一戸建てリフォーム、リノベーションの費用相場。リフォームの注意点とおしゃれな実例も公開

一戸建てのリフォームには一体どのくらい費用がかかるものなのでしょうか。リフォームを検討する時に、真っ先に気になる費用について、工事内容ごとの相場を公開!実際のリフォームの事例やリフォームの注意点、メリット・デメリットなどについてもあわせてご紹介します。

夫婦のイメージ

(画像/PIXTA)

記事の目次

一戸建てリフォーム・工事箇所ごとの費用相場

まずは2019年4月時点リフォーム実施者調査(SUUMO)※による、設備交換や表層替えリフォームの費用相場について、リフォームの部分ごとに見ていきましょう。

※紹介する数値は目安です。記事内で紹介する事例をはじめ、実際の費用とは異なります

水回りリフォームの費用相場

キッチンリフォームの費用相場

キッチンリフォームにかかる費用の中心価格帯は50万円~100万円です。

キッチンにはさまざまな種類があり、種類によって価格の幅も大きいのですが、一番費用を抑えられるのは壁付けのI型システムキッチン。リフォーム費用の目安は50万円~100万円です。一方、同じI型システムキッチンでも、壁付けではなく対面のI型システムキッチンの費用目安は60万円~110万円。対面の場合は腰壁をつくる必要があり、その分費用はアップします。

I型よりもサイズが大きくなるL型システムキッチンは、スペースを広く取れ、作業しやすい動線が確保できるなどのメリットもありますが、キッチン本体が大きくなる分費用も上がり、費用の目安は90万円~150万円です。

そして、開放的でおしゃれな雰囲気のキッチンと言えばアイランドキッチンですが、リフォーム費用の目安は100万円~200万円。ほかの種類のキッチンよりも高級な価格帯のものも多くなります。

キッチンの種類 リフォーム費用目安
I型システムキッチン(壁付け) 50万円~100万円
I型システムキッチン(対面) 60万円~110万円
(キッチン前面の腰壁含む)
L型システムキッチン 90万円~150万円
アイランドキッチン 100万円~200万円

キッチンは形状の違いだけでなく、収納の扉や天板など、各パーツのグレードの違いで費用は大きく変わります。安い扉材を採用したシステムキッチンと高いものを採用したケースでは倍近い価格差が生じることもあり、天板についてはステンレスか人造大理石かで、10数万円の価格差が出ることもめずらしくありません。

また、キッチンの場合は壁付けのものを対面にするなど、そのまま同じ位置でシステムキッチンを取り換えるのではなく、位置を移動するケースもあります。位置変更をする場合は配管や配線、床の工事などが必要になる分、位置変更をしない場合よりもリフォーム費用は高額になると考えておきましょう。

キッチンの位置を変更しアイランド型にリフォームしたキッチン

位置を変更し、一段高い位置に設置したアイランド型のシステムキッチン(画像提供/ミサワリフォーム)

お風呂・浴室リフォームの費用相場

浴室・バス・ユニットバスのリフォーム費用は100万円~150万円が中心費用帯です。

既存の浴室と同じサイズのシステムバス(ユニットバス)に交換するのであれば、リフォーム費用の目安は1坪タイプで約80万円~約160万円、1.25坪タイプで約90万円~約280万円程度です。

マンションの場合は既存の浴室がシステムバス(ユニットバス)のことがほとんどですが、一戸建ての場合、現場で浴室をつくりあげる在来工法というケースも少なくありません。在来工法の浴室の場合は一度解体して浴室空間をつくり直す必要があり、1坪で約200万円~350万円と、システムバスよりも高額になる傾向があります。

浴室の種類・工法 リフォーム費用目安
システムバス(ユニットバス) 1坪タイプ
約80万円~約160万円
在来工法 1坪サイズ
約200万円~350万円

リフォームした浴室

広いバスルームの窓の向こうはウッドデッキに。浴室の窓から直接出て涼むこともできる(画像提供/優建築工房)

