リフォームの費用相場とメリット・デメリット。リノベーションとの違いや、使える補助金や注意点も紹介!

リフォームとは何か、リフォームでできることとできないこと、建て替えなどと比べたメリットとデメリットを解説します。リフォームの種類別の費用の目安や、流れと段取り、お得な減税・補助金制度、リフォームする際の注意点などもまとめました。

リフォームのイメージ

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記事の目次

リフォームとは? リフォームでできること・できないこと

リフォームとはなにか

住宅の「リフォーム」という用語には、明確な定義はありませんが、あえて言うなら「住宅の機能を維持・改善するための工事」といった意味になるでしょう。

リフォーム工事の規模は大小さまざまです。はがれた壁紙の補修や破れた窓ガラスの交換といった小規模な工事から、間取りの変更や子ども部屋の増築といった大規模な工事まで「リフォーム」と呼ぶケースもあります。

また給湯器やトイレなどのいわゆる住宅設備の修理や交換などを「リフォーム」に含む場合もあるようです。

リフォームでできること・できないこと

リフォームにはさまざまな規模の工事が含まれるので、できることもさまざまです。特に一戸建ての場合は自由度が高く、条件が許せば部屋を増やすといった増築も可能です。

ただし、できないこともあります。まず建ぺい率や容積率などの床面積が制限される法規制を超えて増築することはできません。また建物の高さにも規制があるため、例えば2階建てを3階建てに増築することはできない場合が多いでしょう。

マンションの場合は住戸の専有面積が限られているため、床面積を広げることはできず、専有面積の範囲内でのリフォームに限られます。またマンションは住戸内の専有部分と、居住者(区分所有者)全員で所有する共用部分に分かれており、個人でリフォームできるのは専有部分のみです。

住戸内であっても、窓のサッシやガラスは共用部分になるので、原則としてリフォームできません。バルコニーも共用部分なのでリフォーム不可です。また玄関ドアは室内側が専有部分なので塗装の塗り替え程度は可能な場合が一般的ですが、室外側は共用部分なのでドアの交換などはできません。隣の住戸との境の壁も共用部分なので壁に穴を開けたりはできませんが、室内の壁紙の交換などは可能です。

■マンションでリフォームできる部分とできない部分
できる部分
(専有部分)
できない部分
(共用部分)
・住戸内部
・玄関ドア(室内側)
・住戸内の床下配管
・共用施設
・建物の躯体(壁、床など)
・玄関ドア(室外側)
・窓
・バルコニー
・住戸外の配菅

なお専有部分であっても、管理規約などでリフォームが制限される部分もあります。例えば床は下の階に音が響かないよう、フローリングの遮音性能が規制されるケースがほとんどです。またキッチンなどの水回り設備はリフォームできますが、共用部分の配管と接続しなければならないので位置の移動が制限されるケースもあります。

リフォームとリノベーションの違い

リフォームと似た言葉としてリノベーションがあります。リノベーションとは間取り変更や内装・設備の全面的な変更といった大規模な工事を伴うもので、広い意味ではリフォームに含まれるといえるでしょう。大規模な工事の結果、住み心地や性能など住宅の機能性が向上することも、リノベーションの特徴です。

リフォーム工事のイメージ

写真/PIXTA ※写真はイメージです

リフォームか建て替えか

住宅が建てられてから長い年月が経ち、建物が老朽化したり、家族構成やライフスタイルに合わなくなった場合には、「そのまま我慢して住み続ける」「売却して住み替える」「建て替える」「リフォームする」といった選択肢が考えられます。このうち住む場所を変えずに住み心地をアップさせたいなら、リフォームか建て替えかの二者択一でしょう。ではどちらを選ぶべきか、それぞれのメリットとデメリットを考えてみましょう。なおマンションの場合は建て替えにほかの居住者の同意が必要となるので、ここでは主に一戸建ての場合を想定することにします。

まずリフォームのメリットですが、丸ごと建て替えるのに比べてコストを抑えられる点が挙げられます。また大規模な工事でなければ住みながらのリフォームも可能です。逆にデメリットは、間取りの変更などが制約されることでしょう。またせっかくリフォームしても、工事をしていない部分がすぐに傷んでしまうこともあります。

一方、建て替えのメリットとしては基礎からやり直せるので、間取りを大きく変更できることが考えられます。またすべてを新しくするので家が長持ちすることも期待できるでしょう。ただし、建て替えはリフォームに比べてコストが高くなりがちです。また工事中は仮住まいが必要になり、そのための費用もかかります。

