リフォーム時期・タイミングの見極め方!築年数別・部位別・目的別のタイミングを徹底解説

リフォームの時期・タイミングは、住宅の状態やライフスタイルによってさまざまですが、理想の暮らしを実現した一戸建ても、お気に入りの新築マンションも、住み始めて数年が経過すればリフォームを検討する時期が訪れます。
「必ずこの時期にリフォームをしなければいけない」という明確なルールはありませんが、目的や建物・設備の状態によって、リフォームするべきおおよそのタイミングがあります。築年数や部屋の部位、目的によって異なるリフォーム時期について解説していきます。

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目的・状況に合わせてリフォーム時期を検討しましょう(写真/PIXTA)

記事の目次

リフォームを検討する時期・タイミングはいつ?

リフォームが必要なタイミングは建物の状態や暮らし方によって異なります。
老朽化によって不便な箇所を修繕するケースもあれば、より快適な暮らしを求めた間取り変更など、さまざまな目的でリフォームは行われます。なかには築浅の住宅や中古住宅を好みの内装にするためにリフォームを行うケースもあります。
住宅の状態やご自身のライフスタイルの変化を見越しておくことで、充実したリフォーム計画を立てられるでしょう。

タブレットで情報を探す女性のイメージ

設備の状態や資金計画に合わせてリフォームを検討しましょう(写真/PIXTA)

リフォームの「時期」が重要な理由とは

リフォームを検討しはじめる多くのきっかけは住宅の老朽化です。
適切なタイミングを逃してしまうと住まいの快適さが損なわれるだけでなく、想定外に費用がかかってしまう可能性もあるので注意が必要です。
ここからは、リフォームを考える上で、「時期」に着目すべき理由を解説します。

老朽化で損害が出るケースがあるから

住宅の老朽化は、生活に影響を及ぼすだけでなく、時に周囲の住民に迷惑をかけてしまうこともあります。
特に気をつけたいのは、築年数が古いマンションです。建物の配管が金属腐食を起こしてしまうと、漏水を招いてしまったり、水道水の水質悪化によって健康被害が生じてしまったりする恐れもあります。水道水を飲んで「サビのような味がする…」と感じたら、管理会社に点検を依頼しましょう。
毎日使用するお風呂やキッチンなどの水回りは、劣化していないか定期的なチェックが肝心です。

老朽化している配管のイメージ

特に気をつけたい水回りの老朽化(写真/PIXTA)

タイミングを逃すと工事費用がかさんでしまうから

建物自体の老朽化や設備の故障が発生した場合に、そのまま放置していると修復困難な状態になり、工事費用がかさんでしまう恐れがあります。
さらに、大規模な設備の交換作業等の工事が必要になると、工事期間も長くかかってしまい、住みながらのリフォームができなくなってしまうことも。
その場合、リフォーム費用だけでなく、仮住まいや引越しの費用もかかるので、老朽化が深刻な状態になってしまう前に早めにリフォームを行うことが大切です。

 見積書のイメージ

設備の老朽化を放置すると修繕費用が高額になる恐れも(写真/PIXTA)

暮らしやすさに影響するから

建物や設備の設計は暮らしに合わせて進化しているため、新しい製品ほど使い勝手や家計に影響するランニングコストが改善されています。
特に、老朽化の進行が早い水回りは、一定の年月が経過すると劣化や故障が気になりはじめます。不具合や使いにくさを感じたら、リフォームのタイミングといえそうです。

 快適な生活を送る夫婦のイメージ

リフォームで不便さを解消し、快適な暮らしを実現(写真/PIXTA)

築年数を目安にした一戸建てのリフォーム内容

リフォームを考える上で、一つの目安になるのが築年数です。
築5年前後の築浅物件でも、築20年以上の築古物件であっても、リフォームを行うケースはあります。
ここでは、築年数別にどのようなリフォーム工事が行われているのかをご紹介します。

