さいたま市の二世帯住宅(4LDK)に、義両親を含む家族6人で暮らしていたAさん。しかし、子どもの成長に伴い、家が手狭になってきました。そこで新たに世帯それぞれで新しく新築一戸建てに移り住むことを決意、旧居を2100万円で売却しました。
不動産区分 | 一戸建て |
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所在地 | 埼玉県さいたま市見沼区 |
築年数 | 18年 |
間取り・面積 | 4LDK(敷地面積…約260m2) |
ローン残高 | 650万円 |
査定価格 | 2000万円 |
売り出し価格 | 2000万円 |
成約価格 | 2100万円 |
子ども2人に個室が必要に。手狭になってきた二世帯住宅
結婚を機に、夫の両親と一緒に暮らすことにしたAさん。夫の父親名義でローンを組み、義両親の主導でさいたま市の約260m2の土地に注文住宅を建てました。「土地は義父が探してくれました。最寄駅から徒歩15分ほどの住宅街で、スーパーも学校も近く、生活に便利なエリアでした」
二世帯4人で4LDKに暮らし始めましたが、やがて子どもが2人生まれ、成長するに伴い、家族6人で住むには手狭に感じるようになりました。もともと将来的に子どもが成長した際には別々で暮らす必要があると考えていたため、貯蓄にも励んでいたそうです。「年ごろですから個室も与えたいですし、両親とも相談して、別々に家を持とうということになりました」
それが上の子が中学二年生のころです。「高校受験の前に、新しく住む場所を決めようと、まずは新しい住まい探しから始めました」。すると再び義父が、同じさいたま市で土地を見つけてきてくれたそうです。「それまで住んでいた場所から、徒歩15分くらいの場所でした。私たちと義両親の土地は離れていますが、近所なので何かと便利だと思いました」
以前と比べてスーパーが少し離れてしまいましたが、不満というほどではありません。こうして2019年3月、第一子が中学校3年生になる前に、二世帯はそれぞれ新しい住まいで暮らし始めました。
一括査定で相場観をつかんだ後に、義父の知り合いの不動産会社に相談
住む場所が決まったらいよいよ売却です。初めての売却ですから、やはり不安だったとAさんは振り返ります。ですから新居を建てころから既に売却についても事前準備を始めていました。 「まずはどんな不動産会社が近隣にあるのか調べました。また新居を建てるに当たり住宅展示場に何度か出掛けましたが、その際いくつかの住宅メーカーに、建てる家の話だけでなく売却についても聞いたり、系列の不動産会社を教えてもらったりしていました」
併せて、インターネットの一括査定サービスも利用したそうです。「5社くらいに査定を依頼したのですが、1500万〜2500万円と価格差が大きかったんです」
新居も決まり、いよいよ売却を依頼する不動産会社を選ぶことになりましたが、1000万円も価格差があったため、この中からどこに相談しようかと悩んでいたところ、再び夫の両親が頼りになりました。 「義両親が知り合いの不動産会社を紹介してくれたんです」
さっそく会って、現地で査定してもらうと2000万円と言われました。「インターネットの査定価格のちょうど真ん中でしたし、何より義両親の知り合いでしたから対応がとても良かったので、お願いすることにしました」
知り合いだと、査定額が低かった場合に断りにくくなりがちですが、Aさんの場合はあらかじめインターネットの一括査定サービスを利用していたので、提示された査定額が妥当であると判断できました。また初めての売却で不安が大きかったため、知り合いというのも大きな安心材料でした。こうしてまずは査定額通り、2000万円から売り出すことになりました。
すぐに内見希望者が5人現れ、手入れ込みで売り出し価格より高く売却
さいたま市といえば、最近とても人気のエリアです。またAさんの住んでいた場所は利便性が高く、敷地も約260m2と広さも十分あり、築18年ですからリフォームすればまだまだ住めます。そのためチラシを出したところ、あっという間に5名から内見の申し込みが入りました。
その中の1人が、「庭をキレイにしてもらえるなら、あと100万円出します」と言ってくれたそうです。「売却するつもりだったので植木を少しほったらかしにしていたのですが、伸びた枝を刈るなど庭を少し手入れしてほしい、といった内容でした」。インスペクションも不要でした。
それにこの購入希望者自体、とても対応が丁寧で、連絡も遅れずに行ってくれるなど「誠実なイメージがありました」とAさん。こうして庭を手直しすることを前提に、売り出し価格より100万円高い2100万円で売却。不動産会社に依頼してわずか3カ月で売却の契約まで完了しました。
■インスペクションとは
インスペクションとは、専門家による既存建物の調査のことです。建物の基礎、外壁など建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の状況を調査し、不具合がなければ合格となります。また、売買後に不具合が出た場合に備え、契約時の物件状態を契約書に記載しておくこととで、トラブルから売主を守る有効な手段になります。
不動産会社の担当者は親身で連絡もマメ。でも書類の用意は大変だった
何しろ売却期間は3カ月、それも非常にスムーズに事が運び、しかも売却額は売り出し価格を上回ったAさん。「もとからの知り合いということで不動産会社の担当者はとても親身でしたし、連絡もマメにもらえました。初めての売却ということで最初は不安で、書類の用意も大変でしたが、そういうところも含めて、とても心強かったです」 売却活動に対する自己採点は90点ですが、マイナス10点とは、「いろいろサポートしてもらっても、やはり売却の用意は大変だったから」とのこと。 今は新居に設けたウッドデッキでお茶を飲んだり、家族や知人たちとバーベキューを楽しむのがお気に入りだそうです。
2018年9月 | ・義父が見つけてくれた土地を購入。以前の家を売却して新居を建てることに |
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2018年10月 | ・新居を建てるための住宅メーカー探しと同時に、インターネットでの一括査定や、不動産会社探しなどを行う |
2019年3月 | ・新居の竣工 ・売却のための不動産会社探しを本格化 |
2019年4月 | ・不動産会社と契約 ・購入希望者が現れる |
2019年6月 | ・2100万円で売買契約を結ぶ |
まとめ![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/S/SUUMO/20220117/20220117201749.png)
- インターネットの一括査定で、おおよその査定額を把握しておく
- 対応の良い不動産会社に依頼することで、ストレスのない売却活動が可能に
- 売却には書類をそろえる必要などがあるので、時間に余裕をみておいたほうがよい
取材・文/籠島康弘 イラスト/松尾達