■リフォームと建て替えのメリットとデメリット
  メリット デメリット
リフォーム ・コストを抑えられる
・住みながらの工事も可能
・間取りなどが制約される
・未工事の部分が傷みやすい
建て替え ・間取りを大きく変更しやすい
・新築後の家が長持ちする
・コストが高くなる
・仮住まいが必要になる

このようにリフォームと建て替えにはそれぞれにメリットとデメリットがあるので、特徴を理解したうえでどちらかを選ぶようにしましょう。

リフォームかDIYか

壁の塗り替えや棚の取り付けといった小規模なリフォームであれば、リフォーム会社に依頼せずに自分でDIYする方法もあります。それぞれのメリットとデメリットを確認しておきましょう。

まずリフォームは専門の会社や職人に依頼するので、きれいな仕上がりが期待できます。もし不具合があっても保証があれば補修などをしてもらえるでしょう。ただ、DIYに比べれば工事費のコストがかかります。また職人の手配などに時間がかかり、すぐに工事が始まらない場合もあるでしょう。

これに対し、DIYは材料費程度でコストを抑えられる点がメリットです。思いついたらすぐに実行できる手軽さもあるでしょう。とはいえ素人が工事するので仕上がりは自分の腕次第です。また不具合が出ても自分の責任で直さなければなりません。

■リフォームとDIYのメリットとデメリット
  メリット デメリット
リフォーム ・仕上がりがきれい
・不具合があっても保証を受けられる
・工事費などのコストがかかる
・職人の手配などに時間がかかる
DIY ・コストを抑えられる
・手軽に実行できる
・仕上がりは自分次第
・不具合は自分で直さなければならない

リフォームはどこに依頼すればいい?

リフォームしたいと思ったときに、どこに依頼すればいいのでしょうか。まず思いつくのはリフォーム会社でしょう。その名の通りリフォームを専門に扱う会社なので、小規模な修繕工事から大規模なフルリフォームまで幅広く扱っているケースが一般的です。またリフォーム会社は部材や設備を安く仕入れるルートを持っていたり、大工などの職人を確保していたりするため、工事費がリーズナブルなケースも少なくありません。

主に新築工事を手掛ける工務店が、リフォーム工事を請け負うケースもあります。もともと新築を扱っていた工務店であれば、大規模なフルリフォームは得意な分野でしょう。部材や設備は新築もリフォームも共通する場合が多いので、コスト面でもリフォーム会社とさほど変わらないといえます。社名に「リフォーム」という名前が付いていない工務店でも、リフォームを扱っているかどうか確認してみるとよさそうです。

設計事務所や建築家に依頼する方法もあります。設計事務所というと新築を扱うイメージが強いと思いますが、近年ではリフォームを手掛けるケースも少なくありません。ただ、対象は比較的大規模なリフォームに限られる場合がほとんどです。また工事費のほかに設計費がかかりますが、トータルの予算を伝えればその範囲内で設計してくれます。

このほか、トイレや浴室、壁や床材といった設備・内装の専門会社に依頼することも可能です。依頼できる工事は専門分野にほぼ限られますが、専門会社だけに丁寧な仕上がりや、リーズナブルな工事費が期待できるでしょう。

■依頼先の区分と特徴
区分 特徴
リフォーム会社 ・幅広くリフォームを専門に扱う
・コストがリーズナブルな場合が多い
工務店 ・リフォーム、新築を扱う
・フルリフォームが得意
設計事務所(建築家) ・比較的規模が大きな工事を扱う
・設計費が別途かかる
設備会社・内装会社など ・特定の設備・内装を専門に扱う
・コストがリーズナブルな場合が多い

リフォームのメリット・デメリット

ここからはリフォームのメリットとデメリットについて、少し詳しく見ていくことにしましょう。

メリット①必要な部分だけ新しくできる

リフォームにはさまざまな規模の工事があるので、基礎や柱などだけ残してほぼすべてをフルリフォームすることも可能ですが、一部だけリフォームするという選択肢もあります。例えばお風呂が古くなったので浴室と洗面室をリフォームしたり、子どもの成長に合わせて和室を子ども部屋につくり替えるといったケースが考えられるでしょう。

工事する部分を限定することのメリットは、工事費を抑えられることです。工事期間も短くできるので、暮らしが不便になる期間も最小限に抑えられるでしょう。実際に、建物の傷み具合やライフスタイルの変化に応じて、部分的なリフォームを続けながら住宅を長持ちさせているケースは少なくありません。

