
宮城県出身のTさんは、いずれ住むつもりで実家近くに土地を購入しましたが、仕事の都合で東京に住むことになりました。10年がたち、売却を決意。不動産仲介会社にお任せして、1200万円で購入した土地を2300万円で売却しました。
| 不動産区分 | 土地 |
|---|---|
| 所在地 | 宮城県仙台市青葉区 |
| 築年数 | - |
| 間取り・面積 | 120m2 |
| ローン残高 | なし |
| 査定価格 | なし |
| 売り出し価格 | 2000万~2300万円 |
| 成約価格 | 2300万円 |
実家のある仙台に購入した土地。帰る予定がなくなり売却を決意
Tさんが所有していた宮城県仙台市の土地を売却しようと思ったのは、2016年ごろのことでした。仙台市出身のTさんは、いずれ家を建て替えて住むつもりで2004年に1200万円で古家付きの土地を購入したのですが、翌年、東京に転勤になりました。その後、実家に帰るのは年1、2回。今後も東京に住み続けることを決めたTさんは、2017年ごろから本格的に売却に向けて動き出すことにしました。
「購入してから10年以上、実家の母に管理を任せていましたが、高齢になり、草取りが大変だと聞いていました。仙台市の不動産市況をニュースで聞いて、購入したころより多少は上がってそうだと思いました。東日本大震災以降、海辺から離れたところへ引っ越しを考える人が多かったので、需要はあると思いました」
土地は、仙台駅からバスで20分の住宅街にあり、購入時には築50年の一戸建てが立っていましたが、既に解体していました。
「東日本大震災の前年に取り壊しました。30年くらい前からいつかは大地震が起こるといわれていましたし、老朽化した家をそのままにしておくと、倒れたり、火災になったり、周囲に迷惑がかかると思ったんです。解体費は120m2で200万円でした」
売却活動は母親に一任。地元の不動産仲介会社と専属専任媒介契約を結ぶ
なかなか仙台に戻れないTさんは、母に売却活動を一任。地元で不動産仲介会社を探し、実家近くにある不動産仲介会社にお願いすることになりました。
「社長が直接担当してくれ、とても親切で、母とも話が合うようでした。2017年に専属専任媒介契約を結び、期間も価格もとくにこだわらなかったので、相場も聞かず、査定額すら出してもらわず、お任せすることにしました。といっても、固定資産税や解体費用などの諸経費がかかっているので、最低でも1200万円から1000万円後半なら助かると伝えました」

看板や近隣への営業活動を行い、購入価格の約2倍近い2300万円で売却
2017年に販売活動が開始され、不動産仲介会社は、土地の前に看板を立てて、物件を売り出しました。すぐに問い合せがあったそうですが、Tさんは売り出し価格がいくらか知りません。
「一律ではなく、購入希望者の予算を聞いて、その都度価格を交渉していたようです。大体、2000万円~2300万円くらいで伝えていたのではと思います」
不動産仲介会社は、不動産情報サイトへの掲載や看板だけではなく、近隣の人へ営業にも行きました。そのかいあって、2017年10月、4件目の問い合せで、値引きなしの2300万円で売却が決まりました。
「買主に融資が下りるまで時間がかかりました。なかなか売買契約ができないので、12月に手付金を入れてもらいました。その後、2018年3月に売買契約を結び、引き渡しを終えました」
■手付金とは
手付金とは、売買成立の証とトラブル防止を目的として、売買代金を一気に受け取るのではなく、先に一部を買主から受け取ることをいいます。基本的には売買契約締結と同時のタイミングに金額を取り決め、契約書に定めます。手付金を受け取ったあとに、売主から契約解除する場合は、手付金を無利息で買主に返還し、さらに手付金と同額を買主に提供します。手付解除期日までに買主から住宅ローン特約での解除以外で契約解除する場合は、支払い済の手付金を放棄することで可能となります。契約がスムーズに進んだ時は、その後の金銭授受の手間を省くため売買代金に充当する場合がほとんどです。
不動産仲介会社の対応に満足。売れたお金を頭金に使って住み替えできた
「売却しようと決めてから2年。長く感じましたが、購入額の倍近くの価格で売れて、よかったです。販売期間中の疑問や不安はありませんでした。社長の人柄が素晴らしく、万時対応が気持ちよかったです」
長年所有していた土地を手放し、「すっきりしました」というTさん。売却後には都内でマンションを住み替え、充実した暮らしをしています。
| 2016年ごろ | ・売却を意識し始める |
|---|---|
| 2017年ごろ | ・不動産会社と専属専任媒介契約を結ぶ ・販売活動の開始 |
| 2017年10月 | ・購入者が現れる |
| 2018年3月 | ・2300万円で売買契約を結ぶ ・物件の引き渡し |
まとめ
- 固定資産税がかかるので使う予定がない土地は売却を検討する
- 売り出し価格を決めず、購入検討者の予算を聞いて、売り出す方法もある
- 不動産情報サイトだけでなく、近隣で土地をほしがっている人に営業する
取材・文/内田優子 イラスト/松尾達


