和式トイレを洋式トイレにするリフォーム費用はいくら? 費用相場から洋式トイレの価格、施工事例、工事期間まで紹介

現在、自宅が和式トイレの場合、洋式トイレへのリフォームを考えている人は多いのではないでしょうか。しかし和式トイレから洋式トイレへは、簡単にリフォームできるのでしょうか? 費用や工事期間は? どんな洋式トイレがある? そんな疑問や不安をここで解消しましょう。

和式トイレと洋式トイレ

和式トイレから洋式トイレにリフォームすることで、トイレ事情がとても快適になります(画像/PIXTA)

記事の目次

和式トイレから洋式トイレにリフォームするメリットとは?

和式トイレから洋式トイレにリフォームすると、どんなメリットがあるのでしょうか。
まず使用する際の姿勢が楽になります。しゃがむのではなく座るので、足腰への負担が少なく、特に高齢者や妊婦、要介護者は格段に使いやすくなるでしょう。
また和式トイレから洋式トイレに変えるだけで、節水もできます。和式トイレはだいたい1回流すのに20L程度の水を使いますが、現在の洋式トイレなら約4〜6Lで済みます。
さらにいくつもの快適機能も使えます。代表的なのは温水洗浄機能、つまり「お尻を水やお湯で洗える」機能です。例えば手に付いた泥を落としたいとき、いきなりティッシュで拭かないように、お尻も最初に水やお湯で汚れを落としてから紙で拭くのが効率的です。
また便座部分を温める機能も、寒い冬の時期にお尻がひんやりしないため人気です。
このように和式トイレから洋式トイレにリフォームするだけで、トイレ事情がかなり快適になるハズです。

■和式トイレから洋式トイレにリフォームするメリット
  • 使用する際の姿勢が楽になる
  • 洋式トイレに変えるだけで大幅に節水できる
  • 温水洗浄機能など快適機能が使える

洋式トイレのメリット

和式トイレから洋式トイレにリフォームすることで「姿勢が楽になる」「大幅に節水できる」「快適機能が使える」といったメリットがあります(画像/PIXTA)

和式トイレを洋式トイレにリフォームする費用

和式トイレを洋式トイレにリフォームする費用は、主に洋式トイレ本体の価格と、工事費用です。まずは洋式トイレ本体の価格について見ていきましょう。

洋式トイレは3タイプある

洋式トイレは主に「組み合わせトイレ」「一体型トイレ」「タンクレストイレ」の3タイプがあり、それぞれ特徴があります。また価格も3タイプで違いがあります。

さらに冒頭で述べたように、最近の洋式トイレは機能が豊富で、それらの有無によっても価格が変わります。そのため最初にどのタイプにするか決めて、それから機能やデザインで選ぶようにするとスムーズです。

それではまず、3タイプそれぞれの特徴や価格の目安を説明します。

組み合わせトイレの特徴・メリット/デメリット・価格の目安

組み合わせトイレ

便座と便器、タンクが分かれている組み合わせトイレの「キュアーズ コア」(写真提供/ジャニス)

組み合わせトイレとは、便座と便器、水をためるタンク部分が分かれているタイプのことで、それぞれを組み合わせて設置する洋式トイレです。便器とタンクが1セットで販売されているトイレもあります。
温水洗浄機能がないなど、機能を絞った便座を選べるので、価格を安く抑えられるのがメリットです。またタンクに水をためるので、断水になってもタンク内の水が空になるまで使えるほか、タンクの水がなくなってもお風呂の残り湯などを便器に直接注ぐことで流すことができます。

一方で、便器とタンクが分かれているため、その分奥行きが必要になります。また便器とタンクを別々に拭かなければならないので、掃除の手間がかかります。そのほか、タンクに水がたまらないと流せないので、連続で流したい場合は少し待つ必要があります。

本体価格(便器+便座+タンク)の目安は、便座や便器の機能等により約10万円〜約30万円。ただし、リフォーム会社によってはさらに安く購入できる場合があります。

・組み合わせトイレのメリット・デメリット
メリット デメリット
  • 本体の価格を安く抑えられる
  • 本体に手洗い器を備えられる
  • 断水時でも数回使える
  • 奥行きがあるのでスペースが必要
  • 掃除の手間がかかる