リフォームのイメージ

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メリット②住みながら工事も可能

リフォームは前述のように、大規模な工事を短期間で集中して行うフルリフォームなどでない限りは住みながら進めることが可能です。フルリフォームだとしても、例えば先に1階を工事して、終わったら次に2階を工事するなど、時期を分けて行うことで住み続けることができる場合もあります。

住み続けることができれば、工事期間中に仮住まいをする必要がない点がメリットです。仮住まいをするとなると、移転先を見つけてそこへ往復2回の引越しをしなければならず、仮住まい中は家賃も発生します。リフォーム会社によっては仮住まい先をあっせんしてくれるケースもありますが、手間と費用がかかることに変わりはありません。

ただし、住み続けながらリフォームするとなると、工事に伴う騒音やほこりなどへの対策が必要になります。「夜○時以降は工事をしない」「室内の養生を徹底する」といったルールを事前に確認しておく必要があるでしょう。

リフォーム会社との打ち合わせのイメージ

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メリット③古い部分を生かせる

リフォームのメリットとして、床や柱など古い部分を残して工事できる点も挙げられます。古くなってもまだ十分に利用できる部分があれば、そこを生かすことで材料費を節約できるケースもあるでしょう。子どもの身長を計った傷が残る柱などは、あえて残すことで家への愛着が増すこともあります。

とはいえ、構造上の問題などで残すことができないケースもあるので注意が必要です。デザイン上の関係で残さないほうがよい場合も考えられるので、工事を始める前に依頼先の担当者とよく相談して決めるようにしましょう。

リフォーム工事のイメージ

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デメリット①性能向上には限界がある

リフォームには、建て替えや住み替えに比べてデメリットと考えられる点もあります。例えば断熱や耐震など、住宅の性能を向上させるリフォームには限界があることです。もし住宅の断熱性を大幅に上げようとすると、すべての壁をはがして断熱材を入れ替えたり、窓を複層ガラスなどに取り替えたりしなければならず、多額の費用がかかります。同様に、耐震性を高めるには壁や柱の補強や増量などが必要となるケースが多く、大掛かりな工事が必要です。

とはいえ、性能の向上がまったくできないわけではありません。例えば日が当たりにくい北側の窓だけ断熱化したり、部分的に壁を増やしたりするだけでも、ある程度は断熱性や耐震性を高めることも可能です。またバリアフリーリフォームについては、高齢者が生活する範囲内だけに限定すれば費用を抑えられるでしょう。

■金額が大きくなりやすいリフォームの例
リフォームの種類 金額が大きくなる要因
断熱化リフォーム 壁の断熱材入れ替えや、窓の交換などが必要
耐震化リフォーム 壁や床の補強、柱の増量などが必要
バリアフリーリフォーム 床の段差解消、トイレの増設などが必要

デメリット②希望通りにできない場合も

リフォームでは構造上の制約などで希望が実現できないケースもあります。例えば壁には耐震性能を確保するために必要な「耐震壁」があるため、その壁を壊して部屋を広げたりすることは原則できません。同様に窓の位置や大きさも耐震構造に影響があるので、むやみに移動したり大きくしたりはできないのです。壁や窓のレイアウトを大きく変更するのが難しいので、間取りや部屋の配置を変えるのにも自ずと限界があるでしょう。

マンションの場合は前述のように、ルール上の制約もあります。鉄筋コンクリートの壁や床、玄関ドアや窓は共用部分なので、勝手に取り替えたり穴を開けたりすることはできません。床材は下の階に音が響かないよう、遮音性能などが管理規約で規定されているケースが一般的です。キッチンなど水回りの移動は物理的には可能ですが、共用配管と接続しなければならないため、やはり限界があります。

■工事が制約される部分の例
部分 制約される内容
耐震構造に影響するため壊せない場合も
耐震構造に影響するため増やしたり大きくできない場合も
管理規約で遮音性能の規制がある場合も(マンション)
共用部分なのでリフォームは不可(マンション)
玄関ドア 共用部分なので室外側のリフォームは不可(マンション)
水回り 共用配管との接続が必要なため移動が制約される(マンション)

デメリット③ローン金利が高くなる場合も

工事の規模にもよりますが、リフォームには数百万円以上の工事費がかかる場合もあります。現金で一括払いが難しい場合は、ローンを利用することになるでしょう。

銀行などではリフォーム向けの「リフォームローン」を扱っているところも少なくありません。このリフォームローンは家を買うときの住宅ローンと異なり、土地や建物に抵当権を設定する必要のない「無担保ローン」が一般的なので、住宅ローンと比べて手続きが簡便です。ただ、住宅ローンと比べて金利が高めなどの違いがあるので注意が必要です。

