屋根の葺き替えリフォームの費用相場と工事期間。葺き替えの時期の目安、実例も紹介!

屋根は経年変化で劣化しやすい部分です。
屋根リフォームの方法は、築年数や状態によって、

1. 塗装
2. 重ね葺き(カバー工法)
3. 葺き替え

の3種類の方法があります。もちろんその間に不都合があれば補修や点検を行う必要があります。

屋根リフォームのうち葺き替えは、最も大掛かりな工事となり、費用もかかります。ここでは葺き替えについて、方法や費用相場、やるべき時期について説明しましょう。

ガルバリウム鋼板の屋根材に葺き替えた写真

(写真/PIXTA)

記事の目次

屋根葺き替えリフォームとは

3つの屋根リフォームをざっと紹介しておきましょう。

1. 塗装
化粧スレートや鋼板屋根など屋根材が塗装した製品の場合、経年変化で色が落ちて、撥水性が損なわれてきますので、塗り直しが必要です。とくに屋根材をいじることなく、洗浄して汚れを落とし、新しく塗り直すリフォームです。築10年目くらいに行います。

2. 重ね葺き(カバー工法)
既存の屋根材の上に、新しい屋根材を重ねて施工する方法です。
既存の屋根材が平たい場合に可能な方法で、瓦のようにS字形状の屋根材の上には重ね葺きはできません。屋根材が塗装してもきれいにならないほど表面が劣化した場合に行います。築20年から30年目あたりで行うことが多いです。

3. 葺き替え
さて、今回のテーマである葺き替えですが、既存の屋根材や防水シート(ルーフィング)を撤去して、場合によっては下地材も撤去し、新しく屋根葺き工事を行うものです。既存の屋根の劣化が著しい場合、下地材まで腐食が見られる場合に行います。

屋根の葺き替えリフォームの費用相場

屋根の葺き替えは、屋根リフォームの最終手段として、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材で葺き替えを行います。
屋根の下地となる野地板(合板)が腐食していればそれも撤去して、新しい野地板を施工します。さらに雨漏りがしていて構造材にまで被害が及んでいる場合は、部材の補強や交換も必要になります。

このように屋根の劣化状況によって葺き替え工事の内容は変わります。 また、使用する屋根材によっても費用は変わります。したがって屋根葺き替えの費用相場は、約150万円~300万円(延床面積120m2程度の木造総2階建て、標準的なガルバリウム鋼板屋根材使用の場合)と幅を見ておきましょう。

屋根の葺き替えは屋根材の種類で費用が変わる

屋根材にはいろいろな種類があり、特徴や価格も異なります。
ここで主な屋根材の種類と葺き替える場合のリフォーム費用相場を紹介します。

瓦は日本の伝統的な屋根材で、粘土を焼き締めてつくるので粘土瓦あるいは陶器瓦ともいわれます。形はS字の波型が多いです。
瓦は耐久性が高く50年程度はもち、いぶし瓦か釉薬(ゆうやく)で色付けしているので色あせる心配がありません。

ただ瓦は重いので、瓦で葺き替える場合、構造的に耐震性に問題が生じる可能性があります。既存も瓦の場合はいいのですが、既存が軽量な屋根材の場合は、重量が増えるので瓦への葺き替えは避けたほうが無難でしょう。

葺き替え費用の相場は約9000円~1万5000円/1m2(工事費含む)です。

瓦屋根の写真

(写真/PIXTA)

鋼板屋根材

鋼板屋根材の代表的なものがガルバリウム鋼板で、軽量で耐久性が高いことから屋根リフォームでよく用いられています。瓦のように重い屋根をガルバリウム鋼板に葺き替えて軽くすると耐震性が向上するためです。

ガルバリウム鋼板は、葺き方によって費用が変わり、横葺きが最も高く、以下、縦葺き、縦瓦棒葺きとなるにつれて安くなります。
縦瓦棒葺きとは下の写真のように、縦に角材を打ち付けて鋼板を巻き付け、釘で固定していく工法です。

