【2025年版】お風呂・浴室リフォームでもらえる補助金と減税制度。補助額、申請方法、注意点を解説

2025年にもらえるお風呂・浴室リフォームの補助金は、子育てグリーン住宅支援事業、給湯省エネ2025事業、先進的窓リノベ2025事業など、選択肢が豊富。最新の補助金情報と併用の可否などについて解説します。併せてお風呂・浴室リフォームで所得税と固定資産税の減税を受ける方法も紹介します。

お風呂・浴室リフォームで補助金が出るイメージ

記事の目次

【2025年版】お風呂・浴室リフォームでもらえる補助金

国が住宅省エネ2025キャンペーンと銘打って行っている補助金事業には、子育てグリーン住宅支援事業、先進的窓リノベ2025事業、給湯省エネ2025事業などがありますが、これらの補助金事業全てにお風呂・浴室リフォームで利用できる補助金があります。順に紹介していきましょう。

子育てグリーン住宅支援事業2025

リフォームの場合は全ての世帯が利用できる

子育てグリーン住宅支援事業は一部の新築住宅を除き、子育て中の世帯だけでなく、全ての世帯を対象とした補助金事業です。

補助金額は工事の内容によって異なり、リフォームについては1戸あたり上限60万円、または上限40万円となっています。

子育てグリーン住宅支援事業の補助金額
補助金額
Sタイプ:上限60万円/戸
Aタイプ:上限40万円/戸

※Sタイプは必須工事①~③の全てを、Aタイプは必須工事①~③のうち、いずれか2つを実施した場合。必須工事の内容については以下を参照

子育てグリーン住宅支援事業2025の補助金がもらえるリフォーム工事

子育てグリーン住宅支援事業の補助金対象となるリフォーム工事は、2つ以上やる必要のある必須工事と必須工事と一緒に行えば補助が受けられるそのほかの工事に分けられます。

子育てグリーン住宅支援事業のリフォーム必須工事と附帯工事
必須工事 ①開口部断熱の改修
②躯体の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
附帯工事※ ④子育て対応改修
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
※必須工事と併せて行う場合に補助対象となります

お風呂・浴室リフォームでもらえる子育てグリーン住宅支援事業2025の補助金

お風呂・浴室リフォームでもらえる子育てグリーン住宅支援事業の補助金をまとめたのが下表です。
ユニットバス交換リフォームを行うだけでは、補助の対象にはなりませんが、その中に含まれている機器類や関連する機器、仕様が対象であれば補助金がもらえます。

お風呂・浴室リフォームでもらえる補助金(子育てグリーン住宅支援事業2025)
補助金の対象工事 補助額
必須工事(開口部の断熱改修) 窓の断熱 1万3500円※1
必須工事(エコ住宅設備の設置) 太陽熱利用システム 3万円/戸
高断熱浴槽 3万2000円/戸
高効率給湯器 3万円/戸
節湯水栓 6000円/台
子育て対応改修 浴室乾燥機 2万3000円/台
防犯性を向上させる窓 2万6000円※2
窓の騒音対策 1万円※3
バリアフリー改修 手すりの設置 6000円/戸
段差解消 7000円/戸
※1 サイズ1.6m2以上2.8m2未満の内窓設置の場合
※2 サイズ1.6m2以上2.8m2未満の外窓交換の場合
※3 サイズ1.6m2以上2.8m2未満の内窓設置の場合

注意したいのは、補助額が5万円以上にならないと補助金がもらえないことです。例えば高断熱浴槽と手すりの設置だけでは補助額合計が3万8000円にしかならないので補助金はもらえません。

なお、子育てグリーン住宅支援事業において必須工事のカテゴリー①の「開口部の断熱改修」の工事やカテゴリー③「エコ住宅設備の設置」の工事を申請しない場合でも、後で紹介する「先進的窓リノベ2025事業」や「給湯省エネ2025事業」などの交付決定を受けている時は、それらの工事を行ったものとして取り扱いますが、いずれの場合も、 子育てグリーン住宅支援事業の対象工事である①~⑧の補助額の合計が5万円以上である必要があり、他事業の補助額を含めることはできません。

