古い家をリフォームする費用相場。木造住宅の耐震・断熱・間取り変更のポイント

築年数が30年を超えるような木造の古い家でも、リフォームやリノベーションで快適にすることが可能です。では、どこをリフォームすればいいのでしょうか?また、費用はいくらくらいかかるのでしょうか? 一級建築士のYuu(尾間紫)さんに話を聞きました。

築30年を超える住宅をリフォームした実例の写真

(画像提供/リフォーム工房)

記事の目次

リフォーム、リノベーションの費用はどれくらい?建て替えよりもおトク?

リフォーム、リノベーションした人はいくらかかった?

一戸建てのリフォームやリノベーションには、いくらくらいかかるのでしょうか。下の「一戸建てリノベーション費用の相場」は、ひとつの目安。ただし、リフォームやリノベーションにかかる費用はケースバイケースです。施工する面積だけでなく、間取り変更をするのか、キッチンや浴室、トイレなどの水まわり設備は交換・移動をするのか、住宅設備はどれくらいの価格のものを選ぶのかなどリフォーム内容によって大きく異なります。壁や床を解体してみて、内部が傷んでいることがわかり、補修などの費用が加算されることも多くあることを覚えておきましょう。

・一戸建てリノベーションの費用の相場
築20年程度まで:約800万円〜1500万円
築20年超   :約1500万円〜3000万円
※リフォーム面積70m2~120m2程度の場合。設備・建材のグレード等によって上記の費用を上まわることがある

建て替えるより、リノベーションの方が安い?

一戸建てを建て替える場合、建物を解体し、廃材を処理する費用がかかります。リノベーションは使える基礎、梁(はり)、柱などの活用をするため、解体費用・処理費用が建て替えよりも少なくてすみます。

「築30年程度の木造一戸建ての場合、家の状態や、あと何年住むのかにもよりますが、建て替えの7割ぐらいまでに費用を抑えられるリフォームやリノベーションなら、建て替えるよりもお得といえそうです。ただし、これも工事の内容次第。性能向上には費用がかかることが多いのでしっかりと計画を立てましょう」(Yuuさん、以下同)

古い家と、リフォーム後の家のイラスト

古い家は、あと何年住むのかも考えて、建て替えかリフォーム、リノベーションかを決めよう(画像/PIXTA)

築30年の木造の一戸建て、そろそろ気になるのはどんなところ?

家は築年数によって劣化している箇所が異なる

家はさまざまな材料でできています。木造の一戸建てなら木材のほか、外壁材の目地を埋めているシーリングのゴムや樹脂、建材の接合や補強に使用される金物、そのほか、給湯器などの機械類。それぞれが、違うスピードで劣化していきます。

「劣化スピードが異なるため、それぞれのメンテナンスのタイミングを見極めてお手入れをしていくことが重要です。リフォームやリノベーションをしたときに、メンテナンスのタイミングを逃して放置した箇所があとから不具合を起こすと、せっかくコストをかけてリフォームをしたのに、解体して補修するなど多額の費用がかかることが。そこで、築年によって、どこが劣化しがちか、どこを補修するといいのかを知っておくことが大切です」

築30年の木造一戸建て、気になるのはどの部分?

築30年程度の一戸建て。そろそろ気になる劣化箇所や、今のライフスタイルに合わずに暮らしにくいと感じがちなのはどのようなことでしょうか。

・見た目が気になる
「外壁に藻やカビがついたり、ひび割れができていたり。お家の中もフローリングの表面が剥がれていたり、壁がくすんでいたりします。このような汚れだけでなく、インテリアにも流行があるので古い内装デザインが気になる人も多いでしょう」

・30年前の住宅性能が最近の家よりも低い
住宅の性能は進化しています。そのため30年前の家は耐震性や断熱性、バリアフリー性などが、今の家に比べると低い傾向にあります。

