フルリフォーム(全面リフォーム)にはいくら必要?リフォーム内容や築年数別の費用目安も紹介

公開日 2022年05月31日
フルリフォーム(全面リフォーム)にはいくら必要?リフォーム内容や築年数別の費用目安も紹介

一口にフルリフォーム(全面リフォーム)といっても、どんな工事をするかで、かかる費用はさまざまです。今回はフルリフォームの費用相場をSUUMOの調査データを元に紹介!築年数やフルリフォームの内容による費用相場の目安、費用を抑えるポイントについて、数多くのリノベーションを手掛ける「リノべる。」に伺いました。

フルリフォーム(全面リフォーム)とは?建て替えとはどう違う?

フルリフォーム(全面リフォーム)は、基礎や構造部分を残し全面的に行う改修

リフォームやリノベーションなど、住まいの改修を表す言葉はいろいろとありますが、「リフォーム」が、不具合の修繕や原状回復のための部分的な改修を指すのに対し、付加価値を与えるような大規模な改修は「リノベーション」としてイメージされることが多いようです。ただし、どちらの表現も法律などで明確に定義されているものではありません。

フルリフォーム(全面リフォーム)の場合は、「リフォーム」とはいえ、全面的な改修になるため、通常、リノベーションのような大掛かりな改修を指します。しかし、一から建物を新築する「建て替え」とは異なり、基礎や柱や梁などの構造(躯体)部分は残して、暮らしに合わせて改修します。

なお、リノベーションの場合は見えない配管についても手を加えることが一般的ですが、フルリフォームといった場合、リフォームの規模についてはケースバイケースで、クロスや建具など、住まい全体の表層的な部分のみ改修を行うケースから、躯体のみの状態(スケルトン)にして、配管などにも手を加えるケースまでさまざまです。

フルリフォーム(全面リフォーム)のメリット

建て替えよりも短い工期で費用も抑えられる

フルリフォーム(全面リフォーム)のメリットは、建て替えよりも短い期間でコストを抑えながら、既存の建物をバリューアップすることができる点です。

「建て替えは基礎、柱、梁などの構造体すべてが新しくなるのが魅力ですが、その分工期もコストもかかります。新築費用だけでなく、取り壊した部材などの廃棄費用も必要になり、建て替えの場合は『暮らし』に影響が大きい内装や家具などにまで、予算をまわしにくいということがあります」(「リノべる。」、以下同)

フルリフォームであれば、建て替えよりも費用を抑えられる分、暮らしへのこだわりをより反映させた住まいづくりが可能になるというのは、魅力的な点だといえます。

時間とコストのイメージ
(画像/PIXTA)

再建築不可物件も新しくできる

また、立地によっては、今建っている建物を解体してしまうと、新たな家を建てられない「再建築不可物件」というケースもあります。既存の家が古くなり、住みにくさを感じているのに建て替えができないという場合でも、フルリフォーム(全面リフォーム)であれば、既存の建物を利用して、住み続けることも可能です。

再建築不可物件とは? 後悔しないために知っておきたい再建築不可物件のメリット・デメリット

環境に優しい

「マンションの建て替えのケースでは、既存建物を同規模の新築に建て替えた場合と比較して、リノベーションのほうがCO2排出量を76%と廃棄物排出量を96%削減できるという調査結果※があります。一戸建ての建て替えの場合においても、一定の環境負荷削減の効果が期待できると思います」
※下図参照

建物を解体し、廃棄した上で新たな建物を建てる建て替えに対し、既存の建物を活かすフルリフォーム(全面リフォーム)は、環境に優しい住まい方の選択肢の一つといえます。

北習志野台プロジェクトのリノベーションによる二酸化炭素排出量および廃棄物排出量の削減効果
北習志野台プロジェクトのリノベーションによる二酸化炭素排出量および廃棄物排出量の削減効果
出典:「リノベーションによる二酸化炭素排出量および廃棄物排出量の削減効果」(リノべる・金沢工業大学 佐藤孝一研究室・国士舘大学 朝吹佳菜子研究室)

間取りも、配管も一新できる

マンションの場合、そもそも住戸単位で建て替えることはできませんが、フルリフォーム(全面リフォーム)であれば、間取りや配管なども一新することが可能です。劣化している部分の刷新はもちろん、新築の場合と同じように、自分たちの暮らしに合わせて間取りをつくることができます。

床下配管のイメージ
(画像/PIXTA)

