不動産売却の基礎知識や知っておきたいコツを分かりやすく解説します。売却の体験談もご紹介。

子ども3人の成長に伴い、マンションから住み替えを決意。約半年間値下げを我慢して無事売却に成功/埼玉県朝霞市Sさん(40代)

埼玉県朝霞市Sさん(40代)/子ども3人の成長に伴い、住み替えを決意。約半年間値下げを我慢して無事売却に成功

子どもが3人いるSさん。子どもたちの成長に伴い手狭になってきたマンションを手放し、もっとのびのび暮らせる一戸建てを購入することに。売却に約半年間かかりましたが、その間値下げを我慢し続けました。

不動産区分 マンション
所在地 埼玉県朝霞市
築年数 5年
間取り・面積 3LDK(約66m2
ローン残高 2800万円
査定価格 2980万円
売り出し価格 3280万円
成約価格 3200万円

子どもの成長にともない、自身ものびのび暮らせる一戸建ての購入を決意

2018年にマンションを売却し、一戸建てに住み替えたSさん。「3人目が生まれるのと、一番上の子どもが中学校に入学するのとをきっかけに購入したマンションでした。私の仕事は転勤が多いのですが、そのたびに子どもたちに転校を強いるのは可愛そうなので、マイホームを構えて、いざとなったら私だけ単身赴任をするつもりでした」。

新築で購入したマンションは、子どもの学区が変わらないことと、車とバイクを所有するSさんにとって、両方の駐車場を確保できたことが購入理由でした。頭金がなかったため全額ローンで購入。最寄駅からは徒歩11分で、駅前には商業施設が揃い、マンションから1分も歩けばスーパーもあり、小学校や中学校も徒歩5分程度でした。

ちなみに「結局、転勤しても通えるところばかりでした」というSさん。といっても通勤にバイクで往復3時間かかる勤務先の時代もあったそうです。「なるべく単身赴任はしたくなかったですから(笑)」

通勤に往復3時間かかった時代もある

マンションは3LDKですから、子どもに一部屋ずつとはいかないことは最初からわかっていましたが、そうなったらまた考えればいいか、くらいに考えていたそうです。しかし、高校生になった一番上の子どもから部屋が欲しいと言われるようになると、そろそろ移り住むことを考えるようになりました。

まずは売却をして、その後に新居を探そうと考えたSさん。二番目の子どもが小学校を卒業してから新居に引っ越すつもりで、2018年の夏頃からインターネットでこのエリアの不動産仲介会社を探したり、マンションに入るチラシを見て検討し始めました。

契約した不動産仲介会社が倒産!

こうしてチラシの中からA社を選びます。「このマンションに特化している、と書かれていたので、頼りになりそうだと契約しました」。その時の仲介契約の種類は覚えていないそうですが、実質A社のみが査定をして、2980万円という査定額から売り出し価格を3280万円に設定し、売却活動を開始しました。「端数で80万円つけたのは、もし値引き交渉されたら端数を値引こうというつもりでつけました」。

ところが思わぬ事態が起こります。契約してわずか2週間でその不動産仲介会社が倒産してしまったのです。「担当者も平謝りでしたが、ともかく振り出しに戻ってしまいました」。それが2018年9月のこと。

再びチラシの中から2社に声をかけると、B社の担当者は「こちらの都合も考えてくれ、基本的にメールでやりとりしてくれました。ところがもう一つのC社は勤務中だろうと関係なく電話をかけてくるし、何かあると『上長に相談してから……』と返事を先延ばしにします。営業って大変だなぁと思ったほどです」。

そのため対応のよかったB社と一般媒介契約を結ぶことにしたSさん。「何をするにも、丁寧かつ迅速に対応してくれたのでお願いしました。『何を営業しても売れそう』な、優秀さを感じる担当者でした。それでも専属専任媒介契約にしなかった理由は、倒産のトラウマがあったからです。もしまた倒産されたら、他社にいつでも依頼できるようにしようと考えたのです」。ただし、結局は他の会社に一切お願いしなかったそうです。

一般媒介なので本来C社にも依頼しようと思えばできましたが「C社の担当者からしばらくして連絡がありました。しかしまた『上長に相談します』とか言われたので、契約しませんでした」