バリアフリーの観点から、高齢の家族のために浴室に手すりを付ける場合、手すりの設置にかかる費用の目安は1本1万円~2万円程度です。

ほかにも、浴室の扉を標準的な折り戸から引き戸に変更するというバリアフリーリフォームもありますが、かかる費用の目安としては、通常の浴室リフォームにかかる費用に約5万円~6万円をプラスするイメージです。浴室はそのままで、既存のドアを引き戸に交換する場合は、工事費込みで約10万円~15万円となります。

また、ヒートショックを予防する浴室換気暖房乾燥機を導入する費用は、約7万円~10万円と考えておきましょう。

浴室換気暖房乾燥機のイメージ

(画像/PIXTA)

洗面所・脱衣所リフォームの費用相場

次に、洗面所・脱衣所のリフォーム費用の中心費用帯は20万円~40万円です。リフォーム費用のうち、洗面化粧台本体の費用の目安は約5万円~30万円と、サイズやデザイン、機能性や収納などによって幅があります。

また、洗面所・脱衣所のリフォームを行う際、多くの場合は内装もあわせて一新するものですが、床はクッションフロア、壁や天井はビニールクロスという標準的な材料を用いた場合で、設備機器などの解体・撤去費用も含めて約6万円~9万円(1坪程度)が目安となります。

洗面所・脱衣所の内装リフォーム 費用相場
※リフォーム面積約1坪程度(約3.3m2)の場合
解体・撤去費用(設備機器の撤去等) 約3万円~4万円
床(クッションフロア・幅木)張り替え 約1万円~2万円
壁・天井ビニールクロス張り替え 約2万円~3万円

トイレリフォームの費用相場

トイレのリフォーム費用の中心費用帯は20万円~40万円です。

トイレのリフォームの場合、撤去・設置にかかる費用は3万円~5万円程度と、費用の多くを占めるのはトイレ本体の費用になります。そのため、タンクレスかタンク付きかなど、設備選びが費用を左右するポイントです。

また、トイレのリフォームの場合も洗面所・脱衣所のリフォームと同様、便器・便座など設備本体の交換以外に、壁や天井のクロスや、床の張り替えの内装工事をあわせて行うことも多くなり、その場合は内装工事分の費用がプラスされます。

リフォームしたトイレ

カウンターを造作し、背面にニッチを設置したトイレ。間接照明がスタイリッシュな雰囲気を演出(画像提供/ミサワリフォーム)

リビング・ダイニングのリフォーム費用相場

リビング・ダイニングのリフォームの中心価格帯は50万円~100万円ですが、その内容は壁や天井のクロス、床の張り替えや、床暖房の新設、収納の設置など内容は多岐にわたります。リフォームの内容によって費用相場も異なるため、リフォームの内容ごとに目安を見ていきましょう。

壁・天井・床の張り替えの費用相場

壁や天井のクロスの張り替えは、スタンダードなビニールクロスを採用した場合で費用の目安は約10万円~15万円(約15~20畳)です。一般的なビニールクロスであれば、材料費による価格差はそれほどありませんが、機能性やデザイン性のあるハイグレードなものを選ぶと、その分費用はプラスされます。また、珪藻土や漆喰などの塗り壁に変更したい場合は左官工事が必要になり、クロスの張り替えよりも費用は高額になると考えておきましょう。

内装リフォームの種類 費用相場
※15畳程度のリビング・ダイニングの場合
壁・天井ビニールクロス張り替え 約10万円~15万円
壁・天井ビニールクロスを珪藻土に 約30万円~40万円

リフォームしたリビング・ダイニング

ナチュラルな木質感を活かした内装で、あたたかな雰囲気の空間を実現(画像提供/アクアラボ)

