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3LDKといっても、部屋の配置や形によってタイプはさまざま。だから、どんな間取りが住みやすいのか気になるところ。今回は新築マンション購入者300人に、住んでみたい間取りのアンケートを実施した。アンケートの結果をもとに人気の間取りにはどんな特徴があるのか、どんな暮らしができるのか、建築家の染谷さん、知的家事プロデューサーの本間さんに話を伺ったので参考にしよう!
室内と同じくらいの広さがあるルーフバルコニーは多くの人にとって憧れで、一番人気となった。アンケートでは「とびきりの開放感」「ガーデニング天国」「外ごはんや外カフェが楽しめる」「風景を見ながらのんびり日なたぼっこ」「親子で遊べる」など、豊かな暮らしが期待できそうという声が多かった。各居室に収納が完備され、物が多くても暮らしやすい間取りだ。
時間や方角を気にせず洗濯物を干せるが、広い分、汚れがたまらないよう、こまめな掃除が必要だ。「すぐ動かせない物の設置やバーベキューの可否など、管理規約の確認が必須。階下は人が暮らす部屋なので音に注意」(染谷さん)
また、住んでいるとベランダの防水が弱くなったり、塗装がはがれるなど経年劣化は避けられない。バルコニーは共用部のため、各住戸で修繕や工事を依頼せず管理組合が対応する。防水や塗装工事はマンションの大規模修繕の項目に含まれているため、修繕計画書で工事のタイミングを確認しよう。また、大規模修繕工事の予定時期よりも早く劣化している場合は管理組合に相談するとよいだろう。
引き戸は開放していても邪魔にならず、開き戸に比べて家具の配置に制約が生じない。「開放しておけるので部屋にいる子どもの様子が把握しやすくなります。ただし遮音性が低いため、プライバシー重視の部屋には向きません」(染谷さん)
バルコニーにシンクと水栓があれば、靴やアウトドア用品を洗ったり、植物の水やりなどに便利。「近くにコンセントが付いていることも多く、高圧洗浄機を使ったり、テーブルライトを置くなど用途が広がります」(本間さん)
アイランドキッチンと充実した収納が魅力の間取り。「アイランドは上に吊り戸棚がないのでスッキリ感じる」「オープンで家族の一体感をもてる」「親子で料理を楽しめる」「料理教室を開けそう」「LDKが広く使える」と好印象。ウォークスルークローゼットは「収納しやすくて、部屋に物を置かずにすみそう」「回遊プランは絶対暮らしやすいはず」という意見が多かった。
アイランドキッチンは両側から回り込めて動線が楽な上、複数人で囲めるので、家族で料理や片付けがしやすい。「子どもの食育や片付けの習慣付けに良いですね。ただし、オープンなキッチンは水はね・油はねが気になるのでこまめに掃除する人向きです」(本間さん)
「ウォークスルークローゼットは両側から使えるので、LDK側と寝室側に置く物の割合を変えられて便利です。ただし、収納内の通路スペースにはあまり物を置けないので、空間全体に収納できるわけではない点に注意が必要です」(本間さん)
「リビングと隣室の仕切りは大開口の引き戸タイプが多く、広々使えるのが魅力。洋室を子ども部屋にして普段はオープンにして使えば、親の気配を感じながら宿題に集中できます。共用の書斎にするのもオススメ」(染谷さん)
タワーマンションでよく見られるような全室横並びプラン。LDと3居室に窓があり、明るく開放的だ。「昼間はどの部屋も照明が必要なさそうで良い」「洗面所や浴室が寝室に近くて、来客があっても気にせず使える」「ワイドスパンの間取りは広く感じる」など、配置が気に入ったという意見が多かった。
全ての居室が同じ向きで、同じ明るさを確保。個室に広めのバルコニーが付いているので趣味的空間としても活用できそうだ。「ただ、バルコニーへ出るときは個室を通らなければならない点はチェックしておきましょう」(本間さん)
家族共有のクローゼットは季節用品などの収納にも便利。「洋服も物も多いので、廊下に面して広い収納があるのは魅力的」「1カ所収納は管理がしやすい」という意見が多かった。和室そのものが魅力と感じた人も多く、「リビングに隣接していて昼寝や洗濯物を畳むときに便利」という点も好評価となった。
「特に子どもが小さい場合、家族全員の洋服を1カ所にしまえるファミリークローゼットがあると便利。洗濯後の収納をはじめ、衣類の量の管理や衣替えの際にラクです。来客のコートを一時的に預かるときにも使いやすいですよ」(本間さん)
「廊下からもリビングからも入れて、共有空間・個室としてフレキシブルに使えます。押入れがあると布団をしまえるので、親がよく泊まりにくる家なら客間としても便利。お子さんの昼寝部屋にするのもいいですね」(本間さん)
タワーマンションによく見られる三角形の空間がある間取り。「明るさと開放感が最大の魅力」「大パノラマを楽しめそう」という評価が多数を占めた。「変わった間取りでカッコいい」「リビングの壁全面が窓でおしゃれに感じる」という意見もあり、個性ある空間デザインを想像させてくれる間取りのようだ。
