住宅ローンの資金計画。返済額、金利タイプ、返済期間、住宅資金から考えよう/住まいのお金・制度のマニュアル#10

公開日 2023年07月26日
住宅ローンの資金計画。返済額、金利タイプ、返済期間、住宅資金から考えよう/住まいのお金・制度のマニュアル#10
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自分で資金計画を立てるのは難しいが、次のポイントさえ決めておけば、不動産会社や金融機関のスタッフが「あっ」という間に立ててくれる。家計に無理のない資金計画を立てるための大事なポイントを紹介しよう。

※図表中の返済額等の数値は概算値(千円未満四捨五入)

将来の家計を左右する「資金計画4ポイント」

返済額、金利タイプ、返済期間、住宅資金

資金計画を立てる上で最初に決めたいのは、『返済額』と『金利タイプ』だ。次に、ローン完済時の年齢を考えて『返済期間』を決めよう。この3ポイントが決まれば、モデルルームなどで不動産会社が借入額を計算してくれる。4つめの『住宅資金』は、家の購入時に支払う現金のこと。貯蓄全部を住宅資金にせず、一部は生活予備費として手元に残しておきたい。

■資金計画の例と「資金計画4ポイント」
資金計画の例と「資金計画4ポイント」

POINT1 毎月返済額とボーナス時加算額を決める

将来も返せるか考えて決めよう

住宅ローンの返済は、30年前後と長く続くケースが多いため、今だけでなく将来の家計プランも考えて返済額を決めよう。将来の家計プランは教育費がポイント。家を買った後の住居費を今より増やせるか、または今より減らしてその分生活費や教育費の貯蓄に回すのか考えてみよう。
なお、マンションは家を買った後、管理費や修繕積立金がかかるため、毎月返済額は、住居費から2万円程度を引いた金額とみておこう。また、マンション、一戸建てともに、固定資産税・都市計画税が毎年かかることも知っておこう。

今の住居費をもとに毎月返済額を決める

家計を見直して毎月返済額を増やす方法

ボーナス時加算額の決め方

POINT2 金利には3つのタイプがある

最初の金利だけで選ばない

「住宅ローンは金利が低いほうがオトク」と考えがち。しかし、金利が低いローンは、「変動型」や「固定期間選択型」など、返済中に金利や返済額が上がる可能性があるタイプが多い。一方、最初の金利は高めだが、最後まで金利や返済額が一定の「全期間固定型」タイプもある。金利タイプによって、将来の返済額が変わってくるので、よく見極めて選ぶことが大切だ。

金利タイプの選び方

ローンの種類の選び方

POINT3 返済期間は定年までの年数を基準にする

「定年の年齢-現在の年齢」が理想的な返済期間

退職金の金額や年金制度が不透明な今、定年退職以降も住宅ローン返済が続くと、老後の生活に不安を残す。このため、住宅ローンは定年退職までに完済するのが理想。
ただし、返済期間を短くすると、毎月返済額は高くなる(下表)。返済期間は1年単位で設定できるので、返済可能な範囲で短くするといいだろう。また、将来収入が増えたり、支出が減ったりする見込みがあるなら、最初は返済期間を長くして、返済途中で繰り上げ返済を行って返済期間を短くする方法を検討するとよいだろう。

■借入時の年齢別;返済期間の目安表(借入額1000万円、ボーナス時加算なし、金利1.7%の場合)
借入時の年齢と返済期間の目安表(借入額1000万円、金利2%の場合)

返済期間を短くする方法について詳しく知る

POINT4 住宅資金はいくら必要?

貯蓄から「入居費用や生活予備費」などを差し引いて計算

住宅資金は、家を買うのに必要な「購入諸費用」と「頭金」のために準備するお金。貯蓄のすべてを住宅資金に使ってしまうと、家を買った後の生活が不安なので、貯蓄から、引越し代などの「入居費用」や、病気・ケガなど万が一に備える「生活予備費」などを差し引いた金額にしておこう。

住宅資金の計算方法

「頭金」は価格の2割以上用意するのが理想

「頭金」は家の代金(価格)のうち現金で支払う分のこと。一般的に価格の2割以上が理想、少なくとも1割以上用意したいといわれている。頭金が多ければ借入額が少なく済み、返済の負担も減るからだ。また、頭金が少なくローン借入額が多いと、将来売却する事情ができたとき、売ったお金だけでは住宅ローンを完済できないというリスクもある。

