
結婚を機に中古マンションを購入したMさん夫妻。約3年後に第一子が生まれた際、「移り住むなら今のうちにしよう」と築27年のマンションを売却することにしました。
| 不動産区分 | マンション |
|---|---|
| 所在地 | 埼玉県越谷市 |
| 築年数 | 約27年 |
| 間取り・面積 | 3LDK(61m2) |
| ローン残高 | 1900万円 |
| 査定価格 | 2000万円 |
| 売り出し価格 | 2000万円 |
| 成約価格 | 1950万円 |
子どもが生まれたのをきっかけに、マンションを売却することに
結婚して、埼玉県越谷市に中古マンションを購入したMさん夫妻。「夫は東京都内、私は千葉県内が勤務先でしたが、どちらも電車で通いやすかったのと、私の実家のある街だったのでここに決めました」とMさん。
実家のある駅とは少し離れているものの、最寄駅の前は大きな商業施設があるなどにぎやかで、遅い帰宅時でも食事をする場所もあるため共働きのMさん夫妻には便利でした。一方でマンションは閑静な住宅街にあって夜は静かでしたから、暮らしやすかったそうです。
頭金をあまり用意できなかったため、夫婦共有名義でローンを組んで購入。購入時で築24年でしたが「フルリフォームされて販売されていたので、とてもキレイでした」。61m2の3LDKは、2人暮らしには十分な広さだったそうです。
暮らし始めて約3年後の2018年10月に第一子が誕生しました。「育児休暇中に里帰りしていたのですが、『将来部屋を走ったりするから下の階に迷惑をかけちゃうかなぁ』と思ったんです」。それにMさんの仕事は遅番もあったため、将来子どもを保育所に預けた際に、迎えに行くことが難しい日も出てきそうだと考えました。
「だったらもっと実家に近いところに移り住んで、両親に助けてもらおうと考えたのです」。まだ新居を購入して3年しかたっていませんでしたが、若いうちなら、また低金利の今のうちなら、改めてローンを組み直せば何とかなるだろうと考えたそうです。それが2019年3月のことでした。
できれば夏までに、ローン残高と同じくらいでの売却を目指す
この時点でのローン残高は1900万円でしたから、それ以上で売却したいと考えていたMさん。早速インターネットの一括査定サービスを利用してみました。自宅周辺の不動産仲介会社の3社に絞って査定を依頼すると、幸いにも3社とも2000万円とのこと。その中から1社を選んで専属専任媒介契約を結びました。
「査定額が同じだったので、どこでもよかったのですが、中でも幼い子どもを連れている私への対応を見ていて、一番子どもに気を使ってくれたこの会社に決めました」
専属専任媒介契約を選んだ理由は、幼い子どもの育児をしながら自分で買い手を探すことも、複数社とやりとりすることも煩わしいと考えたからです。
当時は育児休暇中だったMさん。子どもが幼いうちは仕事に戻りにくいため、その状態で、しかもローン残債があるのに新居を見つけても、簡単にローンを組めないだろうと思ったそうです。そのため今のマンションを売却してから新しい住居を探すことにしました。時期は、できれば夏までには売却したいと考えていたそうです。
「今度は夫名義のローンを組むことにしましたが、売却でローン残債を支払っても頭金をそんなに用意できそうになかったので、少しでも早く復職して返済を助けたいと思ったのです。ですから夏ごろには子どもを保育所へ預けて働きたいなと」
こうして2019年3月に、査定額と同じ2000万円で販売を開始しました。
すぐに内見者が4組現れ、そのうちの1組と無事契約が成立
売り出してすぐは「低調でした」とMさんは言いますが、2週間もしないうちに最初の内見者が現れます。その後もポツリポツリと内見者が訪れ、売り出してから約1カ月後の4月に内見した4組目から購入の意思を告げられました。この時点で築27年でしたが、Mさん夫妻が購入する直前にリフォームされていたこと、また共働きだったためあまり部屋を汚さずに暮らせたことが決め手でした。
ただこのとき、その前に内見した3組目の意思が不明でしたので、改めて不動産仲介会社が確認してみると「だったら私が買いたい」とのこと。こちらは夫婦2人と幼い子どもの3人家族と、Mさんたちとほぼ同じ家族構成で、ペット可であることが気に入ったポイントでした。態度を不明にしていたのは、価格で迷っていたそうですが、4組目の購入意欲が呼び水になって2000万円で売買契約を結ぶことになりました。
以降はトントン拍子で話は運びましたが、最後の物件状況を確認する際、過去に水漏れがあったことがわかり、売却額を1950万円に値下げすることで売買契約を結びました。「そういえばそんなことがあったと、すっかり忘れていました。それでも目標額のローン残高を上回りましたから助かりました」
4月末に売買契約を結んだのち、目星をつけていたMさんの実家近くにあった新築建売住宅を購入。無事6月に引っ越しをして、物件引き渡しとなりました。
■契約不適合責任とは
契約不適合責任とは、物件に売買契約に明記されていない不具合や不備があった場合、売主側が責任を負う制度のこと。例えば「雨漏りがない」と契約書に書かれて契約が結ばれたにもかかわらず、買主が住んでみたら雨漏りがあるとわかった場合、「契約に適合していない」ことから売主が責任を負うことになります。売却後のトラブルを防ぐためには、物件の状況について売買契約の前によく確認しておくことが必要です。なお中古住宅は経年劣化によって何らかの不具合があってもおかしくはなく、厳密に契約不適合責任を適用させてしまうと、取引自体がスムーズにいかなくなることがあります。そのため不具合や不備について、事前に売主と買主双方が合意すれば「契約不適合責任免責の特約」を設けることができます。
スムーズに売却でき、新居もすぐ決まって満足
「不動産仲介会社はとてもマメに連絡をくれましたし、幼い子どものいる私のことも気遣ってくれてとても助かりました」。目標の夏前に、スムーズに売却できました。
3組目と4組目の内見者が現れたあたりから、新居探しを始めたというMさん。子どもが思い切り遊んでも周囲に迷惑をかけにくい一戸建てで、かつ実家まで徒歩15分という好立地に現在の住まいを見つけることができました。
「息子は3歳になり、毎日元気に遊んでいます。保育所の迎えも両親が手伝ってくれるので助かっています」

| 2019年3月 | ・インターネットの一括査定サービスを利用する ・地元の不動産会社と専属専任媒介契約を結ぶ ・2000万円で売り出し ・最初の内見者が現れる |
|---|---|
| 2019年4月 | ・購入検討者が現れる ・売買契約を結ぶ |
| 2019年6月 | ・物件の引き渡し ・新居に入居 |
まとめ
- 築古物件でも比較的最近リフォームされていると売りやすい
- 専属専任媒介契約なら窓口が一元化されて、売主側の負担軽減が図りやすい
- 不具合の有無で査定額や売却額は変わるため、なるべく査定時に自己申告を
取材・文/籠島康弘 イラスト/石山好宏


