完成されない横浜駅と、そこにあった断想|文・児玉雨子

作詞家としてアイドルグループ、声優、テレビアニメ主題歌を手がけながら、2023年に上梓された『##NAME##』(河出書房新社)が第169回芥川龍之介賞候補作にノミネートされ、作家としても活躍されている児玉雨子さんに横浜駅周辺の思い出を書いていただきまし…

私の心を柔らかくしてくれた、鶴見川の河原での日々【横浜市緑区鴨居】

ずっと、とくべつなことはあまりない街に生まれて過ごしたと思っていたし、不満に思うこともなかった。普遍的だからこそ、わたしは街に身を委ねて、変わらない街を振り返っては安心して、重たい荷物をおろして、また都会に揉まれる日々を過ごせていたと思う―…

こころの故郷、田園風景の残る街【横浜市泉区】

横浜市泉区にある地元はこれといって何かがあるわけでもないけど、特に何もないところが気に入ってる。帰省のたびに少しずつ変化していってるけど、それでも「中途半端な田舎感」だけはやっぱりなくならないことにどこか安心してしまう――。そう語るのは、ア…

鎌倉で生まれ育った僕が、鎌倉に「住みやすさ」を感じるワケ|文・フミコフミオ

神奈川県鎌倉市出身で、以来ずっと湘南エリアに住み続けているフミコフミオさんが、住人ならではの視点で、観光地ではない生活の街としての「鎌倉」の魅力をつづります。鎌倉駅西口の御成通り、由比ヶ浜といった思い出の地を振り返るとともに、住むのにオス…

作家・高橋源一郎が語る、誰かと住むこと、生きること

先日、東京探訪記『失われたTOKIOを求めて』を上梓した作家の高橋源一郎さん。本書には、現在の東京の風景の向こうに、高橋さんが生きてきた時間が埋め込まれています。高橋さんは、これまでに50回近い引越しを繰り返してきたそう。一体これまでどんな基準で…

過ぎた日のロマンティックは、東横線の「桜木町」

桜木町は、「わたしの思う理想のデート」をするのにぴったりの街だった――。そう語るのは、俳優・マルチデザイナーとして活動するQ本かよさん。大学生自体に見つけた「マイベストデートプラン」を辿りながら桜木町のお気に入りのお店、街の魅力について綴って…

学生時代の憧れだった「厚木」にさらなる輝きを。現役モデルが挑む街づくり/神奈川県厚木市・厚木一番街商店街「ビーチツリー」諸橋幸太さん【商店街の住人たち】

長年、そこに住む人々の暮らしを支えてきた商店街。そんな商店街に店を構える人たちにもまた、それぞれの暮らしや人生がある。本連載では、“商店街の住人”の暮らしや人生に密着するとともに、街への想いを紐解いていきます。今回は、厚木一番街商店街「ビー…

港北ニュータウンのスーパー事情【横浜市都筑区】

著: やまもと しま(やり過ごし料理研究家) 都筑区名物のひとつである緑道。青葉も紅葉も楽しむことができる住むところを決めるのは、ある意味賭けみたいなもので、自分や家族にとって、そこが本当にベストなのかはわからない。私が住む横浜市都筑区の港北…

安心の子育て環境に“私はここに居ていいんだ”と実感/ 横浜市都筑区在住、宮崎真理子さん【私がここに住み続ける理由】

あなたが、その街に住み続ける理由は何ですか? 便利で暮らしやすい。好きなお店がある。自然環境が豊か。街並みが美しい。住民同士の結びつきがある。これ以外にも、きっとさまざまな理由があると思います。そんな、一つの街に長く住む人にフォーカスする「…

「逗子はちょっと不便なくらいでいい」逗子葉山経済新聞編集長・玄真琴さん【私がここに住み続ける理由】

あなたが、その街に住み続ける理由は何ですか? 便利で暮らしやすい。好きなお店がある。自然環境が豊か。街並みが美しい。住民同士の結びつきがある。これ以外にも、きっとさまざまな理由があると思います。そんな、一つの街に長く住む人にフォーカスする「…

水の区域や光の味、橋本の名前

著者:竹久直樹2021年8月のはじめごろ、JR橋本駅の北口を出て30分ほどの場所で、「山」を撮影している。この「山」は日本最大規模のニュータウンである「多摩ニュータウン」の丘陵において西の端っこに位置する、東京都町田市と八王子市、神奈川県相模原市の…

自然体でいられる街「生田」

街が浮足立っていない。これは生田という街全体の佇まいの話なのかもしれない。脱力しているのである。僕はこの街にいるとなぜだかあんまり疲れないーー。そう語るのは芸人の落合諒さん。茨城県から出てきて、人生で初めての一人暮らしをし、最も長く住んだ…