床のリフォームについては複合フローリングの重ね張りで約15万円~20万円、張り替えになると約40万円~80万円(いずれも約15~20畳)になります。床の下地がしっかりしていれば重ね張りのリフォームが可能ですが、下地が傷んでいると、張り替えたほうがよいというケースもあるでしょう。また、床材によっても費用は異なり、無垢材などになると費用はアップすることになります。

内装リフォームの種類 費用相場
※15畳程度のリビング・ダイニングの場合
床の重ね張り(複合フローリング) 約15万円~20万円
床の張り替え 約40万円~80万円

床暖房設置の費用相場

床暖房を設置する場合、温水式と電気式などがありますが、比較的温水式の方が電気式のものよりも導入費用が高くなる傾向があります。その一方で、導入後のランニング費用は電気式の方か高くなるのが一般的です。

リフォームで床暖房を導入する場合、既存の床を解体せずに設置できるタイプのものを選んだ方が工事費は割安になり、ガス温水式で、仕上げ材込みの費用相場は約30万円~35万円です。床暖房の導入に合わせて、給湯機の交換が必要な場合は、さらに約20万円~30万円がかかることになります。

また、導入に際し既存床の解体が必要な場合は、約20万円~30万円の工事費と、仕上げの床材として5万円~10万円がプラスで必要になります。

床暖房の種類 費用相場
※6畳の部屋に設置する場合
ガス温水式床暖房(上張り) 約30万円~65万円
ガス温水式床暖房(張り替え) 約55万円~105万円
電気ヒーター式 約40万円~60万円

収納リフォームの費用相場

リビング・ダイニングに収納を増やしたい場合、オープンタイプの収納棚を造作する費用の目安は約20万円~80万円です。

造作家具の場合、素材を安いものにすれば費用は抑えられますが、扉や引き出しなどをつけることで費用はアップします。費用を抑えたい場合は、扉や引き出しのないオープンな収納にして、ファブリックで隠したり、既製の収納ケースなどを組み合わせて使用するなどの方法もあります。

造作ではなく、壁面収納ユニットを採用する場合、費用は選び方次第で変わりますが、目安は約30万円~100万円です。

リビング・ダイニングの壁面収納

キッチンとリビングを仕切る本棚の壁を造作。カウンター上のオレンジの壁はキッチンとリビングをつなぐ小窓に(画像提供/スタイル工房)

外装リフォームの費用相場

外壁や屋根などの外装リフォームの中心費用帯は100万円~150万円です。リフォームの範囲が住戸内に限られるマンションとは異なり、一戸建ての場合は築年数や建物の状態によって、家の外装についても適切なリフォームが必要です。

外壁リフォームの費用相場

外壁のリフォームは足場を組む必要があり、足場工事代の目安は約25万円~40万円です。

外壁リフォームには塗装を行って表面をきれいにする「塗り替え」のほか、既存壁の上にサイディングを重ねて張る「重ね張り」、既存の外壁外装材をはがして新しい外壁外装材を取り付ける「張り替え」などがあります。

10年くらいの周期で行うのが良いとされる塗り替えの費用目安は、延床面積120m2程度の一戸建ての場合で、足場代を含め約60万円~100万円です。

一方、重ね張りの場合は同じような一戸建てのケースで、費用の目安は約150万円~300万円。外壁の劣化が進んでいる場合は張り替えを行う必要がありますが、張り替えの費用の目安は約200万円~500万円になります。

張り替えのリフォームは塗装や重ね張りよりも高額になるものですが、築年数が30年を超えていたら、劣化状況によっては張り替えを検討するタイミングです。また、張り替えの場合は下地からやり直すため、住まいの耐久性が向上すると共に、耐震補強や断熱工事もあわせて行えば、耐震性や断熱性などの機能性も上げることができます。

外壁外装リフォーム方法 費用相場
※延床面積120㎡程度の一戸建ての場合、足場工事代含む
塗り替え 約60万円~100万円
重ね張り 約150万円~300万円
張り替え 約200万円~500万円