子育てグリーン住宅支援事業2025の申請期限

子育てグリーン住宅支援事業の補助金の申請期限は遅くとも2025年12月31日となっていますが、事業の予算が上限に達し次第締め切られます。希望する場合は早めに対応しましょう。

子育てグリーン住宅支援事業の申請者

子育てグリーン住宅事業の補助金を申請するのは、リフォームを行ってくれるリフォーム会社など工事事業者です。事業の事務局に登録している事業者でなければ申請できないので、工事請負契約を結ぶ前に確認しましょう。補助金は最終的に施主が受領します(事前に双方の合意があれば手数料が発生する場合があります)。

詳細は、子育てグリーン住宅支援事業(リフォーム)のホームページで確認してください。

給湯省エネ2025事業

お風呂・浴室リフォームに縁が深いのは給湯器です。給湯省エネ2025事業は、採用した高効率給湯器に応じて補助金がもらえます。

子育てグリーン住宅支援事業にも高効率給湯器が補助対象としてラインナップされていて、エコキュートなど給湯省エネ2025事業と重複しているものもあります。ただし同じ性能レベルの製品を採用しても補助額は給湯省エネ2025事業のほうが多いです。

給湯省エネ2025事業と子育てグリーン住宅支援事業2025は併用できるので、同一リフォーム内で給湯器に関してはこちらの事業の補助金を選ぶことができます(同じ機器の補助金を複数の事業から重複してもらうことはできません)。

ただほかの機器に比べて価格が安く導入しやすい高効率ガス給湯器エコジョーズは、単体ではこちらの事業の対象ではありません(子育てグリーン住宅支援事業では補助対象)。給湯省エネ2025事業においてエコジョーズはエコキュートと併用するハイブリッド給湯器として対象になっています。ハイブリッド給湯器はエコキュートの貯湯タンクのお湯がなくなったときに、瞬発的にガス給湯器が働いてお湯を供給する仕組みです。

お風呂・浴室リフォームでもらえる補助金(給湯省エネ2025事業)
種類 補助額
ヒートポンプ給湯器
(エコキュート)
基本補助額:6万円/台
性能加算額最大7万円/台
ハイブリッド給湯器
(エコキュート+エコジョーズ)
基本補助額:8万円/台
性能加算額最大7万円/台
家庭用燃料電池
(エネファーム)
基本補助額:16万円/台
性能加算額:4万円/台
一戸建てはいずれか2台まで、共同住宅等はいずれか1台まで対象

給湯省エネ2025事業の申請期限は遅くとも2025年12月31日ですが、事業の予算が上限に達し次第締め切られます。申請は給湯省エネ2025事業の事務局に登録したリフォーム会社などが行います。

詳細は、給湯省エネ2025事業のホームページで確認してください。

給湯省エネ2025事業でもらえる各機器の補助金の図

給湯省エネ2025事業でもらえる各機器の補助金

先進的窓リノベ2025事業

古いお風呂の寒さは窓の断熱性が低いことも大きく影響しています。先進的窓リノベ2025事業は窓(および玄関ドア・勝手口ドア)の断熱に特化した補助事業です。窓の断熱リフォームに関しては子育てグリーン住宅支援事業よりも同じ仕様でも補助金が多くもえらえるので、こちらの事業を利用するのがオススメです。

補助額の上限は1戸あたり200万円

先進的窓リノベ2025事業の補助額の上限は200万円/戸ですが、お風呂しかリフォームしない場合は、窓は多くの場合1カ所となります。先進的窓リノベ単独で補助額が5万円以上あるというのがこの事業で補助金をもらう条件となっているので注意が必要です。

下表にあるようにカバー工法による外窓交換の場合、1.6m2以上2.8m2未満の窓だとSランク性能で補助金は11万円となります。ガラス交換だと1カ所では補助額5万円以上の条件を満たさない場合があります。