「建てた当時は高い性能でも、例えば窓ガラスやサッシ、断熱材などが進化している今の家と比べると冬になると寒い、光熱費がかさむといったことに気づきます」

・間取りが使いにくい
「以前の住宅は、リビングやキッチン、ダイニングがそれぞれ別の空間として計画されているなど、細切れの間取りが少なくありません。もっと広く明るく暮らしたいという要望は多いものです」

・建物や設備の寿命や劣化が見られる
そのほか、年月がたつことで、さまざまな箇所に寿命や劣化が見られます。

「スレート屋根の劣化、屋根瓦の劣化やズレ、外壁のヒビなどから、雨水が浸水し内部が腐食するケースがあります。また、給湯器に寿命がきていたり、トイレなど水回り設備の汚れが落ちなくなっていたりすることも多くあります」

・家事がしにくい
30年前の家は、30年前のライフスタイルに合わせて設計されています。当時は最新の間取りや設備だったとしても、年月が経つにつれて大きく変わったライフスタイルとは合わず、掃除や料理などの家事がしにくくなっていることも。

「最近の水まわり設備は掃除などのお手入れがしやすくなっていますから、古い機種を新しいものに入れ替えるだけでも家事はラクになります。さらに今の家は、間取りでも家事がしやすくなる工夫がされています。例えば、お洗濯をラクにするために、キッチンから洗濯機、干し場までを近い間取りにするなどです。昔の家には、このような発想がなかったため、ちょっと不便なことが多くあるのです」

・収納が少ない
「30年前頃は、収納スペースは床面積の5%くらいを目安に設計されるのが一般的でした。今のライフスタイルには、床面積の13〜15%は必要ではないかと思います」

容量の大きな収納スペースがある家のイメージ

収納たっぷりの家にリフォームすれば、片付けがラクになり家の中がスッキリする(画像/PIXTA)※写真はイメージ

築30年の家。安心・快適な家にするにはどこをリフォーム、リノベーションする?

さまざまな気になることが出てくる築30年の家。すべてをリフォーム、リノベーションするには大きな費用がかかります。予算内で安心・快適な家にするためにも、優先的に行うべきことを知っておきましょう。

耐震診断、耐震補強を何よりも優先

築60年といった古い家の場合は、耐震診断や耐震リフォームを真っ先に考える人が多いでしょう。でも、築30年くらいの家でも必要なのでしょうか?

今の新耐震基準で建てられるようになったのは、1981年6月1日以降に建築確認が行われた住宅です。
「築30年の木造住宅は、新耐震基準で建てられてはいますが、その後、2000年に改正された基準には対応していません。2016年に起きた熊本地震では、新耐震基準でも2000年基準に相当していない住宅で倒壊が見られたという報告があります。2000年の建築基準法の改正では、耐震性を強化するため金物の指定などが追加されています。住宅の状態によって異なりますが、金物の追加の目安は10万円〜40万円程度ですから、自分と家族を守るためにも耐震診断、必要であれば耐震リフォームをしておきましょう」

耐震補強、耐震リフォーム、耐震改修前の耐震診断のイメージ

耐震リフォームをする前に耐震診断が必要(画像/PIXTA)※写真はイメージ

浸水などによる劣化を補修

「躯体(くたい)への雨水の浸入、結露による腐食、シロアリ被害、配管からの水漏れによる腐食などがないかを確認をしましょう。補修によって、家を健康な状態に戻すことが重要です」

なお、劣化具合によっては補修では間に合わず、工事のやり替えが必要になり費用が大きくなることがあることを覚えておきましょう。

防犯性能も高めておく

「窓や玄関の鍵を防犯性能の高いものに変更したり、窓のガラスが切られないようフィルムを貼ったり。防犯性能を高めることも大切です」

勝手口の周辺など敷地内の暗い場所には、人感センサー付きの照明器具を一つ設置するだけでも効果は高まります。

窓の古い鍵のイメージ

古くなってガタつくクレセント錠などは交換がおすすめ(画像/PIXTA)※写真はイメージ

断熱リフォームで快適性アップと光熱費ダウン

古い家では、断熱性が劣るために冬寒く、夏暑いことも。

「屋根裏や壁、床下に断熱材を入れる、窓を断熱性の高いものに交換する、内窓をつけるといった工事で、断熱性がアップします。ただし、断熱性能だけを上げると、壁内が結露をしてかえって家を傷めてしまうこともあります。断熱リフォームは気密や通気、換気もセットで考えて行わなければならない技術が必要な工事です。技術力のある施工経験豊富な会社に依頼しましょう」