外壁塗装のイメージ

(画像/PIXTA)

屋根リフォームの費用相場

屋根のリフォームは屋根材によってリフォーム方法が変わりますが、化粧スレートやセメント瓦、鋼板などは外壁同様、10年周期で塗装によるメンテナンスを行います。屋根の塗り替えのリフォーム費用の相場は、延床面積120m2程度の一戸建ての場合で、足場代を含め約50万円~60万円です。

屋根の下地がそれほど劣化していないスレートや鋼板の屋根であれば、重ね葺きリフォームも可能で、その場合の費用の目安は約100万円~200万円。屋根についても築30年を超えている場合は、劣化状況を見て葺き替えを検討した方がよい場合もあり、葺き替えの場合は費用の目安は約150万円~300万円となります。

屋根リフォーム方法 費用相場
※延床面積120㎡程度の一戸建ての場合、足場工事代含む
塗り替え 約50万円~60万円
重ね葺き 約100万円~200万円
葺き替え 約150万円~300万円

屋根の工事イメージ

(画像/PIXTA)

一戸建てリフォーム・フルリフォーム・リノベーションの費用相場

間取り変更を伴うような大規模リフォームは約800万円~4000万円が目安

築30年程度の一戸建てになると、住まい全体の大規模リフォームを検討することも多いものです。スケルトンリフォームなど、間取り変更を伴う一戸建てのリフォーム費用の中心価格帯は約1200万円~1500万円ですが、工事内容によって、個々のケースの費用には幅があるため、費用の目安は約800万円~4000万円と考えておきましょう。

間取り変更を伴うリフォーム費用について、住まいの広さ別に費用相場を見てみると、80~100m2で約800万円~2000万円、100~120m2で約1500万円~3000万円、120~150m2で約2000万円~4000万円となりますが、設備や建材のグレードなどによって、費用はこれらの相場よりも高くなることもあります。

一戸建てスケルトンリフォームの広さ 費用相場
80~100m2 約800万円~2000万円
100~120m2 約1500万円~3000万円
120~150m2 約2000万円~4000万円

築年数で費用相場も変わる

築浅の一戸建てであれば、外装のリフォームが簡単で済むことも多く、住まい全体のリフォームの内容が設備交換や表層替えリフォーム程度であればリフォーム費用の総額は抑えられます。

一方、築年数が古いものだと、耐震性や断熱性に問題がある場合は、耐震補強や断熱工事など、構造部に関わるようなリフォームが必要になり、費用は高額になります。

耐震性については、1981年6月1日以降に建築確認申請が受理された建物は「新耐震基準」に沿ったものになります。この基準に加え、木造住宅の場合は2000年6月1日に施行の建築基準法の改正でも、耐震基準がさらに強化されているため、1981年以降の新耐震基準の家であっても、2000年以前に建てられた木造住宅の場合は、耐震診断を受けておくと安心です。

耐震補強のイメージ

(画像/PIXTA)

一戸建てリフォームの実例と費用を紹介

ここまで一戸建てリフォームの費用相場を紹介しましたが、相場はあくまでも目安で、リフォームの範囲や内容などの違いにより、実際にかかる費用はケースバイケースとも言えます。そこで、リフォームを行った人たちはどのくらいの費用で、どんなリフォームを行っているのか、一戸建てのリフォームの実例を見てみましょう。

※紹介している費用は概算。また、施工当時の価格のため、現在の価格とは異なる場合があります

ライフスタイルの変化に合わせて、2階の間取りを大幅変更

リビング・ダイニング

(画像提供/アクアラボ)

間取り図

同居のため、8年前に実家の2階をリフォーム。子ども達の成長に伴い、再度間取りを暮らしやすく変更しました。今回のリフォームでは廊下の一部を組み込んでリビングを広げ、キッチンも大きく移動。念願だった子世帯専用の浴室も新設しました。内装はナチュラルな木質感を活かし、機能性にもデザインにもこだわった、理想の空間を実現しています。