なお、窓断熱の方法は以下の通りです。サッシ枠が建物の構造躯体に食い込んで設置されているので、外壁を壊して枠を撤去するのか、枠を残したままリフォームするのかの違いです。工事費はサッシ枠を壊す方法のほうが高くなります。

【サッシ枠を残す】
  • ガラス交換(断熱性の高いガラスに変える。アタッチメントが必要もしくは薄い真空ガラスを使用)
  • 内窓設置(既存の窓の内側にもう1つ窓を設置して二重窓に)
  • カバー工法(サッシ枠を残して外窓交換)
【サッシ枠を撤去する】
  • はつり工法(サッシ枠を撤去して外窓交換)

内窓の図解

既存の窓はそのまま、屋内側にもう一枚窓を設置するのが内窓

窓のカバー工法の図解

既存の窓枠を残して新たに枠をかぶせ新しい窓を設置するカバー工法

なお、ここでいう「外窓」とは外気に面した窓、つまり現在ある窓のことです。

補助額はリフォーム方法と窓のサイズ、断熱性能によって変わります。
以下はカバー工法による外窓交換の場合の補助金です。

お風呂・浴室リフォームでもらえる補助金(先進的窓リノベ2025事業)
外窓交換(カバー工法)
外窓のサイズ 性能区分 補助額/カ所
2.8m2以上 A 11万7000円
S 14万9000円
P(SS) 22万円
1.6m2以上2.8m2未満 A 8万7000円
S 11万円
P(SS) 16万3000円
0.2m2以上1.6m2未満 A 5万8000円
S 7万4000円
P(SS) 10万9000円
※一戸建て住宅または3階建て以下の集合住宅の場合

先進的窓リノベ2025事業の申請期限も遅くとも2025年12月31日です。こちらも事業の予算が上限に達し次第締め切られます。各々の事業で予算の費消状況は異なるので注意しましょう。 申請は先進的窓リノベ2025事業の事務局に登録したリフォーム会社などが行います。

詳細は、先進的窓リノベ2025事業のホームページで確認してください。

長期優良住宅化リフォーム推進事業(2025)の補助金

※本事業の交付申請は、2025年1月31日をもって締め切られています。以下は令和6年度長期優良住宅化リフォーム推進事業の概要です。

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、住宅の性能を向上させ、長持ちする家にするためのリフォームに補助金を出す制度です。したがって、耐震や断熱といった必須工事を行わなければ補助金はもらえません。

長期優良住宅化リフォーム推進事業でもお風呂・浴室のリフォームが補助の対象になることがあります。構造躯体の劣化対策の観点から、在来工法の浴室を防水性のよいユニットバスに交換した際に補助金がもらえるというものです。
しかし、性能向上のリフォームを行わなければ、お風呂だけリフォームしてもこの制度の補助金の対象にはなりません。

長期優良住宅化リフォーム推進事業の上限額は?

リフォーム後の住宅性能が一定の性能基準を満たすなどの条件を満たした場合は、以下の補助金をもらえます。
補助額は補助対象リフォーム費用の3分の1で、上限は以下のとおりです。

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金額の上限は最大80万円または160万円です。
上限額80万円と160万円の違いは長期優良住宅(増改築)の認定を取得するかしないかの違いによるものです。

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助限度額
長期優良住宅(増改築)認定を取得しないものの、一定の性能向上が認められる場合 80万円/戸
長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合 160万円/戸

ただし、以下のいずれかの要件を満たす場合、事業タイプごとの補助限度額に、50万円/戸が上限として加算されます。

  • 三世代同居対応改修工事を実施する場合
  • 若者・子育て世帯が工事を実施する場合
    • 若者…令和7年4月1日時点で40歳未満の世帯
    • 子育て世帯…令和7年4月1日または交付申請日時点で18歳未満の子を有する世帯
  • 既存住宅購入者が工事を実施する場合
    • 自ら居住する既存住宅を購入し、売買契約後1年以内に工事に着手することが要件
長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助上顎(三世代同居対応リフォーム、若者・子育て世帯または既存住宅購入者がリフォームした場合)
長期優良住宅(増改築)認定を取得しないものの、一定の性能向上が認められる場合 130万円/戸
長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合 210万円/戸