フルリフォーム(全面リフォーム)のデメリット

建て替えに比べると間取りの自由度は下がる

フルリフォーム(全面リフォーム)では、建物の構造によって、間取りの変更に制約がかかることもあります。例えば、構造上撤去しても問題のない間仕切り壁であれば問題ありませんが、建物を支える耐力壁は動かすことはできません。

さらに、マンションの場合は規約でリフォームの範囲などに制限を設けていることもあるため、フルリフォームを計画する際には、管理規約や契約書などをきちんと確認するようにしましょう。

また、一戸建ての場合はマンションよりも制約は少ないですが、技術的に可能でも、コスト的に見合わないというケースもあります。一から間取りをプランニングできる建て替えと比べると、フルリフォームの間取りの自由度は低いといえるでしょう。

管理規約や契約書のイメージ
(画像/PIXTA)

部分的なリフォームと比べると費用は高額になる

フルリフォーム(全面リフォーム)は建て替えに比べれば費用を抑えることができますが、部分的なリフォームと比較すると、大掛かりな工事になるため、費用は高額になります。

また、住んでいる家をスケルトンリフォームする場合などは、工事期間中の仮住まいの費用なども必要になります。

リフォーム工事期間のイメージ
(画像/PIXTA)

解体してみないとわからないこともある

フルリフォーム(全面リフォーム)の場合、きちんと事前調査を行っても、工事が始まらないとわからないこともあります。

「構造体の正確な寸法など、解体してみないとわからないこともあります。図面や想定の躯体のサイズが違い、サイズが特注になったり、工法が変わることも場合によってはあります。しかしながら、ある程度は竣工図などから予想できることもあるため、しっかりとそのあたりのコストを含んで検討する企業に依頼するのがよいでしょう」

解体工事のイメージ
(画像/PIXTA)

一戸建てとマンションでフルリフォーム(全面リフォーム)の費用は変わる?

一戸建ての場合は1200~1500万円、マンションの場合は600~900万円が中心価格帯

フルリフォーム(全面リフォーム)といっても、スケルトンリフォームのような大規模な改修の場合と、表層の変更や修繕などを行う場合とでは費用は大きく異なります。

2019年4月時点リフォーム実施者調査(SUUMO)によると、「間取り変更・スケルトンを目的としたリフォーム」を行った人の費用の中心価格帯は、一戸建ての場合は1200~1500万円、マンションの場合は600~900万円です。

また、各ケースの費用幅は大きく、工事規模によっても金額は変わるため、相場となると、一戸建ては800~4000万円、マンションの場合は600~3000万円が目安となります。

なお、「リノべる。」によると、首都圏のマンションの場合は、約70m2で1400万円程度が平均的な価格だそうです。

一戸建てスケルトンリフォームの広さ別費用相場
80~100平米 約800万円~2000万円
100~120平米 約1500万円~3000万円
120~150平米 約2000万円~4000万円
マンションスケルトンリフォームの広さ別費用相場
60~70平米 約600万円~1000万円
70~80平米 約800万円~2000万円
80~90平米 約1000万円~3000万円
※設備・建材のグレード等によって上記の費用を上まわることもある
出典:2019年4月時点リフォーム実施者調査(SUUMO)

建物の築年数はリフォームの費用に影響する?

築年数が経っているほどリフォーム費用は高くなる傾向

持ち家ではなく、中古物件の購入に際してフルリフォーム(全面リフォーム)を行う場合は、スケルトンにして一新することを前提にしているので、物件価格が落ち着いた、築年数がある程度古い物件を選ぶケースが多いようです。築浅の場合は部分リフォームとなることも多いため、築古のほうが築浅のケースよりもリフォーム費用がアップする傾向があります。

「建物が旧耐震か新耐震※かというのは工事費用に影響します。一戸建てで旧耐震の場合、新耐震基準を満たすレベルまで耐震補強をするとなると、その分費用は高くなります。

また、給排水管の交換が必要かどうかという点も、費用を左右するポイントです。マンションの場合は、築20年程度であれば、樹脂系の給排水管を使っていることが多いので、そのまま交換せずに工事をするケースもありますが、築30年以上の場合、鉄の管を使っていることも多く、錆が発生しているなど交換が必要なことも少なくありません。給排水管の交換の有無については、築20~30年というのが、目安になります」

※1981 年の建築基準法改正以前の基準である「旧耐震基準(旧耐震)」と区別して、それ以降の耐震基準を「新耐震基準(新耐震)」と呼ぶ

リフォーム部位ごとの費用相場は?

