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家を建てるには、まずは土地探しから始めなければならない。建ててから思っていた環境と違っていた、と気づいても簡単には引越しできないので慎重に探すことが大切だ。そこで失敗しない土地探しのポイントを紹介しよう。
注文住宅を建てる際に行うのが土地探し。失敗しない土地探しには事前準備が必要だ。まずは住みたい場所を家族で話し合うこと。話し合いのテーマ設定で重要なのは、自分たちが求める暮らし方が実現できるかどうか。自然に囲まれて過ごしたい、閑静な住宅街に住みたい、買い物や通勤・通学に便利な場所がいい、憧れのエリアで生活したいなど好みはさまざまなので、住みたい場所の優先順位を決めていく。
そうすると自分たちの理想の暮らしがよりはっきりと見えてくる。家族それぞれの要望を整理し「土地探しの条件」を決めておくことがポイントだ。
注文住宅の場合、土地購入費と建物にかかる建築費がある。合算が住宅購入の予算になるのだが、土地購入にどのくらい配分をするのかを決めておくと、後々のハウスメーカーや工務店、設計会社選びがスムーズになる。
土地の予算と建物の予算の割合をどうすればいいのかは、立地環境、家本体など希望の優先順位によって変わるが、住宅金融支援機構の調査によると、全国平均で建築費用に3512.0万円、土地取得費に
1495.1万円となっている。予算の約3割を土地、7割を建築に割り振っているようだ。もちろん、土地値の高い都心部と郊外ではこの割合も変わってくるので、住みたいエリアの土地価格相場を把握することも重要だ。
※住宅金融支援機構 2024年度フラット35利用者調査「土地付注文住宅融資利用者の主要指標」
土地は更地で販売している土地だけではなく、古い建物が建っている「古家付き」の土地がある。実際に建っている建物が見られるので、その土地に建つ建物の日当たりや建物配置などがイメージしやすいというメリットがある。また、リフォーム、リノベーションなど少し手をかければ住むことができる建物であれば、建築費用が少なくすむことも。
ただ、耐震性などで住むことができない、その建物に引き続き住み続けることを希望しない場合は建物の解体費用が土地の購入費にプラスしてかかるので注意しよう。ちなみに耐震性のひとつの目安になるのが「1981年6月以降」に「建築確認を受けた建物」かどうか。もしそうなら、現行の建築基準法が適用されている建物となる。くわえて現行の法律では家が建てられない、もしくは建てられるものの、道路幅員の確保などで土地が小さくなったり、建物の高さに制限がついたりすることもある。不動産会社やこの時点で希望する建築会社があれば土地を実際に見てもらったほうがいいだろう。
また、一般的な古家付き土地は解体費用がかかる分、周辺相場よりも安いことが多いが、解体費用は古家が建っている条件などで変わる。やはり購入を検討する際は不動産会社にどの程度解体費用がかかりそうか聞いてみよう。
さらに、「建築条件付き」と表記されている土地かどうかも確認したい。建築条件付きとは、土地の売主が指定する建築会社と一定期間内に建築工事請負契約を結ぶことが購入の条件となる土地のこと。希望する建築会社が選べないこともあるので、こうした土地も含めて探すかどうかも、事前に考えておきたいポイントだ。
注文住宅用の土地を探すとなると、探し方は以下の3つが考えられる。それぞれの探し方について、特徴・メリット・デメリットを紹介したい。
1、SUUMOなどインターネットサイトから探す
2、住みたいエリアに出向いて「売地」看板を探すなど足を使う
3、不動産会社やハウスメーカー、工務店に依頼する
エリアごとに情報がまとまっていることで、土地の相場観を養いながら、比較検討もしやすいのが魅力。
一方、大量の情報があるのでしっかりと予算やエリア、暮らしたい環境などを決めておかないと、探しているうちにあれこれ迷ってしまい、その間に候補に考えていた土地が売れてしまうこともある。
住みたい場所がしっかりと決まっていたら、実際に出向いて「売地」看板などが建っている土地を探すのも方法のひとつだ。不動産会社や情報サイトにまだ掲載されていないタイミングということも。また、実際にそのエリアに行くことで、周辺環境を確かめられるのもメリット。
しかし、土地探しに長い期間がかかりやすく、気に入った土地が絶対にあるとは限らない。腰を据えて探す心づもりが必要になる。
インターネット同様、情報が集まっているのが不動産会社。なかにはまだ公開されていない土地情報をもっている会社もあるかもしれない。また、不動産会社は土地そのものの情報だけでなく、周辺の環境や街の情報なども把握していることが多いので、相談しながら、より具体的な暮らしのイメージがわくことも。
ただ、明確に土地の予算を決めておかないと、希望ばかりを優先してしまい、気がつけば予算オーバーになり、建物の費用が少なくなるなどのケースもままある。希望するエリア、土地の予算はしっかり決めてから相談しよう。
さらにハウスメーカーや工務店に土地の相談をすることもできる。その会社が持っている土地であれば、どんな建物が建てられるかも教えてもらえるので、より希望に近い家づくりがしやすくなるメリットがある。注意点は、その会社で紹介した土地だけに、建てる会社が決まってしまうこともあること。建てたい会社が土地情報を扱っている場合は、建築会社が選べるかどうかも聞いてみるとよりよいだろう。
「スーモカウンター」では土地がない場合でも、土地探しから対応してくれる会社を紹介してくれる。自分で探すのが苦手な人は一度相談してみるのもいいだろう。
| SUUMOなどインターネットサイト | |
|---|---|
| メリット | ・エリアごとに情報がまとまっていて、比較検討しやすい |