詳細は、長期優良住宅化リフォーム推進事業のホームページで確認してください。

介護保険による助成

介護保険による助成は、自宅で生活している要支援、要介護の認定を受けている人が暮らしやすいようにする工事が対象で、締め切りがなく通年実施されています。
お風呂・浴室リフォームは、手すり設置と床段差の解消など一部の工事が給付の対象になります。

介護保険からの給付額は上限18万円

介護保険からの給付額は、給付対象の工事にかかった費用の9割(収入によっては8割または7割)が介護保険から給付されます。対象となる工事費の上限は20万円なので、給付される額は最大で18万円となります。

お風呂・浴室リフォームで介護保険の給付対象になるものは?

お風呂・浴室のリフォームの場合は、以下の工事が給付の対象となります。

  • 手すり設置
  • 出入り口の段差解消
  • 床の材料を滑りにくいものとする
  • 出入り口ドアを引き戸、折戸などに変える
  • 浴槽をまたぎやすいものに変える
  • 浴室の洗い場のかさ上げ工事
  • 上記工事に伴う解体・処分

ユニットバスに交換する場合は、その仕様が給付対象になるかを確認しましょう。工事費は、ユニットバスの価格を扉、床、浴槽に按分して算出することになっています。
壁や天井、シャワーなどの器具類は対象外なので除いて計算します。

介護保険による住宅リフォームは、ケアマネジャーが制度について詳しいので、相談しながら進めましょう。

介護助成を受けられる浴室改修を図示

介護保険による助成を受けられる浴室改修の例

自治体によるお風呂・浴室リフォームの補助金

自治体によってはお風呂・浴室リフォームの補助金を出しているところがあります。
各地の自治体のリフォーム補助制度は、地域、支援内容などを住宅リフォーム推進協議会のホームページで検索できます。

補助金制度の併用について

各補助金を併用できるのかどうかについてまとめます。

子育てグリーン住宅・給湯省エネ・窓リノベは補助箇所が重複しなければ併用可

ここで紹介した子育てグリーン住宅支援事業、給湯省エネ2025事業、先進的窓リノベ2025事業は、国土交通省、経済産業省、環境省が共同で行っている住宅省エネ2025キャンペーンの一環です。どの事業も併用して利用することができます。
ただし、いずれかの事業で補助金をもらったリフォーム工事については、ほかの事業で重複して補助金をもらうことはできません。

それぞれの事業が対象としている製品をチェックし、複数の事業で同じ製品がリストアップされている場合は、補助額の多いほうを選択することができます。

子育てグリーン住宅支援事業、先進的窓リノベ2025事業、給湯省エネ2025事業の補助額の違いをイメージできる図

子育てグリーン住宅支援事業は幅広い工事や機器が対象になっています。先進的窓リノベ2025事業は開口部に特化した事業で補助金の上限額が高くなっています。給湯省エネ2025事業は、機器あたりの補助金額が多いです。

併用する場合はワンストップ申請で行う

子育てグリーン住宅支援事業、先進的窓リノベ2025事業、給湯省エネ2025事業は、それぞれの事務局に交付申請を行います。窓および給湯器については、同じ製品でも事業によって補助額が異なるので、どの事業の補助金を利用するのかを検討して申し込む必要があります。

そこで、手続きを簡略化するために用意されているのが「ワンストップ申請」の申請補助ツールです。同一契約に基づくリフォーム工事についての情報をまとめて登録することで、最も有利な補助額になるように工事の割り振りを行い、各事業の交付申請書類を一括して作成、提出できるようにしているものです。

申請するのはリフォーム会社などの事業者なので、施主本人はリフォーム会社などとよく相談して、有利な選択をしてもらいましょう。

長期優良住宅化は子育てグリーン住宅・給湯省エネ・先進的窓リノベと併用不可

子育てグリーン住宅・給湯省エネ・先進的窓リノベで補助金をもらったリフォームについて重複して長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金をもらうことではできません。
これは長期優良住宅化リフォーム推進事業に限らずほかの国の補助事業であっても同じ扱いです。

自治体の補助金制度との併用は?