キッチンや浴室など水まわりは位置変更も可能

「フルリフォーム(全面リフォーム)となると、キッチンは壁付けだったものを、対面キッチンやアイランドキッチンにするなど、設備の交換だけでなく位置の変更などをご希望いただく場合も多いです。浴室の場合も、システムバスを新しいものにするだけでなく、位置変更から行うケースも少なくありません。

また、費用は設備のグレードや仕上げによって大きく左右されますが、特にキッチンや浴室は設備の選び方次第で、100万円以上総費用が変わることもあります」

キッチンのリフォーム費用相場
リフォームの内容 リフォーム費用の目安(SUUMO調べ)
位置を変えずにキッチン(システムキッチン)を交換する 80万円~120万円程度
(I型壁付けキッチン標準グレード、間口255cm程度、内装は変えない場合)
壁付けを対面キッチンに変える 150万円~280万円程度
(I型対面キッチン標準グレード、腰壁造作、間口255cm程度、内装を一新する場合)
浴室リフォームの費用相場
もともとの浴室 リフォーム後の浴室 リフォーム費用の目安(SUUMO調べ)
システムバス(ユニットバス) システムバス(ユニットバス) 約60万円~約120万円(マンション0.75坪)
在来工法の浴室 システムバス(ユニットバス) 約80万円~約160万円(一戸建て1坪)
在来工法の浴室 在来工法の浴室 約200万円~350万円(一戸建て1坪)
システムバス(ユニットバス) 在来工法の浴室 約150万円~約300万円(一戸建て1坪)
※在来工法の浴室とは、昔ながらの工法により、現場で一から作り上げられる浴室のこと。一方、システムバス(ユニットバス)の場合は、工場で生産されたユニットを現場で組み立て浴室を作る。
※両者の大きな違いは防水にある。在来浴室は現場で職人が防水工事をするのに対し、システムバスは防水性が確保されたユニットを現場で組み立てる。
出典:2019年4月時点リフォーム実施者調査(SUUMO)
浴室リフォームのイメージ
(画像/PIXTA)

内装はクロスやフローリングの張り替え、建具の交換で雰囲気一新

内装については、間取り変更をしない場合も、クロスやフローリングの張り替え、建具交換などを行うことで見た目は一新されます。

「クロスや床の張り替えは、それほど大きく価格に差がでる部分ではありませんが、建具は意外とコストアップしがちな部分です。例えば、収納をたくさんつくりたいという要望がある場合、収納のすべてに扉をつけると予算が大幅にアップすることもあるので、そのような場合は扉を使用せず、ファブリックなどを使う仕切り方や、オープンの収納にして、既製品の収納ボックスを組み合わせる方法を提案することもあります」

リビング・ダイニングのリフォーム費用相場
内装(スタンダード) リフォーム費用の目安(SUUMO調べ)
壁・天井ビニールクロス張り替え 約10万円~15万円
床の上張り(複合フローリング) 約15万円~20万円
内装(ハイグレード) リフォーム費用の目安(SUUMO調べ)
壁・天井ビニールクロスを珪藻土に 約30万円~40万円
(15畳程度のリビング・ダイニング)
床の張り替え 約40万円~80万円
(15畳程度のリビング・ダイニング)
収納(スタンダード) リフォーム費用の目安(SUUMO調べ)
壁面収納(造作) 約15万円~35万円
(間口2~3m程度、天井いっぱいのサイズ)
収納(ハイグレード) リフォーム費用の目安(SUUMO調べ)
壁面収納ユニット 約30万円~100万円
出典:2019年4月時点リフォーム実施者調査(SUUMO)
内装リフォーム検討のイメージ
(画像/PIXTA)

一戸建ての外壁・外装・屋根のリフォームには足場が必要

一戸建ての場合は外壁・外装・屋根の工事が発生することもあり、その分、マンションの場合よりも、リフォーム費用の相場は高くなる傾向です。

「屋根や外壁、外装の工事をするには足場を組む必要がありますが、足場工事代を含めると外壁・外装・屋根の工事費用だけで数百万円になることもあります」

外壁・外装リフォームの費用相場
リフォームの方法 リフォーム費用の目安(SUUMO調べ)
塗り替え 約60万円~100万円
重ね張り 約150万円~300万円
張り替え 約200万円~500万円
※延床面積120平米程度の一戸建ての場合、足場工事代含む
屋根リフォームの費用相場
リフォームの方法 リフォーム費用の目安(SUUMO調べ)
塗り替え 約50万円~60万円
重ね葺き 約100万円~200万円
葺き替え 約150万円~300万円
※延床面積120平米程度の一戸建ての場合、足場工事代含む
出典:2019年4月時点リフォーム実施者調査(SUUMO)

フルリフォーム(全面リフォーム)の進め方や注意点は?