まず金利ですが、リフォームローンは担保を必要としない分、高めに設定されるのが一般的です。金融機関にもよりますが、2〜3%程度が目安になります。住宅ローンの金利はタイプによって異なりますが、変動型の場合は0.5%未満で借りられるケースも少なくありません。

借りられる額も異なります。住宅ローンは最大で5000万円以上借りられるケースが一般的ですが、リフォームローンは多くても1000万円前後が多くなっています。また返済期間も住宅ローンは最長35年が一般的なのに対し、リフォームローンは10〜20年程度が通常です。

リフォームローンは借り入れの費用が少なくて済む点がメリットです。事務手数料が無料など、ほとんど費用がかからないケースもあります。一方、住宅ローンでは手数料や抵当権の登記費用、保証料などで数十万〜100万円以上かかるのが通常です。また金融機関による審査期間は住宅ローンでは2週間前後かかりますが、リフォームローンは長くても数日程度です。

なお、リフォームでも規模が大きく1000万円以上の金額がかかるようなケースでは、住宅ローンが借りられる場合もあります。住宅ローンは手間と費用がかかりますが、金利が低く、返済期間も長くできるので月々の返済額を抑えられる点がメリットです。大規模なリフォームをするのなら、住宅ローンの利用を検討してみるのもいいでしょう。

■リフォームローンと住宅ローンの比較
  リフォームローン※ 住宅ローン
金利 高め(2〜3%程度が一般的) 低め(1%未満のものも)
借入限度額 低め(500万〜1000万円程度) 高め(5000万〜1億円程度)
返済期間 短め(最長10〜20年程度) 長め(最長35年が一般的)
費用 低め(ほぼかからない場合も) 高め(数十万円程度)
審査期間 短め(1〜数日程度) 長め(1〜2週間程度)
※リフォームローンは無担保の場合

リフォームの種類と費用の目安

リフォームは工事をする場所や目的によっていくつかの種類に分類でき、かかる費用も種類によって大きく変わります。ここではリフォームにかかる費用の目安について、種類ごとに見ていきましょう。

キッチンリフォーム

まずキッチンのリフォームですが、近年はコンロやシンク、水栓などをセットにした「システムキッチン」を設置するケースが一般的になっているので、ここでもそうしたケースを想定して話を進めます。

キッチンリフォームの費用を大きく左右するのは、キッチンのタイプによる違いです。キッチンにはさまざまな形がありますが、大きく分けると「I型」「対面キッチン」「L型」「アイランドキッチン」の4つに分類されます。

I型は「壁付け」とも呼ばれ、システムキッチンを壁に付けて設置するタイプです。リフォーム費用は間口(長さ)255㎝の場合で、50万円〜100万円程度が一般的です(関連工事費含まず。以下同)。費用は主に扉材や天板のグレードによって差が出ます。このタイプは費用が最も低めでスペースも節約できますが、調理作業中はダイニングに背を向ける形になるため最近では少なくなりつつあるようです。

キッチンの形はI型と同じですが、壁から離してダイニング側に向けたタイプが対面キッチンです。ダイニング側に腰壁をつくる必要があるため、壁付けのI型に比べて工事費が10万円程度高くなります。対面型のメリットは家族のほうを向きながら作業ができる点ですが、シンクの中などがダイニング側から見えやすくなるので注意が必要です。

キッチンの天板(ワークトップ)をLの字のようにしたタイプがL型です。作業スペースが広くなりますが、それだけキッチン本体のサイズも大きくなるので、リフォーム費用は90万円〜150万円程度にアップします。

アイランドキッチンは四方を壁につけず、島状にしたタイプです。キッチンの両側が通路になるので作業がしやすく、ホームパーティなどにも便利です。ただ、ワークトップの奥行きが広いタイプが多く、腰壁が両側に必要になるので、費用は100万円〜200万円程度と高めになります。

アイランドキッチンのイメージ

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浴室リフォーム

浴室を取り替えて新しくする浴室リフォームは、浴室のサイズやグレードによって費用に差が出ます。またユニットバスか在来工法かによっても費用が大きく左右されます。

まず古いユニットバスを新しいユニットバスに取り替えるケースですが、マンションで一般的な0.75坪タイプの場合はグレードや機能などによって60万円〜120万円程度が目安になります。また一戸建てで一般的な1坪タイプは80万円〜160万円程度、さらに広い1.25坪タイプは90万円〜280万円程度が費用の相場です。

