不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

千葉県船橋市Iさん(50代)/セカンドライフに向けて築24年の一戸建てを売却

千葉県船橋市Iさん(50代)/セカンドライフに向けて築24年の一戸建てを売却


夫の資格取得や子どもたちの独立もあり、セカンドライフに向けて新しい住宅を購入したIさん。それまで暮らしていた船橋市の住宅(築24年・4LDK)を売却することにしました。最初に相談した不動産会社の出した査定額に納得がいかず、自分で探した不動産会社に依頼。1300万円での売却となりました。

不動産区分 一戸建て
所在地 千葉県船橋市
築年数 24年
間取り・面積 4LDK(敷地面積…約115m2
ローン残高 なし
査定価格 1350万円
売り出し価格 1400万円
成約価格 1300万円

夫の資格取得や子どもの独立に伴い、新しい住宅を購入

24年前、2人目の子どもが生まれたのを機に、船橋市の住宅街に夫と子ども2人の4人で暮らせる住宅を探したIさん。見つけた建売住宅は車1台の駐車スペースもある2階建ての4LDKでした。周囲にスーパーなど商業施設や学校も近くにあり、子育てするには暮らしやすい環境が気に入り購入を決意。共働きで毎日通勤していたIさんは「最寄駅は歩いて18分くらい。バスもありましたが、待つのが嫌なので晴れていれば歩きました。雨の日は夫が車で送り迎えしてくれました」

月日がたち、住宅ローンを払い終え、下の子どもも間もなく独立というころに、夫が国家資格を取得。それを機に、夫が自宅で事務所を開業できるよう、夫婦で新しい住宅へ移り住むことを検討し始めます。 「それまでの家は、部屋数は問題なかったのですが、間取り的にお客さまを迎え入れる部屋を用意するのが難しかったのです。それにちょうどトイレが故障したりだとか、築年数なりの不具合も出てきたので……」

既に住宅ローンを払い終えていたため、急いで売却して新しい住まいを探す必要はありませんでした。それにリフォームしてここに住み続ける方法もあります。どうするか悩んでいたところ、たまたま、最寄駅は異なりますが、同じ船橋市で駅から徒歩5分ほどにある建売住宅を見つけたのです。「価格も手ごろで、お客さまを迎え入れるおあつらえ向きの部屋もありました。同じ4LDKでしたが、敷地面積が少しだけ広いため、車が2台置けます。ここならお客さまも電車でも車でも来やすいだろうと購入しました」

最初に相談した不動産会社の査定に納得いかず、別の不動産会社を探した

実は「リフォームか、住み替えるか」で悩んでいたころに、売るとしたらどれくらいの価格で売れるのだろうと、試しにインターネット上の不動産情報サイトによる一括査定サービスを利用したことがあるというIさん。「だいたい土地代として1000万円、それに建物を実際に査定してプラスα、という感じでした」

その後、現在の住まいを見つけて契約した際に、その住宅を販売していた不動産会社に従来の住まいの売却を相談してみました。「ところが、建物代はゼロ、土地代だけで700万円と、以前調べたインターネットでの査定額よりも低い額を提示されたんです」

「インターネットでの査定というものは、やはり最初は高い価格を出しておいて、あとで下げるものなのかしら。この不動産会社は対面だったから、最初から適正価格を提示しているのかもしれない」とも思いましたが、夫や義父に話したところ「それは安いよ」という反応。そこで自分たちで不動産会社を見つけることになりました。その時思い出したのが、従来の住まいの近くでよく見かけた、地元密着型の不動産会社のノボリでした。

「現在の住まいを購入した不動産会社は、同じ船橋市でも以前の住まいから結構離れた駅の前にある会社でした。一方、思い当たった不動産会社は従来の住まいの最寄駅の駅前。同じ船橋市でも、エリアが違えば相場も変わるはず。だとすれば以前の住まいに近い、地元の不動産会社がいいのかなと思い、相談してみることにしました」

訪れてみると、大手ではありませんが、従業員も何人かいて信頼できそうだと感じたというIさん。しかも「ちょうどこの辺りで探している人がいます。需要は十分にありますよ」と言われたそうです。現地を見てもらい査定してもらうと土地代で1000万円。「あとは建物で350万円といったところですが、まずは1400万円で始めてみましょう」と言われました。

さっそく内見希望者が現れ、スムーズに売却が成立

そこでこの会社と専属専任媒介契約を結ぶことにしました。「すぐにでもその探している人を紹介できるようなお話でしたし、その方を紹介してもらっていながら別の会社にも声をかけるのは、ちょっとはばかられたので専属専任媒介契約を結びました」。その後はとても順調に運んだそうです。

まず不動産会社の言葉通り、その近辺で探しているという人からさっそく内見したいと連絡がありました。内見でも気に入ったようですぐに価格交渉に。「あちらはリフォームを自分たちで行うから、何もしなくていいので、その分安くして欲しい、という希望でした」

あとは不動産会社と相談しながら、価格をすり合わせていきました。「結局双方が歩み寄る形の、1300万円で売却することができました」

こうしてインターネットにも広告を打たず、チラシにも載せる前に売却が成立。購入者はリフォーム前提のため、こちらで修理する必要もなく、インスペクションも要求されませんでした。「購入者は3世代の4人が暮らすそうです。特に1階だけでなく2階にも洗面台があったことが、娘さんのいる購入者が気に入ったようです」

■不動産会社の特徴

売却を仲介する不動産会社を選ぶ際には、複数の不動産会社を比較して選ぶのがオススメです。不動産会社には、全国的に不動産売買の実績のある大手企業、地域に密着した中小企業、マンションの売却に強みをもつ企業などさまざまな特徴があります。大手の不動産会社は、店舗や人員が多く、取引実績も豊富、補償や各種サービスなども整っています。一方、中小の会社は特定の地域に密着して営業している場合が多く、地元の相場情報や見込み客リストが充実していることが期待できます。

地元の不動産会社には相談してみて良かった

売却活動全体を振り返って、「売却額にも満足していますし、思いのほか順調に売却できました」とIさん。「やはり不動産会社は1社だけでなく、地元の不動産会社にも相談して正解でした。相場観にしろ、需要にしろ、地元の情報については一番詳しいのではないでしょうか」 しかし点数をつけてもらうと「80点」。マイナス20点分は? 「100点でもいいんですけど(笑)。あまりにも順調だったので、もしかしたら、さらに別の不動産会社に相談したら……と思ったからです。金額を上げたいというよりは、ほかの人ならあの家にどれくらいの値をつけるのだろう?という好奇心のようなものです。今回お世話になった不動産会社の担当者があまりにもいい方でしたので、『ほかに頼んじゃ悪いかな』と遠慮して専属専任媒介契約にしたものですから」と笑って答えてくれました。

2018年12月〜1月 ・インターネットで売却価格を簡易査定
2019年6月 ・新居を購入した不動産会社に現地査定をしてもらう
・地元の不動産会社にも現地査定してもらう
2019年7月 ・不動産会社1社と仲介契約を結ぶ
・1400万円で売り出し開始
2019年8月 ・購入希望者が現れる
2019年11月 ・1300万円で売買契約を結ぶ

まとめ

  • 大手だけでなく、地元密着の不動産会社にも売却を相談してみる
  • 売却するか悩んだら、試しにインターネットの一括査定で査定額を出してもらおう
  • 築年数が古い物件でも、リフォーム前提で購入を希望する人も最近は多い
売却査定する

取材・文/籠島康弘 イラスト/村林タカノブ

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