洗面所・脱衣所

広々とした洗面スペース。造作の洗面化粧台のカウンター下の棚には扉を設けないことでコストを調整(画像提供/アクアラボ)

DATA
リフォーム費用: 850万円
費用概算
仮設・解体工事: 45万8000円
木工事 :228万円
内装工事 :36万9000円
建具工事 :59万5600円
住宅設備機器 :161万1000円
電気・給排水工事 :166万8000円
その他工事・諸経費・消費税 :151万8400円
工期: 約3カ月
リフォーム面積: 約80m2
築年数: 20年

天井までの高さを活用し、大容量の収納を実現。溢れていた本もスッキリ

リビング・ダイニング

(画像提供/スタイル工房)

間取り図

築16年の2階建て住宅。リビングの壁に天井までの高さの本棚を造作し、部屋にあふれる本をすっきり収納できるようなリフォームを行いました。収納以外にも、内装を大きく変更。床はオーク無垢材にし、壁は部屋によってオレンジ、レモンイエロー、ブルーなどの色を取り入れ、遊び心もプラスしています。ウッドデッキを新設し、サッシも全開口できるものに変更したことで、室内から家の周囲の緑も楽しめるようになりました。

リビング・ダイニング

明るいレモンイエローの壁がアクセントに(画像提供/スタイル工房)

DATA
リフォーム費用: 1100万円
費用概算
仮設・解体: 65万円
木工・内部造作・耐震補強工事: 280万円
建具工事ほか :95万円
内装仕上げ工事 :120万円
什器設備 :155万円
設備工事 :125万円
外装・ウッドデッキ工事: 110万円
その他: 150万円
工期: 2.5ヶ月
リフォーム面積: 102m2
築年数: 16年

全体の間取りやデザインを一新。シンプルモダンな住まいを実現

リビング・ダイニング

(画像提供/ミサワリフォーム)

間取り図

リビングを中心に、水回りや玄関スペースなど、全体の間取りを一新。独立していたキッチンをリビングと一体化し、スッキリと使い勝手の良い間取りになりました。また、リフォームで最も重要視したのはシンプルで美しいデザイン。リビングの壁面にはダークカラーのストーンベニアを採用し、キッチンの足元には間接照明を配するなど、意匠や素材にこだわったプランニングで洗練された住まいを完成させました。

玄関

玄関に面した扉と壁に住まい全体のつながりを表現するガラスを採用。抜け感のある印象的な空間に(画像提供/ミサワリフォーム)

DATA
リフォーム費用 1700万円
費用概算
リフォーム費用一式: 1700万円
工期: 120日
リフォーム面積: 120m2
築年数: 18年

母屋とつながるガレージを増築。家族みんなが趣味を楽しめる家に

リビング・ダイニング

(画像提供/優建築工房)

間取り図

母屋とつながるガレージを増築し、室内からはガラス越しにガレージの愛車を眺めることができる住まいを実現。ガレージの上部はLDK側から行き来ができるロフトスペースになっています。さらに、LDKにはピアノコーナーを設け、陶器コレクションを展示する棚なども造作。LDKに家族が集まり趣味の時間を共有できる理想のLDKになりました。

リビング・ダイニング

小上がりの畳コーナーと一体化したリビング。中央のテーブルは、あすなろの木を使って造作(画像提供/優建築工房)

DATA
リフォーム費用: 2700万円
費用概算
仮設・内部解体工事: 120万円
外構工事: 300万円
サッシ・木製建具工事: 250万円
増築工事: 600万円
木工事: 410万円
諸経費・その他: 670万円
内装・家具工事: 350万円
工期: 5ヶ月
リフォーム面積: 157.80m2
築年数: 32年