浴室の内装や設備を職人が造作する在来工法の場合は工事の手間がかかるので、費用は高めになります。材料のグレードなどにもよりますが、1坪サイズで200万円〜350万円程度が目安になるでしょう。在来工法はコストがかかりますが、好みのタイルやヒノキの浴槽などこだわりの浴室を実現できる点がメリットです。

なお、在来工法の浴室をユニットバスにリフォームする場合、古い浴室を解体する工事が必要になるため、解体費用として20万円〜40万円程度が上乗せされます。

ユニットバスのイメージ

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トイレリフォーム

トイレのリフォームでは、便器・便座を取り替えるほか、床や壁、天井の内装を新しくするケースが一般的です。このうち最も費用がかかるのは便器・便座の機器代ですが、その費用はタンク付きトイレかタンクレストイレかによって大きく異なります。具体的にはタンク付きが10万円〜20万円程度、タンクレスが20万円〜30万円程度です。

なお、タンクレストイレを設置する場合は、手洗い器も別途必要になります。手洗い器にはさまざまな種類があり、費用も5万円程度から25万円程度までと幅広くなっています。

これらの設備機器代のほか、古い便器の撤去費用や床のクッションフロア、壁・天井のクロスの張り替え、ペーパーホルダーの設置などの費用も加えると、合計で20万円〜70万円程度が目安になるでしょう。

トイレのイメージ

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リビング・ダイニングリフォーム

リビング・ダイニングのリフォームにかかる主な費用は、床・壁・天井の内装リフォーム、収納の造作、照明工事などです。これらのうち内装と収納は部材のグレードなどによって費用が大きく異なります。ここでは15〜20畳程度のリビング・ダイニングをリフォームする場合の費用相場を見ていきましょう。

まず床のリフォームは既存のフローリングに合板を使った複合フローリングを上張りする工事が最も安価で、15万円〜20万円程度です。既存の床をはがして下地から張り替える場合、複合フローリングなら40万円〜50万円程度、むく材の場合は樹種にもよりますが70万円〜80万円が目安になります。

壁・天井はビニールクロスの張り替えが一般的な工事で、費用は10万円〜15万円程度。珪藻土や漆喰(しっくい)の塗り壁にする場合は左官工事が必要となり、費用は30万円〜40万円程度になります。

収納の造作は大きさや形状にもよりますが、幅2〜3mで天井までの高さのオープンな形状の棚を造作する場合は15万円〜35万円程度。既製品の収納ユニットを設置する場合は30万円〜100万円程度が目安です。

照明はシーリングライトやペンダント、間接照明などの種類があり、それらを組み合わせてリフォームするケースも少なくありません。その場合、電気工事費と照明器具代とで10万円〜30万円程度が一般的でしょう。

リビング・ダイニングのイメージ

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居室リフォーム

居室のリフォームでは床や壁・天井の張り替えが最も一般的でしょう。床の張り替えは床材の種類やグレードにもよりますが、6畳の場合で10万円〜20万円程度が目安になります。また壁・天井の場合、ビニールクロスの張り替えなら5万円〜7万円程度、珪藻土や漆喰の塗り替えは12万円〜20万円程度です。

古い家のリフォームでよくあるのが、和室を洋室に替えるリフォームです。この場合、畳をフローリングに替えたり、押し入れをクローゼットに変更したり、襖(ふすま)を引き戸やドアに変更する工事などが必要になります。6畳の場合の費用は合計で65万円〜100万円程度が目安となるでしょう。

和室リフォームのイメージ

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外回りリフォーム

マンションの外回りは共用部分なので個人ではリフォームできませんが、一戸建ての場合は屋根や外壁、外構などのリフォームが可能です。ここでは延床面積120m2程度の一戸建ての場合の費用相場(足場工事代含む)を見ていきましょう。

屋根のリフォームは既存の屋根材にもよりますが、主に「塗り替え」「重ね葺き(カバー工法)」「葺き替え」の3種類があります。塗り替えはスレートや鋼板の屋根材を再塗装する方法で、費用は50万円〜60万円程度が目安です。重ね葺き(カバー工法)は既存の屋根材の上に鋼板などの屋根材を重ねて葺く方法で、費用の目安は屋根材のグレードにより100万円〜200万円程度になります。また葺き替えは既存の屋根材を撤去して新たに屋根材を取り付ける方法で、瓦やスレート、鋼板など屋根材を自由に選べるメリットがあります。ただし費用は最も高く、150万円〜300万円程度が目安です。