自治体の補助制度については、子育てグリーン住宅・給湯省エネ・先進的窓リノベと併用が可能です。ただし、自治体の補助制度でも国費が充当されて実施されているものがあり、その場合は併用不可です。

自治体の制度を利用する前に併用が可能か、補助金は加算できるのかなどを役所に確認しておきましょう。

お風呂リフォーム補助金の申請方法

リフォーム会社が補助申請するケースと自分で申請するケース

リフォームの補助金は、工事内容にかかわるものが多く、書類も専門的になるため、リフォーム会社など工事業者が補助申請を行うケースが増えています。

上記で紹介している子育てグリーン住宅・給湯省エネ・先進的窓リノベ・長期優良住宅化リフォーム推進事業の申請は全て、各々の事業の事務局に登録しているリフォーム会社などが行います。

一方、介護保険による助成は、自分で申請します。

自治体の制度については、自治体あるいは制度によって対応が異なる可能性もあるので、自治体に確認しましょう。施主が申請する場合でも、リフォーム会社は地元の業者に限られるといった制約がある場合もあるので気をつけましょう。

リフォームの補助と申請者
補助の種類 申請者
子育てグリーン住宅支援事業 リフォーム会社など工事事業者
先進的窓リノベ2025事業
給湯省エネ2025事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業
介護保険の住宅改修 本人
自治体の補助 制度による

補助金申請のタイミング

子育てグリーン住宅・給湯省エネ・先進的窓リノベの交付申請は工事完了後

子育てグリーン住宅支援事業・給湯省エネ2025事業・先進的窓リノベ2025事業の交付申請のプロセスは次のとおりです。
着工後に交付申請の予約ができ、交付申請は工事完了後となります。申請者はいずれもリフォーム会社です。

  • 事業に登録済みのリフォーム会社と工事請負契約を締結
  • 工事に着手
  • 着工後に補助金交付申請の予約が可能(3カ月間有効)
  • 工事完了・引き渡し
  • 工事完了後に交付申請
  • 書類審査を経て交付決定
  • リフォーム会社に補助金が振り込まれる
  • リフォーム会社から補助金を受け取る

なお、受け取った補助金については工事費に充当する方法か、現金で受領するかを施主が選べます。

長期優良住宅化リフォーム推進事業の交付申請は住宅登録後

長期優良住宅化リフォーム推進事業の交付申請もリフォーム会社が行います。補助金の申請を行うタイミングは、インスペクション(住宅検査)を行い、住宅登録(施主や所在地等の情報を登録)をし、着工した後です。

流れは以下のとおりです。

  • 事業に登録済みのリフォーム会社と工事請負契約を締結
  • 契約・インスペクションの後、住宅登録
  • 着工後に補助金交付申請
  • 工事中に補助金交付決定
  • 完成・引き渡し後に完了実績報告
  • 補助金額の確定
  • リフォーム会社に補助金が振り込まれる
  • リフォーム会社から補助金を受け取る

補助金をリフォーム会社への支払いに充当するか、現金でもらうかを選べます。

介護保険の補助金は工事開始前に事前申請、完了後に正式申請

介護保険の住宅改修の補助金申請は、最初に役所の担当課に住宅改修が必要な理由や見積書など必要書類を提出、工事完了後に支給申請を行います。

申請の流れは原則、以下のとおりです。

  • 住宅改修についてケアマネジャーに相談
  • 工事を行う前に必要書類(支給申請書、改修が必要な理由書、見積書など)を役所の担当課に提出
  • 工事完了後、かかった費用の領収書、工事前と工事後の写真などを添えて正式に申請

申請は施主本人が行いますが、ケアマネジャーなどの代理申請も可です。

お風呂・浴室リフォームの補助金を試算(住宅省エネ2025キャンペーンの場合)