一戸建てのリフォーム・リノベーション費用を抑える方法

せっかくリフォームをするのであれば、限られた予算であっても、理想の住まいを実現させたいものですが、リフォームの規模が大きくなるほど、予算をオーバーしてしまうこともめずらしくありません。

予算内で希望通りのリフォームを行うには、どのように費用を調整すればよいか、コストをコントロールするためのポイントなどを見ていきましょう。

優先順位をつけて、リフォームの範囲、内容、設備や建材などのグレードを検討する

リフォーム費用を左右するポイントとしては、リフォームを行う範囲、内容、設備や建材などのグレードなどが挙げられますが、この3つの点を見直すことで、リフォーム費用を抑えることが可能になることもあります。

まずわかりやすい方法としては、リフォームを行う範囲を減らし、既存利用できる部分を増やせば費用を抑えることは可能です。新築のように住まいを一新したいという場合も、単純にスケルトン工事などを行うのではなく、どの程度まで解体を行うかを、建築士などのプロの意見も踏まえて吟味することが大事です。

次に、リフォーム内容についても、工事の方法を簡略化することで、費用を調整できる場合があります。例えば床のリフォームについては、全て張り替えるのではなく重ね張りを行ったり、窓のリフォームも壁を壊して交換するのではなく、カバー工法で行うなど、方法を変えることで費用を抑えることも可能です。しかし、この場合は後から「全て交換しておけばよかった」などと後悔することがないよう、既存の状態を見極めて判断する必要があります。

また、簡略化ではなく、リフォーム内容を減らすという方法も予算を抑える方法の一つですが、耐震や断熱などの建物の性能に関わる内容の工事や、建物の維持管理に必要な外壁や屋根の工事などについては、リフォーム後の建物の温熱環境や耐用年数などにも関わるため、安易に減らすことはできません。また、設備配線の刷新、床暖房の導入などについては、全面的なリフォームを行う時にしかできない内容のリフォームになるため、慎重に検討するようにしましょう。

3つ目のポイント、設備や建材などのグレードについては、グレードを変更することでコストダウンを図ることができるので、優先順位の低い部分については、グレードを見直すというのは予算調整の有効な方法です。ただし、外装材などはグレードを落とすことによって、耐用年数のダウンにもつながることもあるため、目先の金額だけでなく、長期的な視点を持って取捨選択をするようにしましょう。

プランニングのイメージ

(画像/PIXTA)

リフォームに使える補助金や減税制度を活用する

省エネリやバリアフリー、耐震目的のリフォームなど、リフォームの内容によっては補助金や減税制度を活用できることがあります。

それぞれの制度によって申請時期なども異なり、補助金制度は受付期間中であっても予算の上限に達して締め切られてしまうこともあります。早めに情報収集を行い、活用できそうな制度があれば、施工会社に相談して進めていくようにしましょう。

リフォーム補助金 耐震、断熱、省エネ、バリアフリーなど、特定の住宅リフォームなどにかかる費用の一部を国や自治体が給付するもの。各自治体のホームページや窓口で、対象となる制度や制度の内容について確認できる。
リフォーム減税  特定のリフォームを行うことで受けられる減税制度。
対象の改修工事や要件については国土交通省のホームページなどで確認できる。
こどもみらい住宅支援事業 こどもみらい住宅事業者と契約し、対象となるリフォーム工事をすると、工事箇所に応じた補助金が出る制度。
原則補助金の上限金額は1戸あたり30万円だが、条件によって上限金額は異なる。

一戸建てのリフォーム・リノベーションにかかる期間

フルリフォームの場合は2カ月半~3カ月程度

リフォーム内容や規模によってリフォームの期間は異なり、部分的なリフォームであれば数日で終わるものもありますが、スケルトンリフォームのような大規模なものになると工事期間は2カ月半~3カ月程かかります。

