新築住宅を買うときの購入手続き、費用と支払時期を解説/住まいのお金・制度のマニュアル#1

公開日 2023年07月26日
新築住宅を買うときの購入手続き、費用と支払時期を解説/住まいのお金・制度のマニュアル#1
新築住宅を買うときの購入手続き、費用と支払時期を解説/住まいのお金・制度のマニュアル#1のイラスト

新築マンション・新築一戸建てを買うとき、いつまでにいくら用意すればいいのか。どんな費用が必要かチェックして、現金の準備を早めにしておこう。

新築住宅を買うときの支払いスケジュール

支払い時期と金額の目安を知っておこう

新築マンションや一戸建てを買うときの、費用の目安は次の通り。購入物件が決まったら百万円単位のお金が必要になるので、定期預金の解約や持ち株の売却など現金の準備は早めにしよう。また、売買契約から引き渡しまでの期間は物件により異なり、新築マンションのなかにはこの期間が1年以上の物件もある。こういった物件なら、引き渡しまでの間に貯蓄を頑張って費用を捻出することも可能だ。

費用の支払い時期と金額の目安

購入物件が決まったらすぐに支払う
【購入申し込み】 申込証拠金(2万円~10万円。不要な物件もある)
【売買契約】 手付金(価格の5%~10%)、購入諸費用(印紙税1万円<※1>、新築一戸建ては仲介手数料の半金<※2>)

引き渡しまでに支払う
【ローン契約】 印紙税(2万円/※1)
【引き渡し前】 購入物件の残代金(物件価格-手付金等)、購入諸費用(目安/新築マンションは価格の3%~5%、新築一戸建ては6%~10%)

引き渡し後に支払う
【引越し】 引越し代や家具購入費用など(50万円~)
【半年~1年半後】 不動産取得税(物件により異なり、税額ゼロのケースもある)

◆家を買った後ずっと支払う
・住宅ローン返済、家の所有者にかかる税金、管理費(マンション)等のメンテナンス費用など。(詳しくは「購入後にかかるお金」)

※物件や住宅ローンの条件などにより、上記の目安額と異なるケースもある。
<※1> 物件価格1000万円超え5000万円以下の場合
<※2> 新築一戸建てにかかる仲介手数料は「(売買代金×3%+6万円)+消費税10%」が上限。契約時と引き渡し時に半金ずつ支払うのが一般的(上記の【引き渡し前】の購入諸費用は仲介手数料の半金を含んだ目安)。売主が直接販売するケースなど仲介手数料がかからない物件もある

新築住宅購入の場合、消費税は何にかかる?

新築住宅の場合、消費税は「建物分の価格」にかけられる。例えば、価格4000万円の物件のうち、建物分の価格が2000万円なら消費税額は「2000万円×10%=200万円」、税込み価格は4200万円となる。このほか、購入諸費用のうち、仲介手数料、ローン借入費用、司法書士報酬などにも消費税がかかる。

消費税10%増税と新築マンション購入

購入物件が決まったら「すぐに支払う」費用

購入申し込み時に「申込証拠金」が必要な物件もある

「購入申し込み」とは、物件を買う意思を売主(不動産会社)に正式に伝える手続きのこと。このとき2万円~10万円の「申込証拠金」が必要な物件もある。このお金は売買契約時に「手付金」に充てられるが、契約前にキャンセルする場合は返却されるのが一般的。支払時には「預かり証」をもらっておこう。

売買契約時に払う「手付金」は、売買代金の一部になるお金

売買契約は、購入申し込みの1週間くらい後に行われる。契約時に支払う「手付金」の金額は、購入申し込み時に売主と買主とで話し合って決めるが、売買代金の5%~10%が多いようだ。
「手付金」は売買代金の一部となるお金だが、契約後の一定の期間に買主の都合でキャンセルする場合は戻ってこないので注意しよう。一方、売主の都合でキャンセルされる場合、売主から買主に手付金の2倍の金額が支払われる。