お風呂・浴室リフォームに使える補助金を子育てグリーン住宅支援事業、給湯省エネ、先進的窓リノベからピックアップして試算してみましょう。

まず子育てグリーン住宅支援事業のエコ住宅設備から高断熱浴槽、節湯水栓が使えます。さらに同子育て対応改修から浴室乾燥機が、同バリアフリー改修からは手すり設置と段差改修が使えます。
高効率給湯器はエコキュートを採用するとして給湯省エネ2025事業の補助金が多いのでそちらを申請します。
また、窓も先進的窓リノベ2025事業の補助金が多いので、そちらを利用します。

結果的には以下の補助金がもらえます。

お風呂・浴室リフォームの補助金シミュレーション

【子育てグリーン住宅支援事業】
高断熱浴槽:3万2000円
節湯水栓:6000円
浴室乾燥機:2万3000円
手すり設置:6000円
段差解消:7000円

【給湯省エネ2025事業】
エコキュート:6万円

【先進的窓リノベ2025事業】
外窓交換(カバー工法):11万円(サイズ1.6m2以上2.8m2未満、性能ランクS)

補助金合計:24万4000円

3つの補助金事業を組み合わせたお風呂・浴室リフォームの補助金例を図示

3つの補助金事業を組み合わせたお風呂リフォームの補助金例
※カバー工法、サイズ1.6m2以上2.8m2未満、性能ランクSの場合

お風呂・浴室リフォームの補助金を試算(長期優良住宅化リフォーム推進事業の場合)

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助制度では、木造住宅のお風呂を在来工法の浴室からユニットバスに変えると補助金が出ますが、お風呂リフォームだけでなく、家全体の構造駆体の劣化対策や耐震性、省エネなどを一定の性能まで引き上げる工事が必要です。

それらの工事を行った場合に、いくらかかるのかはリフォームする家の状態によるので一概にはいえません。これもこの制度の必須であるインスペクション(住宅調査)の上で、見積もりをもらわないと費用はわかりません。該当する工事費が出た段階で補助金額も算出できます。

補助金は前述のように最大で210万円(三世代同居などの加算含む場合)になります。

お風呂の費用に関しては、在来工法からユニットバスへの交換で8万円。ユニットバスの大型化・バリアフリー化で23万円の補助金が設定されています(長期優良住宅化交付申請等マニュアル別表6の補助工事単価による)。

必須工事を含めて全体プランの中で、お風呂・浴室リフォームも検討しましょう。

お風呂・浴室リフォームの補助金を試算(介護保険による改修助成の場合)

介護保険による改修助成の場合は、かかった費用の9割(所得によって8割または7割)ですから、改修の一般的な費用の目安からどんなことが給付金の範囲でできるかを考えてみましょう。

下表は、介護保険改修の条件がそろったユニットバスに交換する場合の費用の目安です。
介護改修では、ユニットバスを採用する場合、ユニットバスの税抜き価格+設置費を床20%、浴槽15%、扉10%に按分して算出することになっているので、それに準じて表を作成しています。

ユニットバスの工事費例
補助対象工事の部位 費用例※
手すり 2万円
床(素材・段差) 20万円
浴槽 15万円
10万円
合計 47万円
※ユニットバスの設置費を100万円(税抜き)とした場合。残りの53万円は壁・天井、機器類など補助対象外の費用

上記ですでに介護改修の最大工事費20万円をオーバーしているので、補助金は最大額の18万円(9割給付の場合)がもらえます。

お風呂・浴室リフォームの補助金申請の注意点

予算に達すると途中で打ち切りになる

多くの補助金制度は締め切りが設定されていますが、予算に基づいて運営されているため、予算に達し次第締め切られます。
介護改修のように締め切りがないものもありますが、一般の補助金制度は制度が発表されたら締め切りを確認し、なるべく早く対応することをオススメします。