また、リフォームには工事期間だけでなく、準備期間も必要です。見積もりを依頼してから契約に至るまでの期間に加え、契約から着工までも数週間程度要することもあり、準備期間だけでも2~3カ月程かかることもあります。

リフォームのスケジュールは余裕を持って計画を立てるのが安心です。

工事期間のイメージ

(画像/PIXTA)

一戸建てのリフォーム・リノベーションのメリット・デメリット

新築や建て替えではなく、一戸建てのリフォームを行うメリットとはどんな点が挙げられるのでしょうか。リフォームをはじめる前に、知っておきたいメリット・デメリットもご紹介します。

メリット1 新築や建替えよりも費用や工期を抑えることができる

スケルトンリフォームなど大規模なものになれば費用も高額になり、工事期間も長くかかりますが、それでも、家を新築したり、建て替えて基礎からすべて新しくすることに比べれば、費用も期間も抑えられるのが一般的です。

リフォームの場合は建築費用を抑えられる分、新築や建て替えのケースよりも、設備や内装といった部分に予算をまわしやすくなるというメリットもあります。

費用の節約のイメージ

(画像/PIXTA)

メリット2 思い出の家を残すことができる

古くて住みづらさを感じる家であっても、思い出が詰まった住まいには愛着があるものです。リフォームであれば、ライフスタイルの変化に合わせ、暮らしやすく間取りを改修したり、設備を最新のものに交換しながらも、残したい部分は活かしていくようなプランにすることも可能です。

長く住み続けることができ、自分の子どもにも家を引き継いでいくことができるというのは、リフォームの醍醐味とも言えるでしょう。

思い出の家のイメージ

(画像/PIXTA)

メリット3 再建築不可の物件でも住み続けることができる

既存の建物を解体して更地にすると、新たに家を建てることができない、「再建築不可」というケースがあります。

再建築不可の土地というのは、都市計画区域と準都市計画区域内で、建築基準法の接道義務を果たしていない土地です。例えば、建築基準法による道路※に接していなかったり、接していても接している敷地の幅が2m未満であったり、接している道路が建築基準法に準じた道路ではないなどのケースがあります。
※原則公道などの幅員4m以上のもの。幅員4m未満でも建築基準法の道路とみなされる場合もある

再建築不可の土地に家が建っている場合、家の老朽化などが気になっても建て替えることはできません。しかし、リフォームであれば、既存の家はそのまま、気になる部分は改善することができるため、住み続けることも可能になります。

再建築不可の土地のイメージ

(画像/PIXTA)

デメリット1 リフォーム内容によっては費用が高額になることも

間取り変更を伴うような大規模なリフォームの場合、費用目安は約800万円~4000万円と前述しましたが、リフォームの規模が大きくなると、実施するリフォームの内容によっては、費用が高額になることもあります。

また、築年数が古く、劣化が進んでいて基礎からやり直す必要があったり、地盤沈下の影響などで家が傾いていたりする場合は、リフォームをして住み続けようとするよりも、建て替えの方が安く済むというケースもあります。

地盤沈下のイメージ

(画像/PIXTA)

デメリット2 理想の間取りにできない可能性もある

リフォームで間取り変更をすることは可能ですが、構造によっては、希望通りに間取り変更ができないこともあります。例えば、建物を支える耐力壁は撤去したりすることはできないため、床や壁などで建物を支える ツーバイフォー工法(2×4工法)の場合は、間仕切り壁を撤去して部屋を広くするような間取り変更はできません。

間取りのイメージ

(画像/PIXTA)

一戸建てリフォームの失敗・トラブルを防ぐ注意点

リフォーム会社選びでは複数社に見積もりをとる

リフォームの成否はパートナーであるリフォーム会社選びにかかっているといっても過言ではありません。リフォーム会社選びの第一歩である見積もりでは、情報収集をした上で2~3社程度に見積もりを依頼し、比較検討するのが良いでしょう。