ガルバリウム鋼鈑縦瓦棒葺き

ガルバリウム鋼板屋根材の写真

(写真/PIXTA)

したがって葺き替え費用相場は幅広く、約7000円~1万5000円/1m2(工事費含む)です。

鋼板屋根材にはほかにカラー鉄板(いわゆるトタン屋根)もあり、かつてはよく使われましたが、耐用年数が短く15年~20年程度なので、現在では張り替えるときはガリバリウム鋼板を採用するのが一般的です。

化粧スレート

化粧スレートは近年の住宅に多く使われている屋根材で、セメントを繊維で強化してスレート状にした薄い屋根材です。天然のスレートに模したデザインですが、塗装品なので経年変化で色落ちして撥水性を失います。

葺き替え費用の相場は、約7000円~8000円/1m2(工事費含む)です。

化粧スレート

化粧スレートの写真

(写真/PIXTA)
主な屋根材の葺き替え費用(単価)
屋根材の種類 1m2あたり単価
約9000円~1万5000円
鋼板屋根材 約7000円~1万5000円
化粧スレート 約7000円~8000円
※工事費含む

屋根勾配・形状によっても葺き替え費用が変わる

屋根勾配が3寸~4.5寸くらいまでは工事の際に屋根専用の足場が必要ありませんが、それ以上のきつい勾配の屋根には危険防止のための足場工事が必要となります。

この足場は建物を囲む足場とは別に屋根専用に設けるものなので、その設置費がプラスされることになり、勾配がきつくなると一般的な勾配の屋根工事より割高となります。

また、屋根形状は切妻屋根なら2面ですが、寄棟(よせむね)屋根は4面になります。
面が増えるほど工事費は高くなる傾向があります。

切妻屋根

切妻屋根の図

屋根材が載るのが2面でシンプルな切妻屋根
寄棟屋根

寄棟屋根の図

屋根材が載るのが4面の寄棟屋根

屋根葺き替えリフォームをやるべき時期の目安

屋根葺き替えは屋根リフォームの中で最も大掛かりな工事となります。いつどんなときにやるべきなのでしょうか?その目安を知っておきましょう。

雨漏りがしてきたら要点検

築10年目や20年目までは、化粧スレート系の屋根リフォームは塗装が中心で、せいぜい重ね葺き(カバー工法)です。それはまだ屋根の内部に問題がないことが多く、構造的なリフォームが不要だからです。

しかし、天井に雨染みができてきたら即点検が必要です。台風で屋根がめくれてしまったなどという場合を除けば、屋根の下地が腐食するなど劣化が大幅に進んでいる証拠だからです。信頼できるリフォーム会社に相談して、屋根と天井裏を点検してもらいましょう。

雨漏りの原因はいろいろ考えられますが、そもそもの原因は雨が浸水する隙間があることです。屋根の場合は屋根材の割れやズレ、欠けなどによって雨水が侵入し、下地の野地板を腐食させ、天井にまで及んだといったケース、あるいは屋根材のつなぎ目などは板金で覆っているので板金が錆びたり曲がったりしてしまった場合も浸水の原因になります。

雨漏りがあった場合はすぐにその原因を調べてもらい、補修ですむようなら補修をしてもらいましょう。
屋根材がかなり劣化していたり、下地の野地板が腐食しているような場合は、一般的には屋根の葺き替えリフォームを行ったほうがよい、という判断になるでしょう。

天井の雨染み

天井に雨漏りの跡がある写真

(写真/PIXTA)

屋根材の種類によっても葺き替え時期は変わる

屋根材で最も耐久性の高いのは瓦(粘土瓦・陶器瓦)です。下地の劣化程度によって葺き替え時期は変わりますが、瓦屋根は40年~50年程度の耐久性があります。

化粧スレートや鋼板屋根材は、塗装製品なのでメンテナンスの度合いに大きく左右されます。10年ごとくらいの頻度で再塗装を行うことが長持ちさせる条件です。それでも平均的には20年~30年程度の耐久性と考えておいたほうがよいでしょう。