築5年〜10年

築浅と表現される築5年以内の住宅では、住宅の不便さや故障を修繕するためのリフォームというよりも「建売で購入した自宅にウッドデッキを新設したい」「中古で購入した一戸建てに収納を増やしたい」といった、新しく何かを付け足す造作工事の依頼が中心となります。
築6年を過ぎると増えてくるのが水回りや室内設備の増設・交換です。
ある程度の年数を過ごしてみて不便に感じた箇所を修繕するためのリフォームを行うケースが多く、ビルトイン食洗機を設置する、便座を最新のものに交換するなど、今後も長く暮らすために快適さを追求するリフォームが選ばれています。
また、一戸建ての場合に気になるシロアリ対策は、5年おきに行うのが目安とされています。シロアリによる被害は気づいたときには想像以上に深刻なパターンも多く、耐震性にも影響を及ぼします。築5年というと目に見える劣化は少ないですが、長く快適に暮らすための対策はしておく方がベターでしょう。

腐食した木材のイメージ

シロアリは木材だけでなく、コンクリートにも悪影響を及ぼします(写真/PIXTA)

築10年〜15年

築10年が経過すると水回りの設備が徐々に交換時期を迎えます。
「使えないわけではないけれど不便」と感じている人が、利便性を求めて最新設備に交換するケースが多いようです。
水回りのほかにも、外壁や屋根の塗装工事、壁紙・フローリングの張り替えなども需要があります。

トイレを掃除する女性のイメージ

最新設備に交換することで使い勝手や清掃性が良くなります(写真/PIXTA)

築15年〜20年

築20年が近くなると、設備の不具合によるリフォーム依頼が増加します。
浴室やトイレ、シンクの汚れが落ちにくくなったり、使い勝手の悪さが気になったりするタイミングです。
特に、トイレやお風呂といった設備は故障すると簡単な修理では改善できず、設備そのものを交換しなければいけないケースもあります。
築15年〜20年の中古物件(一戸建て・マンション)の購入を検討している場合は、入居前に水回り設備を一新するのがよいでしょう。

風呂場の解体工事の様子

古くなった設備は新しいものに交換できます(写真/PIXTA)

築20年〜30年

築20年以上が経過すると、部分的な修理では問題を解決できず、家全体に及ぶ大掛かりなリフォームが必要になってきます。
工事の内容によりますが、大規模工事となると仮の住まいも必要になるため、リフォーム費用以外の出費も膨らみます。

建築現場での打ち合わせのイメージ

大規模な工事は信頼できるリフォーム業者を選びましょう(写真/PIXTA)

部位別のリフォーム時期の目安と考え方

お風呂やキッチン、トイレなど、水回り設備の平均寿命は10年〜15年。この目安は、一戸建てでもマンションでも同様です。ある日突然故障してしまう場合もありますが、ほとんどは不具合を感じはじめてから、徐々に使えなくなるケースが多いでしょう。

水回りの設備のリフォームの検討目安

毎日使うものだからこそ、完全に故障する前にリフォームを検討したい水回りの設備。使用頻度が高く、水を使用することから老朽化が進みやすい場所です。
水回りのリフォームは、設備交換が主な工事内容となります。ほとんどの水回り設備は耐用年数が10年〜20年に設定されているので目安にしてください。

リフォーム会社の担当者に話を聞くイメージ

水回りの劣化が気になったらリフォーム会社に相談を(写真/PIXTA)

キッチンのリフォーム時期・タイミング

ガスコンロや換気扇、ビルトイン食洗機、IHクッキングヒーターなど、複数の機器を備えるキッチンは、それぞれの耐用年数を考慮してもおよそ10年〜20年を目安にリフォームするのが望ましいとされています。