・組み合わせトイレの価格の目安
約10万円〜約30万円

一体型トイレの特徴・メリット/デメリット・価格の目安

一体型トイレ

便座と便器、タンクが一体型になっている一体型トイレのアメージュシャワートイレ。左が手洗い器付き、右が手洗い器なし(写真提供/LIXIL)

一体型トイレとは、便座と便器、タンクが一体型になっているトイレを指します。組み合わせトイレと比べて、タンクと便器が分かれていないので掃除が簡単になります。またスタイリッシュな形のトイレを選びやすくなります。
一方で、奥行きは組み合わせトイレとあまり変わらないトイレもあるので、購入時にサイズを比較して検討するようにしましょう。また同じトイレでも、タンク上部の手洗い器がないタイプもありますから、手洗い器をトイレ内に別途設置するのか、タンク上部に備えるかあらかじめ検討しておきましょう。
そのほか組み合わせトイレ同様、タンクに水をためるので、断水になっても数回タンク内の水が空になるまで使えるほか、タンクの水がなくなってもお風呂の残り湯などを便器に直接注ぐことで流すことができます。

本体価格の目安は、便座や便器の機能等により約20万円〜約30万円。ただし、リフォーム会社によってはさらに安く購入できる場合があります。

・一体型トイレのメリット・デメリット
メリット デメリット
  • タンクレストイレより本体の価格を安く抑えやすい
  • 組み合わせトイレより掃除がラクになる
  • 本体に手洗い器を備えられる
  • 断水時でも数回使える
  • 一般的にタンクレストイレより奥行きがあるのでスペースが必要
  • 一体型トイレより本体の価格が高い
  • 手洗い器なしのタイプを選ぶと、別途手洗い器を設置する必要がある

・一体型トイレの価格の目安
約20万円〜約30万円

タンクレストイレの特徴・メリット/デメリット・価格の目安

タンクレストイレ

タンクがなく、奥行きが比較的短いタンクレストイレの「アラウーノS160シリーズ」(写真提供/パナソニック)

タンクレストイレとは、文字通りタンクのないトイレのことです。タンクにめた水で流すのではなく、水道水で直接流します。そう聞くと節水性能が不安になる人もいるかもしれませんが、節水機能はほかの2タイプと同じか、中にはほかのタイプより節水できるタンクレストイレもあります。
メリットとしては、タンクがないため高さがなく、奥行きも比較的短いためトイレ空間がスッキリと見えることです。またタンクのない一体型のフォルムのため、掃除がしやすく、デザイン性も3タイプの中では最も高いといえます。
さらにトイレメーカーとしては主力商品になるので、最新技術が用いられ、快適機能もたくさん用意されています。同じメーカーなら最も節水性の高いトイレは、たいていタンクレストイレです。

デメリットは、タンクがないため断水すると流すことができなくなります(ただしお風呂の残り湯などを便器に直接注ぐことで流すことができます)。
また電気を使って水を流すので、停電でも流せなくなります。このような場合は断水時と同様、お風呂の残り湯などを便器に直接注いで流す必要があります。
なお停電時に関しては、電池を使って流せるようにするなど、トイレメーカー各社で停電対応が行われているので、購入前に調べておくとよいでしょう。
またタンクレストイレは手洗い器がありませんので、別途トイレ内に備える必要があります。
本体価格の目安は、便座や便器の機能等により約20万円〜約40万円。ただし、リフォーム会社によってはさらに安く購入できる場合があります。

・タンクレストイレのメリット・デメリット
メリット デメリット
  • コンパクトで、デザイン性が高いのでトイレ空間をスッキリできる
  • タンクがないので掃除がラク
  • 高機能タイプを選ぶことができる
  • 価格が高い
  • 手洗い器を別途設置する必要がある
  • 断水時に水が流せない
  • 停電時に水を流すのが面倒

