
東京都中央区のタワーマンションに暮らすKさん。1億1400万円で購入したマンションが、値上がりしたタイミングで売却を決意。売り先行で期限を定めず売却活動を行い、1億2800万円で売却できました。
| 不動産区分 | マンション |
|---|---|
| 所在地 | 東京都中央区 |
| 築年数 | 約2年 |
| 間取り・面積 | 3LDK(85m2) |
| ローン残高 | 8900万円 |
| 査定価格 | 1億2500万円 |
| 売り出し価格 | 1億2800万円 |
| 成約価格 | 1億2800万円 |
2年前に購入したマンションの価格が高騰。利益を見込み売却を決める
東京都中央区で大規模タワーマンションに暮らしていたKさん。3LDK・85m2のマンションは、駅からは徒歩10分。新築時に1億1400万円で購入しました。住み始めてからまだ2年、売却は考えていませんでしたが、ポストに入ったチラシには目を通していました。そして、2020年秋ごろに、Kさんは、マンションの売却価格が随分上がっていることに気付きました。
「同じマンションの同規模の物件の坪単価がどんどん上がっていたんです。次第に売ってみたいという気持ちが高まってきました」
■自分のマンションの相場の調べ方とは
所有しているマンションの売却相場を自分で調べるには、まず周辺相場を把握することが大切です。都道府県や市区町村の平均的な売却価格や専有面積、築年数を調べ、そのエリアで売却されているマンションの平均像を把握しましょう。SUUMOでは全国のマンション売却相場を、都道府県単位だけでなく、市区町村単位で調べることができます。最新の売却実績も表示され、沿線・駅、売却価格、間取り、専有面積、築年数、売却時期が一覧で見られます。周辺相場を把握すれば、自分のマンションを査定してもらうときに、査定価格が妥当かどうかを判断しやすくなります。価格設定や、購入希望者との価格交渉において、的確な戦略を練ることができるため、より高い価格での売却につながります。
売却は五度目。以前の担当者に今回も依頼することに
建築やインテリアに興味のあるKさんは、モデルルームの見学が趣味。内装が気に入ると購入し、次々と住み替えてきました。今回でマンションを売却するのは五度目。そこで、懇意にしている大手不動産仲介会社の担当者に連絡を取り、訪問査定を依頼しました。
「査定価格は、1億2500万円でした。前回の売却で高く売り出したときも買い手を見つけてくれた担当者なので信頼感がありました。すぐに専属専任媒介契約を結び、売却活動を開始しました」

1億2800万円で売り出すが反響は上々。週に2、3件の内見者に対応
担当者と相談し、値引き交渉を考えて、査定価格に300万円を乗せた1億2800万円でいったん売り出し、反響を見ることにしました。
不動産仲介会社は、プロの撮影スタッフに写真を依頼し、魅力あふれるチラシやWEB媒体で販売活動を行いました。すぐに内見希望者が現れ、Kさんは週に2~3件の内見に対応しましたが、なかなか購入には至りませんでした。
「値引き交渉の額が大きかったですね。中には1000万円の値引きを持ちかけてくる人も。お断りした方が4組いました。売れてから住み替え先を探すつもりだったので、売り急ぐ必要はありません。納得できる価格で購入してくれる人が現れるまで待とうと思っていました」
3か月後の2021年3月に、物件をとても気に入った家族が現れ、値引き交渉はあったものの、Kさんが応じるつもりがないことを知ると値引きを断念。1億2800万円での売却が決まりました。
売買契約後に、住み替え先を探し始め、3月中には住み替え先の売買契約を結びました。住み替え先に入居できるのが6月だったため、購入者にはそれまで待ってもらい、住み替え先に引越した後、引き渡しをしました。
値引き交渉には応じず、売り先行でじっくり売却して良かった
希望価格で売却することができた理由を、「内見立会いでの手応え」と語るKさん。
「内見は毎週のようにありましたし、購入検討者の熱も高いと感じていました。元々マンションがどの程度で売却されているのかチラシで頭に入れていたこともあり、強気でいこうと思いました」
売却して得たお金で、残っていたローンを完済し、1億1000万円の新築マンションを江東区に購入しました。2000万円を現金で支払い、9800万円のローンを新たに組みました。間取り・面積は、80m2・3 LDKで、以前のマンションと同程度ですが、駅からは徒歩5分。まわりには大型のスーパーもあり、便利な場所です。
「今の住まいは気に入っていますが、また気に入ったマンションがあれば、住み替えたいと思っています」とKさん。もっと良い物件を探して、モデルルームの見学を続けています。
| 2020年秋ごろ | ・売却を意識し始める |
|---|---|
| 2020年12月 | ・訪問査定を依頼する ・大手不動産仲介会社と専属専任媒介契約を結ぶ ・1億2800万円で売り出し ・毎週内見対応をする |
| 2021年3月 | ・購入者が現れる ・1億2800万円で売買契約を結ぶ ・住み替え先を探し始める ・住み替え先の売買契約を結ぶ |
| 2021年6月 | ・住み替え先に引越す |
| 2021年7月 | ・物件を引き渡す |
まとめ
- ポストのチラシをチェックするなど、常に売り時を探る
- 売り先行なら、値引きに応じることなくじっくりと購入者を待てる
- 売り先行でも引き渡し期限に余裕をもてば、住み替え先探しや引越しを焦らずに済む
取材・文/内田優子 イラスト/斎藤ひろこ