| デメリット | ・大量の情報がある分、条件を決めておかないと、迷いやすい |
| 自身の足で探す | |
|---|---|
| メリット | ・掘り出し物が見つかることも 実際の周辺環境も確かめられる |
| デメリット | ・時間と労力がかかる ・見つかるかは不確定 |
| 不動産会社・ハウスメーカー・工務店に依頼 | |
|---|---|
| メリット | ・不動産会社は土地情報だけでなく、周辺環境や街の情報も教えてくれる ・ハウスメーカー・工務店は土地に合うプラン相談がスムーズになる |
| デメリット | ・土地の条件により、建てる会社を選べないこともある |
依頼先によってそれぞれ特徴がある。不動産会社や工務店からの情報を待つばかりではなく自分たちでも探して並行検討できるようにすることが理想だ。
候補の土地を選定したら、実際に現地に足を運ぶことも大切。土地を見る際の確認ポイントとして挙げられるのは、交通条件、周辺環境、土地面積、敷地形状、日照条件、生活インフラの充実度など希望によるが多岐にわたる。
必ず行っておきたいのが、周辺環境のチェック。できるだけ平日、休日の日中と夜など時間を変えてチェックすると、住んでからの後悔が防ぎやすい。また、最寄駅までの徒歩ルートなども実際に歩いてみて確認したい。徒歩分数表記は、80mを1分と換算したもの。坂があったり歩道橋を渡ったりしなくてはいけないなど分数に表れない情報もある。また、街灯の有無や歩道がしっかり確保されているかなど、安全面でのチェックも重要だ。
地盤や水はけ、敷地の高低差、隣地環境については、専門家目線が必要になる。不動産会社の担当者や希望する建築会社が決まっていたら、建築会社の担当者にも付いてきてもらって一緒に見てもらおう。
またできれば、周りに住んでいる人の声を聞いてみたい。子どもが将来、通うことになる学校の場所や通学路、教育環境のリサーチもできればなおいい。長く住む場所になるだけに、住んでからの暮らしも見据えた情報収集が必要だ。
| 生活利便環境について | チェック |
|---|---|
| 最寄り駅までの距離・環境 | □ |
| 近くの病院、公共施設の有無、距離 | □ |
| 近くの買い物施設、子育て施設の有無、距離 | □ |
| 昼夜の交通量、人通り | □ |
| 周囲の騒音や臭い、振動などの有無 | □ |
| 公園など子育てに便利な施設の有無 | □ |
| 土地そのものについて | チェック |
|---|---|
| 地盤、形 | □ |
| 隣地との距離、高低差 | □ |
| 道路との高低差、交通量 | □ |
| 水はけの良しあし | □ |
| 日当たり、風通しの良しあし | □ |
| 電柱やごみ置き場の位置 | □ |
| 古家付きか否か | □ |
| 接道環境 | □ |
土地には法律や規則などの制限が設けられている。もっとも代表的なものが「用途地域」。土地の用途を定めた法律で、それぞれの内容に沿って建てられる建物が決まる。これをチェックしておかないと、せっかく希望の土地を見つけても、希望の家が建てられないことも。そのほかにも「斜線制限」など細かな建築法令があるので、どんな制限があるのか、将来の環境はどうなる可能性があるのかなどを不動産会社に聞いておくことが大切だ。自分の住む地域がどこに当たるかは、不動産会社やその土地がある役所で教えてもらうこともできるし、現在は、ほとんどの行政区のホームページで見ることも可能だ。
| (1)第一種低層住居専用地域 | 低層住宅の良好な住環境を守る地域。建物の高さは10mまたは12m以内が原則。住宅のほか保育所、幼稚園や学校、図書館、住宅兼用で一定規模以下の店舗等。 |
|---|---|
| (2)第二種低層住居専用地域 | 小規模な店舗を認める低層住宅専用地域。高さ制限は(1)と同じ。上記に加え、2階以下かつ床面積の合計が150m2以下の日用品販売店舗、飲食店等。 |
| (3)第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅の専用地域。高さ制限はなし(以下同)。上記に加え、大学、病院、2階以下かつ床面積の合計が500m2以下の物品販売店舗、飲食店、銀行等。 |
| (4)第二種中高層住居専用地域 | 必要な利便施設を備えた中高層住宅地域。上記に加え、2階以下かつ床面積の合計が1500m2以下の商業施設等(上記より可能な業種が広い)。 |
| (5)第一種住居地域 | 住居の環境を守るため大規模店舗や事務所を制限する地域。上記に加え、3000m2以下の商業施設、サービス業、ホテル、ボウリング場、ゴルフ練習場等。 |
| (6)第二種住居地域 | 住宅地を主用途とする地域。上記に加え、1万m2以下の商業施設等、カラオケボックス、パチンコ店等。3000m2を超える自動車教習所、倉庫等。 |
| (7)田園住居地域 | 農業関連施設や農地と調和した良好な低層住宅地域。(1)(2)に加え、農産物の生産・集荷・貯蔵施設、500m2までの地域の農産物直売所や農家レストラン等。 |
| (8)準住居地域 | 国道や幹線道路沿い等の、自動車関連施設と住宅が共存する地域。(1)~(6)に加え、宅配業等の営業用倉庫、一定面積以下の劇場、映画館等。 |
| 近隣商業地域 | 近隣住民が買い物をするための日用品系の店舗のほか、ホテルや映画館等も建てることができる。延べ床面積規制はない。駅前商店街のような住環境。 |
|---|---|
| 商業地域 | 商業等の利便の増進を目的とした地域で、ほとんどの商業施設のほか、ホテルやパチンコ屋、広義の風俗営業等特殊営業関係の施設も建てられる。 |
土地の大きさなどにより、建てられる家の大きさが決まってくる。建てられる家の上限にかかわるのが「建ぺい率」と「容積率」。
それぞれの基本的な知識についても事前に知っておきたい。