満足しています。

不動産区分 マンション
所在地 東京都江東区
築年数 10年
間取り・面積 3LDK(約73m2
ローン残高 なし
査定価格 4000万円~5300万円
売り出し価格 5980万円
成約価格 5950万円

マンションの住宅ローンを完済。築10年を区切りに新しい住まいを探す

2011年に東京都江東区の新築マンションを購入したHさん夫妻。約7年で住宅ローンを払い終わると住み替えを考え始めました。

「住宅ローンを返している生活が楽しかったのかもしれません。完済したら、なんだかつまらなくなったんです(笑)。住んでちょうど10年で転居したいという思いもあって、そろそろ新しい住まいを買おうかと。古くなってから売るよりいい時期に売りたいし、築10年が “売り時”ではないかと思っていました」

マンションは最寄駅から徒歩3分で、近くにコンビニや商業施設、病院などもあり、生活施設は充実。高層階住戸で、南北に窓があるため通風が良く、南向きのリビングは日当たりも良好でした。3LDKにダブルウォークインクロゼットがついているほか、オプションで各部屋にウォール収納を造作するなど、収納スペースも十分でした。

マンションの売却を意識し始めるのとほぼ同時に、新しい住まいを探し始めたHさん。一戸建てにこだわらずマンションも検討していましたが、どちらかと言えば一戸建て志向ではあったそうです。そんな中、ある不動産会社の縁で一戸建て住宅を紹介されます。その住宅は、交通の便が良く、バーベキューができる広々としたルーフバルコニーがあり、周りに高い建物がなく気に入りました。夫妻それぞれの実家にも比較的近く、これから親が高齢になることを考えても実家の近くに住むのが安心と思い、2021年1月引越しました。

一括査定サービスサイトに登録。反応があった7社のうち最も対応がいい1社と仲介契約を結ぶ

2020年ごろから一括査定サービスサイトの存在は知っていたというHさん。引越し後の2021年2月、一括査定を依頼しました。

マンションの売却でHさんがこだわったのは、期間より価格でした。「掃除や手入れもきちんとして大事に住んでいたので、安売りはしたくありませんでした。売却金額が、これまで自分たちが大事に住んできた価値のように思ったので、提示した金額で買ってくれる価値がわかる人に売りたかったんです。妥協はしたくない、それで売れないなら賃貸にしてもいいし、子どもが将来独立したときの住まいにしてもいいと思っていました」と振り返ります。

一括査定サービスサイトを利用すると7社から反応がありましたが、Hさんは訪問査定を申し出てくれる会社のみ対応しました。「机上で判断される簡易査定だけでは、物件の本当の価値はわからないんじゃないかと思いました。査定額も4000万円~5300万円と1300万円も差があり、詳しくは見ませんでした。向こうから訪問査定を提案してくれるところじゃないとお願いはできないと思いましたね」

■一括査定サービスとは

売りたい不動産の情報をインターネットの一括査定サービスサイトに入力するだけで、サイトに登録された複数の不動産会社に簡易査定を依頼できます。複数の会社からの査定結果を比較できるので、売却を検討している物件の相場をつかめるのがメリットです。
利用料は無料で、個別に探して査定を申し込む手間がなく便利。簡易査定は、周辺の取引事例を中心にその他の要素も加味して算出されます。

電話がかかってきた不動産仲介会社のうち、話をして良さそうだと思った4社に絞り、いくつもの拠点をもつ1社と専属専任媒介契約を結びました。

「その会社は、他社と比べ物にならないほど対応が良かったです。価格も扱う金額が高いので、それなりの所作や丁寧な話し方、購入者に対する接客態度、レスポンスの早さなどを見て、この人に任せておけば安心と思える会社の担当者に頼みました」と話す。

査定額より680万円高い価格で売却活動を開始。それでも内覧希望者は週10組も

売却活動は売買価格を決めることから始まります。「契約した不動産仲介会社の査定額は5300万円で、5600万円からスタートしてはどうかと提案されました。自分で近辺のマンションがどの位の価格で売られているかをネットで調べてみると、うちより駅から遠いマンションで同じような間取りが6000万円で売れていたのを見て、6000万円から少し下げて5980万円で売り出すことにしました。不動産仲介会社の提案どおりに進めるのではなく、自分なりにリサーチすることは大事だと思います」

