中古住宅で住宅ローンは組める?審査の厳しさ、リノベ費用や諸費用、フルローンの可能性を解説

公開日 2026年04月10日
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中古住宅で住宅ローンは組める?審査の厳しさ、リノベ費用や諸費用、フルローンの可能性を解説

中古住宅の購入を検討中で、住宅ローンが組めるか、審査に通るか不安な方も多いのではないでしょうか。中古住宅でも住宅ローンは組めますが、築年数による担保評価が審査のカギとなります。その担保評価をはじめ、金利への影響、リフォーム・リノベーション費用をまとめて借りる方法、フルローンの現実まで、住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの平井美穂さんに聞きました。

中古住宅は住宅ローンを借りられる?

令和6年度の住宅ローン新規貸出額のうち中古向けは24.1%(国土交通省/民間住宅ローンの実態に関する調査)。住宅ローン全体の約1/4が中古住宅の購入に充てられています。

ただし、中古住宅は新築と比べて建物の担保価値が低く評価される傾向があり、希望する借入額に届かないケースもあります。まずは購入にかかる費用の全体像と、住宅ローンを借りる流れを押さえておきましょう。

中古住宅の購入費用は「物件価格+諸費用」

中古住宅の購入には、物件価格のほかに諸費用がかかります。中古住宅の場合、諸費用の目安は物件価格の6~9%程度で、仲介手数料・登記費用・印紙税・ローン手数料などが含まれます。4000万円の物件であれば、諸費用は約240~360万円が目安です。

諸費用についてもっと詳しく→
住宅購入時の諸費用はどのくらいかかる?

諸費用は原則として現金で用意

住宅ローンは物件価格に対して融資されるものであり、諸費用まで含めて借りられるケースは限られます。購入を検討し始めたら、まず諸費用分の現金を確保できるかを確認しておきましょう。

築何年まで借りられる?中古住宅の担保評価の仕組み

住宅ローンの審査では、物件の担保評価と人の信用力のバランスが見られます。中古住宅の場合、新築と比べて建物の担保評価が低くなりやすく、これが審査の厳しさにつながります。担保評価に影響する要素のひとつが築年数です。

「建物の評価は金融機関によりますが、木造一戸建ての場合、築20年~法定耐用年数である22年でゼロになってしまいます。マンションの場合は、近隣類似物件の取引事例で査定されます」(平井さん)

物件の担保評価が低いほど、審査のハードルは上がってしまいます。中古住宅市場で人気の築30年、築40年の木造一戸建て物件では、審査が厳しくなったり、借入期間が短くなることも。借入期間が短くなると月々の返済額が増えるため、物件選びの段階から念頭に置いておきましょう。

住宅ローンの審査についてもっと詳しく→
中古住宅の住宅ローン、審査は厳しい?審査に通りやすい条件は?

住宅を評価する不動産業者
築年数の高い物件は担保評価が低くなりやすい傾向(画像/PIXTA)

月々の返済額をシミュレーション

住宅ローンの借入額や月々の返済額は、物件の築年数・審査結果・金利タイプなど、さまざまな条件によって変わります。詳しくはこの後で解説しますが、まずは大まかな金額感をつかんでおきましょう。

なお、住宅関連の月々の出費には、返済額のほか、管理費や修繕積立金なども加わります。

頭金10%・35年返済のシミュレーション

一般的な例として、3500万円の中古住宅を頭金10%(350万円)で購入する場合を見てみます。

3500万円の物件+頭金10%(35年返済)の場合の返済額
項目 費用
物件価格 3500万円
頭金(10%) 350万円
借入額 3150万円
諸費用(現金) 210~315万円
手元に必要な現金合計 560~665万円
月々の返済額 10.9万円
総返済額 4589万円
※固定金利2.3%、35年返済、元利均等、ボーナス時加算なし。keisan(カシオ計算機)のローン返済シミュレーターで試算(1000円未満は切り捨て)。

ただし、物件の条件や審査結果によって、返済期間や金利タイプが変わることがあります。例えば、担保評価が低い築古の木造一戸建ては、返済期間が短くなることがあります。

頭金10%・20年返済のシミュレーション

同じ条件で、返済期間が35年から20年に短縮されたシミュレーションを見てみましょう。

3500万円の物件+頭金10%(20年返済)の場合の返済額
項目 費用
物件価格 3500万円
頭金(10%) 350万円
借入額 3150万円
諸費用(現金) 210~315万円
手元に必要な現金合計 560~665万円
月々の返済額 16.3万円
総返済額 3932.8万円
※固定金利2.3%、35年返済、元利均等、ボーナス時加算なし。keisan(カシオ計算機)のローン返済シミュレーターで試算(1000円未満は切り捨て)。

