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「文教住宅都市」掲げる西宮市は、幅広い層からの支持を集める
5年連続でランキング1位に輝いたのは西宮市。2位の大阪市北区との得点差を広げて、男女やライフステージの違いを問わず、すべての層からトップの支持を得ている。西宮北口、夙川といった「住みたい街」ランキングでも上位に入る人気のエリアがあり、市が「文教住宅都市」を目指すことを宣言していること、そして新築マンションなどの住宅供給も数多くあることから、住みたい行政区として根強い人気を集めている。
西宮市は、阪神間の憧れの住宅地として大正時代から開発が行われてきた。なかでも西宮七園と呼ばれる「甲東園」「甲子園」「甲陽園」「苦楽園」「香櫨園」「甲風園」「昭和園」のエリアは特に人気が高い。市内には阪神甲子園球場や西宮戎神社、門戸厄神、夙川沿いの桜並木、ららぽーと甲子園、阪急西宮ガーデンズといったさまざまなスポットがあり、市外から訪れる人も多い。
市街地は南北に長く、東西に阪急、JR、阪神の各路線が貫くかたちとなっている。阪神甲子園駅では立体交差化を伴うリニューアル工事が進んでおり完成も近い。六甲山の麓に沿うように邸宅街が広がり、海側に向かうにつれて下町情緒が残る街並みに。一方、山を越えた「名塩地区」での住宅開発も行われ、居住エリアが拡大している。また、海岸部では「西宮浜」の埋め立てが行われ、大規模なニュータウンや業務施設に加え、ヨットハーバーの整備もされている。
阪神・淡路大震災が、西宮市が大きく変貌する契機となり、西宮北口駅周辺を中心として復興と再開発が進められた。近年ではアサヒビール西宮工場跡地の再開発計画の検討が進められており、さらなる発展が期待される。
なお、近年は人口増加が続き、市が発表している2017年6月時点の西宮市の推計人口は48万8597人。この人口の増加は「保育施設や公立学校の不足」という新たな課題も生みだすことになり、2016年4月には高木北学校を開校したほか、校舎の増改築といった対策を進めている。それでも追いつかないと想定されるエリアでは「住宅開発抑制」の条例を設けて、開発の延期や変更を求めている。
待機児童対策は早くから進めており、2010年度から「待機児童ゼロ」を目指した取り組みをスタートさせている。結果、2013年度から2年連続でゼロの目標を達成。しかしながら、保育需要の増加によって2015年は76名、2016年は183名、2017年4月時点は323名と待機児童数は増加している。市は子育て環境の一層の充実が政策課題と認識しており、2019年4月までに1500人の定員を増やす方針で、特区制度を利用した公園内保育所も設置する予定だ。
人を惹きつける魅力を備えているから都市だからこそ、こうした課題も生まれる。これからも市がしっかりと問題に向き合うことで、「文教住宅都市」の名はより強固なものになっていくだろう。
住みたい街ランキング2017関西は5年連続で兵庫県西宮市
阪神間の憧れの住宅地として幅広い層から支持を集める
文教住宅都市として待機児童対策にも早期から注力している
■1位 兵庫県西宮市 ■2位 大阪府大阪市北区 ■3位 兵庫県神戸市中央区 ■4位 兵庫県神戸市東灘区 ■5位 大阪府大阪市中央区 ■6位 京都府京都市中京区 ■7位 大阪府吹田市 ■8位 兵庫県芦屋市 ■9位 大阪府豊中市 ■10位 大阪府高槻市