高層階なら青空や星空が綺麗に見えて、街並みも見下ろせるなど、心豊かに暮らせそう。ただし注意点も。「これだけ窓が大きいと、方角次第では夏の日差しが厳しいです。遮熱カーテンやブラインドを活用しましょう」(染谷さん)
大きな窓から眺望を楽しみながら料理ができる明るいキッチン。「窓辺にカウンター収納があるL字キッチンとして使えて、作業効率が良さそうです。ただし、食器や調理家電を置くスペースが少ないので、収納面での工夫が必要ですね」(本間さん)
バルコニーに面して4つの空間が横並びに配置されたワイドスパンな間取り。特に、浴室に大きな窓があるのはマンションではレアケースだ。「夜空を見ながら入浴できる!」「昼間に入浴するのが気持ち良さそう」と好評だった。上の間取りは廊下が長いのも特徴で、絵を飾ったり棚を造り付けて活用したい。
「日当たりと風通しが良いので気持ち良く入浴ができます。洗濯物の浴室干しにも向いています」(本間さん)。「バルコニーに面しているので、よしずで囲んだり植物を置いたりして坪庭的空間にすれば、入浴時、緑に癒やされますよ」(染谷さん)
キッチンの一角に大きめの収納があり、食品庫やリビング収納として活躍する。「一般的なキッチンは吊り戸棚である程度の収納量を確保しますが、収納庫があれば吊り戸棚を設けずに済むので、その分、開放的に家事を行えます」(染谷さん)
バルコニーに面して全ての居室に大きな窓があり、バルコニーに直接出られるので、開放感が大きいのが魅力だ。「バルコニーを部屋の延長として使えるから実際以上の広さを感じる」「日当たりも風通しもとても良さそう」「窓が大きいから眺めが良さそう」「のびのび暮らせそう」という意見が多く見られた。
どの部屋からもバルコニーに直接出られるので、毎日布団を干したいという人にとって楽なプラン。「L字なので、日差しのある方角を選べば時間を気にせずに洗濯物を干せるのがいいですね」(本間さん)
「キッチン、洗面室、浴室、トイレという水まわり空間が1カ所に固まった間取りは、将来、家族構成等が変わった際に水まわり以外の部屋の壁を取って大きな空間にリフォームしやすいです」(染谷さん)
調理中や後片付け前の雑多な状態がリビングから見えないほうが良いと思う人に人気の間取りだ。「料理の匂いや音がリビングに伝わらない」「料理に集中できる」「くつろぎ空間と調理空間を分けられる」という点で評価。また「3つの居室がバルコニー側にある」「廊下が小さく、空間に無駄がない」という理由も。
独立キッチンはリビングに生活感が出ない点、壁面が多くて収納量が多い点が魅力。「油はねでリビングが汚れないのも利点。料理には集中できますが、配膳や片付けに手間がかかるのが気にならない人向きですね」(本間さん)
「バルコニー側の洋室を子ども部屋にすればリビングを必ず通るので、帰宅時にコミュニケーションを取りやすく、部屋の様子も把握しやすいです」(染谷さん)。忙しくても家族の様子に気を配りたい人、家族の交流を大切にしたい人向きのプランだ。
共用廊下に面しておらず、プライバシー性の高さが特徴だ。「防犯性が高そう」「玄関の独立性が高い」などの意見が見られた。また、ポーチに物を置いても良いという管理規約なら、外まわりの物の出し入れが楽で家の中に汚れを持ち込まずに済む。「自転車整備に使える」「緑に囲まれた玄関にできる」との意見も。
他の住人が部屋の前を通らないので、共用廊下に面した住戸に比べてプライバシーを保ちやすい。ベビーカーや生協の宅配ボックス等、外で使う物も置けて便利。「ただ、あくまでも共用部分なので、すぐに移動可能な物しか置けません」(染谷さん)
バルコニーで育てたハーブなどをすぐ料理に使えたり、かさばる缶や瓶などのゴミ箱置き場にしても便利。「コンロで火を使うと冷房が効きにくくなりますが、すぐ横に窓があれば温度調節や換気がしやすいですよ」(本間さん)
住戸の中央にアイランドキッチンが配置され、料理中でも家族の様子が分かりやすいのが魅力。「みんなが自然とキッチンに集まってきそう」「洗面室に行くたびにリビングを通るのでコミュニケーションをとりやすい」「家族が個室にいてもドアを開けておけば気配が分かりやすい」などの意見が見られた。
キッチンと洗面室が隣接しているので、料理をしながら洗濯をしたり、子どもの入浴の世話をしたりと家事の同時進行がラク。「ただし、センターキッチンは油煙が部屋中に広がりやすくて、掃除の手間がかかります」(染谷さん)
他の間取りに比べて洗濯動線が短いのが特徴。「一般的に洗面室は廊下に面し、バルコニーから離れていることが多いのですが、洗濯物を持ってドアを開けてという作業を日々やるのは意外と大変。ドアが少ないと移動が楽になります」(本間さん)
家族の人数によって人気の間取りは変わるのか、2人家族・3人家族・4人家族ごとのランキングを見てみよう。
全体順位よりも順位を上げているのは、僅差で一番人気となった「アイランドキッチン」や、「ファミリークローゼット」「独立型キッチン」「センターキッチン」。「ファミリークローゼット」のほかは全てキッチンが特徴の間取りとなっており、2人家族はキッチンプランを重視する傾向にありそうだ。