このほか、契約時には以下の諸費用がかかる。

■売買契約時に支払う購入諸費用
諸費用の名称 内容
印紙税 売買契約書に収入印紙を貼る形で納める税金。税額は売買代金によって異なる。例えば物件価格が1000万円を超え5000万円以下の場合、税額は1万円(詳しくは「印紙税」)
仲介手数料の半金
(新築一戸建てに多い)
新築一戸建ての多くは、「(売買代金×3%+6万円)+消費税10%」を上限とする「仲介手数料」を不動産会社に支払う。契約時と残金決済時に半金ずつ払うことが多い。(売主の不動産会社による販売、または販売代理の場合、仲介手数料はかからない)

「引き渡し」までに支払う費用

引き渡し直前に「残金」を支払う

売買代金から手付金を引いた「残金」は、引き渡しの直前に指定された口座に振り込むのが一般的。これを残金決済という。ただし、残金の一部を「中間金」として、残金決済より早い時期に支払うケースもある。
住宅ローンを借りる金融機関にはローン申し込みの前に必ず、「残金決済の期日までに借りたお金が支払われるか」を確認しておこう。なお、住宅ローン借り入れ分のお金は金融機関から直接振り込んでもらうこともできる。

ローン借り入れや不動産登記などにかかる「購入諸費用」

引き渡しが近くなると、金融機関と住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を交わす。このとき、ローン契約書に貼る印紙代(印紙税)を支払う。そして、残金決済時にはローン借入費用や登記費用などを、それぞれ所定の口座に振り込む。購入諸費用の目安は、新築マンションは代金(価格)の3%~5%、一戸建ては6%~10%と、物件の条件や住宅ローンの借入額等による差が大きい。

■引き渡しまでに支払う購入諸費用
諸費用の名称 内容
印紙税
(ローン契約時)
ローン契約書に収入印紙を貼る形で納める税金。税額は借入額によって異なる(借入額が1000万円を超え5000万円以下の場合は2万円)
登記費用 不動産登記(所有権の保存や移転など)、抵当権設定登記の際に必要な登録免許税、登記を行う司法書士の報酬など。新築一戸建ては土地家屋調査士(登記のために建物を調査する)報酬もかかる。
ローン借入費用 事務手数料、保証料、火災保険料など。費用の内容や金額は、ローンの種類や金融機関によって異なる。
税金などの清算金 毎年かかる固定資産税や都市計画税について、日割りした金額を売主に支払う。このほか、地代や私道負担金(一戸建て)などを日割りして支払うケースもある。
修繕積立基金
(新築マンション)
新築マンションを購入する際に支払う。地域や物件、住戸の広さによって、20万円台~40万円台と幅がある。関東地方は50万円以上の物件も多い。
仲介手数料の半金
(新築一戸建てに多い)
新築一戸建ての多くは、「(売買代金×3%+6万円)+消費税10%」を上限とする「仲介手数料」を不動産会社に支払う。契約時と残金決済時に半金ずつ払うことが多い。(売主の不動産会社による販売、または販売代理の場合、仲介手数料はかからない)
水道負担金
(新築一戸建て)
一戸建てを購入する場合など、新たに水道を利用する際に必要になる場合がある。自治体によって、必要かどうかや金額も異なる。

「引き渡し後」に支払う費用

引越し代や家具購入費用などの「入居費用」

ファミリーの平均的な引越し費用の目安は10万円~20万円台(移動距離、家具の量、サービスプランによって異なる)。また、カーテン、照明器具、エアコンなど、入居時に購入する家具もある。そのほかに欲しい家具のある人やインテリアにこだわりたい人は、具体的な家具購入計画を立て、必要な費用を手元に残しておこう。