劣化がひどくなると葺き替えリフォームが必要になります。カラー鉄板はメンテナンスを怠ると、10年もしないうちに錆(さび)や塗装の剥がれが出てきます。

屋根は常に外気にさらされ、台風など災害にもあいやすい場所です。屋根材そのものの耐久性にかかわらず葺き替えリフォームが必要になる場合もあります。
台風時には強風で屋根がめくれしまうといった被害も頻繁に起きます。その場合にも補修または葺き替えが必要となります。

大きな台風ではなくとも屋根材は割れたりずれたりといった被害を受けるもので、定期的な点検は必須です。そのためにもふだんから信頼できるリフォーム会社とよい関係を築いておきましょう。

劣化して塗膜が剥がれたカラー鉄板(トタン屋根)

経年変化で塗膜が剥がれたカラー鉄板(トタン屋根)の写真

(写真/PIXTA)

屋根の葺き替えリフォームの工事期間・必要な日数

屋根の葺き替えリフォームにかかる工期は、屋根を下地からやり直す場合で2週間~3週間程度を見ておいたほうがよいでしょう。雨漏りがあって、小屋裏や天井の工事も行う場合などは3週間以上かかる場合もあります。

屋根に養生シートをかぶせてくれるので、住みながらでも工事ができます。とはいえ梅雨時などはその分、工期が長くなってしまいます。また騒音が気になる受験生がいる場合などは受験期を避けるなど、さまざまな要素を考慮して日程を決めましょう。

古い屋根材を撤去したところ

屋根を葺き替えるために古い屋根材を撤去した写真

(写真/PIXTA)

葺き替えのほかにもある屋根リフォームの方法と費用相場、工期

最初に述べたように屋根リフォームの方法は葺き替えだけではありません。
いつどのようなリフォームがふさわしいのか詳しく見ていきましょう。

定期的に必要なのが屋根の塗り直しリフォーム。費用と工期は?

化粧スレートや鋼板屋根のように塗装仕上げの屋根材を定期的に塗り直すのが、屋根の塗り直しリフォームです。
塗装には屋根材表面の保護という側面があり、色あせた屋根材を塗り直してきれいに見せるとともに、塗ることで屋根材の耐久性を維持するねらいもあります。

塗り直しのタイミングは築10年目あたりから10年ごとが適切であるといわれています。塗料の種類はアクリル系からフッ素系、無機系までいろいろあり、耐久性が上がるほど価格も高くなります。塗料の選び方は費用が関係するので、リフォーム会社に相談して進めましょう。

屋根塗装リフォームの費用相場は約60万円~70万円(足場費用含む、延床面積120m2程度の木造総2階建ての場合)です。
4.5寸までのゆるい勾配なら足場なしでも工事ができます。

屋根塗装リフォームの工期は1週間~10日程度です。

屋根塗装中の写真

(写真/PIXTA)

築20年目以降に検討するべきなのが屋根の重ね葺き(カバー工法)リフォーム

屋根材の劣化が進むと塗装では対応できなくなる時期がきます。その場合は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ね葺き(カバー工法)します。

ただこの方法は屋根の下地(野地板など)に腐食などの問題がない場合に可能です。腐食した下地の上に新しい屋根材を施工しても、すぐに雨漏りなどの問題が生じがちです。下地に問題がなければ、重ね葺き(カバー工法)で新築時と同様の見栄えが復活します。

重ね葺き(カバー工法)の必要な時期は、築20年から30年目あたりですが、屋根材の状況をリフォーム会社に点検してもらい、判断するのがよいでしょう。

重ね葺き(カバー工法)リフォームの費用相場は、約100万円~200万円(足場費用含む、延床面積120m2程度の木造総2階建ての場合)です。

屋根重ね葺きの工期は屋根塗装と同様に1週間~10日程度です。

  費用相場 工期
屋根塗り直しリフォーム 約60万円~70万円 約1週間~10日
屋根重ね葺き(カバー工法)リフォーム 約100万円~200万円 約1週間~10日
屋根葺き替えリフォーム 約150万円~300万円 約2週間~3週間
※足場費用含む、延床面積120m2程度の木造総2階建ての場合
※重ね葺きおよび葺き替えはガルバリウム鋼板の屋根材使用の場合