キッチンのリフォーム時期の見極めサイン

耐用年数に関わらず、お手入れ状況や使用頻度によって判断が変わります。
汚れが落ちにくくなったり、機能的な不具合が感じられるようになったら、リフォーム業者へ相談をしてみましょう。
キッチンリフォームは一部の設備を最新のものへ変えるだけでなく、キッチン全体の使い方や動線を見直すことで使い勝手がさらに向上します。
なお、キッチン・トイレ・お風呂といった水回りの設備を比較的ローコストでまとめて交換できるセットプランを用意しているリフォーム会社もあります。
セットプランのメリット・デメリットや費用相場は「マンションの水回りリフォームの費用相場は?リフォーム3点・4点セットや施工事例、注意点も紹介!」で詳しくご紹介していますので、合わせてチェックしてください。

キッチンの設備を点検する業者のイメージ

気になる不具合はプロに点検を依頼しましょう(写真/PIXTA)

キッチンリフォームの内容と相場

キッチンリフォームの費用相場は50万円〜200万円と幅広く、工事の内容によって変動します。
50万円未満での工事では、コンロや換気扇、食洗機といった部分的な設備の交換が中心。システムキッチン全体の入れ替えとなると、150万円前後の予算が必要になります。
また、壁付けキッチンから対面キッチンに変える場合には、内装工事も必要になるので、追加費用がかかります。

間取り図と電卓のイメージ

工事内容によって大きく価格が変わるキッチンリフォーム(写真/PIXTA)

お風呂・洗面所のリフォーム時期・タイミング

体を清潔に保つためだけでなく、日々の疲れを癒やすためにも重要なお風呂は、10年〜15年を目安にリフォームすることが推奨されています。
感染症や衛生に関する意識の高まりから以前よりも使用頻度が高まっている洗面所は、およそ10年〜20年がリフォームの目安です。

お風呂・洗面所のリフォーム時期の見極めサイン

お風呂は家の中で最も水を使う場所なので、10年以上使用していると浴槽のフチや壁・窓にも、カビや汚れ、腐食が目立ってきます。
なお、給湯器もお風呂場と同じタイミングで交換時期を迎えます。お風呂のリフォームと給湯器の交換は、同時施工することで費用を抑えることができるでしょう。
また、洗面台のリフォームでは、劣化が目立ちやすい洗面台本体や排水管の交換と合わせて、壁や床を張り替えるリフォームも人気があります。最近では調湿機能があったり、汚れを落としやすかったりと機能性の高い素材が多数登場しています。
カビや汚れで悩んでいる人は、こうした素材に変えることで課題を解決できるはずです。

給湯器を点検する作業員のイメージ

給湯器の状態も合わせてチェックを(写真/PIXTA)

お風呂・洗面所リフォームの内容と相場

水回り設備の中でも費用が高いお風呂。ユニットバスの交換費用は80万円〜110万円前後。在来浴室(タイル張りの浴室)からユニットバスへの交換は80万円〜160万円前後が目安です。
在来浴室からユニットバスへリフォームする場合は解体工事が必要なため、ユニットバスを交換するケースより工事費用は高くなる傾向があります。

洗面所は、既製品の洗面台に交換する場合の費用は10万円〜35万円程度。化粧台をオリジナルで造作する場合は25万円〜が目安となっています。
また、床や壁を含む内装も含めたリフォームを行う場合は25万円〜45万円が相場です。

説明するリフォーム業者のスタッフ

お風呂は浴槽のタイプによって価格が変動します(写真/PIXTA)

トイレのリフォーム時期・タイミング

生活に欠かせないトイレは、およそ10年〜15年がリフォームをするタイミングの目安となります。便器自体は頑丈にできていますが、タンクやパッキン、配管といったパーツは、それぞれ10年ほどで寿命を迎えるものです。

トイレのリフォーム時期の見極めサイン

使っているうちに汚れが落ちにくくなるのもトイレの老朽化の特徴です。異臭や異音が気になりはじめたら、リフォームを考えましょう。
トイレは使えなくなってしまうと生活に支障をきたすので、定期的なメンテナンスと早めの対策が重要です。

トイレ掃除のイメージ

清掃性に優れた設備への交換でお手入れも楽になります(写真/PIXTA)

