不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

家族6人で暮らした6LDKの広い一戸建て。子どもの独立後マンションに住み替え/神奈川県横浜市都筑区Mさん(50代)

神奈川県横浜市都筑区Mさん(50代)/家族6人で暮らした6LDKの広い一戸建て。子どもの独立後マンションに住み替え

6人家族で横浜市都筑区の広い一戸建てに暮らしてきたMさん。妻との2人暮らしには合わず、売却してマンションへの住み替えを決意。1年以上に及ぶ販売活動中値下げをせずに購入希望者を待ち、納得の価格で売却できました。

不動産区分 一戸建て
所在地 神奈川県横浜市都筑区
築年数 約20年
間取り・面積 6LDK(延床面積…160m2、土地:200m2
ローン残高 1400万円
査定価格 6500万円
売り出し価格 6500万円
成約価格 6330万円

子ども独立後広い家を持て余し、マンションに住み替えを決める

6人家族で暮らしてきたMさんですが、母が亡くなり3人の子どもたちがそれぞれ独立して家を出た後は、広い家を持て余すようになりました。家は横浜市の都筑区にあり、160m2・6LDKありました。築20年で駅からは徒歩20分かかるので移動は車かバスでした。

「注文住宅で新築時3500万円で購入し、1400万円のローンが残っていました。家族でゆったり暮らせるように土地の建ぺい率上限で建てた家なので、子どもたちが独立した後は2階は使わなくなってしまいました」

そこで、一戸建てを売却して得たお金でローンを完済し、残ったお金で二人暮らしのためのマンションに引っ越すことを決めました。

最初に契約した不動産会社の対応に不満。新たに不動産会社を探す

不動産仲介会社に相談すると、訪問査定の結果、6000万円の査定額でした。2019年1月に不動産仲介会社と専属専任媒介契約を結び、屋根や壁のリフォームを行い、6000万円で売り出しましたが、反響があまりなく、担当者の対応にも満足できませんでした。

「物件は東急沿線にあるのでそこをアピールしてほしかったのですが、その不動産会社の担当エリアではないのでできないと言われてしまいました。資料はたくさん送ってくるのですが、反響はなく不満でした」

そこで、6カ月後、東急沿線に店舗のある不動産仲介会社を訪問して相談してみることにしました。

「物件の内容を見るなり、6500万円で売れると言うんです。住み替え先も東急沿線で探したかったのですが、その紹介もできると言ってくれたので、最初の不動産仲介会社との専属専任媒介契約を終了し、こちらと専属専任媒介契約を結ぶことにしました」

1年以上値下げをせずに待ち、希望額の6000万円以上で売却

2019年6月からは6500万円で売り出し、販売活動を再開しました。

「6000万円以上で売れたらと思っていました。担当者はまだ若くて頼りない点が多々あり、不動産仲介会社の店長に相談し、担当者の上司が担当してくれることになりました」

しかし、広い家ということもあり、内見はあってもなかなか決まりませんでした。2020年8月にようやく6人家族の購入希望者が現れ、すぐに6330万円で売買契約を結ぶことができました。

売買契約を結んだ直後から住み替え先を探し始め、一戸建ての売買契約と同日に住み替え先のマンションの売買契約を結びました。8月中に引越し、引き渡しを済ませることができました。

「販売活動中から住み替え先候補は見ていましたが、買い先行にするつもりはなかったんです。確実に売れてからでいいと考えていました。たとえ候補が売れてしまっても、別のマンションを探せばいいですから」

■売り先行・買い先行それぞれのメリットデメリットとは

売り先行とは、住み替え先を購入する前に、住んでいる住宅を売却すること。メリットは、資金計画を立てやすいこと。例えば、売却して得たお金で住んでいた自宅のローン残債を支払ったり、買い替え先の住まいの購入に充てることができる。デメリットは、仮住まいの必要があり、二度の引越し費用など経費がかさむことだ。買い先行は、住んでいる自宅の売却より先に住み替え先を購入すること。仮住まいの必要がなく、住み替え先選びに時間がかけられることがメリットだ。ただし、買い替え先の住宅を購入して入居してから元の自宅を売却して買主に引き渡すまで旧居と新居の二重ローンになるデメリットがある。

面倒だと思っても、不動産仲介会社や担当者を変更したのは正解だった

Mさんは、希望額での売却成功の理由を「不動産仲介会社や担当者を変えたこと」だといいます。

「変更後の不動産仲介会社の対応には満足しました。新しい担当者は東急沿線の情報に詳しくて、対応も的確。安心してお任せできました。住み替え先のマンションもたくさん紹介してもらい、感謝しています。相性の悪い不動産仲介会社や担当者と長い売却活動を行うのはストレスです。早めに変更して良かったと思っています」

住み替え先は、60m2・3LDKの中古マンションで3000万円でした。売却したお金で一括現金で購入しました。窓からは街並みが見渡せ、遠くに山が見えます。

「景色に興味がなかったのにこんなに好きになるなんて」とMさんは笑顔で話してくれました。

2018年ごろ ・売却を意識し始める
2019年1月 ・訪問査定で6000万円の査定額が出る
・最初の不動産仲介会社と専属専任媒介契約を結ぶ
・6000万円で売り出す
2019年6月 ・不動産仲介会社を変える
・6500万円で売り出す
2020年8月 ・購入希望者が現れる
・住み替え先が決まる
・一戸建てと住み替え先の売買契約を結ぶ
・引き渡す
・住み替え先に引越す

まとめ

  • 不動産会社や担当者に不満があるときは、早めに変更を検討する
  • 一般的な広さ・間取りでなくても、条件に合う希望者が現れるまで待つ
  • 売り出し価格は一度下げたら戻せないので、値下げは慎重に行う

取材・文/内田優子 イラスト/めんたまんた

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