・タンクレストイレの価格の目安
約20万円〜約40万円

和式トイレを洋式トイレにリフォームする工事方法と費用

和式トイレを洋式トイレにリフォームする場合、たいていは既存のトイレ空間を一度解体して作り直す必要があります。
そのため、洋式トイレから洋式トイレにリフォームするより、和式トイレから洋式トイレにリフォームするほうが費用はかかりがちになります。特にコンクリートで段差を設けた和式トイレの場合は、解体費用がかさみます。
また温水洗浄機能をはじめ、最近のほとんどの洋式トイレは電気を使いますから、従来のトイレにコンセントがない場合、その配線工事も必要です。
さらにタンクレストイレや、手洗い器のない一体型トイレを選んだ場合、手洗い器を設置しなければなりませんので、その費用も必要になります。

手洗い器もトイレ本体同様、さまざまなデザインやグレードがあります。シンプルなボウルだけのものなら5万円くらいですが、収納やカウンターが備わると価格が上がり、キャビネット付でデザイン性も高いものだと25万円程度になる場合もあります。

段差のある和式トイレから洋式トイレへのリフォーム費用の目安は、下記のようになります。

工事内容 工事費用の目安
解体撤去費用(床の解体、便器の撤去) 約5万円〜6万円
床工事(床をフラットにして再仕上げ) 約2万円〜3万円
壁・天井工事(解体して再仕上げ) 約3万円〜4万円
電気工事(温水洗浄便座等に電気が必要) 約1万円〜2万円
給排水工事 約1万円〜2万円
新しいトイレの取り付け費用 約2万円〜3万円
トイレ本体価格 約10万円〜40万円
手洗い器(タンクレストイレや手洗い器なしの一体型トイレを選んだ場合) 約5万円〜25万円
紙巻き器 約2000円〜3000円
合計 約29万2000円〜約85万3000円

なお、和式トイレから洋式トイレにリフォームする際、トイレ空間を広げなければならないケースが少なくありません。なぜなら、和式トイレは便器の上にしゃがむだけですが、洋式トイレは便器の前に前傾姿勢で立ち上がる必要があります。そのためのスペースが必要になるからです。
従来の和式トイレの空間が広ければ問題ありませんが、たいてい古い住宅のトイレは必要最低限の広さで建てられているため、洋式トイレに変える場合トイレ空間を広げなければなりません。それに付随する費用も必要になります。
トイレ空間を広げなければならないか、広げるとしたら間取り変更を含めてどんな方法があるのか、まずはリフォーム会社に相談するようにしましょう。
そのほか、最近はトイレ空間を快適にするため内装に凝る人も多いようです。もちろん床材や壁材にこだわるほど、リフォーム費用はかかりがちになります。

和式トイレから洋式トイレにするリフォームの注意点

段差のある和式トイレをリフォームするには、段差を解消する工事が必要です。また洋式トイレを使用するには狭い場合は、空間を広げる工事も必要になります(画像/PIXTA)

和式トイレを洋式トイレにリフォームする工事期間

和式トイレを洋式トイレにリフォームする際には、上記の通り解体撤去工事や床工事、電気工事などが必要になります。そのためリフォーム工事の期間は3日〜4日かかります。
なお、工事期間中はトイレが使用できなくなりますので、買い物のついでに近くの商業施設のトイレを利用したり、災害用トイレを使用するなど対策を考えておきましょう。
リフォーム会社によっては仮設トイレを設置してくれる場合もありますが、その費用が一般的に別途かかります。あらかじめリフォーム会社に確認しておきましょう。

和式トイレから洋式トイレへリフォームした施工事例

和式トイレから洋式トイレへリフォームすると、暮らしがどのように変わるのでしょうか。またどんなトイレ空間になるのでしょうか。施工事例から見てみましょう。

■和式トイレから洋式トイレへリフォーム

雨漏りするなど、傷みが目立ち始めた築49年の一戸建て。施主は「家族みんなが快適で安心できる家」を目指し、大規模リフォームすることにしました。間取りは現在の家族構成に合うように変更し、内壁を改修して断熱性や耐震性も高めました。キッチンや浴室、洗面台など古かった水まわり設備もすべて交換。以前のトイレは和式で床に段差もありましたが、床をフラットに改修し、洋式トイレを備えました。