光熱費が減るイメージ

断熱リフォームは光熱費の節約にもつながる(画像/PIXTA)

バリアフリーは住む人の年齢に関係なく大切

「家の中では転倒など足元の事故が多いので、段差を解消することが第一。高齢者だけでなく、妊婦さんや小さなお子さんも段差でケガをすることがあります。住む人の年齢に関係なく必要なリフォームです。急な階段も危険ですからゆるやかな階段に変更したいですね」

手すりの設置は後付けでも比較的簡単にできる工事です。段差や急階段の解消といった、必要度の高いところから優先してリフォームを。

間取り変更や減築で今と将来の暮らしに合う家に

30年前とは家族構成やライフスタイルが変化していることが多いでしょう。二世帯が暮らせる間取りにする、部屋数を変更する、収納を増やすなど、今の暮らし方に合わせた間取りに変更することも大切です。

「高齢になると階段の上り下りが大変で、2階を使わないケースが増えます。1階だけで暮らせるような間取りを考えておくのもいいですね」

ただし、使わない部屋が多く、目が行き届かなくなると防犯上の不安が増すのだとか。

「減築という家を小さくするリフォームをする選択肢もあります。隅々まで住んでいる人の目が行き届きますから、外から人が侵入しにくくなります。そのほか、生活動線が短くなって暮らしやすい、維持・メンテナンス費用が安くなるなどのメリットもあります」

自分でできるDIYでのリフォームはある?

床の傷や古くなった壁紙など、建物の性能に影響しない部分の補修は、自分で挑戦してみると家への愛着も増します。

「フローリングの傷はホームセンターなどで売っている補修キットを使ってみるといいですね。壁紙は、既存の壁紙の上から張れるタイプや、塗れるペイント材があります。外壁の汚れが気になる場合は、専用の洗剤が販売されていますからチャレンジしてもいいかなと思います。ただし、足場が必要な高所での作業は危険ですからやめましょう。また、高圧洗浄機は壁の塗膜が剥がれて壁内に水が入る原因になります。プロは外壁が傷まないような技術で高圧洗浄をしているのです」

簡単そうでも専門家に頼んだ方がよいものもあります。

「室内扉の建て付けが悪い場合は、建物のゆがみや建具自体の反りが原因のことがありますから、リフォーム会社などに見てもらった方がいいでしょう。水まわり設備の配管工事や電気工事も専門家に依頼してください」

DIYで壁の張り替えをしているイメージ

DIYで壁紙の張り替えや、壁の塗り替えをするのも楽しい(画像/PIXTA)

古い木造住宅で検討したいリフォーム、リノベーションの費用相場

古い家にはリフォーム、リノベーションしたいさまざまな工事があります。ここでは一般的な費用の目安を紹介していきます。

耐震リフォームのポイントと費用の相場

耐震補強の前には、まず、耐震診断を受けます。費用は耐震診断、耐震リフォーム(耐震改修/耐震補強)それぞれに必要です。多くの自治体で、旧耐震基準の家は耐震診断が無料、または耐震診断・耐震リフォームに補助金が出るなどの制度が設けられています。住んでいる自治体に補助金・助成金の制度があるかを確認。制度を利用するためには、耐震診断を受ける前の申請が必要ですから、耐震診断や耐震リフォームの経験豊富な会社に補助金を利用したいと伝えておきましょう。

木造一戸建ての耐震リフォームにかかる費用の相場は、「木耐協調査データ」(日本木造住宅耐震補強事業者協同組合、2021年3月4日発表)によると、耐震補強工事の平均施工金額は167万7421円、施工金額中央値は140万円。築30年の住宅が含まれる1981〜2000年5月に建てられた木造一戸建て(木造在来工法、2階建て以下の場合)の耐震補強工事の平均施工金額は152万3430円、施工金額中央値は125万円です。