返済期間が35年から20年に短縮されると、月々の返済額は約5.4万円増。一方、返済期間が短い分、利息の総額が減るため総返済額は標準パターンより約656.2万円少なくなります。

フルローン・35年返済のシミュレーション

また、頭金ゼロで物件価格の全額を借りる「フルローン」は中古住宅でも可能ですが、審査のハードルが高くなります。

3500万円の物件をフルローン(35年返済)にした場合の返済額
項目 費用
物件価格 3500万円
頭金(0%) 0円
借入額 3150万円
諸費用(現金) 210~315万円
手元に必要な現金合計 210~315万円
月々の返済額 12.1万円
総返済額 5098.9万円
※固定金利2.3%、35年返済、元利均等、ボーナス時加算なし。keisan(カシオ計算機)のローン返済シミュレーターで試算(1000円未満は切り捨て)。

フルローンになると、同じ返済期間で頭金10%の場合と比べ、月々の返済額が約1.2万円高くなり、総返済額は約509.9万円高くなります。頭金10%は350万円なので、約159.9万円多く支払うことになります。

シミュレーションの数字はあくまで目安です。審査の内容によって条件や金額は変わります。

また、「銀行が貸してくれる金額と、その人が安全に返せる金額には、大きな差があることも少なくありません」と平井さん。月々の返済額だけでなく、教育費や老後の貯蓄なども見据えた返済計画を立てておきましょう。

住宅ローンを借りる流れと「事前審査(仮審査)」「本審査」

住宅ローンを借りるときの大きな流れは下図のとおりです。

住宅ローン手続きの流れと所要期間
中古住宅購入と住宅ローンに関する流れ
(図版制作/SUUMO編集部)

住宅ローンは、「事前審査(仮審査)」を受けてから「本審査」の2段階で進むのが原則です。

事前審査

事前審査(仮審査)とは、職業・年収・勤続年数などの基本情報を提出し、「どのくらいの金額を借りられるか」「融資の可能性はあるか」を簡易的に確認するステップで、購入申し込みと同時に行うのが基本です。結果は数日~1週間程度で出ます。複数の金融機関に同時に申し込むことも可能で、提携ローンの場合は2~3行に同時申込するケースもあります。

本審査

本審査とは、仮審査を通過した後に行われる正式な審査です。源泉徴収票・確定申告書・団信加入のための健康状態の告知書・購入する物件の詳細資料など、より具体的な必要書類を提出します。ここを通過して初めて住宅ローン契約を結ぶことができます。ローン契約を締結したら、融資実行と同時に物件の引き渡しとなります。

住宅ローンの流れや必要書類についてもっと詳しく→
住宅ローンの事前審査・本審査の必要書類と契約までの流れ

リフォーム・リノベーション費用も住宅ローンで借りられる?

中古住宅の購入を検討する人の中には、購入と同時にリフォームやリノベーションも検討している人も多いでしょう。リフォーム費用を含めた資金計画が必要になりますが、実は物件購入費とリフォーム費用をまとめて1本の住宅ローンで借りられる場合があります。

「リフォーム一体型ローン」とは

物件購入費とリフォーム費用を一本化して借りられる「リフォーム一体型ローン」という商品があります。リフォーム費用だけを借りる「リフォームローン」は金利が2~3%台になることが多いのに対し、一体型ローンなら住宅ローンの金利(変動で1%前後)が適用されるため、費用面では有利です。ただし、取り扱っている金融機関が少なく、審査も通常の住宅ローンより厳しくなります。

リフォームにかかる費用の目安として、国土交通省の令和6年度住宅市場動向調査によると、リフォームに関する住宅ローンの年間返済額は平均73.7万円、平均返済期間は12.3年となっています。この数字をもとに試算すると、総返済額はおよそ906.5万円。リフォームの範囲や内容によって金額は大きく変わりますが、一つの目安として参考にしてみてください。

リフォーム一体型ローンのタイムスケジュール問題

リフォーム一体型ローンには、金利面の有利さとは別に、大きな現実的ハードルがあります。それがタイムスケジュールの問題です。

中古住宅の取引では、物件の申し込みから1週間~10日程度で売買契約・本審査提出というスケジュールが一般的です。一体型ローンの審査にはリフォームの見積もりと間取図が必要ですが、「物件を見てから1週間でリフォームの見積もりを出すのは、現実的に難易度が高い」と平井さん。

「リフォーム資金も住宅ローンの借り入れをしたいなら、先にリフォーム会社と打ち合わせを済ませ、物件を決めたらすぐに見積もりを依頼できる体制を整えておく必要があります」(平井さん)

リフォームの計画の話し合い
リフォーム一体型ローンに申し込むには、リフォームの見積もりと間取り図が必要(画像/PIXTA)

中古住宅の住宅ローン、審査は厳しい?審査に有利な条件は?

