鹿児島に住む祖父が亡くなり、母がその実家を相続したというUさん。母は今後鹿児島県に住む予定はなく、Uさんが売却活動を進めることになりました。実家は、駅から車で20分かかる不便なところ。築50年経ち老朽化も進んでいました。専属専任媒介契約を結んだ不動産仲介会社から800万円で売り出しましたが反響なし。半年後、700万円の買取額で売却をしました。
不動産区分 | 一戸建て |
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所在地 | 鹿児島県吹上町 |
築年数 | 約50年 |
間取り・面積 | 家:3LDK(99m2) 土地:130m2 |
ローン残高 | なし |
査定価格 | 800万円 |
売り出し価格 | 800万円 |
成約価格 | 700万円 |
祖父から鹿児島県にある実家を相続。住む予定はなく売却を決める
兵庫県に住んでいたUさんは、2018年9月ごろ、母方の祖父が亡くなり、Uさんの母が、祖父の住んでいた鹿児島県吹上町の一戸建てを相続しました。Uさんも母も住む予定はなかったため、母に依頼されてUさんが売却活動を進めることになりました。130m2の敷地に建つ99m2・3LDKの一戸建てで、築年数は50年以上でした。
「祖父が若いころに建てた家だと聞いています。田んぼのなかにポツンと建つ木造の平屋です。兵庫県に住んでいたので、管理をするにしても遠方ですし、最寄り駅からは、車で20分かかるため、母も私も住むつもりは当初からありませんでした」
駅から遠く築年数は50年以上。本当に売れるのか不安だった
売却を決め、不動産仲介会社を探すため、2018年11月から、インターネットで一括査定を行いました。3社から返事がありましたが、800万円前後の査定価格でした。
「そのうち担当者が親切そうだった不動産仲介会社と専属専任媒介契約を結びました。担当者は『高くは売れませんよ』と言っていましたし、不便な場所にあるので、800万円を下回っても仕方ないのかなと。自分では、なかなか売れずにいれば値下げをするほかなく、売却活動が長引けば最悪500万円位になってしまうのではと危惧していました。相続税の納付のためにお金が必要だった事情もあり、とにかく早く売れてほしかったです」
いったん仲介契約をして販売活動をするが売れず、買取で売却
不動産仲介会社は、近隣に営業するなどの販売活動をしましたが、反響がないまま半年が過ぎ、Uさんはいったん媒介契約を解除しました。すると、その直後に、別の不動産仲介会社から買取を打診する連絡がありました。
「査定価格より低い700万円を提示されましたが、とにかく早く売りたかったので、即決しました。2019年7月に売買契約を結び、解体後、秋に引き渡しをしました」
提示された買取額を即受け入れたことに後悔
はじめて不動産を相続し、売却活動を行いましたが、「もっと勉強してから売るべきだった」と後悔しているというUさん。
「売った後、不動産仲介会社に言われるままの金額で、疑問を持たずに売却したことを後悔しました。知らないことは自分で調べてから判断するべきでした。当時は後悔ばかりでしたが、時間が経った今振り返ると、担当者は親切でしたし、家が古い割には高く買取してくれたのかもしれません」
半年の売却活動は、長く感じたというUさん。「売れなければ、草取りなど敷地や家の管理をする必要があり、固定資産税もかかります。それだけは避けたいと考えていたので、ほっとしました。母も安心したようです」と話してくれました。
2018年9月 | ・祖父が亡くなり、母が実家を相続する |
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2018年11月 | ・簡易査定を依頼する ・訪問査定を依頼する ・不動産会社と専属専任媒介契約を結ぶ ・販売活動の開始 |
2019年7月 | ・買取希望の不動産会社から連絡がある ・700万円で売買契約を結ぶ |
2019年9月 | ・一戸建てを解体する ・引き渡す |
まとめ
- 買取は、仲介より低い売却額になる場合が多いが、早く確実に売ることができる
- 売却の基本的な流れや用語などは、インターネットや本で事前に勉強しておくとよい
- 築年数の古い一戸建ては、建物や敷地の管理のほか、維持費もかかるので、住まないなら、売却を検討する
イラスト/村林タカノブ