「頭金」が少なくても買える人

貯蓄から「入居費用や生活予備費」を差し引くと、十分な頭金が払えない場合、家を買わないほうがいいのか。家賃を払いながら数年かけて貯めることを思うと、頭金が少なくても今買うほうが、長い目で見てトクできる場合もある。以下の4つの条件を満たせる人は、購入を検討してもいいだろう。

  • 家を買って永く住むつもり(売却する可能性は低い)
  • 無理のない返済額、金利タイプ、返済期間をもとに借入額を決めている(POINT1~3参照)
  • 手元に「入居費用」と「生活予備費」の貯蓄を残している
  • 家を買った後、返済と並行して貯蓄に励み、早い時期から繰り上げ返済をする

最低でも「購入諸費用」分の現金は用意する

購入諸費用の額は家の種類によって異なり。その目安は以下の通り。購入諸費用専用のローンもあるが、住宅ローンより金利が高いケースが多いので、上の条件を満たす人でも、購入諸費用分の現金だけは用意しよう。

  • 新築マンション 物件価格の3%~5%
  • 中古マンション 物件価格の6%~8%
  • 一戸建て 物件価格の6%~8%
住まいのお金・制度のマニュアル
  1. 5-1. 家を買う・購入手続きと費用
  2. 新築住宅を買うときの購入手続き、費用と支払時期を解説
  3. 中古住宅を買うときの購入手続き、費用と支払時期を解説
  4. 土地を買って家を建てるときにかかる費用と支払時期を解説
  5. 家のリフォーム・増改築の流れ、かかる費用と支払時期を解説
  6. 5-2. 家を買う予算(購入予算)を決めておこう
  7. マイホームの予算の決め方。住宅資金(現金)と住宅ローンから考えよう
  8. 家が高くて買えないときはどうする?購入予算の見直しポイントを解説
  9. 5-3. 住宅ローン、銀行の選び方・選択方法
  10. 住宅ローンは金利タイプに注意!固定型・固定期間選択型・全期間固定型の特徴
  11. 住宅ローンの種類とは?民間ローン、【フラット35】などの特徴を解説
  12. 融資実行日、決済日など、住宅ローンのチェックポイントを解説
  13. 5-4. 住宅に関する資金計画の立て方
  14. 住宅ローンの資金計画。返済額、金利タイプ、返済期間、住宅資金から考えよう
  15. 3000万の住宅ローンはどう返す? 利息・金利・期間から返済計画を建てよう
  16. 5-5. マイホーム・住宅購入後にかかるお金と節約テクニック
  17. 住宅ローン返済、固定資産税、都市計画税など住宅購入後にかかるお金
  18. 住宅ローンの繰り上げ返済とは。仕組みや事例を解説
  19. 住宅ローン控除のための確定申告とは。申告期間や流れ、必要書類など
  20. 5-6. 家を買う・購入する前に知っておきたい住まい関連の諸制度
  21. 印紙税とは。不動産売買契約や金銭消費貸借契約(ローン契約)時の注意点
  22. 登録免許税とは。課税対象や税率、軽減措置の要件について解説
  23. 不動産取得税とは。税額の計算方法や軽減措置の要件について解説
  24. 固定資産税・都市計画税とは。小規模住宅用地や一般住宅用地の軽減措置を解説
  25. 住宅購入時の消費税のポイント。課税されるのは建物部分、軽減措置を解説
  26. 住宅ローン控除とすまい給付金を解説。要件や手続き、控除率・限度額など
  27. 住宅購入資金の贈与のポイント。非課税枠の金額と要件、相続時精算課税など
  28. 買い替え時に使える、譲渡損失の繰越控除とは。住宅ローン控除との併用も
  29. 長期優良住宅とは。認定基準の概要、住宅ローン控除などの優遇措置を解説
  30. 低炭素住宅とグリーン住宅ポイント制度・次世代住宅ポイント制度とは
  31. リフォームで受けられる減税。リフォーム促進税制、住宅ローン減税など解説
  32. 定期借地権とは。地代・敷金・権利金・解体準備費用などのコストを解説
  33. リフォーム瑕疵保険とは。保険加入の流れや支払い対象などを解説
  34. 既存住宅売買瑕疵保険とは。保険加入の流れや支払い対象などを解説
  35. 瑕疵担保責任とは。契約不適合責任との違い、新築・中古それぞれの注意点
  36. 環境性能表示制度とは。評価項目や自治体ごとの独自制度を解説
  37. 住宅性能評価書とは。評価を受ける流れや評価されるメリットを解説
  38. 【フラット35】リノベなど、中古住宅購入+リフォームができる住宅ローン
  39. 【フラット35】Sとは。プラン・金利や利用できる住宅の性能基準を解説
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