29歳、小さな港町「三崎」でお店を開くまで

三浦半島の最南端・三崎は消滅可能性都市と言われているけれど、希望の塊にしか見えない。この町にもわたしにもきっと、可能性が満ち溢れているーー。そう語るのは2020年秋に三崎に移住した、編集者兼ライターで週末は蒸籠食堂かえるを営む古矢美歌(@m_krin…

愛しい地元は観光地「横浜」

横浜という土地には日々新しい発見や知見が溢れていた。きっと今また移り住んでも、あのころとは違う気付きがたくさんあるだろうーー。そう語るのはライターの前田紀至子さん。大学に入学してから27歳までの10年弱住んだという「横浜」について綴っていただ…

庭木を辿って、平塚|街と音楽

自室、スタジオ、ライブハウス、時にはそこらの公園や道端など、街のあらゆる場所で生まれ続ける音楽たち。この連載では、各地で活動するミュージシャンの「街」をテーマにしたエッセイとプレイリストをお届けします。今回執筆いただいたのは、プロデューサ…

嗚呼、夢想のセカンドライフ。90年代おじさんが 漂着したキブンのいい街「辻堂」

辻堂は、インターネットでは完結できないありとあらゆる手触り感のある趣味の素材が手の届くところに、手にしやすいサイズで溢れているキブンのいい街ーー。そう語るのはクリエイティブディレクターのRSKさん。現在住んでいる辻堂の魅力について綴っていただ…

横浜のハズレから想う、なんだかんだで「ヨコハマシカ」|街と音楽

自室、スタジオ、ライブハウス、時にはそこらの公園や道端など、街のあらゆる場所で生まれ続ける音楽たち。この連載では、各地で活動するミュージシャンの「街」をテーマにしたエッセイとプレイリストをお届けします。今回執筆いただいたのは、ヒップホップ…

サブカルの聖地から横須賀の港町へ。久留和は“なにもない天国”だった|街と音楽

自室、スタジオ、ライブハウス、時にはそこらの公園や道端など、街のあらゆる場所で生まれ続ける音楽たち。この連載では、各地で活動するミュージシャンの「街」をテーマにしたエッセイとプレイリストをお届けします。今回執筆いただいたのは、ポップバンド…

憂鬱な湘南ボーイは藤沢の海で「自分の生き方」を決めつけた

「自分をひとつの型に落とし込むことで、前に進んでいける」という発見と実感は、湘南の海とムラスポからの贈り物だった--そう語るのは、長野県上田市にあるインターネット古書店、バリューブックスの飯田 光平(@alpino_kou2)さん。生まれ育った神奈川県…

青春の残り香がする街、「日吉」で暮らす。

著: 五月女菜穂 老舗がまた一つ、その歴史に幕を下ろした。「とんかつ三田 日吉」、通称「とんみた」という定食屋。三田なの、日吉なのと突っ込みたくなる「とんみた」は日吉にあった。大学時代に足繁く通った店の一つだったが、2021年3月末日をもって閉店…

不安な私と横浜の団地暮らし

「私にとって横浜は、団地とバスの街」。そう語るのは、8人組ソウルバンド・思い出野郎Aチームの増田薫(@masudakaoru_)さん。18歳から7年ほど暮らしていた「横浜」を、かつて住んでいたという「笹山団地」、半額になった惣菜を探しに通った「相鉄ローゼン…

自転車乗りにとっての天国・神奈川県「橋本」に移住してアウトドアを楽しんだ3年間

リニア新幹線の開通などでも話題の神奈川県相模原市に位置する橋本駅。その周辺に3年間住み、自転車乗りにとって天国だったと語るのがブロガーの篠さんです。それまで新宿にほど近い初台に住んでいた篠さんは、アニメ「弱虫ペダル」をきっかけにロードバイク…

横須賀は野比から潮騒に明日を夢みて

「毎週末、部活で三浦半島の海に行くんだけど交通費が高いんだよなぁ」「ならさ、いっそのこと海辺でシェアハウスして遊んじゃおうよ」そんな友人とのやりとりから大学生のころ、品川にある寮を出て、横須賀はYRP野比駅(YRPは「横須賀リサーチパーク」の略…

「ドブ板の人間」が暮らす街で、筋金入りのバイタリティにつつまれて。10年目の横須賀。

横須賀には海と山、そして黒船来航に代表されるような変化にずっとさらされ続けることで備わった筋金入りのバイタリティが備わっている。何もしなくても楽しめ、出る杭がのびのびと活躍できる街だ、と語るのは横須賀でスカジャン絵師をされている横地広海知…

Chillが先、茅ヶ崎。私が私であることを許してくれる場所|街と音楽

各地で活動するミュージシャンの「街」をテーマにしたエッセイとプレイリストをお届けする連載「街と音楽」。今回執筆いただいたのは、着ぐるみクリエイター、ラッパーとして活躍するなみちえ(namichi7373)さん。なみちえさんが「私がアーティストとして自…