葺き替えか重ね葺きか(カバー工法)を選ぶポイント

屋根材が劣化していても重ね葺きで済むのか葺き替えが必要かを見極めるにはリフォーム会社に点検してもらう必要があります。ここではその分かれ目となる大きなポイントについて述べます。

重ね葺き(カバー工法)がオススメの場合

重ね葺き(カバー工法)は、見た目に新築同様にきれいになりますが、既存の屋根材と下地材はそのままです。新しい防水シートは施工します。したがって、葺き替えが必要かどうかは屋根の下地がどの程度劣化しているかによって決まります。

屋根の下地の野地板は合板ですが、結露などが原因で長年の間には腐食していることもあります。その時点では雨漏りしていなくても、リフォーム後短期間で雨漏りが発生するおそれもあります。

表面の屋根材が劣化してきたものの下地の傷みや腐食がなく、雨漏りはしなさそうな場合は、重ね葺き(カバー工法)で対応できる場合が多いでしょう。

葺き替えがオススメの場合

葺き替えが必要になるポイントは下地の腐食などによる雨漏りがあるかどうかによります。天井や小屋裏に雨染みがないかリフォーム会社によく点検してもらいましょう。

天井を注意して見れば住んでいる人でも雨漏りがしているかどうかはわかります。築25年あたりからは雨漏りに対する注意を怠らないようにしましょう。

雨漏りの原因は必ずしも屋根全体の劣化によるとは限らず、部分的な補修で対応できる場合もあります。その場合は葺き替えまでは必要ありません。経験豊富なリフォーム会社にその判断はまかせましょう。

重ね葺き(カバー工法)でよいか葺き替えが必要か見極めるポイント
重ね葺き(カバー工法) 葺き替え
屋根下地が腐食していない 屋根下地が腐食している
天井に雨染みがない 天井に雨染みがある

瓦屋根リフォームの費用相場と工事期間

古い家に多い瓦屋根ですが、いつどのような場合に葺き替えリフォームが必要になるのでしょうか。ほかの屋根材との違いを見ていきましょう。

瓦屋根リフォームの選択肢は葺き替え一択

瓦屋根の場合は、いぶし瓦や釉薬で色付けしている瓦の場合、色あせしないので塗り直しリフォームの必要はありません。また、形状がS字型で凹凸が多いので、カバー工法もできません。
したがって、屋根リフォームの選択肢としては葺き替えリフォーム一択となります。

なお瓦の形をしていてもセメント瓦の場合は対応が異なります。
セメント瓦はセメントを瓦の形に成形して塗装したものなので、一定期間で塗り直しが必要になります。陶器瓦かセメント瓦かがわからない場合は、リフォーム会社に確認してもらいましょう。

葺き替えのために既存の瓦を撤去しているところ

(写真/PIXTA)

新しい瓦に葺き替える場合はガルバリウム鋼板の2~3割増しの費用に

瓦は耐久性が高いので、瓦自体が劣化して葺き替えるというよりは、耐震性を考慮して軽量な鋼板屋根材などに葺き替える、あるいは瓦が割れたりした結果、浸水で下地がだめになり、葺き替えを行う場合があります。

葺き替え後も瓦でという場合は、ガルバリウム鋼板などより材料費が高くなります。しかし費用の多くを占めるのは工事費なので、総額としては2~3割増しといったところでしょう。
瓦自体は長持ちするので下地を直して、いったん外した瓦をもう一度使う場合もあります。とはいえ保管などの手間がかかるので、新しい瓦に変えるのが一般的です。撤去した瓦をもう一度使えるかどうか、費用はどの程度なのか、リフォーム会社に確認しましょう。

工期はガルバリウム鋼板で葺き替える場合も瓦で葺き替える場合も2~3週間見ておけばよいでしょう。

屋根葺き替えリフォームのメリット

既存の屋根材を撤去して新しい屋根材で葺き替えるメリットを挙げてみましょう。

屋根の下地から新しくなる

屋根の葺き替えリフォームは、屋根材を撤去した後、屋根下地の状態に応じて下地材(野地板)と防水シートの交換を行います。防水シートは雨水の浸入を防ぐ要なのでほとんどの場合、取り替えることになります。
さらに垂木(たるき)など屋根の構造材の補強や交換を行う場合もあります。

