住宅ローンは、ローンの種類や金融機関によって、「手続きのしやすさ」や「借入費用」が違ってくる。このほか、万が一に備えた保険や繰り上げ返済手数料など「借りた後のサービス」もチェックして選ぼう。
下の図は、新築住宅を買う手続きと、住宅ローン借り入れ手続きの流れをまとめたもの。中古住宅も、内覧チェックを除きほぼ同じ流れで行われる。
ここで気を付けたいのは、物件購入の「残金決済」と、住宅ローンで借りたお金が支払われる「融資実行」のタイミングをそろえることだ。不動産会社や物件の「提携ローン」を借りる場合は、不動産会社と金融機関でタイミングが合うよう調整してくれるが、自分で住宅ローンを選ぶ場合は、ローンの申し込み前に必ず「残金決済時に融資実行をしてもらえるか」確認しておこう。
【フラット35】リノベや財形融資は、中古住宅の代金とリフォーム費用を同じ金利で借りられる。ただし、【フラット35】はリフォーム完成後に融資実行されるため、購入物件の残金決済から融資実行まで「つなぎ融資」が必要だ。一方、財形融資は、住宅の融資とリフォーム融資を別々に借りる形になる。このほか、民間ローンのなかには、融資実行を物件の残金決済時とリフォーム完成後の2回行うものもある。それぞれ費用が異なるので、金融機関に資金計画を立ててもらい、比較検討して選ぼう。
「土地を買って」「家を建てる」ときのローン選びのポイントは大きく2つ。ひとつは、土地の売買契約後に行う「ローン申し込み」までに、家の建築計画をどこまで進める必要があるか。もうひとつは、どのタイミングで「融資実行」が行われるか。ローンの選び方を間違えると、思い通りの家が建てられなかったり、諸費用が多くなったりするので、しっかりチェックしておこう。
リフォームの工事代金の支払い時期は施工会社と話し合って決めるのが原則だ。ただし、代金が100万円以上など高額の場合は、契約から完成までの間に2回~3回に分けて代金を支払うケースが多い。したがって、工事代金の大部分をリフォームローンを借りて支払う場合は、工事の完成前にローンの「融資実行」が行われるかがポイントとなる。施工会社やローン選びの段階で、「工事代金の支払い時期」と「融資実行時期」のタイミングが合うかどうか確認しておこう。
家を買うときに支払う購入諸費用のうち、比較的大きい金額になるのが住宅ローンの借入費用。ここでは借入費用のうち、ローンの種類や金融機関による差が大きい「手数料」「保証料」「団体信用生命保険料」について紹介。しっかりチェックしておこう。
住宅ローンの返済は30年前後と長く続く。民間ローンを選ぶときは、その間にどんなサービスが受けられるかチェックしておこう。住宅ローン関係のサービスのほか、ATMの時間外手数料無料など日常的なサービスが受けられる金融機関もある。
団体信用生命保険に加え、例えば、「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」などの疾病にかかり、所定の状態になった場合にも返済が不要になるなどの「オプション保険」を、任意で付けられる住宅ローンが増えている。また、【フラット35】や一部の民間ローンでは、夫婦で収入合算して1つの住宅ローンを借りる場合(※)、どちらかが死亡等の場合に返済が全て不要になるオプション保険を付けることができる。なお、オプション保険はいずれも有料で、金利に上乗せするケースと、返済とは別に支払うケースがある。
※1つの住宅ローンを夫婦のどちらかが主債務者、もう一方が「連帯債務者」となって借りること