建物や土地を取得した人にかかる「不動産取得税」

不動産取得税」は、建物や土地を取得するとかかる税金。引き渡しの半年~1年半後に、都道府県から納税通知書が送られる。床面積50平米~240平米など一定の条件を満たす新築住宅は軽減措置が受けられ、新築マンションなどでは税額ゼロのケースも珍しくない。なお、この軽減措置を受けるための手続きは都道府県によって異なる。所定の期間内に申告が必要なケースもあるので、家の購入を決めたら不動産会社や都道府県の担当課に問い合わせておこう。

住まいのお金・制度のマニュアル
  1. 5-1. 家を買う・購入手続きと費用
  2. 新築住宅を買うときの購入手続き、費用と支払時期を解説
  3. 中古住宅を買うときの購入手続き、費用と支払時期を解説
  4. 土地を買って家を建てるときにかかる費用と支払時期を解説
  5. 家のリフォーム・増改築の流れ、かかる費用と支払時期を解説
  6. 5-2. 家を買う予算(購入予算)を決めておこう
  7. マイホームの予算の決め方。住宅資金(現金)と住宅ローンから考えよう
  8. 家が高くて買えないときはどうする?購入予算の見直しポイントを解説
  9. 5-3. 住宅ローン、銀行の選び方・選択方法
  10. 住宅ローンは金利タイプに注意!固定型・固定期間選択型・全期間固定型の特徴
  11. 住宅ローンの種類とは?民間ローン、【フラット35】などの特徴を解説
  12. 融資実行日、決済日など、住宅ローンのチェックポイントを解説
  13. 5-4. 住宅に関する資金計画の立て方
  14. 住宅ローンの資金計画。返済額、金利タイプ、返済期間、住宅資金から考えよう
  15. 3000万の住宅ローンはどう返す? 利息・金利・期間から返済計画を建てよう
  16. 5-5. マイホーム・住宅購入後にかかるお金と節約テクニック
  17. 住宅ローン返済、固定資産税、都市計画税など住宅購入後にかかるお金
  18. 住宅ローンの繰り上げ返済とは。仕組みや事例を解説
  19. 住宅ローン控除のための確定申告とは。申告期間や流れ、必要書類など
  20. 5-6. 家を買う・購入する前に知っておきたい住まい関連の諸制度
  21. 印紙税とは。不動産売買契約や金銭消費貸借契約(ローン契約)時の注意点
  22. 登録免許税とは。課税対象や税率、軽減措置の要件について解説
  23. 不動産取得税とは。税額の計算方法や軽減措置の要件について解説
  24. 固定資産税・都市計画税とは。小規模住宅用地や一般住宅用地の軽減措置を解説
  25. 住宅購入時の消費税のポイント。課税されるのは建物部分、軽減措置を解説
  26. 住宅ローン控除とすまい給付金を解説。要件や手続き、控除率・限度額など
  27. 住宅購入資金の贈与のポイント。非課税枠の金額と要件、相続時精算課税など
  28. 買い替え時に使える、譲渡損失の繰越控除とは。住宅ローン控除との併用も
  29. 長期優良住宅とは。認定基準の概要、住宅ローン控除などの優遇措置を解説
  30. 低炭素住宅とグリーン住宅ポイント制度・次世代住宅ポイント制度とは
  31. リフォームで受けられる減税。リフォーム促進税制、住宅ローン減税など解説
  32. 定期借地権とは。地代・敷金・権利金・解体準備費用などのコストを解説
  33. リフォーム瑕疵保険とは。保険加入の流れや支払い対象などを解説
  34. 既存住宅売買瑕疵保険とは。保険加入の流れや支払い対象などを解説
  35. 瑕疵担保責任とは。契約不適合責任との違い、新築・中古それぞれの注意点
  36. 環境性能表示制度とは。評価項目や自治体ごとの独自制度を解説
  37. 住宅性能評価書とは。評価を受ける流れや評価されるメリットを解説
  38. 【フラット35】リノベなど、中古住宅購入+リフォームができる住宅ローン
  39. 【フラット35】Sとは。プラン・金利や利用できる住宅の性能基準を解説
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