和式トイレのリフォーム事例

リモコン付きのタンク・便器一体型のモダンなトイレに変更。壁には手すりも備えました(写真提供/サンヨーリフォーム)

【DATA】
リフォーム費用:50万円(概算)
リフォーム部位:トイレ
住宅種別:一戸建て
築年数:49年
設計・施工:サンヨーリフォーム

和式トイレから洋式トイレへリフォームする際の注意点

和式トイレから洋式トイレへリフォームする際には、下記のような注意点があります。

トイレを和式から洋式へリフォームできないケースとは?

先述したように、和式トイレと比べて洋式トイレのほうが用を足す際の姿勢の違いで広い空間が必要になります。広げようにも間取りの関係で広げることができない場合は、洋式トイレにリフォームすることができなくなりますから、その場合はトイレの場所を移動するなど、間取り変更も検討したほうがいいでしょう。
また、タンクレストイレを使うためには一定の水圧が必要になります。たいていの一戸建てやマンションでは問題になりませんが、古いマンションの最上階や高台などで水圧が足りない場合があります。
最近は低水圧でも作動するタンクレストイレもありますが、自宅の水圧が気になる人は、リフォームを依頼する際に施工会社に水圧を調べてもらい、どのトイレなら使えるかなど相談してみましょう。

タンクレストイレ

タンクがなく、奥行きが比較的短いタンクレストイレの「ネオレストLS」(写真提供/TOTO)

洋式トイレの機能の選び方でも価格は変わる

温水洗浄機能や便座部分を温める機能は、もはや付いているのが当たり前になっています。さらに最近の洋式トイレは、便器内を自動で除菌したり、人が近づくとフタが自動で開いたり、便座と便器の隙間を掃除しやすいように便座が自動で上がったり、音楽を流してくれたり、男性が立って小用を足す際に飛沫が飛ばないようにしたり……と、とにかく機能が豊富です。それらによって、たとえ同じ商品でも価格が5万円以上違うこともあります。
洋式トイレへのリフォームを検討するなら、まずはカタログで最新のトイレにはどんな機能があるのか確認し、自分たちには何が必要なのか、あらかじめ検討しておくとよいでしょう。

簡易水洗トイレにリフォームする費用・工事方法・工事期間

簡易水洗トイレとは、下水道が整備されていない地域などで、くみ取り式トイレを水洗式トイレのように使えるトイレです。見た目は洋式トイレ(組み合わせトイレ)とほぼ同じです。また洗浄水で汚物を便槽に流してくれるので、くみ取り式トイレよりも臭いが抑えられ、見た目も清潔感があります。

ただし、くみ取り式トイレと同様、定期的にくみ取りしてもらう必要があります。また洗浄に使用した水も便槽にためるので、くみ取り式トイレよりもくみ取りの頻度は頻繁になります。

リフォーム工事の内容は床の解体や既存トイレの処分費用、給排水や電気工事などが必要になります。

和式トイレから簡易水洗トイレにリフォームする費用の目安は、工事内容にもよりますが約30万円〜50万円。工事期間は3〜4日といったところです。

和式トイレを洋式トイレにリフォームすると使える補助金・助成金・減税制度

和式トイレと比べて姿勢が楽になる洋式トイレ。そのため介護やバリアフリーを目的に、和式トイレから洋式トイレにリフォームする場合は、下記のような補助金や減税制度を利用することができます。

介護保険の住宅改修費を活用すると最大18万円まで支給される

介護保険制度には、介護のために住宅を改修する際、かかった費用の一部を支給してもらえる仕組みがあります。バリアフリー化に伴うリフォーム費用(上限20万円)の9割(18万円)まで介護保険で負担してくれます。

支給対象者は要介護・要支援認定を受けて自宅で暮らしている人。またトイレに関する工事の対象は和式トイレから洋式トイレに変える、トイレ内に手すりを取り付ける、滑りにくい床にする、出入りしやすい引き戸などに変える、段差の解消などです。