B社の査定額はA社と同じ。そこで売り出し価格も同じ3280万円のまま、2018年10月に売却活動を再開することになりました。

■媒介契約は3種類!それぞれの特徴を解説

不動産を売却する際、不動産仲介会社と結ぶ媒介契約には大きく「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類あります。「専属専任媒介」とは1社のみと結ぶ媒介契約です。他の不動産会社が売却活動を行うことが出来ないだけでなく、売り主自身が買い手を探すこともできません。一方で不動産仲介会社には、1週間に1回以上の頻度で売主に販売状況を報告する義務があります。一社のみの契約で報告義務も厳格なため、一般的には不動産仲介会社に積極的に活動してもらいやすくなります。
次に「専任媒介」ですが、これは「専属専任媒介」同様1社のみと結ぶ媒介契約です。ただし売主が買い手を探すことができます。ただし報告義務は2週間に1回以上の頻度になります。こちらも他社にお願いしない分、契約した不動産仲介会社が積極的に活動してくれやすくなるほか、買い手の目処がある売り主にとってはメリットがあります。
最後の「一般媒介」は複数の不動産仲介会社に売却を依頼するときに結ぶ媒介契約です。広く購入希望者を探しやすく、購入希望者が何人も見つかるような人気の高い物件なら、最もよい条件の購入希望者に売却することができます。ただし不動産仲介会社には売却活動の報告義務がなく、「専属専任媒介」や「専任媒介」と比べて積極的に活動してもらえない可能性があります。

売り出しから約半年後に購入者が現れ、無事子どもの卒業式に売買契約

売り出してから月2組〜3組は内見者があったのですが、なかなか契約に結びつきません。「価格についての問い合わせはありませんでした。内見者は単身者、夫婦2人、家族3人〜4人でしたから、広さについても特に言われたことはありませんでした」。

一般媒介契約にもかかわらず「しょっちゅう連絡をくれる」担当者と度々話をしましたが、反応は決して悪くないと言われます。今はまだ近隣のマンションや、同じマンションでも売却物件が出ている状況で、たまたま選ばれないだけ。新居が決まって、どうしてもすぐに売らないといけないようになるまでは、値下げの必要はないという結論に。「とても熱心な担当者でした。ですから新居探しもお願いしました」。

年が明けて2019年1月に訪れた内見者から「3月に入居できるなら購入したい」と言われます。しかし、実はこの時新居の目星を付けていたSさんは、それを断りました。「まだ更地の状態で、竣工が7月予定でした。そうなると仮住まいの費用などが余計にかかるので諦めました」。

せっかく現れた購入希望者を断ることになりましたが、これまでの反応がいい状況もあり、値引きをしないまま売却活動を続行します。すると2月に訪れた内見者から、購入意思を告げられました。今度は物件の引き渡しも7月くらいでも構わないそうです。「ただし少し値引きをしてくれないか、とのことでした。そこで80万円の端数を値引きしたら、無事契約が成立しました」。

こうして2019年3月に、目論見通り端数を値引いた3200万円で無事売買契約が成立しました。

売却したマンションから約600mしか離れていない一戸建てを無事購入できた

一度は購入希望者が現れたにも関わらず、引き渡し時期が合わずに断ったSさん。目を付けていた建売住宅の竣工時期が7月だったからがその理由だと述べましたが、その背景には、子どもたちに対するSさんの思いがありました。
「朝霞市から和光市に住所は変わりましたが、実はどちらも市境付近で、距離にして約600mしか離れていません。これなら引っ越しても子どもたちが越境入学できるので、どうしてもここに移り住みたかったんです」
そのため二番目の子どもは卒業しても小学校時代の友だちと同じ中学校へ通うことができましたし、徒歩1分にあったスーパーも使えるなど、暮らしもあまり変わりません。
「最初の不動産仲介会社が倒産したときは、どうなることかと思いましたが、新たに巡り会えた担当者がとても熱心に対応してくれたので、とても満足しています」

2018年9月 ・マンションの売却価格査定
・不動産仲介会社のA社と仲介契約を結ぶ
・A社が倒産する
2018年10月 ・不動産仲介会社のB社と仲介契約を結ぶ
2019年2月 ・購入検討者が現れる
2019年3月 ・売買契約を結ぶ
2019年7月 ・物件を引き渡す

まとめ

  • 特に専属専任媒介契約の場合、担当者との相性は大切なので話してみてから契約を結ぼう
  • 値下げするかどうかは、反響や周辺の売却状況などから不動産仲介会社に相談して判断を
  • 売却活動を早めに開始したほうが、値引きを我慢しやすい

取材・文/籠島康弘 イラスト/松尾達

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