不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

築22年一戸建ての老朽化で売却を決意。建売住宅に住み替え/大阪府大阪市西成区Uさん(50代)

大阪府大阪市西成区Uさん(50代)/築22年一戸建ての老朽化で売却を決意。建売住宅に住み替え

大阪市西成区の一戸建て(105m2・5LDK)に妻と暮らしてしていたUさんは、老朽化を機に売却し、知人の多い兵庫県への住み替えを決めました。信頼できる不動産仲介会社に全て任せ、自らは住み替え先探しに専念できました。

不動産区分 一戸建て
所在地 大阪府大阪市西成区
築年数 約22年
間取り・面積 5LDK(延床面積…105m2、敷地面積…土地:70m2
ローン残高 なし
査定価格 1200万~1280万円
売り出し価格 1780万円
成約価格 1280万円

大阪市の老朽化した一戸建てを売却し、知人が多い兵庫県に住み替えたい

大阪市の一戸建てに暮らしていたいたUさんは、築22年目を迎えた2017年5月、廊下の床に傷みのある箇所を発見しました。105m2・5LDKの一戸建ては、父親が建て、両親が住んだあと、Uさんが妻と住んでいました。

「丁寧に暮らしてきたので、きれいな状態でしたが、やはり老朽化してきているんだと実感しました。以前から妻の知り合いが多い兵庫県に引っ越したかったので、このことをきっかけに売却する気持ちが固まりました」

家は両親とUさんの共有名義でしたが、両親が死去したあとは名義変更をしてUさんの単独名義になりました。新築時に組んだ4500万円の住宅ローンは、父親の死後、Uさんが完済しています。そこで、7月から、兵庫県内で住み替え先を探しながら、売却のための不動産仲介会社探しをはじめました。

以前ほかの物件を売却した際の不動産会社と契約。絶対的な信頼があった

一括査定サービスを利用し、3社に簡易査定を依頼。どの会社も査定価格は1200万円台でした。その中でも、以前、母が住んでいたマンションの売却を依頼した不動産仲介会社の対応がよかったかったため、その会社に訪問査定を依頼してみることに。1280万円でいちばん高い査定価格であったこと、電話で話した担当者に熱意を感じたことから、また任せてみたいと思いました。

「大阪市内のエリアに強く、以前のマンションを売った実績があるので、今回も必ず売却先を見つけてくれるだろうと思い、専属専任媒介契約を結ぶことにしました」

1780万円で売り出すが反響なし。1280万円に値下げすることに

当初の売り出し価格は、査定価格に500万円を上乗せした1780万円。最終的に1700万円で売却したかったUさんの強い希望で担当者を押し切り、まずは希望額で売り出してみることに。しかし、3カ月経っても全く反響がありませんでした。

「売り出しから2カ月後に、担当者から、やはり価格が高すぎるということで、値下げの提案がありましたが、そのころはもう少し期間がかかってもいいと思い、断っていました」

しかし、10月に住み替え先が決まると、Uさんの気持ちが変化します。担当者と相談し、1280万円への値下げに納得したのです。

「大幅な値下げでしたが、住み替え先が決定したので、早く売りたいと思うようになっていました。売却してすっきりしたくなり、当初の査定価格の金額まで下げました」

たちまち、購入したいという希望者が現れ、値引きなしの1280万円で売却が決定。12月末に住み替え先の売買契約を済ませたあと、売却物件の方も売買契約を結び、売却活動を終えました。

■値下げのタイミング

値下げのタイミングは、売り出しても反応が全くなかったり、当初は何件か内見が入ったのに、途絶えてしまった時です。物件情報は3週間ほどで周知されるので、1カ月で客足が止まったら相場よりも価格が高い可能性があります。どの程度値下げするかは、それまでの反響や内見の結果を踏まえて、不動産仲介会社と相談します。売却を急ぐ場合は、不動産仲介会社の査定額に近い金額まで値下げするのが効果的ですが、時間が許す場合は、100万円ぐらいずつ値下げして反応を見る方法もあります。価格の動きをチェックしている購入検討者は、値下げがはじまったことを知ると、「ほかにとられる前に」と考えて、買い付けの申し込みをしてくる場合があるからです。一度値を下げると一般的に上げることはしないので、担当者と相談しながら慎重に値下げのタイミングや価格を決めましょう。

自分の希望をはっきり不動産会社へ伝え、納得の売却活動ができた

「価格は希望よりだいぶ下ですが、いったん自分の希望額で売り出し、結果を見て納得できたので、売却価格に不満はありません。住み替え先を探しながらの売却活動でしたが、信頼できる不動産仲介会社に全て任せて、とても楽でした。自分の要望に対し、親身に相談にのってくれた担当者に、感謝しています」

3480万円で購入した兵庫県尼崎市の一戸建ては、74m2・3LDKの建売住宅です。売却で得たお金は貯蓄し、新たに住宅ローンを組みました。狭くなりましたが、掃除は格段に楽になり、満足しています。

「駐車場があるので車での買い出しが楽しみです。知り合いと一緒に出掛ける機会も増えました。妻が喜んでいるのがうれしいです」
3年目を迎えた新居での生活を笑顔で語るUさん。以前より充実した暮らしを楽しんでいます。

2017年夏ごろ ・住み替えたいと思い始める
2017年7月 ・一括査定で1200万円の査定額が出る
・訪問査定で1280万円の査定価格が出る
・不動産仲介会社と専属専任媒介契約を結ぶ
・1780万円で売り出すが反響なし
2017年10月 ・住み替え先が決定する
・1280万円に値下げ
2017年11月 ・購入検討者が現れる
2017年12月 ・住み替え先の売買契約を結ぶ
・1280万円で売却物件の売買契約を結ぶ
2018年1月 ・住み替え先に引っ越し
2018年2月 ・引き渡し

まとめ

  • 不動産仲介会社には、自分の希望する条件を事前に伝えよう
  • 査定額に納得できない場合、最初は希望価格で売り出して反響を見ることもできる
  • 売り出し価格は、査定価格の上限を目安に金額を検討しよう
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取材・文/内田優子 イラスト/カワモトトモカ

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