断熱リフォームのポイントと費用の相場

家全体に断熱材を入れたり増やしたりする断熱リフォームは、壁や床、天井を一度解体して、断熱材を施工し、また内装をやり直す手間と費用がかかります。家の外側を断熱材と外壁で覆う外断熱工法の場合も、外壁材の費用や足場代などがかかります。家全体の断熱リフォーム費用は数百万円になることも。一方、内窓を取り付けたり、窓を断熱性の高いものに交換する数十万円〜100万円程度のリフォームでも断熱効果はあります。予算に合わせて施工方法を検討するのがいいでしょう。

断熱リフォームの費用相場については、下の記事で詳しく解説しています。

断熱リフォームの方法と費用相場。床・壁・天井など部位ごとに解説! 

バリアフリーリフォームのポイントと費用の相場

バリアフリーリフォームはさまざま。どのような工事をするかで金額は異なります。

例えば、手すりの設置(工事費)は1本1万5000円程度からですが、設置本数や長さ、デザイン性によって費用に幅が出ます。システムバスの脱衣室からの出入口を引き戸に交換する際、システムバス交換時のオプションにするかリフォームで後付けするかによって違いますが、約5万円~15万円。

下の記事を参考にしてください。

断熱リフォームの方法と費用相場。床・壁・天井など部位ごとに解説!

 

リフォームで手すりを設置するイメージ

手すりの設置や段差の解消、引き戸を採用するなど、バリアフリーリフォームの種類はさまざま(画像/PIXTA)※写真はイメージ

間取り変更や二世帯住宅へのリフォームのポイントと費用の相場

間取り変更も工事の規模はさまざま。子ども部屋の間仕切り壁を撤去して一部屋にするのも、家中の撤去できる壁を全て外して、間取りをゼロから考え直すスケルトンリフォームも、どちらも間取り変更です。大規模なリフォームは施主によってプランが異なるため、費用相場を出すことはとても難しいのが正直なところ。ここでは、スケルトンリフォームや二世帯住宅への間取り変更の、あくまでも平均的な目安を紹介します。

一戸建てのスケルトンリフォームの広さ別の費用相場は、80~100m2で約800万円~2000万円、100~120m2で約1500万円~3000万円、120~150m2で約2000万円~4000万円となります。

詳しくは下の記事を参照してください。
間取り変更・スケルトンを目的としたリフォーム費用・価格相場情報

二世帯住宅へのリフォームは、新たに同居する世帯の居住部分のみをリフォームするのか、家全体をリフォームするかで異なります。1フロアのみなら約300万円〜1500万円、家全体なら約1500万円〜4000万円がおおまかな目安です。

詳しくは下の記事へ。
二世帯を目的としたリフォーム費用・価格相場情報

オール電化にする際のポイントと費用の相場

築30年の一戸建てで、今後の住む人の高齢化を考えると、キッチンはIHクッキングヒーターに変更するのもいいでしょう。その場合、200V機器を使えるようにする工事に約2万円〜25万円、IHクッキングヒーターへのリフォームに約20万円〜40万円を目安にしておきましょう。

詳細は下の記事を参考にしてください。
オール電化を目的としたリフォーム費用・価格相場情報

IHクッキングヒーターを使う人のイメージ

IHクッキングヒーターはお手入れもラク(画像/PIXTA)

実例をチェック!リフォームでより快適になった築30年以上の一戸建て

築30年以上で、古い家にありがちな悩みを解消した実例を紹介します。

※リフォーム内容は契約時のもの。費用は概算。建物の状態や契約時期によって費用は変動します。掲載した費用、工事内容などはあくまでも参考としてください。

一目惚れしたキッチンを中心にした開放的な空間へリフォーム

リフォームしたのは1階部分。袖壁や垂れ壁を撤去したことで、キッチンとダイニングに一体感が生まれ、開放的なLDKになりました。キッチンには施主が気に入ったシステムキッチンを採用。増築も行い、料理をするのが楽しくなる快適なキッチンになりました。

