
新築マンションに引っ越したため、それまで住んでいた目黒区の築24年のマンションを売却することになったSさん。資産価値を評価した不動産仲介会社の強気の販売戦略で、予想以上の価格での売却に成功しました。
| 不動産区分 | マンション |
|---|---|
| 所在地 | 東京都目黒区 |
| 築年数 | 約24年 |
| 間取り・面積 | 3LDK(62m2) |
| ローン残高 | なし |
| 査定価格 | 5000万円 |
| 売り出し価格 | 5480万円 |
| 成約価格 | 5000万円 |
目黒区の新築マンションに住み替え。3年後に前居のマンションの売却を決意
Sさんは2017年に東京都目黒区の新築マンションに引っ越し、現在、夫と大学生、高校生の子どもの4人で暮らしています。
以前住んでいた、同じく目黒区にある築24年のマンションの売却を決めたのは、今のマンションに入居後、約2年がたってからでした。
「早く売りに出せば良かったのかもしれませんが、24年間住んだ家の荷物が多過ぎて、売らずにとりあえずの物置場にしていました。夫と私の両親が遊びに来たときに泊まってもらう場所にしてもいいと考えていたんです。ローンは終わっていたこともあり、急いで売却する必要もなかったため、売却についてはのんびりかまえていました」
Sさんが住んでいたのは都内でも有数の人気エリア。最寄駅から歩いて10分程度の閑静な住宅街です。
「メトロも東横線も通り、恵比寿や目黒も徒歩圏。通勤にも買い物にも本当に便利なので、このエリアから離れたくありませんでした。とはいえ、築24年経つとさすがに外観も設備も古く、高級感もない……。なんといっても家族4人が住むには狭すぎました。広いマンションに引っ越したいと考えていたところ、すぐ近くに新築マンションの売り出しがあり、購入を決めました」
「強気で行きましょう」との担当者の言葉で、売り出し希望価格より480万円高額でスタート
しばらくはマンション2軒を所有し、一つを住居に、もう一つを両親の宿泊用兼荷物置きにと使い分けていたSさん。
「でも両親が頻繁に遊びに来るわけでもなく、ほとんど利用しない状態。税金などのコストもかかるし、無駄だなあと次第に考えるようになりました」

そこで、新築マンションを購入した大手不動産会社の担当者に売却の相談をしたところ、同じ系列の不動産仲介会社の売却部門の担当者を紹介され、査定してもらいました。
同時にSさんは他社2社にも査定を依頼。計3社の訪問査定を受けました。
「不動産売却の経験がない素人なので、いずれも安心感のある大手の不動産会社にお願いしました。訪問査定でついた査定額は3社とも5000万円前後でほぼ同額。購入額は5495万円だったので、値下がりはわずか約500万円で済みます。大きな違いがないなら、これまで信頼していた不動産会社の系列1社のみの専属専任媒介で頼むことにしました。今はネットでいろいろな会社の物件を検索できるので、複数の会社に頼む必要はないと考えたからです」
売り出し価格について担当者と話し合ったところ、「ここは強気でいきましょう」と、査定額に480万円上乗せした5480万円で売り出すことにしました。
「当初、5000万円で売り出して、最低4500万円以上で売れればいいと思っていたので、予想を超える額に少し驚きました。都内の人気エリアという希少価値や交通アクセスの良さ、売却期限がないことなどの諸条件を考慮し、強気の戦略を立ててくださったようです」
4000万円台の購入希望者もいたが値下げせず、5000万円で売却
Sさんは、不動産仲介会社の担当者から毎週、内見者数やネット検索数などの報告を受けました。
「お電話も時々いただきました。内見者は30代ぐらいのカップルやファミリーが多かったそうで、予想以上にたくさんの方が見に来られました。売り急いでいなかったこともあり、売り出し価格は何カ月も変えませんでした。途中、主人は『もっと下げてくださってもいいですよ』と言ったのですが、『いえいえ、大丈夫です』とのお返事をいただきました」
実はSさんは約10年前に近所に新築マンションが販売された時、試しに自宅を査定してもらったことがあります。当時の査定額は3500万円。購入額は5495万円だったので、約2000万円の値下がりでした。
「何が何でも引っ越したいと考えていたわけではなく、その時は売却しませんでした。でも、この時の経験もあったので、『4500万円以上なら』と漠然と考えていました」
内見者に「5000万円を切った額で買いたい」という購入希望者がいましたが、やはり5000万円以下に値下げはしませんでした。結局、売り出しから約1年後の2020年3月に、5000万円で売却が成立しました。
「私たちがもう少し下げてもいいと打診したときに、不動産仲介会社は、価格を下げてさっさと売ることもできたと思うんです。でも、売り急いでいないのだから5000万円のラインは守ろうと、時間をかけて頑張ってくれました。本当に感謝しています」
■値下げのタイミング
一般的に、売り出し後に反響がない場合は値下げを検討しますが、どのタイミングで値下げをしたらいいか迷うところです。
今回の事例は人気エリアなので欲しい人が必ずいるという強気の戦略が功を奏しました。
値下げをするかどうかは、売り急ぐ必要があるか、周辺の相場から突出した価格でないかなど、個々の事情によるため、仲介会社とよく相談して、値下げのタイミングや引き下げ額などを検討することが大切です。
物件の資産価値を見極め、価格交渉を進めた不動産会社に感謝
一年間の売却活動を振り返って、Sさんは「不満な点は全くなく、大満足です」と答えてくれました。
「不動産会社の担当者が、 “強気”の姿勢を貫いてくれたのが良かったと思います。それも、理由もなく値下げしないのではなく、私たちの物件の資産価値をしっかり見極めた上でのことでした。信頼できる担当者との出会いが売却の成功に繋がったと考えています」
また、販売活動の終盤はコロナ禍に突入しましたが、都内の人気エリアの不動産市場はそれにもかかわらず活性化していたことも幸運でした。
今、Sさんは家族と一緒に新しいマンションライフを満喫しています。
| 2019年4月 |
・マンションの売却価格査定 |
|---|---|
| 2019年5月〜 | ・4000万円台で購入希望者が現れる ・5000万円に引き下げる |
| 2020年3月 | ・5000万円で売買契約を結ぶ |
まとめ
- 信頼できる不動産会社や営業担当者を見つけるのが売却成功の秘訣
- 過去の査定額にとらわれず、今の市場を見極めることが大事
- 売却期限がないなら、可能な限り希望価格を下げないのも手
取材・文/浅野真由美 イラスト/いぢちひろゆき