住宅ローンの審査では、完済時の年齢や年収などの「人の信用力」と、土地や建物の再販価格で算出される「物件の担保価値」の両面においてが積算方式で評価されます。中古住宅は新築と比べて建物の担保価値が低く評価される傾向があり、その分だけ審査のハードルが上がることがあります。

では具体的に、審査のどこで何が見られるのかを順に確認していきましょう。まずは「そもそも申し込みができるか」という入口の条件から見ていきます。

住宅ローンの申し込み条件

住宅ローンには金融機関ごとの「申し込み条件」があり、これを満たさないと審査自体を受けることができません。代表的な条件は以下のとおりです。

  • 申込時の年齢が20歳以上65歳以下
  • 完済時年齢が80歳未満
  • 前年度の税込年収が300万円以上 など

※金融機関によって異なります

住宅ローンの審査項目「人の信用力」

条件をクリアしたうえで、審査に進みます。国土交通省「令和6年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、9割以上の金融機関が融資の際に考慮する主な審査項目は以下のとおりです。

ローンの融資をする際に金融機関が考慮する項目
引用元:令和6年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書(国土交通省 N=978)(グラフ制作/SUUMO編集部)

完済時年齢と借入時年齢

完済時年齢は98.4%、借入時年齢は96.0%の金融機関が考慮すると回答しています。

「1年でも早く申し込むか、頭金を貯めるか迷っている人は、住宅ローンに強いファイナンシャルプランナーに相談するか、仮審査を受けてみてください。今の条件のまま、希望している借入額を最優遇金利で借りられる可能性もあります」(平井さん)

近年、住宅価格の上昇を受け、40年、50年といった長期ローンが増えてきています。長期ローンには、定年時の残高が高額になるリスクもあります。

「50年ローンにすると65歳時点で残高が4000万円近くになるケースもあります。老後資金を貯めながら住宅ローンを返し続けるのは、家計管理のハードルが非常に高く、よほど資産運用に自信がある方以外にはおすすめしません」(平井さん)

健康状態

多くの金融機関では、団体信用生命保険(団信)への加入を融資の条件としています。団信は、万が一亡くなったり、高度障害を負ってしまった場合に保険金で住宅ローンが完済される仕組みです。特約を付けることで、がんや急性心筋梗塞・脳卒中などの大病を患った際にも保障される商品もあります。持病などで団信に加入できない場合は、団信加入不要の【フラット35】を検討しましょう。

年収

収入が多く安定しているほど、高額の住宅ローンが認められやすくなります。「フラット35 利用者調査」(2024年度)によると、中古一戸建ての場合は年収の5.3倍、中古マンションの場合は年収の5.5倍の金額を借り入れているようです。

勤続年数

金融機関によっては「勤続1年以上」を申込条件としているところもありますが、勤続年数が短くても審査に通るケースはあります。

「勤続年数が短いと必ずマイナスというわけではなく、転職直後でも審査に通るケースはあります。転職によって収入が上がったり、ステップアップのための転職と分かれば評価されます。反対に、理由の見えにくい短期転職の繰り返しはマイナスに働くことがあります」(平井さん)

返済負担率

年収に占める年間返済額の割合のことで、「年間返済額÷年収×100」で算出します。目安は年収の25~35%以内とされています。

注意したいのは、住宅ローン以外の借入も合算されること。カードローンやリボ払いの残債がある場合、その返済額も含めて計算されるため、住宅ローン申込前に完済しておくと審査でプラスになります。

家計管理を見直す夫婦
住宅ローンの審査の前に家計を整理し、借入を可能な限り返済しておくとよい(画像/PIXTA)

住宅ローンの審査項目「物件の担保価値」

担保評価の方法

金融機関が重視するのは「万が一のときにその不動産を売っていくらで回収できるか」という再販可能性です。一戸建ては「建物(築年数をもとに評価)」と「土地(路線価または実勢価格)」を分けて評価し、法定耐用年数を超えた建物は評価額がゼロになることもあります。ただし、その場合も土地の価値(路線価など)は残るため、まったく借りられないわけではありません。