築30年の家のリフォームしたキッチンとダイニングの実例画像

キッチンとダイニングに一体感のある開放的な住まいにリフォーム。キッチンの床はアッシュな雰囲気のフロア材で変化をつけた(画像提供/サンヨーリフォーム)

【DATA】
リフォーム費用:660万円
工期:1カ月
リフォーム面積:41.50m2
リフォーム箇所:LDK、洗面所、トイレ、廊下、玄関、カーポート、その他
間取り:[ Before ] 1LDK → [ After ] 1LDK
築年数:30年
住宅の種別:一戸建て
設計・施工:サンヨーリフォーム

窓のリフォームで音の悩みを解決。キッチンもオープンに

家の外の幹線道路から音が気になっていたことがリフォームのきっかけ。遮音性の高い断熱窓へのリフォームのほか、これまで見過ごしていた住まいの悩みを解決するために大規模リフォームを行いました。リビングは複層ガラスの断熱窓、和室は内側に断熱窓をプラスする二重窓を採用。垂れ壁や袖壁で覆われていたキッチンもフルオープンタイプに入れ替え、多機能タイプの壁付収納を設置。静かでスッキリした快適な住まいに生まれ変わりました。

断熱窓を採用したオープンなキッチンの実例画像

開放的になったキッチン。LDKの掃き出し窓は遮音性にもすぐれた複層ガラスサッシの断熱窓に(画像提供/サンヨーリフォーム)

【DATA】
リフォーム費用:750万円
工期:3週間
リフォーム面積:41.85m2
リフォーム箇所:LDK、和室、収納、窓
間取り:[ Before ] 4LDK → [ After ] 4LDK
築年数:30年
住宅の種別:一戸建て
設計・施工:サンヨーリフォーム

耐震リフォームをしたうえで、暮らしやすい間取りに変更

風情ある京長屋を徹底した構造診断と耐震補強を行い、安心して暮らせる家に。1階にあった2部屋の和室を、庭を眺められるリビングと主寝室に変更し、ゆとりある脱衣所、足を伸ばせる浴室も備え、暮らしやすい家に。断熱性も大幅にアップさせ冬の底冷えとも無縁になりました。

耐震リフォームと間取り変更をした実例の画像

元は和室だった1階リビング。写真左手の水廻りへ続く引き戸の前には深夜も点灯させておく小さなLEDライトが設けられ、夜、トイレに起きても適度に明るく安心 (画像提供/サンヨーリフォーム)

耐震リフォームと間取り変更をした実例の玄関の画像

玄関は収納もたっぷり。天井にあしらった見せ梁が空間のアクセントになっている(画像提供/サンヨーリフォーム)

【DATA】
リフォーム費用:1450万円
工期:2カ月半
リフォーム面積:55.61m2
リフォーム箇所:LDK、玄関、階段、洗面所、浴室・バス、寝室、トイレ、廊下、洋室、屋根、外壁
間取り:[ Before ] 4K → [ After ] 3LD・K
築年数:70年
住宅の種別:一戸建て
設計・施工:サンヨーリフォーム

全面リフォームで希望の間取りを実現。窓サッシの交換で冬も快適

築31年の一戸建てを購入して全面リフォーム。開放的なリビング・ダイニングや独立型キッチン、パントリー、ワークスペース、猫たちの食事場を兼ねた広いユーティリティ、ヌックなどを実現しました。窓サッシを全て交換したことで冬も暖かです。

リフォームで断熱性がアップした実例の画像

窓サッシの交換や床暖房の設置で冬も快適なリビング・ダイニング(画像提供/リフォーム工房)

リフォームで実現したくつろぎスペースのヌックの実例写真

2階にはソファを置いてくつろぐスペース「ヌック」を設けた。内側から扉を閉めれば、自分だけのくつろぎの空間に(画像提供/リフォーム工房)