| 順位 | 間取り | 票数 |
|---|---|---|
| 1位 | アイランドキッチンがある(全体2位) | 55 |
| 2位 | ルーフバルコニーがある(全体1位) | 54 |
| 3位 | ファミリークローゼットがある(全体4位) | 50 |
| 4位 | 独立型キッチンがある(全体8位) | 43 |
| 5位 | 全居室が横並び(全体3位) | 42 |
| 6位 | 三角リビングがある(全体5位) | 41 |
| 7位 | L字バルコニーがある(全体6位) | 40 |
| 8位 | センターキッチンがある(全体10位) | 36 |
| 9位 | 浴室がバルコニーに面している(全体6位) | 32 |
| 10位 | 専用ポーチがある(全体9位) | 31 |
全体順位と同じく「ルーフバルコニー」がダントツ人気。また、ランク外の「専用庭がある間取り」が9位に。子どもが遊べるという子育て目線の意見のほか、ガーデニングできるなどの意見が目立った。「バルコニーに面した浴室」や「専用ポーチ」もランクアップ、ゆとりが感じられる間取りが人気のようだ。
| 順位 | 間取り | 票数 |
|---|---|---|
| 1位 | ルーフバルコニーがある(全体1位) | 64 |
| 2位 | アイランドキッチンがある(全体2位) | 49 |
| 3位 | ファミリークローゼットがある(全体4位) | 45 |
| 4位 | 浴室がバルコニーに面している(全体6位) | 42 |
| 5位 | 全居室が横並び(全体3位) | 41 |
| 6位 | L字バルコニーがある(全体6位) | 40 |
| 7位 | 専用ポーチがある(全体9位) | 39 |
| 8位 | 独立型キッチンがある(全体8位) | 36 |
| 9位 | 専用庭がある(全体ランク外) | 34 |
| 10位 | 三角リビングがある(全体5位) | 31 |
4人家族が日当たりのよい空間で心地よく暮らせそうとの意見があった「全居室横並び」が1位に。廊下が短く、有効面積が広い点も人気の一因だ。ほかに、眺望のよい「三角リビング」、家事動線のよい「センターキッチン」が順位を上げており、家族が一緒に過ごすLDKの快適さを重視する意見も目立った。
| 順位 | 間取り | 票数 |
|---|---|---|
| 1位 | 全居室が横並び(全体3位) | 57 |
| 2位 | 三角リビングがある(全体5位) | 54 |
| 3位 | アイランドキッチンがある(全体2位) | 49 |
| 4位 | ルーフバルコニーがある(全体1位) | 48 |
| 5位 | 浴室がバルコニーに面している(全体6位) | 43 |
| 6位 | L字バルコニーがある(全体6位) | 37 |
| 6位 | センターキッチンがある(全体10位) | 37 |
| 8位 | ファミリークローゼットがある(全体4位) | 36 |
| 9位 | 専用ポーチがある(全体9位) | 35 |
| 10位 | 独立型キッチンがある(全体8位) | 30 |
最後にマンションの3LDK間取りのメリットと注意点をそれぞれ見ていこう。
持ち物が多い家庭は、収納スペースの確保も重要なポイントだ。クローゼットのほかに収納スペースがあると、部屋の中が乱雑にならずに過ごすことができるはずだ。
3LDKの場合、夫婦の寝室と子どもが1人か2人であればそれぞれに個室を与えられる。家族間のプライバシーを確保しながら住みたいという希望もかなえられるだろう。
夫婦2人と子ども1人の3人家族の場合、夫婦の寝室と子ども部屋のほかに趣味の部屋やワークスペースに利用できる。リモートワークをする場合は1室あると便利だ。
夫婦2人家族の場合、3LDKは少々広すぎるように感じるかもしれない。使っていない部屋があると掃除やメンテナンスが必要になったり、収納スペースがあると物が増えることもあるため、手間が増える可能性がある。
また、子どもが3人以上になる可能性がある家庭も要注意だ。2人までは個室を持てるが、3人以上になると2人で1部屋を使うことになる。あらかじめ1部屋を2部屋に区切って使える仕様にしておくなどの工夫も考えておこう。
多様なタイプを見比べて生活に合う間取りを選ぼう
間取り選びは「暮らし選び」。ランキングも各間取りでの暮らし方をイメージした上での回答が寄せられた。あなたも多様な間取りを見比べて、実現したい暮らしが叶う間取りを選ぼう。
2人家族では、アイランドキッチンやルーフバルコニー、独立型キッチンなど、キッチンを重視する間取りが人気
3人家族では、ルーフバルコニーや専用庭付きなどが人気で、ゆとりを感じる間取りが人気
4人家族では、日当たりが良い全室横並びや▽リビングなど、LDKの快適さを重視する間取りが人気
2018年11月13日『SUUMO新築マンション』
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