申請はケアマネジャーを通して行いますので、利用したい場合はまず担当のケアマネジャーに相談しましょう。

■介護保険制度に基づく補助金制度
要件 要支援1~2または要介護1~5認定を受けていること
補助金の額 最大20万円までのリフォームに対して最大9割(18万円)
※受ける人の収入によっては7割、8割までの場合もあり
補助金の対象となる工事
  • 洋式トイレ等への取り替え
  • 手すりの取り付け
  • 滑るのを防ぐための床材への取り替え
  • 引き戸への取り替え、など

バリアフリー化や節水トイレ採用で自治体の補助金・助成金制度を利用できる

国の制度以外でも、自治体によってはトイレのバリアフリー化や節水トイレの採用などに助成金・補助金を出している場合があります。
例えば上記の介護保険制度に基づく補助金制度では介護認定を受けている人が対象ですが、自治体によっては予防介護の観点から、介護認定を受けていない人を対象にした補助金制度を用意しているところもあります。
こうした補助金制度は各自治体によって内容が異なりますから、洋式トイレへのリフォームを検討した際には、一度お住まいの地域の役所のホームページで調べてみましょう。

バリアフリー化でリフォーム減税制度を利用できる

助成金・補助金制度のほかに、トイレなどのバリアフリーリフォームを行うと、所得税の控除と固定資産税の減額措置が受けられます。

まず所得税については「バリアフリー改修に関する特例措置」があります。これは高齢者や要介護・要支援認定者等の本人の自宅、あるいはそれらの人と同居する人の自宅をバリアフリー化するリフォームを行った時に使える制度です。
控除額は、控除対象限度額を上限として10%です。対象となる工事費の額などによって控除額は変わりますが、バリアフリーリフォーム以外のリフォームも合わせて最大1000万円までの工事費用が減税対象となり、最大60万円が控除されます。

浴室や階段の改良のほか、トイレの改修も対象で、洋式トイレへのリフォームや出入口のドアを引き戸に交換、床面積の増加、手すりを設置する工事が減税の対象です。
なお工事費用が50万円を超えないと減税対象になりませんので、トイレのリフォームだけでこの要件を満たすことが難しいなら、床の段差解消や浴室などほかのバリアフリー工事も一緒に行うことを検討しましょう。

■所得税の特例措置の主な要件
対象者 以下のいずれかに該当する者が自ら所有し、居住する住宅であること(賃貸住宅は除く)
1.50歳以上の者
2.要介護または要支援の認定を受けている者
3.障がいがある人
4.上記2もしくは3に該当する親族または65歳以上の親族と同居している者
改修工事の要件 以下のバリアフリー改修工事のいずれかに該当すること
1.通路等の幅を広げる
2.階段の勾配を緩和する
3.浴室の改良
4.和式トイレを洋式トイレにするなどの改良
5.トイレや浴室等に手すりを取り付ける
6.段差の解消
7.出入口の開き戸を引き戸にするなどの改良
8.滑りにくい床に取り替え
工事費の要件 対象となる工事費用が50万円を超えること
減額の概要 以下の1と2の合計額を所得税から控除。合計額(控除額)の上限は1000万円で控除率は下記の通り。
1.バリアフリーリフォーム費用は10%控除(対象工事費用限度は200万円)
2.1の限度額を超えた額と、そのほかのリフォームの費用の合計額は5%控除

この所得税控除制度の期限は2025年12月31日です。

一方で、固定資産税の減額制度の対象となるのは、65歳以上の人や、要介護または要支援の認定を受けている人、障がい者が暮らす家のバリアフリーリフォームです。上記の所得税控除と同様の工事が対象で、翌年分の固定資産税額の3分の1を減額してもらえます。