マンションは近隣の取引事例をもとに実勢価格で評価されます。
購入価格と担保評価額に差が生じると、希望する借入額に届かないケースがあります。

内装のきれいさなどは基本的に評価されない

多くの人が誤解しがちなのが、内装のきれいさやリノベーション済みかどうかは原則として担保評価に影響しないという点です。

「例えば、旧耐震基準の築60年のマンションに、内装のフルリノベーションを2000万円かけても、銀行の担保評価には影響しないことが多いです」(平井さん)。

担保価値が下がりやすい条件

市街化調整区域の物件
市街化調整区域は建物の建築が原則として制限されているため再販が難しく、担保価値が低いと判断されやすい傾向。金融機関によっては融資対象外としているところも。

再建築不可物件
建て替えができないため、担保価値がつきにくい。

離島の物件
離島の不動産は買い手が限られるため、担保価値が低くなったり、融資対象外となることがある。

物件の買取
不動産の担保価値は、その物件を売ったらいくらになるかで評価される(画像/PIXTA)

審査に落ちたら?次にできること

住宅ローンの審査に通らなかった場合でも、対応策は複数あります。

借入額を下げる

リフォームを住宅ローンに組み込むと借入額が増え、審査のハードルが上がります。物件購入だけで先に住宅ローンを通し、リフォームは入居後に別途リフォームローンで対応するという方法もあります。また、より安い物件に変えること自体が借入額の削減につながります。

頭金(自己資金)の比率を増やす

審査に通りやすくするための基本は、借入額を減らすことです。頭金を増やして借入額を下げると、返済負担率が改善され審査が通りやすくなります。

特に、頭金ゼロの「フルローン」を希望している場合は、「まずフルローンで仮審査を受けてみて、最優遇金利で審査が通るなら良い選択肢だと思います。けれど、高い金利が提示された場合は、両親から資金援助を受けるなど頭金を増やすことができないか検討してみましょう。また、手元にお金がないからと金利が高い住宅ローンでフルローンを組むのはおすすめできません。まずは健全な家計管理で頭金を用意しましょう」と平井さん。

物件を見直す

中古住宅でも、築浅・新耐震基準(1981年以降)を満たした物件は担保評価が上がりやすく、審査でも有利に働きます。また、住宅ローン減税の対象物件(新耐震基準適合物件など)は一定の評価基準をクリアしているため、金融機関の審査でもプラスに働く傾向があります。

また、公法上の制限や道路付け、境界確定・私道負担など、中古一戸建て特有の条件がローン審査に影響することがあります。不動産会社と相談しながら、住宅ローンが通りやすい物件かどうか確認しておきましょう。

クレジットカード・ローンを整理する

リボ払いやキャッシングの残債、他のローンの返済額は、住宅ローンの返済負担率に合算されます。残債を減らせれば、借りられる住宅ローンの上限が上がります。

ペアローン・収入合算を検討する

夫婦それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」は借入額を大きく増やせる可能性があります。どちらかが収入を失った場合のリスクも伴うため、内容をよく確認して検討しましょう。共働きの場合、配偶者の収入を合算することで世帯としての借入可能額を増やす方法もあります。

【フラット35】に切り替える

民間の住宅ローン審査に通らなかった場合や、持病などで団信への加入が難しい場合は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提供する【フラット35】が選択肢になります。ただし金利は変動型より高め(全期間固定)になるため、総返済額は増える傾向です。

住宅ローン審査の対策に前向きに取り組む夫婦
住宅ローンの審査に通らなくても、対応策は複数ある(画像/PIXTA)

中古住宅でも住宅ローンを組むことは可能です。ただし、新築と比べて建物の担保評価が低くなりやすく、物件の条件や審査結果によって借入額や返済期間が変わることを念頭に置いておきましょう。資金面の不安がある場合は、まず仮審査を受けて自分の条件を把握することが第一歩です。住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーや不動産会社に相談しながら、無理のない返済計画を立てて進めましょう。

まとめ

中古住宅でも住宅ローンは組める。ただし建物の担保評価が低くなりやすく、審査のハードルが上がるケースがある

購入費用は「物件価格+諸費用(6~9%)」。諸費用は原則として現金で用意する必要がある

審査に落ちた場合も、頭金を増やす・物件を見直す・【フラット35】に切り替えるなど複数の対応策がある

SUUMOコンテンツスタッフ

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