予算とスケジュールに合わせてプランニング

今住んでいる家のフルリフォーム(全面リフォーム)を検討するのなら、最初の一歩は見積もりの依頼です。見積もりはトータルコストの高い安いだけでなく、工事内容や提案力なども加味して比較しましょう。契約の後、予算に合わせて詳細のプランニングを行い、工事がスタートします。工事内容や規模にもよりますが、例えばマンションのスケルトンリフォームの場合、工事開始から引き渡しまでは3カ月程度かかるのが一般的です。

なお、中古物件を購入してフルリフォームをと考えている場合は、物件探しの期間も必要になります。物件探しには、自分で探す場合と、プロに物件探しから依頼をするワンストップサービスがあります。いずれの場合にも、入居したい日が決まっている場合は、物件探しの期間も考慮した上で、余裕をもって計画的に進めるようにしましょう。

追加工事に注意する

リフォームの場合、解体をしてみないとわからないこともあると前述しましたが、解体後に追加工事が必要となるケースもあります。そのような場合は、追加工事の必要性について十分に確認をした上で、きちんと見積もりを出してもらうようにしましょう。

また、追加の補修以外にも、フルリフォーム(全面リフォーム)で追加工事が発生するケースとしては、施主側の要望追加によるものも少なくないそうです。

「工事着工前にすべてのプランをフィックスさせるのが理想ですが、それでも工事が進むうちに追加の要望が出てきてしまうこともあります。そういった場合、できるだけ余計なコストがかからないようにするためにも、早いタイミングで相談をすることが重要です。

例えば、すべての木工事が終わった後に、棚を増やしたいとなると、その追加工事のためだけに、木工事の職人さんを呼ぶことになり、工事単価はアップせざるをえないということになります」

プランニングのイメージ
(画像/PIXTA)

フルリフォーム(全面リフォーム)で費用を抑えるコツは?

優先順位を明確にして、工事内容にメリハリをつける

大規模なリフォームとなると、あれもこれもと要望が出てきて費用がかさむものですが、リフォームでかなえたい暮らしをしっかりとイメージして、優先順位を明確にしておくと、リフォーム費用を抑えることができます。

「フルリフォーム(全面リフォーム)となると、すべて解体してつくり直すのが大前提と考えてしまう人もいますが、既存のものを活用しながら、必要な部分だけ工事を行うことも可能です。

何を実現したくてリフォームを行うのかということを明確にしておくと、譲れない部分と、コストダウンできる部分が見えてきます。費用を抑えたい場合は、優先順位の低いポイントについてはグレードを見直したり、予算に見合った価格のもので対応することが可能なこともあります。

無理だと思っていても、メリハリをつければ予算の範囲で実現できることはあると思うので、まずは優先順位をしっかりとつけて、施工会社などに相談をしてみるといいと思います」

内装の打ち合わせのイメージ
(画像/PIXTA)

補助金や減税制度を活用する

省エネ、バリアフリー、耐震といった目的のリフォームの場合、国や自治体の補助金などを活用できるケースもあります。

「いろいろな補助金や制度がありますが、それぞれ申請のタイミングや条件などが異なります。自分のケースで活用できる制度などがないか、早めに情報収集をしておくのがおすすめです」

工事着工前の申請が必要な場合もあるので、余裕をもって情報収集を行い、早めに施工会社などに相談をすると安心です。

フルリフォームの実例と費用の目安を紹介

ここからは実際にフルリフォームの実例を見てみましょう。

※紹介している費用は概算。また、施工当時の価格のため、現在の価格とは異なる場合があります
※事例の画像はすべて「リノべる。」提供

Case1  家具を主役に住まいをプランニング。フルリフォームで自宅にアトリエも実現

結婚を機に中古物件を購入して、フルリフォームを行ったNさん夫妻。お気に入り家具が映えるような床材を選択し、壁も家具とのバランスを考えた色合いにしました。また、料理が好きということで、洗面室や浴室などの水まわりはコンパクトにまとめ、キッチンの広さを確保。さらに、このフルリフォームでは夢だったアトリエも実現し、仕事場として集中できる環境も手に入れることができたそうです。

フルリフォームの場合、大きく間取り変更をすることは少なくありませんが、Nさん夫妻は基本的に既存の間取りを踏襲しつつ、ポイントを押さえて使いやすく改善。玄関から寝室に直接アクセスできるようにしたり、キッチンを少しだけ広くして冷蔵庫や収納の場所を確保したり、洗面スペースを少し小さくして浴室を広くしたりと、自分たちの生活スタイルに合わせて変更したそうです。