つまり、屋根が中身からすっかり新しくなるのです。きちんと施工してもらえば雨漏りのおそれもなくなり、建物を長持ちさせることにもつながります。

軽量な屋根材に葺き替えることで耐震性も向上

屋根が重いとそれを支える建物の耐震性に影響します。もちろん建築時には重量に耐えるように設計されているわけですが、建築年によっては現在の耐震基準に合っていないケースも多いのです。

葺き替え時に屋根を軽量化することで耐震性が向上します。古い家の瓦屋根をガルバリウム鋼板に葺き替えるケースが多いのは、そうした目的によるものです。ほかの屋根リフォームの方法にはない葺き替えリフォームならではのメリットといえます。

屋根葺き替えリフォームのデメリット

一方で屋根葺き替えリフォームにはデメリットがないわけではありません。
メリットともに知っておきたい屋根葺き替えリフォームのデメリットを紹介します。

屋根葺き替えリフォームは費用が高い

葺き替えリフォームでは屋根材と下地の野地板の補修あるいは撤去、処分費用がかかります。昨今、処分費用は上がっています。また、構造材の補強など、ほかの屋根リフォームにはない工事費用がかかります。それだけでほかの屋根リフォームを上まわる費用になります。

さらに、屋根の葺き替え時期ともなると、外壁や屋根を支える建物のほうも劣化が進んでいることが多いものです。建物の耐震補強や外壁も併せてリフォームするとなると、大規模なリフォームとなり費用も多額になりますが、建物がしっかり再生します。

事前に慎重な資金計画を立てて取り組むべきでしょう。

屋根葺き替えリフォームは工期が長い

前述のように屋根の葺き替えリフォームは約2~3週間の工期がかかります。ほかの屋根リフォームに比べると2倍程度です。

建物部分も含めた大規模なリフォームともなると1~2カ月程度はかかるのが普通です。またその場合は仮住まいが必要になることも多く、その費用も必要です。

このように屋根の葺き替えリフォームは、屋根塗装や重ね葺き(カバー工法)とは違った取り組みが必要です。

葺き替えリフォームのメリット ・屋根下地から新しくなる
・軽い屋根材に変えると耐震性が上がる
葺き替えリフォームのデメリット ・ほかの屋根リフォームより工事費が高い
・ほかの屋根リフォームより工期が長い

屋根の葺き替えリフォームで使える補助金

屋根の葺き替えリフォームだけで使える補助金はあまりありません。国交省の強風対策のみです。ただ屋根の葺き替えリフォームは、耐震性や省エネ性の向上に役立つので、ほかのリフォームと併せて行った場合に補助金が得られるものがあるので紹介しましょう。

強風が吹く地域に限って瓦屋根の葺き替えに補助金

新築住宅に関して2022年から瓦の留め付けについて基準が強化されました。既存住宅では瓦屋根の耐風診断に診断費の3分の2、最大2万1000円、瓦屋根から強風性能を有する屋根に葺き替えた場合に、工事費の23%、最大55万2000円の補助金が出ます。

補助対象 補助限度額
瓦屋根の耐風診断 上限2万1000円/棟
瓦屋根を台風性能を有する屋根に葺き替え 上限55万2000円/棟
※対象区域:DID(人口密集地区)等で基準風速32m/s以上の区域
※または地域防災計画等で地方公共団体が指定する区域

長期優良住宅化リフォームで屋根の葺き替えを行った場合

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅の長寿命化や省エネ化など資する性能向上リフォームや子育て世帯向けリフォームに対する支援を行う制度です。
耐震補強や省エネ化工事を行うことが要件ですが、耐震化の中には屋根を軽量な屋根材に葺き替える工事も補助の対象になっています。

限度額は1戸当たり最大100万円で、長期優良住宅(増改築)に認定されると最大200万円となります。いずれも若者・子育て世帯または既存住宅を購入後リフォームする場合は限度額が50万円加算されます。

屋根葺き替えリフォームの実例。工事費用、工事期間も紹介!