密室づくりが仕事のぼくは、鎌倉に閉じ込められて心地がいい。

著: 井家竜馬 人々を閉じ込めるための密室をつくる仕事をしている。閉じ込められた人たちは制限時間内にあらゆる謎を解き明かし、自力で脱出しなければならない。脱出できないとどうなるか。 爆発したり魔王に世界を破滅されたり爆発したり時空の狭間に追い…

オルタナティブ古民家と、ちょっと南の楽園【横須賀】

著者: 高良真剣 “これっきりこれっきり もうこれっきりですか”山口百恵「横須賀ストーリー」の電車接近メロディが、これでもかと駅構内に鳴り響く京急線の横須賀中央駅から快特に乗る。新幹線みたいなふかふかの座席が長距離移動のダルさを緩和してくれる。…

気づけばふるさとになっていた。音楽と会社の狭間で揺れた20年の上京生活【神奈川・梶が谷】

著者: BUBBLE-B 上京してから20年目。さまざまな理由が重なり、僕は滋賀にUターンした。 会社を辞めた不安、友達とあまり会えなくなる寂しさ、そして新しい人生への期待を胸に、深夜の東名高速を西へと運転した。20年ぶりに帰ってきた息子を迎えてくれた母…

予想外の楽園 中年がひとりで住む未来都市・多摩ニュータウン

大阪府出身で、現在は多摩ニュータウン南部にお住まいのココロ社さんは「多摩ニュータウンは、とにかく散歩がすごい」と語ります。「せせらぎ緑道」「長池公園」「よこやまの道」のほか、お気に入りの団地や給水塔まで独自の視点から紹介いただきました。

ベイスターズが育ててくれた「アイラブヨコハマ」精神。オタクに目覚めて知った横浜の暮らしやすさ【オタ女子街図鑑】

著: 劇団雌猫 二次元、ジャニーズ、宝塚にアイドル。次元もジャンルも異なれど、オタク女子にとって趣味は人生の重要な一部。趣味を満喫するうえで、実は大切なのが「暮らす街」。オタク女子はどんなことを考え、どんなことを重視して街と家を選ぶのか? 4…

地方出身者でもなければ、都会にも染まれない。半端な私のための街だった「戸塚」

著者: チェコ好き 「街」に対して、私は愛着をほとんど持たない。 体質的にお酒が飲めないので「近所の飲み屋さん」なんてまず行かないし、すごく人見知りで空気の読めないやつだから、お酒をきっかけに集うコミュニティみたいなのも苦手だ。ごはんは自炊派…

「時間はつくるものでしょ」趣味も仕事も全力で楽しむ、古谷徹さんの“遊び術”【楽しい大人の暮らし方】

インタビュー: 劇団雌猫 構成:ちおる 写真:疋田千里 好きなものがあると、毎日はもっと楽しい。 劇団雌猫がオタク趣味に生きる人に好きなこと、好きな街や暮らしについて聞く新インタビュー企画「楽しい大人の暮らし方」。 第2回のゲストは、『機動戦士ガ…

ただの住宅地「新川崎」に住んでいたら、勝手に7年が経った

新川崎にもう7年も住んでいる理由について「この街が大好きだから」ではないという、ブロガーのやしおさん。憧れよりも実用性で選んだ住宅街だけれど、自分にはぴったりだと語ります。

まだ茅ヶ崎に行ったことのないあなたへ

取材・執筆: 小野寺将人 茅ヶ崎の海と富士 好きな街に住むこと あなたは「好きな街に住むこと」がいかに素晴らしいことか、もうご存じだろうか。私はその素晴らしさを3年前まで知らないまま生きてきた。住んでいる街のことをあまり好きになれなかったからだ…

ヨコハマの光と影を抱える街・関内で「横浜のもう一つの顔」を探す

著:井口エリ この街で私は、ウチキパン(元町にある食パン発祥のお店)の袋を抱えた上品なマダムを見た。オレンジ色の高貴そうな装束を着た外国の僧を見た。 なにくわぬ顔で自転車に三人乗りする家族を見た。 コンビニ前で、行き交う人にガンを飛ばしながら…

2人で暮らす横浜 10年住んだ街の魅力を、相手のフィルターを通して再発見する

「SUUMO住みたい街ランキング2018 関東版」で、総合1位を獲得した横浜。その横浜に10年住む在華坊さんに、「2人で暮らし始めて再発見した横浜の魅力」をつづっていただきました。

私がこの街を好きな理由 〜大船〜

著: SUUMOタウン編集部 その街に住んでいる(住んでいた)、住んだことはないけれど好きだ、という人にその魅力について語ってもらう本企画。 今回は、『日本てくてく ゲストハウスめぐり』(ダイヤモンド社)、『あちこち島ごはん』(芳文社)という2冊の…