各社から提示される見積書については総費用だけでなく、別途費用の有無などが書かれている特記事項の部分は必ずチェックするようにしましょう。リフォームパックなどの場合は、何が含まれるのかということのほかにも、オプションや追加費用についても確認しておくと安心です。

また、契約後、仕様を決める際には当初イメージしている金額よりも、予算アップをするというケースも多いので、見積もりの際に伝える予算は、その分も見込んだ金額を提示しておくと、予算オーバーの可能性が軽減されます。

見積もりは、リフォームのパートナーを見極める大切なステップです。見積もりの際は金額の安い高いだけでなく、担当者の対応や提案の内容などを総合的に判断して、リフォームを信頼して任せられるパートナーを選ぶようにしましょう。

見積もりのイメージ

(画像/PIXTA)

リフォームの目的や優先順位を明確にしておく

リフォームを行う理由や、リフォームで実現したい暮らしは人それぞれです。リフォームを行う場合は、事前準備として家族でリフォームの理由や、優先順位などをしっかり話し合っておくようにしましょう。

例えば、水回りの設備機器だけを交換したいという場合と、ライフスタイルに合わせて間取りを一新したいという場合とでは、依頼するリフォーム会社も変わってくるでしょう。何のために、どのようなリフォームを実施するのか、できるだけ具体的にイメージしておくことで、会社選びやリフォームのプランニングもスムーズに進めていきやすくなります。

家族会議のイメージ

(画像/PIXTA)

リフォーム工事着工前に、ご近所へのあいさつも忘れずに

工事着工が決まったら、ご近所へのあいさつを必ず行うようにしましょう。リフォームの工事では、騒音や車両の駐車スペースの問題などで近隣に迷惑がかかることもあるため、ご近所へリフォームのことを事前に伝えておくのがマナーです。

ご近所へのあいさつはリフォーム会社が請け負う場合が多いものですが、リフォーム業者と一緒に回ったり、事前に自分であいさつをしておいた方が安心です。あいさつの際には、リフォームの日時や工事の車を停める場所、何かあった場合の連絡先などを伝えます。不在の場合も手紙などを残しておくようにしましょう。

ご近所へのあいさつのイメージ

(画像/PIXTA)

リフォーム工事期間の仮住まいも準備しておく

水回りの設備機器の交換だけなど、部分的なリフォームであれば住みながらの工事が可能な場合もありますが、工期が数日かかる場合はやはり不便を感じるものなので、短期間であってもホテルなど仮住まいを検討するのがいいでしょう。

また、大規模なリフォームの場合は、工事期間中、家の荷物なども運び出す必要があり、引っ越し費用は仮住まいに移る際と新居に戻る際の2回分かかります。引っ越し費用と賃料を合わせると、まとまった金額が必要になるため、リフォームの工事費用のほかに、仮住まいにかかる費用も忘れずに準備するようにしましょう。

引っ越しのイメージ

(画像/PIXTA)

一戸建てリフォームは費用が高額になることもありますが、予算内で理想のリフォームをプランニングすることは難しくありません。今回紹介した費用目安も参考に、自分に合った一戸建てリフォームの計画を立ててみてはいかがでしょうか。

一戸建てリフォーム(全面改修)の費用相場は約800万~4000万円

一戸建てリフォームの費用はリフォームの内容や規模によって相場には幅があり、フルリフォームなど、大規模なリフォームになると、約800万~4000万円が目安。リフォーム費用は高額になることもありますが、国や自治体の補助金などを活用することも可能です。また、リフォームを行う際は、家族でリフォームの理由や、優先順位などをきちんと話し合っておくと、リフォーム会社選びやリフォームのプランニング、予算の調整などもスムーズに進めることができます。また、トラブル回避のためにも、着工前にはご近所へのあいさつも忘れずに行うようにしましょう。

●取材協力
アクアラボ
スタイル工房
ミサワリフォーム
優建築工房

構成・取材・文/島田美那子