外壁のリフォームには「塗り替え」「重ね張り(カバー工法)」「張り替え」の3種類があります。塗り替えは既存の外壁を補修・洗浄したうえで塗装を行う方法で、費用は塗料のグレードにより60万円〜100万円程度が目安です。重ね張り(カバー工法)は主にモルタル塗りの既存壁にサイディングなどの外壁材を張る方法で、外壁材のグレードにより150万円〜300万円程度が費用の目安になります。また既存の外壁材をはがして新しいものを取り付ける方法が張り替えで、下地工事も含めて200万円〜500万円程度が費用の目安です。

古い屋根のイメージ

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このほかの外回りリフォームとしては、門扉や塀(フェンス)、庭のリフォームなどがあります。費用は設備内容やデザイン、広さなどによりケースバイケースですが、例えば門扉の交換は10万円〜100万円程度、フェンスの交換は30万円〜250万円程度が目安になるでしょう。

耐震リフォーム

近年建てられた住宅は現行の耐震基準を満たしており、震度6強から7程度の大地震でも倒壊しない構造になっています。しかし、1981年5月以前に建築確認を受けた住宅は古い耐震基準で建てられているので、住み続ける場合は耐震診断を受け、必要に応じて耐震リフォームを行う必要があるでしょう。また木造住宅は2000年6月にも耐震基準が強化されているので、それ以前の基準で建てられた住宅も耐震診断や耐震リフォームをすることが望まれます。

耐震リフォームの方法は、既存の壁に筋交いや合板を入れるなどして補強するケースが一般的です。また壁の量が足らない場合は新たに筋交いや合板を入れた「耐力壁」をつくる方法もあります。このほか屋根材を葺き替えて軽量化する方法も有効です。

耐震リフォームの費用ですが、木造軸組工法の一戸建ての場合は築年数が古いほど金額が高くなる傾向にあり、平均するとおおむね150万円前後です。ただし、耐震リフォームでは壁をはがすなどの大掛かりな工事が必要なので、断熱材の補強や間取り変更なども同時に行う場合が少なくないでしょう。それらの工事費も含めると、合計で1000万円を超える費用になるケースもあります。

耐震補強のイメージ

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断熱リフォーム

住宅の断熱性を高めると少ない冷暖房でも夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるので省エネにつながります。住宅の省エネ基準は近年、徐々に高められていますが、義務付けられてはいないので断熱性の低い家も少なくありません。

断熱リフォームの方法としては、壁・床・天井の断熱材を補強する方法と、窓のサッシやガラスを交換・補強する方法が代表的です。壁・床・天井の断熱化は家全体で行うことが望ましく、合計で200万円〜300万円程度が費用の目安になります。

一方、窓の断熱化はガラスが二重になった複層ガラスに交換する方法もありますが、サッシや窓枠の交換も必要となります。これに対し、既存の窓の内側にもう一つ窓を設ける「内窓」を設置する工事は比較的手軽で、工事費を抑えることも可能です。内窓設置の費用は窓の大きさや形状にもよりますが、1カ所当たり7万5000円〜20万円程度が目安になります。

住宅の省エネ性を高めるには断熱化のほか、太陽光発電システムなど省エネ設備を設置したり、むく材や珪藻土など自然素材を使うエコリフォームも有効です。これらをまとめて工事すると、数百万から1000万円を超える工事になるケースもあります。

断熱材のイメージ

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バリアフリーリフォーム

バリアフリーリフォームとは高齢者などが安心して暮らせる住環境を整えるためのリフォームのこと。具体的には床の段差を解消したり、手すりを付けたり、ドアを引き戸に替えたりといった内容です。

床の段差解消に必要な費用は、洗面室の場合、既存床の解体や下地の交換、仕上げ材の施工などで2万円〜3万円程度が目安です。このほか和室の段差解消などは面積や仕上げ材のグレードなどによって変わります。

手すりの設置は材料費のほか、下地材の施工も必要です。費用の目安は、トイレや浴室などが3万円〜5万円程度、廊下が5万円〜10万円程度、階段が10万円〜20万円程度でしょう。

また開き戸のドアを引き戸に交換する工事は、材料費と工事費とで10〜15万円程度です。

手すりのイメージ

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リフォームの流れと段取り

ここからは、リフォームをするときの手順について、順を追って確認していきましょう。

依頼先探し〜プランニング

リフォームをするには、まず工事を依頼する会社を探す必要があります。依頼先には前述のようにリフォーム会社、工務店、設計事務所(建築家)などがあるので、希望するリフォームの内容や予算に合わせてインターネットなどで選びましょう。