中途半端な地元を出るのにきっかけなんかない - 稲田堤~高円寺・荻窪

著: ひにしあい ─「このマンションは建て直すので、期日までに出て行ってください」 とても気に入っているマンションに住んでいたら、突然管理会社から退去通告を受けたのが昨年のことだ。 「出て行きたくないけど、出ないといけない」 そういえば、地元を…

地元にいつか帰りたいですか? 「小田原」、そこは東京から一番近い田舎町

著: くいしん このページを開いたあなたは、今、生まれた地元で暮らしていますか? はたまた生まれた場所を離れ、東京や大阪や福岡といった都市で暮らしていますか? 僕は今、東京で暮らしています。 20代前半のころ、都内で初めて就職した音楽雑誌出版社を…

元ジャンプ作家・鈴木信也さんが振り返る、「Mr.FULLSWING」などの漫画制作秘話と思い出の街

「Mr.FULLSWING」などで知られる漫画家の鈴木信也さんが、これまで住んできた街について、ジャンプ連載時のエピソードとあわせて振り返ってみました。「ミスフル」は東久留米で書かれていた!

関内と関外と〜横浜の「境界」を歩く〜

関内かと思ったら関外だった。おれにはそれが面白くてたまらなかった――。長年、横浜に住んでいるブロガーの黄金頭さんが考える、関内と関外、そして横浜の「境界」について。

都心との距離感が絶妙。「住みやすさ」に溢れた街、稲田堤

著: オバラミツフミ 東京に憧れて地元・秋田県湯沢市から東京の大学へ進学して5年目になりました。 僕の地元、秋田県湯沢市にはマクドナルドもケンタッキーもありません。電車は1時間に1本。2両編成なのにガラガラ。メインストリートにあるお店は午後5時に…

家族が過ごしやすい街「辻堂」 小島アジコ&801ちゃん家の日常と「辻堂」の魅力

横浜以南で子育て中!「となりの801ちゃん」でおなじみ小島アジコさんが、家族でよく遊びに行くという「辻堂」の魅力をマンガで描いてくれました。再開発が進む辻堂。小島家は特に「テラスモール湘南」がお気に入りのようです。

気づかないうちに変わりつつあった地元「三崎口」

著: megaya 地元である三浦市を離れ、東京に引越して3年以上がたった。僕は一人暮らしを始める前までは、三浦市という場所があまり好きではなかった。活気や気力といったものをこの街から感じなかったからだ。事実、神奈川県で唯一の消滅可能性都市(少子化…

ただただゆったりと時間が過ぎていく街「逗子」で穏やかに暮らす

著: Taki 中学生になる前に横浜市から引越し、大学を卒業して働き始めるまでずっと住んでいた街「逗子」。 逗子ってどこ?と聞かれることも時々あるけれど、「鎌倉の隣」と言えば大体伝わる。その隣の鎌倉に比べると海が近いという共通点はあるものの、有名…

いつの間に故郷になってしまったかつての隣町「相模原市緑区」のドライブ散歩道

著: OKP 筆者の育った神奈川県の相模原市が政令指定都市化を目指し、かつての隣町だった「津久井郡」の4つの町(津久井町、相模湖町、城山町、藤野町)が相次いで編入・合併されていったのは今から10年位前のこと。 晴れて2010年に政令市化された相模原市に…

いつか住みたい海の見える街「鎌倉」

著: 羽佐田 瑶子 海の見える街に住むのが夢だった。きっと『魔女の宅急便』に憧れていたからだと思う。窓から潮風と近所でパンを焼くにおいが香ってきて、目が覚めて、休日は目の前に広がる海を眺めながら本を読み、ダラダラと過ごす。窓の外から気になる子…

誰かにとっての始まりの街「日吉」

著: いのっち 日吉で一人暮らしを始めたのは19の時だった。 大学進学に合わせて一人地元を抜け出してきた僕の胸には一つ熱い想いがあった。 テクノロジーの力で世間を良くしたい!そのための勉強をしたい、というぼんやりとした夢みたいなものがそれだ。チ…

横浜に住もう、遊びに来るだけじゃない、住んでこそ楽しい横浜へ!

横浜。いわゆる「住みたい街ランキング」で、毎回上位に顔を出す街。だけどほんとに皆さん、横浜に住みたいと思っているのだろうか?

横浜駅はショッピングやグルメ施設が充実! 生活利便性もよいエリア

9路線が利用可能な横浜駅 横浜駅には、JR東海道線をはじめとするJR線が4本と、横浜市営地下鉄ブルーライン、横浜高速鉄道みなとみらい線、東急東横線、相模鉄道本線、京浜急行本線の計9本が乗り入れています。東京都心の新宿、渋谷までは、乗り換えなしで行…