トイレリフォームの内容と相場

便座の種類や工事内容によって費用相場は変わりますが、およそ13万円〜36万円で設備の交換工事ができます。最新のタンクレストイレは、予算がプラス10万円〜20万円となります。

トイレをチェックする男性

必要不可欠なトイレは定期的なメンテナンスを心がけましょう(写真/PIXTA)

玄関のリフォーム時期・タイミング

「家の顔」とも言われる玄関は、美しく保ちたい重要な空間です。玄関のリフォームでは、ドアの交換や収納の新設、内装工事、照明の交換などを行います。
玄関ドアの種類には大きく分けてアルミ製と木製の2種類があり、国内ではだいたい20年〜30年使用できるアルミ製の玄関ドアが主流となっています。
雨水や湿度の影響を受けやすい木製は15年〜20年が交換の目安。より安全で機能性の高いドアに交換することで安心感が高まります。

玄関のリフォーム時期の見極めサイン

玄関ドアの耐用年数はあくまでも目安なので、使っていて不便に感じることがあれば交換を検討しましょう。
ドアが閉まりにくい、防犯性が気になるといった設備の老朽化を要因としたリフォームのほか、段差をなくしたり、スロープをつけたりとバリアフリーリフォームを行う場合もあります。

玄関ドアを修理しているイメージ

ドアの開閉具合も交換を見極めるポイント(写真/PIXTA)

玄関リフォームの内容と相場

玄関ドアを交換する場合、費用はおよそ20万円前後。玄関の照明を新しくする場合は4万円程度です。
さらに、玄関に手すりを設置する場合は約5万円(廊下の場合)〜10万円ほど。玄関全体の機能性・収納力を向上できる収納棚の設置は、およそ5万円〜30万円が相場となります。

玄関ドアを点検する男性のイメージ

目的に合わせた玄関リフォームを実現しましょう(写真/PIXTA)

内装(床・壁・畳)のリフォーム時期・タイミング

部屋の雰囲気をガラリと変えられる内装のリフォームのタイミングは、傷や汚れの状態を目安に検討しましょう。
築5年〜10年では、フローリングのちょっとした傷の補修や壁の張り替えを。築10年以上になると畳の張り替えや木材壁のメンテナンスが必要になってきます。
さらに、築15年を過ぎてくると、フローリングやカーペットといった床の全体的な張り替えも視野に入ってきます。
もちろん、使用状況や手入れの頻度によってリフォームが必要となる時期は変わりますが、内装をお気に入りのものにすることで気分転換にもなるはずです。

内装のリフォーム時期の見極めサイン

内装リフォームの主な工事内容は、フローリングや畳、壁紙の張り替えです。
生活をしているとどうしても傷や汚れが付いてしまうので、気になりはじめた時がリフォームのベストタイミング。
内装をリフォームするとなると工事期間は部屋に入れないため、家族と話し合い、適切なタイミングで工事計画を立てる必要があります。
なお、中古物件を購入する場合、荷物を入れた後の内装リフォームは荷物の移動などで手間がかかりますので、入居前に完了させるのが一般的です。

壁を掃除する女性のイメージ

壁紙は日頃のメンテナンスで清潔感を保てます(写真/PIXTA)

内装リフォームの内容と相場

内装リフォームのおおまかな費用は、10畳のリビングで50万円〜80万円ほどが目安となります。
部位別で見ていくと、フローリングの張り替えは6畳で6万円〜32万円程度。壁紙の張り替えは6畳で5万円〜7万円程度。畳の張り替えは表替えで約3万円~12万円、新調すると約11万円~25万円が相場です。

内装工事をする職人のイメージ

壁紙を一新することで、部屋の雰囲気も変えることができます(写真/PIXTA)

窓周辺のリフォーム時期・タイミング

部屋の中に光を取り入れたり、空気を入れ替えたりと、暮らしの快適さに関わる大切なポイントである窓。窓周辺のリフォーム時期の目安は、窓ガラスや網戸、建て付けの交換時期となる20年〜30年となります。

