不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

不動産売却時のホームステージングは必要?メリット・デメリットや依頼の流れについて解説

不動産売却時のホームステージングは必要?メリット・デメリットや依頼の流れについて解説

不動産売却をスムーズに行うため、または賃貸物件の空室改善のため、ホームステージングという手法が注目されています。ホームステージングを実施することによって、建物の良さを存分にアピールできるでしょう。

今回の記事では、ホームステージングの概要やメリット・デメリット、業者への依頼や注意点などをまとめました。不動産の早期売却や空室対策をご希望の方、ホームステージングを現在検討中の方はぜひ参考にしてください。

記事の目次

そもそもホームステージングとは?

ホームステージングとは、売却・賃貸予定の建物にインテリアを配置し、モデルルームのように演出する手法のことです。家具や照明器具、カーテン、小物などを使って、インテリアコーディネートをすることで、建物の魅力を引き出し、買い手に良い印象を与えます。

家全体にコーディネートを施すケースやメインとなる一部のスペースのみに施すケースなど、対象とする範囲はさまざまです。

ホームステージングは、アメリカで30年以上の歴史がある手法で、欧米各国をはじめ世界中で取り入れられています。販売促進に効果があるということで、日本でも2000年代に導入されました。

近年は、ホームステージングを提供する業者も増えてきています。空室にコーディネートを施す以外に、荷物を一時的に保管するサービスやプロのカメラマンによる写真撮影、広告掲載など、サービス内容は多岐にわたります。

「所有している建物の空室をなくしたい」「古くなった自宅の印象を少しでも良くして売りたい」などの希望をかなえるために、ホームステージングという手法が選ばれていると言えるでしょう。

ホームステージングのメリット

キッチンのホームステージング

(画像/PIXTA)

ホームステージングのメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。実施すべきか迷っている方は、以下の5つのメリットを押さえておきましょう。

物件の印象が良くなる

ホームステージングを行うことで、美しく装飾されたモデルルームのような、魅力的な空間を演出できます。買い手が内覧に来たとき、室内に入ったときに受ける第一印象は、その後の購入検討に大きく影響します。

中古物件の場合は特に、第一印象で買い手の気持ちをつかむことが重要です。例えば、物件情報が気になり内覧に来たとして、内装や設備の劣化が目立っていたらどうでしょうか。また、住人の生活感が見えているのも、マイナスポイントとなります。

ホームステージングで買い手に良い印象を与えられれば、内覧から売却へとスムーズにつなげられるでしょう。

内覧に来てもらえる可能性が高まる

内覧する物件を決めるにあたって、物件の室内写真はとても重要な判断材料です。

ホームステージング後の室内写真をWebサイトや新聞広告などに掲載することで、物件に興味を持ってくれる方が増えるでしょう。きれいにコーディネートされた室内写真を掲載すれば、問い合わせ数の増加や内覧者数の増加が見込めます。

一般社団法人日本ホームステージング協会の調査データによると、計76%の不動産会社やオーナーなどが「ホームステージングを実施することで内覧者数が増えた」と回答しています。

さらに、ホームステージングを実施することで、内覧時間も増えるのが特徴です。

どれだけ素晴らしい物件であっても、実際の建物を見てもらわなくては始まりません。ゆっくり時間をかけて物件を見てもらうことで、その物件の魅力がより伝わりやすくなるでしょう。

出典:ホームステージング白書2022│一般社団法人日本ホームステージング協会

物件紹介ページでのアピールができる

パソコンやスマートフォンの普及にともない、インターネット上で物件探しを行う方が多くなりました。Webサイトで物件の目星をつけてから、不動産会社に相談する方も少なくありません。

インターネット上には数多くの物件情報が存在するため、どれだけ多くの方の目にとまるかが重要です。ホームステージング後の写真を掲載して、物件の魅力をアピールできれば、その後の問い合わせや内覧につながりやすくなるでしょう。

売却期間を短縮できる

ホームステージングで物件の魅力を演出し、内覧者数や物件紹介データの閲覧者数が増えれば、家を早期売却できる可能性がより高まるでしょう。

ホームステージングを行うことで、買い手側が購入後の生活を具体的にイメージしやすくなります。「この家でこんなふうに暮らしている」というイメージができるように、購買意欲を刺激するのがポイントです。

売却価格が高くなりやすい

不動産の売却価格は、売り出し価格よりも下がるのが一般的です。最初の売り出し価格で反応がなければ、買い手からの反応があるまで、徐々に値下げしていく流れとなります。

売り手側の悩みとして大きいのが、物件を値下げすべきか、買い手が現れることを期待して現状の価格のまま待つべきかという問題です。ホームステージングを実施することで、その物件の魅力が高まり、問い合わせや内覧につながりやすくなることはすでに述べたとおりです。

ホームステージングをすることによって購入検討者が増えれば、値下げについて悩むことも少なくなるでしょう。

ホームステージングのデメリット

ホームステージングには多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。メリット・デメリットの両方を把握してから、ホームステージングを実施すべきか考えましょう。

費用がかかる

ホームステージングのサービスを業者に依頼する場合、当然ながら費用がかかります。プランニング料金のほか、室内に設置するインテリア(家具・小物など)のレンタル料金が必要です。洗面所や浴室、トイレなど水回り関連を内覧で見せる場合は、追加でクリーニング費用が必要になるケースもあります。

ホームステージングにかかる費用は依頼する業者や部屋数によって変動し、なかには数十万円かかることもあります。

なお、ホームステージングの費用支払いは、不動産を売却する前に発生するため、不動産の売却代金を手に入れる前に、ホームステージングの費用を用意しなくてはなりません。

居住中の家だと手間がかかる

ホームステージングを行う場合、家具や小物などを室内に搬入、設置する必要があります。そのため、住人がいない空き家物件に、ホームステージングを施すスタイルが一般的です。