省エネ基準など対象製品が決まっている

補助金制度は一定の条件を満たすことでもらえるものです。とくに省エネ性能の条件を満たさなければならない制度が多いです。

例えばここで紹介した子育てグリーン住宅支援事業・給湯省エネ2025事業・先進的窓リノベ2025事業、長期優良住宅化リフォーム推進事業では、求められる省エネ性能が決まっていて、設備や建具は対象となる製品から選ぶことになります。

製品選びはある程度リフォーム会社におまかせできますが、自分でもホームページなどでチェックしておきましょう。

補助金をもらうためのリフォーム会社選び

補助金の事務局に登録しているリフォーム会社を選ぶ必要がある

ここで紹介した国の補助金は介護改修を除いて、各々の事務局に登録している会社から選ぶ必要があります。登録していない会社でリフォームをしても補助金はもらえません。 リフォーム会社を選ぶ際には、登録を済ませているかどうかを確認しましょう。

工事請負契約から補助金受領までの流れ図

工事請負契約から補助金受領までの流れ。事務局に登録しているリフォーム会社と工事請負契約を結び、補助金はリフォーム会社を通して受け取ります。

リフォーム会社から見積もりをもらって比較検討

実際に依頼するまでにはリフォーム会社から見積もりをもらって検討する必要があります。
まずは、気になるリフォーム会社に行ってみるなど相談をしてみて、これはという会社に出会えたらリフォームする自宅を見てもらって、点検をしてもらいましょう。

お風呂なら、どんなサイズが入るのか、どのような製品がオススメなのかなどを聞いてみて、見積もりを出してもらいます。
複数の会社に見積もりを出してもらい、比較検討するのがいいでしょう。

自治体の場合は地元の事業者限定の場合もある

自治体の補助金は、地元企業に依頼することを条件としている場合があります。
その場合は、近所の口コミで会社の評判などを聞いてみたり、実際、工事を行った家に行って見せてもらうのも選ぶのに参考になるでしょう。

お風呂・浴室リフォームで使える減税制度

お風呂をバリアフリーにすると所得税と固定資産税の減税措置が受けられます。

バリアフリー減税の対象となる工事

お風呂・浴室を一定の要件を満たすバリアフリー仕様にすると所得税が控除されます。
対象となる工事は、浴室の拡大、またぎやすい浴槽に変える、手すり設置、滑りにくい床材に変える。出入り口を引き戸に変えるなどです。
なお、上記の工事を行って、標準的な工事費(国土交通省が決めたもの)の合計から補助金等を引いた額が50万円を超えなければ適用されません。

バリアフリー減税の対象となる人

いずれかの工事を行えば工事費が控除の対象になりますが、控除対象となる人にも以下の条件があります。

  • 50歳以上
  • 要介護または要支援の認定を受けている
  • 所得税法上の障がい者本人または同居している親族
  • 65歳以上の高齢者である親族と同居している

バリアフリー減税の控除額

上記の条件を満たすと工事費200万円までが控除対象で、控除率は10%、控除額は20万円までとなります。
なおバリアフリー工事と併せて行うほかの工事も対象となり(この場合は控除率5%)、合わせて工事費の限度額は1000万円、限度額いっぱいに工事を行うと最大控除額は60万円となります。

バリアフリーリフォームによる固定資産税の減額

バリアフリーリフォームの固定資産税減額幅は、家屋部分100m2の税額の3分の1です。100m2を超える部分や土地部分は減額されません。

なお所得税控除のバリアフリーリフォームの要件と固定資産税の減額の要件は一部異なります。詳細は管轄の役所か税務署で確認しましょう。

まとめ

今お風呂・浴室リフォームでもらえる補助金は、子育てグリーン住宅支援事業、給湯省エネ2025事業、先進的窓リノベ2025事業が代表的。大規模リフォームをするなら長期優良住宅化リフォーム推進事業も候補になります。要介護・要支援の人の場合は、介護保険による住宅改修補助もあります。自分がしたいリフォームに合わせて有利な制度を選びましょう。

イラスト/尾黒ケンジ