窓周辺のリフォーム時期の見極めサイン

窓やサッシが破損してしまった場合はもちろんですが、結露や寒さ、開閉における不具合が気になる場合もリフォーム時期のサインといえるでしょう。窓周辺の設備を交換することで、防音・防犯・断熱といった機能を高められます。

網戸の掃除をするイメージ

定期的なお手入れによって、早めに破損や不具合に気づくことができます(写真/PIXTA)

窓周辺リフォームの内容と相場

窓ガラスのリフォーム費用は、大きさや種類によって異なります。 窓ガラスの交換のみであれば、単板ガラス(厚さ3mm)なら1.5万円程度〜、強化ガラス(厚さ5mm)は2万円〜、複層ガラス(ペアガラス)は3万円〜、交換箇所の数によって加算されます。
このほか、遮断・断熱(4万円〜)や防犯ガラス(3.6万円〜)など、目的に合わせて機能性のある設備を選ぶこともできます。工期は半日から1日と比較的すぐに完了します。

サッシの取り替えには、既存の窓枠の上から新しいサッシをかぶせる「カバー工法」と、窓サッシを全て撤去した後に新しいサッシに変える「はつり工法」の2種類があります。
カバー工法は窓枠の撤去費用がかからないため、およそ8万円〜12万円で施工できますが、既存の窓枠の上から枠を設けることから、開口部が一回り小さくなってしまうというデメリットも。
窓の大きさはそのまま、窓ガラスもサッシも最新のものに交換できるはつり工法は、窓周辺の壁を壊してつくり直す工程が必要となるため、リフォーム費用はおよそ25万円〜30万円。窓やサッシの種類、グレード、工法によって価格・工期が変わります。

窓をチェックする作業服の男性のイメージ

目的に合わせてガラスの種類や工法を選定しましょう(写真/PIXTA)

外壁・屋根のリフォーム時期・タイミング

外壁のリフォームには、塗り替え、重ね張り(カバー工法)、張り替え。屋根のリフォームには、塗り替え、重ね葺き(カバー工法)、葺き替えとそれぞれ3種類の方法があります。
工事内容によって数十万円〜数百万円と費用が大きく変わってくるので、まずはどのようなリフォームが必要なのか、外壁・屋根の状態を知ることが大切です。

外壁・屋根のリフォーム時期の見極めサイン

外壁・屋根のリフォーム時期は、工事の内容によって異なります。

【外壁リフォーム】
塗り替えは、モルタル外壁のクラック(深いヒビ割れ)を修正するなど、メンテナンスの意味合いも兼ねています。
およそ10年ごとに定期的に行うことで、見た目をきれいにできるだけでなく、建物の耐久性も維持できます。

続いて、外壁の重ね張り(カバー工法)は、既存の外壁はそのままに、新しい外壁材を上に重ねて張る方法です。
リフォーム費用は塗り替えと比べると高くなりますが、鋼板や窯業系サイディングなど、お好みの外壁材を選ぶことができ、住宅の見た目を新築のように新しくできるのがポイント。
リフォームに適した時期は、塗り替えでは解決できない状態となったときです。築20年以降に検討することが多くなります。

さらに張り替えは、既存の外壁を剥がして新しい外壁材を施工する方法です。
外壁を下地から新しくすることで、雨漏りなどの問題も解消することができます。また、断熱工事や耐震補強を同時に施工することも可能です。
適切なリフォーム時期は、外壁下地に雨漏りや内部結露などの問題が出始めるころなので、築25年~30年目あたりとなります。

【屋根リフォーム】
屋根の塗り替えは、点検も兼ねて築10年を目安に定期的に取り入れるのがおすすめです。現代の住宅に多い化粧スレートやセメント瓦といった塗装製品は全て同じと考えてOK。
そのほか、トタン屋根は5年程度、ガルバリウム鋼板は20年程度で再塗装が必要となります。

