不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

新築自宅を買って1年後、妻の実家を継ぐことになった。自宅を売って義実家で同居するまでにやったこと/大阪府堺市Tさん(30代)

大阪府堺市Tさん(30代)/新築一戸建てを購入して1年後、義実家の家業を継ぐことに。約3カ月の住み替えダンドリ

第一子が生まれて間もなく、大阪府堺市の新築一戸建てを購入したTさん(30代)。約1年後、妻の実家の家業を継ぐことになり、物件を購入したときにお世話になった不動産仲介会社の担当者に相談。売却活動をスタートすると約1カ月で内覧者が6組も訪れ、内覧した当日に購入を希望する人が現れ、希望額で成約が決まりました。

不動産区分 一戸建て
所在地 大阪府堺市
築年数 約1年
間取り・面積 3LDK(延床面積…約82m2、土地面積…約79 m2
ローン残高 2380万円
査定価格 2180万円
売り出し価格 2180万円
成約価格 2180万円

子どもが生まれて一戸建てを購入して約1年。高齢になった親の希望で移住・同居を決意

30代になり、周りで家を購入する人が多くなったというTさん。「賃貸の家賃を払い続けるのはもったいない。家を買うなら早ければ早いほどいいよ」という先輩の言葉にも刺激され、大阪府堺市に一戸建て住宅を購入しました。外壁もフローリングもホワイト系のモダンな住宅。最寄駅から徒歩7、8分、車で10分以内に大きなスーパーや個人商店、病院のある生活しやすい環境で、近くにゴルフの打ちっぱなし場があることも気に入って購入しました。

「予算は2500万円以内が条件。3階建ての家が多いエリアでしたし、この予算で2階建ての住宅はなかなか見つかりませんでしたが、たまたまインターネットで見つけた不動産会社が、アクセスも良く条件に合う2階建ての家を紹介してくれました。しかも2680万円だったところ、値下げ交渉をしてくれて2380万円で購入することができたんです」
気に入って買った家でしたが、もう一人子どもが生まれたら3LDKでは狭くなることが気になっていました。また、夫婦どちらの実家も市内ではなく、特に妻の実家は車で約1時間30分かかります。

妻の実家に頻繁に遊びに行って親しくしていたところ、妻の親から「家業を継いでほしい」と相談がありました。家を買って約1年住んだところでしたが、妻の親には持病があり、70代になって今後の身体の心配もあり、将来を考えると妻の実家に同居して、家業を継ぐという決断をしたのです。

早く売りたいから一戸建て住宅を購入した不動産仲介会社に相談し仲介を依頼

2021年1月、自宅の売却を決意したTさんですが、4月から妻の親が営む会社で社員として働くことが決まっていました。3月末までに自宅を出て引越すつもりで、時間がなかったことから、Tさんは、新築の建売住宅を購入したときにお世話になった不動産仲介会社に売却を相談しました。

「インターネットでのリサーチや一括査定サービスは利用しませんでした。その不動産仲介会社は対応が早くて値引き交渉もしてくれましたし、売却したい物件の情報も分かっているので一から説明する必要もなく面倒がないと思ったんです」

新築購入時の不動産会社に売却を依頼

不動産仲介会社は大手ではありませんが、話しやすく、また地元の情報に詳しくてこまめに連絡してくれる会社でした。現地査定を行わず、査定額は2180万円と提示され、2021年1月、その会社と専属専任媒介契約を結びました。

内覧者は約1カ月で6組。売り出して約1カ月、査定額のままで売却に成功

2021年1月に売却活動を開始。売り出し価格は2180万円。住宅ローンの残債が2380万円あったので、それより500万円安い価格は厳しいけれども、300万円以内のマイナスならありがたいと思っていました。

「住んで1年くらいなので、不動産仲介会社には『すぐに買い手は見つかりますよ』と言われました。けれども子どもがいて壁に傷や汚れなども若干ありましたし、住みながらの売却で内覧に来ていただいても生活感がある部屋を見て、いい印象を持ってもらえるかどうかは不安でした」

Tさんの不安とは裏腹に、売り出してすぐに内覧希望者が現れ、約1カ月で6組が来訪し、そのうちの1人が内覧したその日に購入する意思表示をされました。職場が近いことと、広くて白いキッチンを気に入ったそうで、「この価格なら安い」と喜ばれたそうです。

そして、2021年2月に売却契約が成立し、3月に引き渡しました。

■築浅物件とは?

「築浅物件」とは、建築してからの年月が浅い物件です。新築物件は「建築1年以内で、かつ未入居物件」と法律で定義されていますが、築浅物件には明確な定義や規定がありません。おおよそ築3年以内が目安といわれますが、築5年以上でも「築浅」と表現される場合もあります。一般的に、中古物件でも見た目がきれいで最新の設備を採用している「築浅物件」は、出回る数が少なく、新築物件より安く購入できるため人気があり、早く売却できる可能性があります。ただし建築年数に関わらず、メンテナンスが行き届いて見た目がきれいな状態であることも大切です。

予想より高く・早く売れた。住宅ローンも完済しスッキリ気分で新生活

物件を売却することを決めて約2カ月で売却が決まり、予定していた3月には妻の実家に引越したTさん。住宅ローンの残債、2380万円のうち、売却価格の2180万円と貯金を合わせてローンを完済しました。「値引き交渉をされると思っていたので、予想以上に高く、しかも予想以上に早く売れて、借金もなくなり、スッキリした気持ちです」と話す。

「仲介手数料のことをあまり意識していなかったので、思ったより高くてびっくりしました。これから家の売却を検討されている方で売却を急がないのであれば、初めから弱気な金額で進めるより、少し高めの価格を設定しておいて、様子を見ながら値引きする方がいいと思います。特に大阪とかなら、値引き交渉は当たり前だと思うので、それを見越した金額を設定しておいた方がいいように思います」

もともと田舎暮らしが好きで、趣味の釣りも楽しんでいるというTさん。「子どもが遊べる広い場所もあり、子育てにもゆとりが持てます」と柔和な表情で話されました。

2019年12月 ・物件を購入する
2021年1月 ・売却を意識・決断する
・購入時にお世話になった不動産仲介会社に相談
・不動産仲介会社と専属専任媒介契約を結ぶ
・売却活動を開始する
・内覧者が6組訪れる
・内覧者のうち1人が購入の意思表示をする
2021年2月 ・売却契約が成立
2021年3月 ・物件を引き渡す
・住宅ローンを返済する
・住み替え先の実家に引越す

まとめ

  • 購入した際に担当した不動産仲介会社に売却を相談すると、物件のことを熟知しており対応が早い
  • 売却を急がない場合は、値下げ交渉があることを想定し高めの売却価格からスタートするとよい
  • 築浅物件で見た目がおしゃれな物件は売りやすい

取材・文/佐藤由紀子 イラスト/沼田光太郎

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