不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

大阪府大阪市淀川区Oさん(40代)/両親と暮らしたマンションの売却。一般媒介契約で6社を比較し納得できる会社を探す

大阪府大阪市淀川区Oさん(40代)/両親と暮らしたマンションの売却。一般媒介契約で6社を比較し納得できる会社を探す

両親とマンションに暮らしていたOさんは、両親が亡くなり一人暮らしに。好きな間取りの家に住み替えるため売却を決意。複数社と一般媒介契約を結ぶ中で信頼できる担当者と出会い、2550万円で売却できました。

不動産区分 マンション
所在地 大阪府大阪市淀川区
築年数 約18年
間取り・面積 3LDK(80m2
ローン残高 なし
査定価格 2780万円
売り出し価格 2780万円
成約価格 2550万円

父母と暮らしたマンションを売却して、一人暮らしに適した家に住み替えたい!

両親とマンションに同居していたOさんは、2017年に相次いで父母が亡くなり一人住まいになりました。

「1人で暮らしてみるとリビングやダイニングが広すぎたり、趣味のための部屋がなかったり、不便さを感じるように。ずっと両親とマンション暮らしだったので、一戸建てに住んでみたい気持ちもありました。2018年9月ごろから売却しようと考え始めました」

実家は、大阪市淀川区にある築18年の80m2・3LDKのマンションで、最寄駅から徒歩1分と利便性のよい立地。新築時に父が頭金400万円と2000万円のローンで購入し、Oさんと共有名義で所有していました。

「以前から、毎年1回はインターネットでマンションの評価額を調べていました。周辺にマンションが建築されたときは、2000万円を切るほど。2018年夏ごろから2500万~2800万円台になり、良いタイミングだと思いました」

先に気に入った一戸建てを買うより、確実に売却してから、仮住まいをしてでも、納得できる住替え先を探そうと考えたOさんは、売却活動をはじめることにしました。

初めての売却活動。インターネットの売却体験ブログから失敗を学ぶ

2018年9月ごろから不動産会社探しを開始。インターネットの一括査定サイトに申し込み、大手や地元など6社の不動産仲介会社に簡易査定を依頼。最高で2780万円の査定価格でした。

「不動産売却は初めてで、情報収集が大変でした。本より役に立ったのは、売却経験者の体験ブログ。リアルな失敗談が参考になりました。そこには不動産会社選びの失敗話も。いろいろ考えると、どこに決めるか迷ってしまい、簡易査定をしてくれた不動産会社全てと一般媒介契約を結び、対応を見たいと思いました」

2018年9月に6社と一般媒介契約を締結。訪問査定でも査定価格は変わらなかったので、いちばん高値だった2780万円で2018年10月から売り出しました。

一般媒介契約で6社を比較。対応の良い会社と専属専任媒介契約を結ぶ

「販売活動を開始すると、それぞれの会社が一週間後から内見者を連れてきました。そんな中、それぞれの会社の販売活動の反響の大きさ、担当者の力量が明らかになってきたのです。同じ物件・情報を渡してもこんなに結果が違うのかと驚きました」

その中でいちばん内見者の数が多く、担当者と相性の良かった地元の1社が気に入りました。そこで、5社との一般媒介契約を解約し、その1社と改めて専属専任媒介契約を結びました。

地元に強い不動産仲介会社で担当者の知識も豊富でした。専属専任媒介契約を結んだ直後、担当者から、「100万円値下げすれば、すぐに決まりますよ」と提案されました。

「だらだら売却活動をしたくなかったので、値下げを了承し、2680万円で売り出してみることにしました」

不動産仲介会社は、近隣にチラシを配るなど販売活動を開始しました。

住みながらの内見対応でしたが、極力荷物を減らしすっきりと見えるようにしました。さらに、自分でホームステージングにもチャレンジ。ホームステージングとは、売り出し中の家やマンションの室内を家具や照明、小物などでモデルルームのように演出することです。Oさんは、絵画に照明を当てたり、グリーンを置くなど工夫し、ベランダから見える花火大会の写真もアルバムに用意して内見者に見てもらいました。

自分でのホームステージングにもチャレンジ

専属専任媒介契約を結んでから3人目に内見した希望者と、2018年12月に2550万円で売買契約を結びました。

「購入者は、3人の子どもがいるファミリーで、教育費が大変という話を聞いて、先方からの値下げ交渉に思わず応じてしまいました。ローン審査は問題なかったのですが、本来、引き渡し後に行う先方のリフォームが、不動産仲介会社側の調整ミスで私が居住中に行うことに。さすがに不動産仲介会社に注意をしました」

■大規模修繕とは

大規模修繕とは、約10~15年おきに定期的にマンションの経年劣化した箇所を修繕すること。壁のひび割れや外壁の塗装の剥がれなどに補修や再塗装を施して躯体を維持するための修繕を行うほか、共用廊下、階段、エントランス等共用部分の補修もあります。エレベーターの改装や交換、給排水管工事など設備面の修繕も検討されます。不動産売却においては、共用部などが修繕されてきれいになると、購入検討者に好印象を与えることも。
大規模修繕は、建設当時に長期修繕計画が定められますが、時代の変化により計画が実態と合わなくなることもあります。当初の予定より経費がかかった場合は、修繕費の値上げや追加徴収につながることもあります。

見た目の印象を良くする工夫が大事。売主も積極的にアピールすべき

当初から2500万円を下回るのは避けたいと考えていたOさんは、売却価格に満足しています。

「見栄えは大事ですね。マンションは、共用部の大規模修繕が終わったばかりでした。ベランダ・廊下はきれいになり、私のホームステージングもあって、内見者から『新築みたいですね』と言われることも多く、第一印象が良かったのだと思います。片付けるのは大変でしたが、インテリアが好きなので楽しく対応できました」

2019年1月に引き渡しを済ませたOさんは、一時的に団地に引越し、じっくりと物件を探して、2020年3月に念願の一戸建てに引っ越しました。

「1年かけて妥協せず探したので大満足です」とOさん。部屋ごとに思い切り好きなインテリアにして一人暮らしを楽しんでいます。

2018年9月 ・売却を意識しはじめる
・一括査定をする
2018年10月 ・6社と一般媒介契約を結ぶ
・訪問査定をする
・2780万円で売り出す
・1社と専属専任媒介契約を結ぶ
・2680万円に値下げする
2018年11月 ・購入検討者が現れる
2018年12月 ・売買契約を結ぶ
2019年1月 ・引き渡しをする
・団地に引越して住み替え先探しをする
2020年3月 ・一戸建てに引越しをする

まとめ

  • 売却体験者のブログ等は情報収集に最適。特に失敗談は参考になる
  • 1社に決められなかったら、一般媒介契約で複数社にお願いして対応を見てみよう
  • 物件の見栄えを良くする工夫で売主ができることは積極的に行う

取材・文/内田優子 イラスト/キットデザイン

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