なかには自宅を少しでも高く売るために、「家に住みながらホームステージングをしたい」という方もいるでしょう。居住中のホームステージングも可能ですが、内覧のたびにセッティングが必要になるため、非常に手間がかかります。

内覧者のためにセッティングをしても、必ず購入につながるわけではありません。住みながらホームステージングを行う場合は、荷物の一部をレンタル倉庫に預けたり、家具の配置換えをしたりすると、生活に支障が出ない範囲で行う形となるでしょう。

必ず効果があるとは限らない

ホームステージングを実施したとしても、希望通りの条件で不動産売却ができるとは限りません。魅力的な部屋に仕上がっていても、そもそも立地や築年数などの条件によって、購入希望者が見つからない可能性もあります。条件の合う買い手が現れなければ、値下げせざるを得ないケースもあるでしょう。

もし物件が高く売れたとしても、それがホームステージングの効果なのかわかりにくいのも難点です。ホームステージングのおかげで売れた可能性もありますが、やらなくても早々に売れたのかもしれません。

また、ホームステージングに費用をかけたものの、思ったとおりの金額で売れず、かえって費用を損するパターンもあります。費用対効果のバランスを見ながら、慎重に判断する必要があるでしょう。

ホームステージングはDIYでも可能?

ホームステージングをDIYで行なう女性

(画像/PIXTA)

ホームステージングは業者に依頼するほか、DIYという選択肢もあります。実際に使用している家具、小物をうまく活用すれば、費用負担を抑えられるでしょう。

ただし、家具や小物のセッティング、レイアウト変更、写真撮影などをすべて、自分の手で行わなくてはなりません。ホームステージングの効果を引き出すためには、ターゲット層に合わせてレイアウトを検討する必要があるでしょう。また、物件に興味を持ってもらうためには、部屋のデザインやレイアウトの知識も必要です。

ホームステージングのDIYは初心者にはややハードルが高く、時間も労力もかかります。そのため、たしかな成果を求めるなら、最初から業者に依頼したほうが円滑に進められるでしょう。

ホームステージングのプロは、統一感を出すためのアイテム選びや購買意欲につなげる家具・小物の配置、見栄えの良い写真撮影のテクニックなどを知っています。時間に余裕がない方やインテリアの知識がない方は、業者に依頼してプロの手でコーディネートしてもらったほうが良いかもしれません。

ホームステージングを依頼する際の流れ

ホームステージングを業者に依頼する際の流れは、以下のとおりです。

1. 問い合わせ

まずはホームステージングを取り扱う業者を探し、問い合わせを行ないましょう。ホームステージングの専門会社のほか、不動産仲介会社の中にはホームステージングのサービスを行っているところもあります。部屋数など物件情報のほかにも、空き家状態なのかも伝えておくとスムーズです。

2. 現地調査・ヒアリング

ホームステージングの担当者が、現地調査のため物件を訪れます。物件を間近で見たうえで、どのようにホームステージングを施すのか、物件に合わせた提案書が作られます。このとき、要望や希望予算、ターゲット層、こだわりたいポイントなどがあれば伝えておきましょう。

3. 見積もり・プランニング

ヒアリングをもとに、見積もりとプラン内容が作成されます。どこに依頼するかを選ぶ際は、できるだけ相見積もりを取るようにしましょう。

4. 契約手続き

見積もりとプラン内容を隅々までチェックして、納得できたら契約を締結します。プラン内容については、レンタル品の買い取り可否、破損時の対応など細かい部分まで確認することが重要です。不明点があれば、契約する前によく確認しておいてください。

5. ホームステージングの実施

家具や小物の搬入・セッティング、不用品の処分、写真撮影などが行なわれます。ホームステージングのプロの手によって、見栄えの良い好印象な部屋が生まれるでしょう。写真撮影のみのプランの場合、セッティングした家具や小物は撮影後に撤去されます。

6. 撤去・搬出

物件が売れ次第、レンタル品の撤去・搬出が行われます。これでホームステージングによる売却は完了です。

ホームステージングの注意点

ホームステージングを検討中の女性

(画像/PIXTA)

せっかくホームステージングを実施するなら、効果的なアピールにつなげたいものです。最後に、ホームステージングを実施する際の注意点を2点紹介します。

ターゲットを意識する

ホームステージングで効果を得るためには、具体的なターゲット設定が重要です。コーディネートを検討する際には、どのような買い手に向けてアピールするのか、ターゲット層を絞り込みましょう。

買い手の年代・家族構成・性別・年収・生活スタイルによって、求める物件の条件が大きく変わります。ただ部屋をきれいにして自分好みのインテリアを飾るだけでは、ターゲット層の購買意欲を引き出すのは難しいでしょう。

ホームステージングのプロに依頼すれば、「このようなタイプの方は、〇〇のような部屋が好き」という傾向を意識しながら、コーディネートを行ってもらえます。

まとめスーモくん

  • ホームステージングによって物件の印象が良くなり、閲覧数や内覧者数が増える
  • ホームステージングのDIYは可能だが、業者に依頼すれば手間がかからない
  • ターゲット層を意識し、十分な実績のある業者を選ぶことが大切
●取材協力/高槻翔太(たかつき しょうた) さん
不動産・建設会社で土地有効活用のコンサルティング営業経験(6年)。賃貸住宅の建築提案営業を中心に従事。宅地建物取引士、FP技能士2級、日商簿記2級。不動産・金融系のライターとして不動産系メディアでの執筆実績多数。
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