LDK
LDKの主役はvitra.のダイニングテーブル。LDKが広々と感じられるよう、こだわりのステンレスキッチンは壁付けに
玄関
玄関からそのまま寝室に入れる間取りに変更。帰宅後そのまま自転車を置けるのが便利だそう
間取図
既存の間取りを活かしながら、自分たちの暮らしに合わせて細部を調整

リフォーム費用 約1300万円
面積 62.03m2
間取り 2LDK→2LDK
建物 中古マンション
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造
完工時築年数 築36年

Case2 生活スタイルに合わせて大胆に間取りを変更。細部にまでこだわりが詰まった愛着のある住まい

新婚旅行で行ったバルセロナのホテルから得た着想に、お気に入りのショップのイメージもかけ合わせてコーディネートした室内。無機質なモルタルと白壁のシンプルな空間に木の温かみがプラスされ、上品な雰囲気にまとめられています。フルリフォームでは細部まで自由に決められるということで、トイレの鍵やブラケット照明など、さまざまなこだわりのアイテムを自分たちで手配。小さな所にも愛着をもて、モノを長く大事に扱おうと思えるようになったそうです。

また、フルリフォームの最大の利点は、生活スタイルや趣味に合わせて住空間をつくることができる点と話す夫妻は、間取りも大胆に変更。LDKの中心にはダイニングと一体化したアイランドキッチンを据え、友人を招いてホームパーティーもできる空間にしました。さらに、リビングには手前に引き出す収納と、畳を外して使う2種類の床下収納を備えた小上がりを設置。家族が増えてからの暮らしもイメージした、暮らしやすい住まいになりました。

LDK
リビングの壁面はフルリフォームの思い出に、DIYで1日かけて塗ったスペース。窓サッシは建物の古さを感じさせないよう、新しく二重窓をつくって目隠しをし、断熱や遮音の機能もプラス
洗面スペース
玄関を入ってすぐの洗面スペース。ブラケット照明と間接照明の柔らかい光で廊下をホールのような空間に演出
間取図
自分たちの暮らしに合わせ、間取りは大胆に変更。こだわりはLDKだけでなく、玄関には土間スペースを横長に取り、収納も確保

リフォーム費用 1000万円台
面積 63.0m2
間取り 2LDK→2LDK+WIC
建物 中古マンション
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造
完工時築年数 築50年

Case3 築47年の一戸建てをフルリフォームでゲストハウスに

新築するよりも費用面で無理がないという点に加え、まだ使える家は修復して活用したいという思いが重なり、フルリフォームを選択したTさん。コストが抑えられた分、デザイン性も機能性も妥協せずに部屋づくりができたそうです。現在、フルリフォームした一戸建てはゲストハウスとして活用しています。

ゲストが団らんを楽しむ場所となる1階は、日本家屋ならではの味は残しつつ、開放的な空間にするため、筋交い(すじかい)という補強材を残して壁を撤去。2階は休息とくつろぎの場所としてプランニングし、くつろぎ感のある和モダンな空間に仕上げました。随所に築47年の日本家屋ならではのレトロな雰囲気も残しつつ、機能は刷新。工事費用は1000万円以下で、こだわりのつまったおもてなしの空間へと生まれ変わりました。

1階LDK
筋交いは飾り棚として活用。窓には外からの視線を遮りつつ、柔らかい自然光を取り込める障子を設置
2階寝室・和室
もともとカーペットだった洋室は畳敷きにして和モダン空間に。また、ベッドの背面には高さ1mの壁を造作。ヘッドボード代わりとなるのに加え、壁の裏の床面に間接照明を設置することで、リラックスできる雰囲気を演出
間取図
1階は団らんのスペース、2階はくつろぎのスペースに

面積 56.28m2
間取り 3LDK→2LDK
建物 戸建て
構造 木造在来軸組工法
完工時築年数 築47年

既存の建物を上手く活用すれば、建て替えをしなくても、予算に合わせて希望の住まいをつくることは可能です。これからのサステナブルな住まい方の選択肢の一つとして、フルリフォーム(全面リフォーム)を検討してみるのはいかがでしょうか。

まとめ

フルリフォーム(全面リフォーム)とは基礎部分は残し、全面的に改修などを行うこと。建て替えよりも費用や工期を抑えられる

一戸建てのほうがマンションよりもリフォーム費用は高くなる傾向。また、築年数や、リフォーム箇所によっても費用は大きく異なる

省エネ・バリアフリー・耐震などに関わるリフォームなら、補助金や減税制度を活用して費用を抑えることもできる

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取材・文/島田美那子
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