■固定資産税の特例措置の主な要件
対象者 以下のいずれかに該当する者が自ら所有し、居住する住宅であること(賃貸住宅は除く)
1.65歳以上の者
2.要介護または要支援の認定を受けている者
3.障がいがある人
4.上記のいずれかと同居している者
改修工事の要件 以下のバリアフリー改修工事のいずれかに該当すること
1.通路等の幅を広げる
2.階段の勾配を緩和する
3.浴室の改良
4.和式トイレを洋式トイレにするなどの改良
5.トイレや浴室等に手すりを取り付ける
6.段差の解消
7.出入り口の開き戸を引き戸にするなどの改良
8.滑りにくい床に取り替え
工事費の要件 対象となる工事費用が50万円を超えること
減額の概要 翌年度分の固定資産税から3分の1を減額

この固定資産税の減額制度の期限は2026年3月31日です。

いずれも詳細な要件がありますから、詳しくは減税制度に詳しいリフォーム会社に相談しましょう。

【2024年版】リフォームで使える補助金。対象となるリフォーム・リノベーション、補助金額や申請方法・期限は?

人気の洋式タンクレス&一体型トイレ6選

先述したように、最新の洋式トイレは高い節水性はもちろん、温水洗浄や暖房便座は当たり前に備えられています。さらに汚れが付きにくい便器や機能、掃除がラクになる機能、長くいても快適になれる機能、夜間の使用も楽になる機能……と、どんどん高機能化しています。
同じ商品名でも機能の有無で価格が変わりますから、カタログで確認することはもちろんですが、機能がたくさんあるので、できればショールームへ行ってスタッフから説明を受けてから選んだほうがいいでしょう。
たくさんある洋式トイレの中から、人気のタンクレストイレや一体型トイレを下記に紹介します。選ぶ際の参考にしてみてください。

TOTO「ネオレスト NX/LS/AS/RS」

TOTOネオレストシリーズ

写真左からAS、LS、NX、RS(写真提供/TOTO)

TOTOの「ネオレスト NX/LS/AS/RS」は同社の上位モデルで、いずれもタンクレストイレです。価格順に最上位モデルのネオレストNX、次にLS、AS、RSと続きます。
NX/LS/AS/RSの4モデルはデザインにも違いがありますが、いずれも「きれい除菌水」と「セフィオンテクト」便器を使用し、便器の内側にも縁がないため掃除がしやすい形状をしているのが特徴です。
「きれい除菌水」とは除菌成分を含む水のことで、水から作られます。このきれい除菌水が、使用する度に便器や便座裏の先端、洗浄ノズルを自動洗浄(一部の機種を除きます)してくれます。また「セフィオンテクト」便器は、表面がつるつるで汚れが付きにくい便器です。それに加えて「トルネード洗浄」技術などで、少ない水量でもしっかり流せるようにしています。
4タイプいずれも節水性が高く、大1回を3.8Lの水で流すことができます(床排水の場合)。

TOTO「GG/GG-800」

TOTO GGシリーズ

左がGG、右がGG-800(写真提供/TOTO)

TOTOの「GG/GG-800」はタンク付のトイレです。手洗い器のないのが「GG」、手洗い器付きが「GG-800」となります。GGは奥行きがタンクレストイレなみに短いのが特徴の1つです。

どちらも上記のタンクレストイレ「ネオレスト NX/LS/AS/RS」と同じく、汚れの付きにくい「セフィオンテクト」便器を使用し、便器の内側にも縁がないため掃除がしやすい形状をしています。

除菌成分を含む水の「きれい除菌水」も備わりますが、洗浄ノズルを洗浄する機能のみで、「ネオレスト」のように便器内や便座裏を洗う機能はありません。

いずれも、大1回を4.8Lの水で流すことができます。

LIXIL「サティス Gタイプ/Sタイプ」

LIXIL サティスシリーズ

左がサティスG、右がサティスS(写真提供/LIXIL)

LIXILの「サティス Gタイプ/Sタイプ」は同社の上位モデルで、いずれもタンクレストイレです。最上位モデルはGタイプで、Sタイプとはデザインが異なるほか、ノーブルブラックなどのマットカラーも選べます。
どちらも便器は「アクアセラミック」が用いられています。これは汚物が付きにくいだけでなく、水アカの固着も防ぎ、日頃のお手入れで水アカを落とし、いつでもキレイを保てる便器です。ブラシで掃除をしてもなかなか落ちない水アカは、便器の水が溜まっている水面付近にぐるりとできる「黒ずみ汚れ」の原因にもなります。