よさそうな依頼先が見つかったら、問い合わせをして工事費の見積もりを出してもらいます。見積もりを出すための事前相談は電話やネットでも可能ですが、自宅に来てもらって現状を見てもらうのが確実です。3社前後の会社に相談をしてラフプランと相見積もりをとることで、工事内容や費用を比較するようにしましょう。

依頼先が決まったら、詳細なプランニングを依頼します。設備や部材を選ぶ際には依頼先の事務所でサンプルを見せてもらったり、担当者と一緒にメーカーのショールームなどに足を運んで実物を確認します。ローンを利用する場合は依頼先の担当者に相談すれば、提携先の金融機関などを紹介してくれるでしょう。

リフォーム打ち合わせのイメージ

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契約〜着工

プランニングが決まり、詳細な見積もりを確認できたら、依頼先とリフォーム工事の契約を結びます。契約の際には工事金額に応じた印紙税の支払いが必要です。ローンを借りるための手続きも、通常はこの時期に行うことになります。

契約時には依頼先に手付金を支払うケースが一般的です。手付金の金額はケースにもよりますが、工事代金の半額を契約時に支払い、残り半額を完成時に支払うのが標準でしょう。工事代金が数百万円以上の高額になるケースでは、契約時に手付金、工事の途中で中間金、完成時に残代金と3回に分けて3分の1ずつ支払う場合もあります。

契約を結んだら、通常は1週間程度で着工です。仮住まいが必要な場合は着工までに引越しができるように、依頼先や運送会社と事前に打ち合わせをしておきましょう。

■リフォーム工事で支払う代金の種類
種類 代金の内容 金額の目安
手付金 契約時に支払う 代金の50%、または1/3程度
中間金 工事費が高額の場合、工事の途中で支払う 代金の1/3程度
残代金 完成時に支払う 代金の50%、または1/3程度

工事〜完成

工事から完成までの間は、中間金の支払い以外に特に手続きはありません。ただし、施主として判断が求められる場面もあります。例えば壁を解体したときに内部の柱や筋交いが傷んでいた場合に、追加工事を負担して補強工事を行うかどうか、といったケースです。

このほか、工事が当初のプラン通りに進んでいるかといった点も、施主としてチェックする必要があります。仮住まい中で自宅から離れている場合でも、最低でも週に1度は現地に足を運ぶとよいでしょう。なにか困りごとや質問がある場合は、現場の職人に直接聞くのではなく、現場監督や依頼先の担当者に問い合わせるのが原則です。

工事が完成したら、引き渡しの前に施主による竣工検査を行います。仕上がりがプラン通りか、設備や仕上げに不具合などがないか、といった点を確認し、問題がなければ工事費の残代金を支払います。

リフォーム工事を確認するイメージ

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完成後

工事が完成したらすべて終わり、というわけではありません。完成後しばらく経ってから工事カ所や設備に不具合や故障が発生するケースもあるからです。不具合や故障が起こっても、依頼先や設備メーカーの保証期間内なら無料で補修・修理が受けられます。

保証期間はケースによりますが、設備については1年間が標準です。ケースによっては5年間程度の延長保証が受けられる場合もあります。また建物の構造や雨漏りなどは5年〜10年の保証が付くケースも。保証期間がどのくらいなのか、事前に確認しておきましょう。

リフォーム会社の担当者のイメージ

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リフォームの減税・補助金

国や自治体では、リフォーム向けの減税や補助金を用意しています。制度の内容を理解して、おトクにリフォームを実現しましょう。

住宅ローン控除

住宅ローンやリフォームローンを借りてリフォームをすると、年末ローン残高の0.7%に相当する額が所得税や住民税から控除される「住宅ローン控除」が受けられます。対象となるローン残高の限度額は2000万円なので、年間最大14万円、10年間では最大140万円の減税が受けられる制度です。

控除を受けるには、リフォーム工事費用が100万円超であることなど、一定の要件を満たす必要があります。またローンを借りた翌年に確定申告も必要です。給与所得者の場合は給与から天引きされた所得税から控除額が戻り、控除しきれない額があれば住民税の一部から控除されます。一度申告すれば、2年目から勤務先の年末調整で手続きが可能です。

この住宅ローン控除は2025年12月31日までにリフォーム工事をして入居した人が利用できます。

■住宅ローン控除を受けるための主な要件
・リフォーム工事費用が100万円超(補助金等の額を控除した後の金額)
・リフォーム後の床面積が50m2以上
・返済期間10年以上のローンを利用していること
・合計所得金額が2000万円以下

