
Yさん(40代)は約20年住んだ大阪府茨木市の3DKマンションが手狭になり、広い一戸建てに住み替えを検討。インターネットで検索して見つけた地元の不動産仲介会社に売却を相談し買い取ってもらうことを決めました。納得できる住み替え先を見つけるまで待ってもらい、ほぼ相場価格で正式に売却契約が成立しました。
| 不動産区分 | マンション |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府茨木市 |
| 築年数 | 約42年 |
| 間取り・面積 | 3DK(約67m2) |
| ローン残高 | なし |
| 査定価格 | (買取の場合)900万円 |
| 売り出し価格 | – |
| 成約価格 | (買取)1000万円 |
約20年暮らした3DKマンション。子どもが成長して手狭になりタイミングが重なり住み替えを決意
1998年に大阪府茨木市に当時築20年の中古マンションを購入したYさん。広い敷地内にマンションが複数棟立ち、公園もある大規模マンションで、周辺には学校や買い物施設、病院などもある、子育てファミリーにうってつけの環境でした。けれども約20年住んでYさん夫妻と母親、成長した2人の子どもたちの5人家族には、3DKのマンションは狭くなっていました。
最寄駅からのアクセスはバスまたは自転車で約7、8分。毎日の通勤は、駅まで自転車で行って、鉄道を乗り継いでいたので、もっと通勤の便がいい場所に住みたいとも思っていました。そんなときに、同居していたYさんの母親が介護施設に入ることになり、これを機に思いきって住まいを変えようと考えました。「一番は子どもが大きくなって狭くなったことですが、通勤が遠いのが気になっていたのと、おばあちゃんの施設の入居と、いくつかのタイミングが重なって、いよいよ決めた感じです」
マンションを買ったときは1500万円で、既に住宅ローンは返済していました。Yさんはそのマンションを売却し、職場の近くの一戸建てを購入しようと考えました。
インターネットで不動産仲介会社を検索し訪問査定を実施
2016年8月、Yさんは、まず物件の近隣にある似たようなマンションがいくら位で売却されているか、インターネットで検索。敷地内にあるマンションなど、いくつかを見て、1000万円くらいが相場だろうと考えました。さらに、物件に近い不動産仲介会社を検索すると3社くらいあり、そのうち1社に電話をしました。その会社は大手で実績も豊富にあり、信頼できそうだと思ったからでした。「すぐに担当者が来てくれましたが、対応が親切で説明も丁寧で、とにかく一生懸命で印象が良かったんです」
マンションは築約40年でしたが、傷みもなく良い状態だったそう。「不動産仲介会社からは、マンションを売る方法として仲介と買取の2つの方法があると聞きました。仲介だと内覧などが必要で、家族が生活しながらさまざまな人が家を見に来るのは面倒だと感じましたし、いつ買い手が見つかるか分からないし、時間がかかるかもしれないと言われて、不動産仲介会社が買ってくれるならと思いその会社に売却することにしました」
■買取とは
不動産の売却方法のうち、「仲介」は不動産仲介会社が売主に依頼されて買主を探す方法で、「買取」は買主が不動産仲介会社です。そのため、一から買い手を探すための広告や販売活動をする必要がなく、購入を検討している人に自宅を見てもらう内覧もありません。売却が完了するまでのスピードが早いので、急いで現金化したい場合や売却を急ぐ場合に向いています。価格は相場価格より安くなりやすいですが、仲介手数料がかからず、売却価格も明確です。
希望価格、引き渡し時期を交渉して買取を仮契約
Yさんは不動産仲介会社に買い取ってもらうことを決めましたが、3回ほど会って詳細を相談しました。ひとつは売却価格で、買取の場合は900万円、仲介の場合はもっと高く売れるかもしれないとのことでしたが、近隣をリサーチして目安にしていた1000万円で買い取ってもらえないかを交渉しました。「すごく粘ってお願いして、1000万円にしてもらいました」

もうひとつこだわったのは、立地や予算に合う住み替え先が見つかるまで待ってもらえるかどうかでした。相談して、2年以内に住み替え先を見つけるという条件で、その不動産仲介会社と仮契約を結びました。
職場に近いエリアで予算に合う一戸建ては、Yさんが自分でインターネットを中心に探しました。条件に合う物件がなかなか見つからず、1年半ほどかかりましたが2018年1月、納得のいく住み替え先を見つけて、正式に売却が決まりました。
不動産仲介会社との信頼関係を築いたことで満足のいく住み替えが実現
住み替え先が見つかるまでは時間がかかりましたが、それからのダンドリはスムーズでした。正式に売却契約を結び、売却代金は母親の介護施設の入居費用に充てました。住み替え先の購入費用は新たに住宅ローンを組みました。
「住み替え先が決まるまでは、不動産仲介会社と電話で何度か連絡を取り合っていました。住み替え先が決まるまで待ってもらったこと、最後まで責任をもって対応してくれたのはありがたかったですし、売却活動には満足しています」。しっかり話し合い、コミュニケーションをとったことで満足のいく売却活動になりました。
一戸建てに引越して数年が経ちますが「通勤も便利になりましたし、3DKから4LDKになって子どもたちも一人ずつ個室を持つことができました。マンションのように階下への足音や物音を気にしないで生活できるようになって家族全員喜んでいます」と住み替え先にも満足しています。
| 2015年8月 | ・住み替えを検討し始める |
|---|---|
| 2016年8月 | ・インターネットで近隣の物件の売却価格の相場をリサーチ ・インターネットで不動産仲介会社を探し、電話をする ・訪問査定を実施する ・3回ほど会って買取価格などの条件を決める ・住み替え先の一戸建てを探し始める |
| 2016年9月 | ・不動産仲介会社と仮契約を結ぶ |
| 2018年1月 | ・納得できる住み替え先を見つける ・不動産仲介会社と正式に売買契約が成立 ・住み替え先の一戸建ての売買契約が成立 |
| 2018年2月 | ・物件を引き渡し、住み替え先に引越す |
まとめ
- 不動産仲介会社に相談するだけでなく、自分でも事前に物件の近隣の売却価格を調べる
- 買取の場合は、内覧対応や掃除などをする必要ない
取材・文/佐藤由紀子 イラスト/石山好宏