売却活動は、不動産仲介会社のホームページや大手ポータルサイトへの掲載、宅配広告(ポスティング)などで、週1回売却活動について知らせる報告書が届きました。「問い合わせや内覧希望者が多く、1週間に10組以上内覧希望者がいました。

ネットに掲載することとチラシだけで日々問い合わせや内覧の希望があり、オープンハウスや新たな売却活動の提案なども必要ありませんでした。内覧者は50組くらいいたかと思います。即決はしなくても、希望者の予算が合えば売れるだろうと思って安心していました」

購入者が現れたのは7月。不動産仲介会社から、即決するためには値段交渉をする際に、少しでも下げると決まりやすいというアドバイスがあり、本気で検討している方との話し合いの中で30万円下げることを決めました。その後、購入希望者との交渉がスムーズに進み、5950万円で売買契約が成立しました。

値引き交渉は30万円下げただけ。大成功の契約成立

売却活動開始から売買契約成立までは5~6カ月かかりましたが、査定額よりも高い価格でスタートしたので、値引き交渉はある程度予想していたそうです。「値引き交渉があって、買い手の希望額とこちらの希望額の間をとってもっと価格を下げることになるかと予想していました。5800万円位ならいいかなと思っていましたが、30万円下げただけで価格がまとまり、買い手も1カ月で決断してくれました。思ったより早かったと思います」

売買成功のコツを聞くと「自分が今までやってきたこと、物件の良さに自信があるなら、最初から低く見積もるのではなく、高く設定して反応がないなら下げればいい。強気でいくのがいいと思います」とのアドバイス。マンションから引越していたので、希望者の都合がいいときに住戸を見てもらえたのも良かった点。掃除をしっかりしてきれいに住んでいたことで内覧者のイメージが良く、カーテンや照明をそのまま残して引越したことで、内覧者には生活のイメージがつきやすかったようです。

「不動産仲介会社には感謝しかありません。満足しています」と話すHさん。現在の一戸建ても快適で十分満足されているそうですが、永住の地とは考えていないそう。「10年後には子どもも家を出て独立すると思いますし、夫婦2人で住むには今の家は広過ぎます。お互いの実家をどうするかという問題もあります。古い家を建て替えて住むか、私は庭の手入れなどもなくのんびりできるマンションもいいと思います。また10年たったら考えたいと思います」

ライフステージによって、子どもが成長したり親が高齢になったり、その時々で家族にフィットする住まいは変わります。予算や環境によりますが、売却や住み替えをフレキシブルにとらえるHさんのような考え方も自然なことではないでしょうか。

マンション売却後、住み替え先での生活イメージ

2018年ごと ・築7年のマンションの住宅ローンを完済
・マンションの売却を意識し始める
・住み替え先を探し始める
2020年12月 ・住み替え先が決定、売買契約が成立
2021年1月 ・住み替え先に引越す
2021年2月 ・一括査定サービスサイトで複数の不動産仲介会社に簡易査定を依頼
・簡易査定の対応がいい4社に絞り検討
・訪問査定を依頼
2021年3月 ・不動産仲介会社と専属専任媒介契約を結ぶ
・売買活動を開始する
2021年7月 ・購入希望者が現れる
2021年9月 ・売買契約が成立
2021年11月 ・物件を引き渡す

まとめ

  • インターネットの簡易査定だけでなく、訪問査定もしてもらおう
  • 住宅ローンの残債がない場合、気に入った物件があれば住み替えはスムーズ
  • 価格は不動産仲介会社の提案どおりではなく自分なりに調べて納得がいく価格に設定する
  • 前向きな購入検討者が現れたときに、少しでも金額を下げると割安感があり契約成立の弾みになることも

取材・文/佐藤由紀子 イラスト/石山好宏

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