住宅ローンを借りるとき、団体信用生命保険に入らなくてもだいじょうぶ?

「団体信用生命保険」、略して「団信」は、 住宅ローンを返済中の人が、万一、死亡または高度障害の状態になったときに、その時点の住宅ローン残高と同額の保険金がおりて、ローン残高と相殺される仕組みの生命保険です。今回は団信の必要性や、最近の団信事情を解説します。

団信は入るのがキホン!

団体信用生命保険は、万一のときに、残された家族には住宅ローンの返済負担が残らないという非常にありがたい生命保険だといえるでしょう。

お金を貸し出す金融機関の側から見ても、返済中の人が死亡または高度障害の状態になった時点で、保険金によって貸し出した資金の残額を一括回収できるので、残された家族が返済を続けられなくなるリスクを排除できる点は大きなメリットでしょう。

ですから、多くの金融機関等の住宅ローン商品では、団信に加入できることが融資の条件になっているのが一般的です。健康上の理由などで団信に加入できない場合は、住宅ローン自体が借りられないというケースが多いのです。

ちなみに、最近では、「ワイド団信」と呼ばれる引受条件緩和型団体信用生命保険を取り扱うところが増えてきました。これは、通常よりも保険料は高くなる代わりに、団信への加入の条件を緩くしているタイプになります。

団信の保険料は、基本的に、借入金利に含まれています。金融機関等のホームページを見ると、「保険料は無料」とか「保険料は当行が負担します」などと書いてあることがありますが、保険会社が無料で保障を引き受けるはずはありません。

表向きは金融機関等が保険料を支払っているとしても、実質的には、返済している人が支払った利息の中から保険料が支払われているはずです。その保険料は、金利換算すると年0.2~0.3%程度が一般的な水準となっています。

【フラット35】は団信に入らなくても利用できる

通常の住宅ローン商品は、団信に入れることが融資の条件になっているケースが多いのですが、【フラット35】のように団信に入らないことを選択できる住宅ローン商品も一部存在しています。

住宅金融支援機構がつくった【フラット35】は、前身の住宅金融公庫の時代から団信は任意加入となっていました。団信の保険料(特約料)も、通常の返済とは別に支払うかたちでした。

それが2017年10月から、【フラット35】の団信の保険料も金利に含まれるかたちに変更され、「団信に加入する」のが基本になりましたが、従来どおり、「団信に加入しない」ことも選択できる、つまり、任意加入である仕組みは続いています。

ちなみに、団信に加入しない場合は、適用金利は0.2%低くなります。

従って、【フラット35】の適用金利を低くしたいのであれば、「団信に加入しない」を選択すればよいわけですが、万一のことが起きた後も住宅ローンの返済が続くことになりますので、残された家族の収入や、貯蓄、保障などでカバーできるのかが重要になります。

カバーできないのであれば、基本的には団信には入っておくべきでしょう。

団信ではなく、そのほかの保険(逓減定期保険や収入保障保険など)で備えるという考え方もありますが、その場合は、受けられる保障と支払う保険料とのバランスを冷静に比較検討することが重要でしょう。一般的な傾向としては、団信の保険料のほうが割安になっているケースが多いようです。

金利上乗せなしでガンや就業不能を保障する団信も登場

近年、多くの金融機関等が取り扱っている団信は、死亡または高度障害の状態になったときに保険金がおりる通常の団信だけでなく、3大疾病の保障や、8大疾病の保障を特約としてつけられるようになっているものが増えてきました。

特約をつける場合は、適用金利が0.2~0.3%ほど高くなるのが通常で、もともとの団信の保険料と合わせると、0.4~0.6%ほどになる計算です。

仮に、4000万円を年1%、35年返済で借りるとして、団信の保険料が0.3%で合計の借入金利が1.3%だったとすると、団信の保険料は総額で約238万円になります。

さらに特約も加えて0.3%上乗せした金利1.6%だったとすると、団信と特約の合計保険料は約484万円にもなります。

これだけの保険料を支払ったとしても、万一の3大疾病や8大疾病が不安で、備えておきたいのであれば加入しても問題ありません。ただ、それだけのお金があれば、その分、早く返済を終わらすことや、貯蓄に回すことも可能になります。

■団信に特約をつけると保険料はいくら?

団信の保険料0.3%の場合
適用金利 1.3%
毎月返済額 11万8592円
総返済額約 4981万円
総返済額のうち、団信の保険料 約238万円
※借入額4000万円、金利1%、35年返済、元利均等返済、ボーナス返済無しの場合
団信保険料0.3%に特約0.3%を上乗せした場合
適用金利 1.6%
毎月返済額 12万4442円
総返済額約 5227万円
総返済額のうち、団信の保険料 約484万円
※借入額4000万円、金利1%、35年返済、元利均等返済、ボーナス返済無しの場合

個人的には、住宅ローンの返済中に3大疾病や8大疾病にかかる可能性自体がそんなに高くはないと思いますし、保険金がおりる条件となっている「3大疾病や8大疾病にかかって所定の状態になる」確率はもっと低いはずです。保険料として200万円や300万円を掛け捨てにする価値があるかどうか、冷静に検討すべきかと思います。

ちなみに最近では、ガンと診断されたときにローン残高が50%になる特約や、精神障害、妊娠・分娩等を除く病気とケガにより就業不能状態が180日以上(または1年以上)続いた場合にローン残高がゼロになる特約などを、金利上乗せなしでつけられるような団信を用意している金融機関等も登場してきました。

そのような動きは、主にネット系の銀行が中心ですが、金利競争であまり差をつけられなくなってきたネット銀行は、団信のサービスで差別化を図ろうとしているのかもしれません。

利用を検討する際は、適用金利の比較と同時に保障内容の比較をして、金利上乗せなしなど、金利面での違いがないのであれば、保障内容で比較をするのもひとつの方法でしょう。

まとめ

団信に入っていることで、万一のときに、住宅ローンの返済負担が残らない

ワイド団信は加入のための健康状態の要件などがゆるいが、通常よりも保険料は高くなる

【フラット35】は団信に加入しなくても借りられる

特約で保障内容が手厚くなる団信もある

イラスト/杉崎アチャ

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公開日 2021年11月16日
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