安心の子育て環境に“私はここに居ていいんだ”と実感/ 横浜市都筑区在住、宮崎真理子さん【私がここに住み続ける理由】

インタビューと文章: 小野洋平(やじろべえ)  

あなたが、その街に住み続ける理由は何ですか? 便利で暮らしやすい。好きなお店がある。自然環境が豊か。街並みが美しい。住民同士の結びつきがある。これ以外にも、きっとさまざまな理由があると思います。そんな、一つの街に長く住む人にフォーカスする「私がここに住み続ける理由」。

今回は神奈川県のニュータウンとして知られる横浜市都筑区に引越し、コロナ禍を機に期間限定で無料の買い物代行支援プロジェクトを立ち上げた宮崎真理子さんにお話を伺いました。育児中でもある宮崎さんの都筑区での暮らし方とは?

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鬼ごっこは公園だけでなく、街がフィールド

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――宮崎さんは、2010年から神奈川県横浜市都筑区に住んでいらっしゃるそうですね。なぜ都筑区を選ばれたのでしょうか?

宮崎真理子さん(以下省略)「引越す前までは、東京で暮らしていました。夫の転勤が決まり、2人の勤務地の中間付近で家を探そうと思っていたところ、姉が住んでいた都筑区がいいんじゃないかなって」

――街のどのあたりに惹かれましたか?

「東京の都心部に住んでいたころは、子どもに『〇〇に行っちゃダメ』『〇〇はやっちゃダメ』と禁止することが多く、常に神経を張り詰めていました。でも都筑区は、たとえば道路ひとつとっても、歩道は歩道、車道は車道としっかりと整備されています。小さな子どもを持つ親としては安心でしたし、心理的にも子育てがしやすいなと。また、公園の充実しているところも魅力的でした」

――宮崎さんはどこの公園をよく利用されていますか?

「私はよく『勝田南あかとんぼ公園』を利用しています。名物の広い滑り台では、多くの子どもたちが手を繋いで滑っているんです。すごく伸び伸び遊べる印象ですね。港北ニュータウンや仲町台周辺には多くの公園が点在してますね」

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滑り台が目玉の勝田南あかとんぼ公園

――たとえば、どんな公園がありますか?

「『山田富士公園』は、広大な緑地があって、サッカーやバドミントン、フリスビーなどで遊んでいる人たちの姿が多いです。晴れた日にお弁当を持って行けば、ピクニックも楽しめますよ。特に遠出が難しかったコロナ禍では、近くに豊かな自然環境があったことは、子どもにとっても良かったですね。また、富士信仰(※1)が盛んだった都筑区では、いくつかの富士塚(※2)が残っています。なかでも『山田富士公園』の富士塚は見晴らしが良く、街全体を一望できます。『山田富士公園』の初日の出は本当に素晴らしくて、ご来光の美しさには思わず息をのんでしまいます」

(※1)富士山そのものを神と見立てるなど、富士山を信仰・崇拝の対象とすること
(※2)富士山に模して造営された人工の山や塚

――いろいろな楽しみ方ができる公園なんですね。アクティビティの禁止が少ない公園は羨ましいです。

「そう思います。以前、子どもに『今日はなにしていたの?』と聞くと『街を使った鬼ごっこ』って答えたんです。どういうこと?と思ったら、どうやらいつも利用している4つの公園にくわえて、公園をつなぐ道中を使って鬼ごっこをしていたいみたいです(笑)。やはり身体を思いっきり動かせる公園が街中にあると、子どもも遊び場に困らないですよね。街に幹線道路はあるものの、住宅街に入れば、そこまで車通りもないため安心・安全です。親から見ても、子どもにとっては過ごしやすい環境なのだと思います」

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穏やかな気持ちにさせてくれる「せせらぎ公園」

――宮崎さんが好きなスポットも教えてください。

「私は仲町台駅から延びる緑道が大好きですね。公園と公園を結ぶようなかたちで設計されていて、都筑区を一周しています。全長は15kmほどなので、散歩はもちろん、ランニングやサイクリングにもピッタリです」

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仲町台駅前から延びる緑道

――どのように使われていますか?

「私は散歩が多いです。季節の変化に敏感になったり、鳥の声が聞けたり、歩くだけで穏やかな気持ちになれるんですよ。夏は木陰になるので涼しくて歩きやすいです。日常的に緑が感じられるところは街の魅力ですね。駅前から緑道までは綺麗な街並みが広がっていて、よくドラマのロケでも使われているみたいです。私もたびたび俳優さんを見かけます」

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画像提供:宮崎真理子

――それは、ラッキーですね!ちなみに、宮崎さんの定番散歩コースはありますか?