【DATA】
リフォーム費用:2540万円
工期:3カ月
リフォーム面積:123.92m2
リフォーム箇所:リビングダイニング・キッチン・トイレ・浴室・洋室・収納・洗面所・玄関・窓・バルコニー、テラスなど
間取り:[ Before ] 4LD・K+S → [ After ] 5LD・K
築年数:31年
住宅の種別:一戸建て
設計・施工:リフォーム工房

家族団らんがより快適になる広々としたLDKにリノベーション

築40年の木造2階建てをフルリノベーション。リビングに隣接していた和室を取り込み、独立型だったキッチンもオープンにした広々としたLDKに変更。独立した子どもたちが家族を連れて遊びに来る時も、夫婦二人で過ごす時間も楽しく快適に過ごせます。

リノベーションで広々とした空間になった実例の写真

6人掛けの大きなダイニングテーブルを置いてもゆったりと過ごせるダイニング。色味にもこだわったヘリンボーンの床でヨーロピアンクラシックな雰囲気に(画像提供/stylekoubou(スタイル工房))

【DATA】
リフォーム費用:1980万円
工期:約3カ月
リフォーム面積:約87m2
リフォーム箇所:LDK、洗面所、浴室、トイレ、寝室、洋室、廊下、収納、階段、玄関、外壁・屋根・外構
間取り:[ Before ] 4LD・K → [ After ] 3LDK
築年数:40年
住宅の種別:一戸建て
設計・施工:stylekoubou(スタイル工房)

リビングを2階から1階へ。急な階段の上り下りが不要な暮らしに

両親から受け継いだ築31年の家。平屋に建て替えることも検討していましたが、現地調査に訪れたリフォーム会社は玄関にアクセスするための急な階段や1日に何度も上り下りが必要なスキップフロアを解消し、LDKを2階から1階に移動するプランを提案。梁や柱、薪ストーブなどで、木に触れ、薪割りをライフワークとする豊かな暮らしを実現しています。

吹き抜けで開放感あふれるリフォームの実例写真

LDKは2階から1階へ移動。3部屋をつなげ、廊下まで取り込んだ広々とした空間に吹き抜けを設けて、木のぬくもりあふれる明るく開放的な空間になった(画像提供/stylekoubou(スタイル工房))

リフォームで変更した階段の実例写真

階段はリビングに入ってすぐのところからゆるやかに掛けた。2階にある既存の天窓からやわらかに光が差し込む(画像提供/stylekoubou(スタイル工房))

【DATA】
リフォーム費用:3900万円
工期:約6カ月
リフォーム面積:約140m2
リフォーム箇所:LDK、洗面所、トイレ、浴室、洋室、和室、廊下、収納、玄関、階段、外壁・屋根・バルコニー・エクステリア
間取り:[ Before ] 5LD・K → [ After ] 3LDK+S
築年数:31年
住宅の種別:一戸建て
設計・施工:stylekoubou(スタイル工房)

古い家のリフォーム、リノベーション、依頼先の探し方

会社選びのポイントは?

建物や設備の老朽化や、暮らしにくい間取りなど築年数の古い家ならでは課題があるリフォーム。依頼先の探し方のポイントは何でしょうか。

「古い住宅は性能を向上をさせることが必要ですから、デザイン力、技術力、経験を備えた会社に依頼したいですね。まずは、施工例などを見せてもらいながら、どのようなリフォーム、リノベーションを提案してきたのか、話を聞いてみるといいでしょう」

安心・快適なリフォーム、リノベーションを実現するため、パートナーとなる会社はじっくり選びましょう。複数の会社に見積もりを依頼することも大切です。

●取材協力
Yuuさん(本名:尾間紫)

一級建築士事務所Office Yuu代表
長年リフォーム業界の第一線で数多くの相談、設計、工事に携わってきた。その経験を活かし、住宅リフォームコンサルタントとして幸せなリフォームを実現するためのノウハウを自身のwebサイト「リフォームのホント・裏話」で発信するほか、セミナー講演や執筆、人材育成研修などで活躍中。

構成・取材・文/田方みき