マイホームをリフォームすると、所得税や固定資産税など税金が優遇される制度がある。まず、所得税の減税制度を紹介しよう。
一定の条件に合うリフォームをした場合、工事費の一部について所得税の控除を受けられる。所得税の控除には、【1】リフォーム促進税制、【2】住宅ローン控除の2種類の制度がある。制度の適用を受けるためには税務署への確定申告が必要だ。
「耐震」「バリアフリー」「省エネ」「(三世代)同居対応」「長期優良住宅化(耐久性向上)」について、一定要件を満たすリフォーム等が対象。当制度は2025年12月31日までにリフォームを行う場合に適用される。
さらに2024年度の税制改正で、子育て世帯や若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳の世帯)が、子育てに対応した住宅リフォームを行う場合に、標準的な工事費用相当額の10%に相当する額(最大25万円)が所得税から控除されることになった。
●リフォーム促進税制の内容
控除限度額に一定の控除率をかけた金額が、リフォームが完了した年の所得税から控除される。控除率は工事内容によって異なり、減税対象の工事費は10%(表1)、その控除限度額を超える分の工事費については5%になる(表2)。
控除額は、下の表1と表2の合計額だ。
「耐震・省エネ・同居対応・長期優良住宅化」の最大控除額は「62.5万円((表1)25万円+(表2)37.5万円)」、「バリアフリー」の最大控除額は「60万円((表1)20万円+(表2)40万円)」となる。
「耐震」「省エネ」「長期優良住宅化」工事と併せて太陽光発電設備を設置する場合は、減税対象の工事費(表1)の控除限度額が100万円アップし、最大控除額は「67.5万円((表1)35万円+(表2)32.5万円)」となる。
また、2種類以上のリフォームを併せて行う場合は、表1の控除を併用できる。例えば「耐震・省エネ・同居対応・バリアフリー」の工事を全て行い、併せて太陽光発電工事もする場合、表1の控除限度額は1050万円(250万円×3+200万円+100万円)、最大控除額は105万円にもなるのだ。ただし、「長期優良化」と「耐震・省エネ」の控除は併用できないので注意しよう。
耐震・省エネ(※2)・同居対応・長期優良住宅化(※2) | バリアフリー | |
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控除限度額 | 250万円(※3) | 200万円 |
控除率 | 10% | 10% |
最大控除額 | 25万円 | 20万円 |
控除限度額 | 以下2つの少ないほうの金額 ・1000万円-【表1】の控除限度額 ・減税対象の工事費(全額) |
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控除率 | 5% |
最大控除額 | 40万円(※5) |
リフォームローン等(返済期間10年以上)を借りて行う、一定要件を満たすリフォームが対象。「リフォームした後の住宅の専有面積が50m2以上」「リフォーム工事費用は補助金等を除いて100万円を超えていること」などの条件がある。
●住宅ローン減税の内容
改修後、居住を開始した年(※)から10年間、所得税から最大140万円が控除される(一般的な住宅の10年間の合計控除額)。ただし、所得税より控除額の方が多い年は「控除額=所得税額」となり、差額(控除額ー所得税額)の一部が翌年の住民税から控除される。
※2025年12月31日までにリフォームした住まいに入居する場合。詳しくは下記のリンクを参照。
一定要件を満たすリフォームをすると、家の所有者に毎年かかる「固定資産税」の減額も受けられる。また、親や祖父母から資金援助を受けてリフォームする場合、一定要件を満たせば贈与税が非課税になる制度などもある。
対象となるのは下記のリフォームで、いずれも2026年3月31日までに工事完了するリフォームが対象。工事完了後3カ月以内に、所在する市区町村への申告が必要だ。
親や祖父母から資金援助してもらって一定要件を満たす住宅のリフォームを行うと、一定の贈与額まで、贈与税が非課税になる制度もある。
→詳しくは住宅購入の贈与税と非課税枠
「グリーン住宅ポイント制度」は、一定の省エネ性能を持つリフォーム等をした場合、商品や追加工事と交換できるポイントがもらえる制度。新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済回復策の一つとして導入された。
40歳未満の世帯や18歳未満の子を有する世帯の場合、「自宅のリフォーム」では最大45万円相当、「中古住宅購入+リフォーム」の場合は最大60万円相当のポイントが付与される。対象は、2020年12月15日~2021年10月31日に契約した、一定の省エネ性能を持つ「中古住宅購入+リフォーム・自宅のリフォーム」などだ。
申請受付は2021年12月15日で終了している。
→詳しくはグリーン住宅ポイント制度