「私は、『せせらぎ公園』に行き、ベンチでお茶を飲むことが多いです。『せせらぎ公園』の中心には池があり、季節の花がまわりを囲んでいます。座って景色を眺めているだけで心が癒やされるんですよね。春はお花見、夏は神輿が出る夏祭り、秋には仲町台近辺のお店が屋台を出店するグルメフェスタ、とイベントが盛りだくさん。どの季節もせせらぎ公園にはにぎわいがあります。あとは街中に、歴史を感じるスポットや文化的な施設も数多くあるので、そこに足を運ぶのも好きですね」

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せせらぎ公園の池のまわりでは散歩や読書が楽しめる

――どんなスポットや施設でしょうか?

「『大塚・歳勝土遺跡公園』にはたくさんの古代の住居跡などが残されており、『横浜市歴史博物館』と直結していて、土器作りなどの体験学習もできます。他にも、『北川貝塚』や『境田貝塚』など見どころは尽きません。観光で訪れる方も少なくないそうです。ニュータウンとして発展しながら、歴史を大切にしているところも都筑区の魅力なのかなと感じますね」

――他に好きなスポットはありますか?

「飲食店ではバターチキンカレーが絶品の『スパイスHUB』や、子育ての合間に訪れる『CAFE SIESTA』の2店はよくお邪魔しています。それと、ぜひオススメしたいのは高台からの景色です。駅から5分ほど歩いたところに東方町という高台のエリアがあって、ここからの見晴らしが抜群ですね。街の全方位が見渡せ、天気が良い日には富士山からランドマークタワーまで拝めます。特に、オススメの時間帯は夕方。綺麗に映る夕日は絶景なので、一見の価値アリです」

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東方町の高台からの景色

ニュータウンにも残る里山

――街の利便性はいかがでしょうか?

「都筑区にはデパートや大規模商業施設があり、1回の外出で複数の用事を済ませられます。私がよく行くのはセンター北駅からすぐの『ノースポート・モール』や『都筑阪急』。電車はもちろん、車でもアクセス良好の商業施設になります」

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都筑阪急の後ろにはランドマークでもある「モザイクモール港北大観覧車」

――どのように利用されますか?

「私は映画館が多いです。あとは本屋さんに立ち寄ったり、カフェでゆっくりしたり、ショッピングを楽しんだりしていますね。子どもと訪れるときは、もっぱらフードコートを利用しています。子ども2人が好きなものをそれぞれ選べるから、文句が出ないんです(笑)。また、どちらの施設も子どもと一緒に訪れることを前提に設計されているようで、施設内の通路やレストランはベビーカーでも動きやすいと思います」

――それは子育てをする方にとっては嬉しいですね。

「そうなんです。さらにいえば施設内でだけでなく、都筑区全体が子どもと過ごしやすいように設計されている気がします。それから最近の変化としては、『都筑阪急』にワーケーションスポットが整備され、そこで仕事をされている方も見かけます。近くにはコワーキングスペース『BIZcomfortセンター北』をはじめ、Wi-Fi完備のカフェも点在しています。利用する方に合わせて、最適な過ごし方が用意されていると思いますね」

――多様な暮らしに寄り添う街なんですね。都筑区には商店街もありますが、利用されますか?

「はい、近所の仲町台の商店街は、いつも利用しています。スーパーマーケット『文化堂』には週4で通うほどのヘビーユーザーです。あと、たまにJA横浜の『ハマッ子』にも行きます」

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――「ハマっ子」には何を買いに?

「野菜やガーデニングに関するものを買いに行きます。『ハマっ子』には、地元産の野菜が充実しているんです。都筑区は田畑も多いので、息子の小学校では近くの畑で芋掘りやタケノコ掘りなどの学外授業もあります」

――ニュータウンの顔を持ちつつも、田畑もちゃんと残しているんですね。

「都筑区は、里山を残すことを起点にニュータウンの計画をしたそうなんです。自然と利便性が適度に共存しているからこそ、そこに魅力を感じる子育て層が流入しているんだと思います」

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――ニュータウンの設計思想が素晴らしいですね。

「そうなんです。街づくりの思想もさることながら、街全体に子どもを大切に考えている空気を感じます。たとえば、レストランやカフェの多くに子ども向けの椅子があったり、子ども用のおもちゃが用意されていたり。子どもを第一に考えられている気がします。伸び伸びと子育てができるので、孤独じゃないというか、私はここに居ていいんだって心から思えます。知り合いに都筑区をオススメしたところ、2人ほど引越してきてくれました(笑)。子育てしやすい街を探している人には、ぜひ一度都筑区に足を運んでみてもらいたいです」

インタビューと文章: 小野洋平(やじろべえ)

 小野洋平(やじろべえ)

1991年生まれ。編集プロダクション「やじろべえ」所属。服飾大学を出るも服がつくれず、ライター・編集者を志す。自身のサイト、小野便利屋も運営。Twitter:@onoberkon 50歳までにしたい100のコト