ここからは屋根葺き替えリフォームの実例を紹介しましょう。
化粧スレートから化粧スレートへ、輸入屋根材から最新のガルバリウム鋼板へリフォームした実例を紹介します。

古くなった化粧スレートを化粧スレートで葺き替え

築後20年以上経過し、化粧スレートの屋根は劣化し、板金に錆が発生していました。
そこで新しい化粧スレートへ葺き替え、下地の野地板交換を行う際に、断熱材を入れて屋根の断熱性を高めました。
錆びた板金部は新たに鈑金で覆ってきれいにしました。

【Before】

屋根材の化粧スレートが劣化し、板金も錆びついていたビフォー写真

屋根材の化粧スレートが劣化し、板金も錆びついていました
【工事中】

工事中の写真

下地の野地板は結露で腐食していたため新しいものに交換しました。小屋組みの垂木(野地板を載せる部材)は問題がなかったので、垂木の間に断熱材を入れて屋根の断熱性をアップさせました
【After】

化粧スレートで葺き替えて完成したアフターの写真

以前も化粧スレートでしたが今回も同じメーカーの化粧スレートで葺き替えました。破風(三角部分の木材)も板金で包み、美しく仕上げています

DATA
リフォーム費用:約170万円
リフォーム部位:屋根・断熱・破風
工期:約10日
築年数:約21~25年
設計・施工:アート住宅

雨漏りが発生しガルバリウム鋼板で葺き替え

アスファルトシングルという輸入屋根材を採用していましたが築30年以上を経て、色あせが進み、雨漏りも発生していました。そこで既存の屋根材は撤去し、下地を交換して雨漏りの改善を行い、耐久性を重視してガルバリウム鋼板で葺き替えました。

【Before】

色あせが進みカビや苔も発生していた以前の屋根の写真

色褪せが進み、カビや苔も発生している状態で、雨漏りもしていました
【工事中】

野地板を交換した写真

下地の古い野地板も交換して新しくしました
【After】

ガルバリウム鋼板を採用して葺き替えた屋根の写真

新しい屋根材には錆に強く耐久性の高いガルバリウム鋼板を採用しました

DATA
リフォーム費用:約240万円
リフォーム部位:屋根
工期:約10日
築年数:30年以上
設計・施工:サンテックス

屋根葺き替えリフォームの依頼先はどんな会社がいい?

屋根葺き替えリフォームは、耐震性や断熱性にも関わる極めて建築的な工事となります。また、耐震補強や間取り変更などを含む大規模リフォームになる場合もあります。したがって依頼先を選ぶときには、屋根葺き替えを得意としている会社および大規模リフォームにも対応してくれる会社がふさわしいでしょう。

ふだんからリフォームの情報サイトや専門誌などで会社情報をチェックし、その会社の施工事例をよく見ておきましょう。その上で気になる会社があったら、依頼をする前に、屋根を点検してもらいましょう。

屋根の状態を把握した上で、屋根の葺き替えだけにするのか、耐震補強も行うのか、外壁はどうするのかなど、どこまでの範囲でリフォームをするべきなのかなどを納得行くまでじっくり話し合いましょう。

最終的には、プランと見積もりの内容に納得がいってから契約します。

リフォーム会社とプランの打ち合わせをする写真

(写真/PIXTA)

まとめ

屋根の葺き替えリフォームについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

屋根にはほかに塗り直し、重ね葺き(カバー工法)というリフォーム方法もありますが、屋根材が劣化し、ほかの方法では対応できない場合に、選択するのが葺き替えです。

それだけに工事も大掛かりになり、費用も他の方法よりも高くなります。長期的な計画で資金計画を立て、慎重にリフォーム会社を選んで取り組みましょう。

 

構成・取材・文/林直樹 イラスト/長岡伸行
監修・試算協力/柏崎文昭(甚五郎設計企画)