リフォーム減税

住宅ローン控除はローンを利用した人向けの制度ですが、ローンを利用しなくても受けられる「リフォーム減税」という制度もあります。

リフォーム減税には耐震リフォームやバリアフリーリフォームなどの種別があり、いずれも工事の内容に応じた額が所得税から控除されます。控除額の上限が種別によって決められており、工事をした年の所得税から差し引かれる制度です。また、三世代同居に対応した同居対応リフォームを除き、工事した翌年度の建物分の固定資産税が減額される制度もあります。

リフォーム減税による所得税の控除は、2023年12月31日までに工事を行い、入居した人が対象です。控除を受けるには入居の翌年に確定申告を行う必要があります。また固定資産税の減額は2024年3月31日までの工事が対象で、工事完了後3カ月以内に市区町村への申告手続きが必要です。

■リフォーム減税の概要
種別 所得税の控除
(最大控除額)
固定資産税の減額
耐震リフォーム 62.5万円 1/2を軽減
バリアフリーリフォーム 60万円 1/3を軽減
省エネリフォーム 62.5万円または
6.5万円
1/3を軽減
同居対応リフォーム 62.5万円 なし
長期優良住宅化リフォーム 62.5万円〜80万円 2/3を軽減

リフォームの補助金

一定の要件を満たすリフォームに対し、国などが費用を補助する補助金の制度もあります。

長期優良住宅化リフォーム推進事業は耐震性や省エネ対策など性能向上リフォームや三世代同居対応リフォームの費用を1/3まで補助する制度です。補助限度額は、長期優良住宅(増改築)認定を取得する場合が250万円、取得しない場合が150万円となっています(2022年度の場合)。また、住宅の断熱化工事など省エネリフォームを対象とした住宅エコリフォーム推進事業などもあります。

このほか、自治体が独自に補助金制度を実施しているケースもあります。対象となるリフォーム工事の内容や補助金額、受付期間などは各自治体のホームページなどで確認してください。

リフォーム補助金のイメージ

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リフォームの注意点

隣近所へのあいさつは必須

リフォーム工事中は車が頻繁に出入りしたり、騒音が発生したりするものです。遅くとも着工の1週間前までには、隣近所へ忘れずにあいさつをしておきましょう。

一戸建ての場合は向こう3軒両隣、マンションの場合は両隣と上下階の住戸へのあいさつは必須です。できれば現場監督か依頼先の担当者と一緒にまわり、予定している工事期間や、特に騒音が出そうな期間などを説明するとよいでしょう。

ご近所挨拶のイメージ

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マンションは管理規約を守ろう

マンションのリフォームでは管理規約で定められたルールを守ることも大切です。床の仕上げ材や電気・ガスの容量、工事が可能な時間帯や曜日などが決められているケースが少なくないので、事前に確認しておきましょう。

リフォームの実施が決まったら、管理組合の理事会への届出も必要になるケースが一般的です。また掲示板への実施日の掲示について、工事の何日前までに告知しなければならいかもルールが定められている場合もあります。

■マンションの管理規約で規制される内容の例
床の仕上げ材 床材の種類や遮音等級などが決められている場合がある
電気・ガスの容量 電気の分電盤やガス給湯器の容量に制限がある
資材の搬入経路 エレベーターや共用廊下を通る場合は養生の仕方などについて
工事可能な時間・曜日 工事が可能な時間帯や作業ができない曜日などの規定がある
工事実施の届出・告知 理事会への届出や、工事期間の告知・掲示が求められる場合も

諸費用も忘れずに準備を

リフォームでは工事代金のほかに諸費用もかかります。諸費用は現金で支払うケースが一般的なので、忘れずに準備しておきましょう。

まず依頼先と工事請負契約などを結ぶ際には印紙税がかかります。金額は工事代金(契約金額)に応じて決まり、例えば工事代金500万円超1000万円以下であれば1万円です。

住宅ローンを借りる場合は、保証料や手数料、抵当権の登記費用などを支払います。保証料や手数料は金融機関によって金額や名目が変わりますが、トータルで借入額の3%前後が目安です。

仮住まいをする場合はその費用も必要です。期間などにもよりますが、引越し代や家賃など数十万円程度が一般的でしょう。

■リフォームにかかる諸費用
種類 金額の目安
契約時の印紙税 1000円〜2万円程度
ローン借入費用※ 借入額の3%前後
仮住まい費用 数十万円程度
※住宅ローンの場合

まとめ

リフォームのメリットやデメリット、費用の目安などについて見てきました。今の住まいを新しくて快適な環境に変えるための一つの手段として、リフォームを検討してみてはいかがでしょう。おトクな減税制度や補助金なども活用して、理想の住まいを実現してください。

構成・取材・文/大森 広司