またGタイプは、男性の小用時の飛び跳ねを防ぐ「泡クッション」を発生させる機能が備わるほか、座った際に太ももがあたる便座部分の幅を広げるなどして、長く座っていられる形状になっています。一方のSタイプは奥行きが650mmしかないため、立ち上がるスペースを広く取れます。また便器の内側にも縁がないため掃除がしやすい形状です。
いずれも、大1回を5Lの水で流すことができます(Sタイプは6Lの仕様もあり)。

LIXIL「プレアスLSタイプ」

LIXIL プレアスLSタイプ

プレアスLSタイプ(写真提供/LIXIL)

LIXILの「プレアスLSタイプ」はタンク・便器一体型ながらコンパクトなフォルムが特徴のトイレです。奥行きが720mmと短く、タンク部分がコンパクトなため、トイレ空間が広く感じられます。
上記タンクレストイレの「サティス Gタイプ/Sタイプ」と同じく、便器には汚れや水アカなどがつきにくい「アクアセラミック」が用いられています。また便器の内側に縁がないため掃除がしやすい形状で、サッと一拭きで掃除できます。
大1回を5Lの水で流すことができます。

パナソニック「アラウーノ L150シリーズ/S160シリーズ」

パナソニック アラウーノL150シリーズ

アラウーノL150シリーズ(写真提供/パナソニック)

パナソニックの「アラウーノL150シリーズ/S160シリーズ」はタンクレストイレです。最上位モデルはL150シリーズで、便座のフタがホワイト+10色から選べるなど、デザイン性が高く、高機能なモデルです。
どちらも便器に、陶器ではなく「スゴピカ素材」(有機ガラス系素材)を用いているのが特徴の1つ。汚れだけでなく、水アカの付着も防ぐ素材なので、便器の水が溜まっている水面付近にぐるりとできる「黒ずみ汚れ」が付きにくくなります。
さらに洗剤の泡で自動洗浄してくれる「激落ちバブル」機能や、水面に泡のクッションを張って跳ね飛びを防ぐほか、便器からのタレや漏れを防ぐ「トリプル汚れガード」機能、自動でフタを閉じてから洗浄する「クローズ洗浄モード」機能などが備わります。ちなみに「クローズ洗浄モード」は、新型コロナウイルス感染拡大予防対策として新たに追加された機能です。
大1回を4.8Lの水で流すことができます。

ジャニス「スマートクリンシリーズ」

ジャニス スマートクリンⅢ

スマートクリンⅢ(写真提供/ジャニス)

ジャニス工業の「スマートクリンシリーズ」はタンクレストイレです。同シリーズには基本機能を重視した「Ⅲ」と、アップグレードの「Ⅲα」の2つのモデルがあり、いずれも奥行きが645mmしかないため、立ち上がるスペースを広く取れるのが特徴です。
「Ⅲα」は人が近づくとセンサーにより便座のフタが自動開閉する機能に対応しているという違いがあります。それ以外「Ⅲα」と「Ⅲ」は、デザインも含めて同じです。
便器は、汚れが落ちやすいよう通常の釉薬の上に透明なガラス層(Gコート1200・Gコート)が焼き付けられているほか、便器の縁がない形状なので掃除も簡単です。特に便器の先端はつまんで掃除ができるほどスリムになっており、従来の形と比べてフチ上の汚れを防いでくれます。
大1回を4.5Lの水で流すことができます(床排水の場合)。

まとめ

和式トイレから洋式トイレにリフォームする費用は、トイレ本体の選び方や、従来のトイレ空間の状態によって変わりますが、約30万円〜。洋式トイレに変えることで足腰への負担が少なくなるのをはじめ、メリットが多いだけに、補助金制度等を上手に使ってリフォームしてみてはいかがでしょうか。

構成・取材・文/籠島康弘

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