続いて、屋根の重ね葺き(カバー工法)は、既存の屋根材を撤去せずにその上に防水シートを張り、新しい屋根材を取り付ける方法です。最後にご紹介する葺き替えとは違い、屋根材を撤去せずに行う方法となります。
塗装では対応できないくらい屋根材の劣化が進んだときや、部分的な補修では対応できない場合に行います。あまり劣化が進みすぎていると、カバー工法では対応できない可能性があります。一般的には築20年目〜30年目あたりに実施することが多い方法です。

最後に、屋根の葺き替えは、築20年超~40年超(化粧スレート屋根など)、50年超(瓦屋根の場合)などの築年数が比較的古い家で行われるリフォームです。
下地からやり直すため、屋根リフォームの中では最も大掛かりな作業となり、費用も一番高くなります。

屋根の修繕を行う職人のイメージ

大切な住宅を守る外壁・屋根塗装にも注目しましょう(写真/PIXTA)

外壁・屋根リフォームの内容と相場

外壁・屋根リフォームの工事は、種類と内容によって価格も大きく変わるので、自宅にはどのような工事が必要になるのか、まずはリフォーム会社に相談をしてみましょう。
ヒビ割れや剥離の補修費用であれば80万円未満。建物の保護や防水機能を持たせるための塗装は80万円〜。張り替えもしくは重ね張りから選べる新調は150万円〜が相場となります。

塗装業者のイメージ

外壁のリフォーム費用は手法によって大きく変わります(写真/PIXTA)

リフォームを成功させるポイント

ここまでリフォーム時期の目安について築年数別・部位別に紹介してきました。
余分な出費を抑え、理想的なリフォームを叶えるためにはどんなことに気を付ける必要があるのでしょうか?

リフォームの目的と予算を設定する

暮らしの中で不便さを感じたことをきっかけに検討することが多いリフォームですが、計画を立てはじめるとさまざまな選択肢があり、迷ってしまうものです。
なぜリフォームを行うのかという目的を共有し、予算に見合ったリフォーム計画を家族で決定しましょう。

リフォームの予算をチェックする夫婦のイメージ

まずはリフォームの目的と予算を決めましょう(写真/PIXTA)

複数箇所をまとめてリフォームする

故障した設備の交換など、突発的なリフォームが必要なケースもありますが、気になる箇所をまとめてリフォームすることで、打ち合わせの手間や養生にかかるコストを削減できるため、結果としてバラバラにリフォームするよりも費用を抑えることができます。
各部位のポイントでご紹介したように、特にリフォームの依頼で多いのが劣化の早い水回りです。水回りリフォーム3点セット(もしくは4点セット)など、複数箇所をまとめてリフォームすることでお得に工事を行えるセットプランもあるので、うまく活用しましょう。

リフォーム会社の担当者から説明を受ける夫婦のイメージ

リフォームのための打ち合わせの手間も減らすことができます(写真/PIXTA)

ライフスタイルの変化に合わせてリフォームする

「子どもが独立したから」「高齢になって今のままでは暮らしにくいから」など、ライフスタイルの変化に合わせてリフォームを行うケースもたくさんあります。
使わなくなった子ども部屋の壁を取り払って広々としたリビングダイニングに変えたり、お風呂をバリアフリー仕様に変えたりと、暮らしの形に合わせたリフォームを行うことで、満足度を高めることができるでしょう。

子ども部屋で遊ぶ男の子のイメージ

子どもの成長とともに理想の間取りは変わってきます(写真/PIXTA)

まとめ

今回は、リフォームを行う時期・タイミングについて解説しました。
一生ものである住宅を長く心地よく使用するためには、修繕やリフォーム用の資金計画を立てておくことが重要です。今回ご紹介したリフォームのタイミングはあくまでも目安となりますので、日頃から設備のメンテナンスを心がけ、気になる箇所がある場合は早めにリフォームのプロに相談しましょう。

家族団らんのイメージ

計画的なリフォームで快適な暮らしを(写真/PIXTA)

構成/梨本明世(ドコドア)
取材・文/松永春香